スティーヴ・ヴァイ 「インヴァイオレット」 -MUSIC GUIDE ミュージックガイド

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ニューリリース情報

新作 CD アルバム! スティーヴ・ヴァイ

Steve Vai ”Inviolate”

スティーヴ・ヴァイ

New Album 『 インヴァイオレット 』


★「7弦ギターの魔術師」とも呼ばれる スゴ腕のロック・ギタリストでソング・ライター!
★ フランク・ザッパ、デイヴィッド・リー・ロス・バンド、ホワイトスネイクで活躍!
★ 10年ぶりとなるオルジナル・アルバム!


★ ハードロック / メタル系 の ギター・インスト・アルバム!
★ エレクトリック・ギターの可能性を追求した、まさに ギター・イリュージョン!
★ テクニックだけでなく、ポップでメロディアス、ドライブ感あふれる心地よいフレーズ!


スティーヴ・ヴァイと言えば、ヴァン・ヘイレンのヴォーカルだった デヴィッド・リー・ロス のヒット曲『まるっきりパラダイス』(Just Like Paradise、1988年、アルバム「Skyscraper」収録)での圧倒的な聴かせるギターでも知られる。
 
「ギター・イリュージョン」と呼ぶにふさわしいその革新的で変幻自在のプレイスキルと、独創性溢れるソングライティングで、40年近くにわたり「奇才ギタリスト No.1」の地位を独占してきたロック・ギタリストの最高峰 スティーヴ・ヴァイ。
 
スタジオ作品としては 6年ぶり、純粋な書き下ろし作品としては実に 10年ぶりとなるオルジナル・アルバム『インヴァイオレット』(Inviolate) が、2022年 1月26日 日本先行発売(海外発売日は1月28日、アナログLPは 3月18日にリリース予定)。

Larry DiMarzio

80年代初頭にフランク・ザッパ・バンドに加入して以来、アルカトラス、デイヴィッド・リー・ロス・バンド、ホワイトスネイクといったスーパー・バンドのギタリストとして活躍し、90年代に入りソロ活動に専念してからは、グラミー賞3度の受賞に加え9度もノミネートされるなど、ギタリストとして破格の成功を収めてきたスティーヴ・ヴァイ。
 
2012年のアルバム『ザ・ストーリー・オブ・ライト』発表以降は、多くの時間をツアーに費やしており、日本へは13年と14年に単独ツアー、17年と19年はヴァイが主宰するスーパー・ギタリスト5人によるライヴ・イヴェント“ジェネレーション・アックス”と計4度の来日公演を行なってきた。
 
2016年には、ヴァイの代表作である1991年のセカンド・アルバム『パッション・アンド・ウォーフェア』25周年記念盤に同梱される形で、未発表楽曲で構成されたスタジオ・アルバム『モダン・プリミティヴ』を発表しており、それもオリジナル・アルバムの1枚に数えられてはいるものの、1984年のファースト・ソロ・アルバム『フレクサブル』と『パッション〜』の間に作曲したものや温存していたアイディアを仕上げたものであることから、“書き下ろし楽曲による新作”というものではなく、そのためのツアーも行なわれなかった。
 
満を持して発表された本作『インヴァイオレット』(“神聖な”の意味)は、ヴァイがこの作品を引っ提げてツアーを行なう前提で制作されたものだという。
 
ヴァイは、新作について次のように語っている。
 
「とても“ヴァイ的”だよね。それが何を意味するのであれ。俺よりそれを巧く説明できるやつがいるかもしれないな。とにかく、とても正直な音楽だよ。俺の作品は長いものが多いし、コンセプトがたくさんあったり、ストーリーを軸に遊んだりしている。今回はそういう要素が一切ない。今回は、俺がみんなの前で演奏できるように形にして録音したいと思ったかなり濃いインストゥルメンタル曲だけが9曲入っているんだ。」
 
ヴァイにとって『インヴァイオレット』の構想の中心にあったのは、これらの楽曲をステージで披露したいという意欲だった。
 
実は、コロナ・パンデミックの初期には、ヴォーカル入りのソロ・アコースティック曲を中心に構成された、まったく異なるアルバムのレコーディングが佳境に入っていたという。
 
そんな中で、ヴァイは右肩の腱を3本断裂し手術が必要になったのに加え、左親指のばね指発作が最終的には指全体をこわばらせてしまい、楽器の演奏が非常に難しくなってしまったため、その作業を完全にストップすることになる。
 
そして、晴れて快復のプロセスを乗り切った頃、彼は足下に迫っていた200日以上ものツアー日程をやや興奮気味に見つめていた。
 
かくして、アコースティック・アルバムは棚上げになり、ステージをより意識して創り上げた『インヴァイオレット』が生まれたのだった。今年の春に配信され本作にも収録される「ナップサック」は、その肩の手術後に(執刀医のドクター・ナップ氏が“ナップサック”と呼んでいた)三角巾で右腕を吊っていた頃、つまり曲を弾くときに左手しか使えなかった頃に作曲とレコーディングを行なっており、この楽曲を左手一本で弾く様子はヴァイの公式動画サイトで見ることができる。
 
また、先行配信もされている、クリーン・トーンで演奏されている『キャンドルパワー』(Candlepower)では、「ジョイント・シフティング」(Joint Shifting)とヴァイが呼ぶ、まったく新しいギター・テクニックを開発している。
 
そのテクニックは、同時に複数の弦を反対方向にベンド(チョーキング = 弦を引っ張って音程を上げるテクニック)することで、「ベンドする指の第1関節だけを他の指から独立した形で使う」という。複数の弦をベンディングすること自体は新しいコンセプトではないものの、ヴァイ曰く
「俺が思い描いたようなやり方はかつて見たことがない」
とのことで、この実演も同じく公式動画サイトで披露されている。
 
新作アルバムでは、ザッパ卒業生仲間のテリー・ボジオによる新録のドラム・トラックが採用されている(他のアルバム収録曲には、ビリー・シーン、ブライアン・ベラ—、フィリップ・バイノー、ヘンリック・リンダーのベーシスト陣、キーボーディストのデイヴィッド・ローゼンタール、ドラマーにはヴィニー・カリウタとヴァイのツアー・メンバーでもあるジェレミー・コルソンといったヴァイが信頼する凄腕プレイヤーたちが多数参加)。
 
そんな驚くべきテクニックを注ぎ込んだヴァイだが、アルバムのアートワークに目を移せば、強烈なインパクトとオーラを放つ異様なシェイプのギターがひと際目を引く。

これは、ヴァイが「ハイドラ」と名付けた唯一無二のカスタム・ギターで、実際にアルバム冒頭を飾る「ティース・オブ・ハイドラ」で使用されている。星野楽器のデザイナーと共同開発したこのギターは、ヴァイの「スチームパンク・モチーフ」の概念をベースとした、野獣のように強力な楽器に仕上がっている。
 
1つのボディにヘッドストックが2つ、ネックが3つついたこの“生き物”は、7弦ギター、12弦ギター、4弦ベース、ハープ用の共鳴弦、ハーフ・フレットレスのネック、シングルコイル、ハンバッカー、ピエゾとサスティナーのピックアップ、フローティングとハードテイルのトレモロ・ブリッジ、フェーズ・スプリッター、その他数多くの特徴を擁しているという。
 
「驚くべき構造のマシンだよ。ホシノの人たちには“慣習的だと思うものは一切やらないでくれ”と言ったんだ。ブルータルなクリエイティヴィティを発揮する機会だったからね。そうしたら彼らはそれを超越してくれたんだ。」
 
彼はこの曲全体を通じて、ハイドラのトーンと音色をフルに駆使し、広範さにおいても表現の豊かさにおいてもまったく活き活きとしたギター・パートを作り上げている。

「あの曲とギターの面白いところは、すべて同時に思い浮かんだことなんだ」「“神聖な”インスピレーションがバーン!と浮かんだ瞬間のひとつだったよ。」
とヴァイは言う。
 
『アポロ・イン・カラー』では、あらゆる風変わりな弦楽器によって演奏された繊細なサウンドに囲まれる中、2020年に発表したヴァイが新たに愛用するアイバニーズのシグネチャー・モデル “PIA”(=Paradise In Artの略)で高く伸びる音を聴かせている(今回が初めてスタジオ・アルバムで使用)。
 
「“さて、こいつはどのように彩ろう?” と考えたんだ。それで長年の間に集めた小さなアコースティック楽器を色々引っ張り出して、”何らかの形でひとつ残らず使うぞ“と考えたんだ。」
 
それらの中には、カヴァキーニョ(ブラジルの弦楽器)、サズ(中東の弦楽器)、シタール、ウード(中東・北アフリカの弦楽器)などがあった。
「楽器によっては名前すら知らないものもあるんだ」
とヴァイは笑いながら認める。
 
しかし、ヴァイにとって最も大きなスタイル的発展がみられるのは、おそらくアルバムの7曲目「グリーニッシュ・ブルーズ」。
 
「正統派のブルース・プレイヤーをちゃんとやったことがないんだ。何につけてもちゃんと正統派をやったことはないとけどね。ブルースやジャズ、クラシック、フュージョン、ストレート・アヘッドなロックだって、俺から聞こうとは思わないだろう?俺はいつもヘンなことをやっているし、いつもすごく奇抜なんだ。」
 
「俺がギターで最初に学んだことのひとつはブルースのスケールだった。困難な探求の対象を発見したと思ったよ。それ以来、俺が弾いてきたものはほぼすべてそのスケールから派生している。俺がネックの辺りで“モードを弾いている”ときはリディアンだのミクソリディアンだのフィンガー・パターンだの考えない。“音を変化させたブルース”と考えるんだ。そういう意味で、俺がやっていることはみんな“グリーニッシュ・ブルーズ”(直訳:緑っぽいブルース)で、俺なりにブルースを奇抜にしたヴァージョンなんだと思う。」
 
つまるところ、すべては自分ならではの声を見いだすこと、そして自分の音楽的・創造的本能がどこに向かっているのであれ、それについていく勇気と強い信念を持っていることに尽きる。それはヴァイが自身の演奏にかけては決して躊躇しないことである。
 
「ギターの素晴らしい点のひとつは、クリエイティヴなヴィジョンを表現するのに達人である必要がないってことなんだ。ほら、ボブ・ディランは彼の表現に理想的なギターの弾き方をするだろう。ジョン・マクラフリンもそうだ。その境地に達するにはどのくらいのテクニックが欲しいか、または必要かを見極める必要があるだけさ。俺自身はすべてが欲しい、すべてが必要だと考えるようになった。だから自分の音楽については何かを証明したり何かに合わせたりする必要があると思わない。ただクリエイティヴなものを考えて、それを実現するために必要なスキルを何であれ駆使するのが大好きなんだ。」
 
それは、彼が本作でまたもややってのけたことである。
 
ヴァイは最後にこう締めくくる。

「神聖な(インヴァイオレット)インスピレーションというのは、完全にピュアな形で思い浮かぶものなんだ。それはほとんど完全な形で登場して、自分にとって正しい、完璧に正しいものだという認識があるんだ。それには一切エクスキューズもなければファンタジーもない。“イエス”という認識があるだけだ。そして独自のクリエイティヴィティにとって正統派である形でそれを捉える。願わくは、俺がこのアルバムでやったことがまさにそれだといいね。」



Steve Vai – Teeth of the Hydra (Official Visualizer)

Steve Vai – Zeus In Chains (Official Visualizer)

Steve Vai – Little Pretty (Official Music Video)

“Candlepower”
新奏法「ジョイント・シフティング」を使った「キャンドルパワー」

“Knappsack”
左手一本で弾く「ナップサック」



先行配信曲

Steve Vai ”Zeus In Chains”
スティーヴ・ヴァイ 「ゼウス・イン・チェインズ」

Digital
2022年1月13日配信
Sony Music Japan International




リリース情報

Steve Vai ”Inviolate”
スティーヴ・ヴァイ「インヴァイオレット」

アルバム CD(Blu-spec CD2) / Digital
2022年1月26日(水)日本先行発売(海外:2022年1月28日)
SICX 30133  
¥2,750(税込)
Sony Music Japan International

<収録曲>
01 Teeth of the Hydra / ティース・オブ・ザ・ハイドラ
02 Zeus in Chains / ゼウス・イン・チェインズ
03 Little Pretty / リトル・プリティ
04 Candlepower / キャンドルパワー
05 Apollo In Color / アポロ・イン・カラー
06 Avalancha / アヴァランチャ
07 Greenish Blues / グリーニッシュ・ブルーズ
08 Knappsack / ナップサック
09 Sandman Cloud Mist / サンドマン・クラウド・ミスト
10 Swamp Fairies / スワンプ・フェアリーズ (日本盤限定ボーナス・トラック)


各配信サイト

スティーヴ・ヴァイ ソニーミュージック


スティーヴ・ヴァイ オフィシャルサイト

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