誰でも演奏できる「アンドケストラ楽器」
NEC が持つ最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つである遠隔視線推定技術を活用し、視線の向きや簡単な動作で、誰でも演奏が可能なインクルーシブ楽器「ANDCHESTRA (アンドケストラ)」が開発された。
最先端のITテクノロジーによって、子供や大人、障がいのある方などとの間にある壁を越えて、一緒(AND)に楽器を奏でる新しい関係性が生み出すオーケストラに挑戦し、 AI の力で「出来ない」を「出来る」に変える体験を提供することを目的としている。
今回、開発された楽器は、 視線の向きによって音を奏でる「ANDCHESTRA TRUMPET (アンドケストラ トランペット)」と、 音ごとに定義された姿勢をとることで音を奏でる「ANDCHESTRA VIOLIN (アンドケストラ バイオリン)」。
これらの楽器の開発には、実際に障がいのある方も参加し、インクルーシブアドバイザーとしての意見が反映されている。
また、今回の開発には、「すべての人に楽器を演奏する喜びを提供するプロジェクト」を推進する「世界ゆるミュージック協会」が参画している。
今後、NECは、「ANDCHESTRA」のさらなる技術向上を目指し、NECのインクルージョン&ダイバーシティの活動に役立て、病院や介護施設などでのリハビリへの活用や、音楽・スポーツ (パラスポーツ含む) イベントへの出展なども検討されている。
1. ANDCHESTRA TRUMPET(アンドケストラ トランペット)
画面上に配置された音のアイコンに、視線を送ることで音が鳴る。
NECの最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つで人の視線の動きを推定する遠隔視線推定技術を活用した、 視線の向きによって音を鳴らすAI楽器。
ANDCHESTRA TRUMPET(アンドケストラ トランペット)
2. ANDCHESTRA VIOLIN(アンドケストラ バイオリン)
音ごとに定められた姿勢をとることで音が鳴る。
人の姿勢を推定する姿勢推定技術を活用し、 音ごとに定義された姿勢をとることで音を鳴らすAI楽器。
ANDCHESTRA VIOLIN(アンドケストラ バイオリン)
車いすユーザー「インクルーシブアドバイザー」
アンドケストラ楽器は、「だれもが楽しめる楽器になっているか」確認するアドバイザーとして、 2人の「インクルーシブアドバイザー」、曽塚レナさんとNonokaさんが協力。
曽塚レナさんは、ゲームのBGMを趣味で作っていたが、2016年に脊髄を損傷して以来、シンガーソングライターとして活動を開始。 今月3月3日にはiTunes他音楽配信サービスにて、 シングル「きみの心臓」を配信するなど、 積極的な音楽活動をしている。
Nonokaさんは、 脳性麻痺により、身体・視覚認知機能などに困難さを抱えているが、 優れた聴力・記憶力をもち、 おおらかで人が好き。 本を読むように音楽を聴き、時折、その曲や歌詞に自らの気持ちを重ね合わせ、自らの想いを母親に伝えるようになり、2019年「あなたの為の一曲をお選びします」音楽コンシェルジュとして活動を始めている。
世界ゆるミュージック協会 コメント
NECの最先端のAI技術を使えば、「楽器が人に合わせる」ことが実現するかもしれない。 誰も排除しない、 ”OR”ではなく”AND”の思想を音楽に取り込めるかもしれない。 そんな希望を持って楽器開発を進めてきました。 完成したのは、 目で演奏するトランペットと、 姿勢を変えて音を奏でるバイオリン。 人が日頃から行っている動作の延長戦上に、 楽器演奏を配置することで、 従来よりも演奏しやすい楽器が誕生しました。 今後にご期待ください。
世界ゆるミュージック協会代表 澤田智洋