坂本龍一 Ryuichi Sakamoto
2021年1月に直腸がんの手術を受け、今年、2022年6月に文芸誌で「ステージ4」であることを公表した 坂本龍一。
ピアノ・ソロ・コンサート『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』(主催:commmons / KAB Inc.)が、2022年12月11日(日)有料配信される。
ニューヨークから招集された映画制作チームにより、東京 渋谷「NHK放送センター」の「509スタジオ」で事前に収録され、編集し、作品化されたコンテンンツが、(株)SPOON が 運営する高音質動画配信プラットフォーム「MUSIC/SLASH」にて世界に向けて配信される。
坂本龍一 配信コンサート『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』
2022年12月11日、坂本龍一のピアノ・ソロ・コンサートが、 世界に向けて配信される。
日付が1日ちがうだけの2年前、 すなわち2020年の12月12日、 コロナ禍の、 視界不良のトンネルをさまよっていた世界に向けて、 坂本は、 東京のスタジオで、 無観客のピアノ・ソロ・コンサートをおこなった。 ライヴストリーミングされたその映像は、 しかし、 アーカイヴ化されることはなかった。
ことしの12月11日の配信は、 それゆえ、 2年ぶりに私たちのまえに帰還した「演奏する坂本龍一」の姿を、 私たちに見せることになる。
その日に私たちが視聴するのは、 前もって、 1日に数曲ずつ、 ていねいに収録された演奏とその映像を、 十分な時間をかけて編集したものになるという。
「ライヴでコンサートをやりきる体力がない――。 この形式での演奏を見ていただくのは、 これが最後になるかもしれない」と、 坂本は語る。
前にはできたことがいまはできなくなっているという「現実」を、 そのようなものとしてそのまま受け容れ、 呑み込んだうえで、 坂本はその「あたらしい現実」に立脚して、 みずからのあらたな能動性と積極性を、 引き出そうとしているのではないか。
じっさい、 今回の「コンサート」は、 それを可能とする条件をそなえている。
ひとつには、 今回の演奏スタジオが、 NHK の、 伝説の509スタジオである、 という事実。 坂本が臆せず、 「日本でいちばんいいスタジオ」と折り紙をつける東京・渋谷の、 NHK放送センターの509スタジオで、 十分な時間をかけて演奏が収録されている。
そしてもうひとつには、 これを機会に、 主要メンバーをニューヨークから招集した映画制作チームが結成され、 かれらは、 たんに配信映像をつくるためだけでなく、 のちに別に編集する予定の「コンサート映画」のためにも、 「演奏する坂本龍一」を丹念に撮影している。
いずれも、 「ライヴでコンサートをやりきる体力」が坂本にあったとすれば、 現実化しなかったことにちがいない。
配信は、 約60分の509スタジオでのパフォーマンス本編からなる。
また配信と同日、 全2回、 109シネマズのプレミアムサウンドシアター「SAION」でライブビューイングも開催される。 そこでは、 最上の音で、 坂本龍一の演奏を楽しむことができるであろう。
文:鈴木正文
配信情報
Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022
配信日時: 2022年12月11日(日)12:00(日本時間)初回配信
配信方式:「MUSIC/SLASH」にて、収録配信(事前収録した映像を配信)
発売期間: 2022年 12月12日(月)05:59 まで
チケット: 4,000円(日本国内)(海外 30 USD)
配信日時: 1.2022年12月11日(日)12:00(日本時間)
2.2022年12月11日(日)18:00(日本時間)
3.2022年12月11日(日)24:00(日本時間)
4.2022年12月12日(月)06:00(日本時間)
*全4回 同内容です。
*1枚の配信チケットで、1~4の各配信時間、視聴できます(最大4回)。
<特典>
コンサート本編終了後、オリジナルアルバム「12」(2023年1月17日発売) 先行全曲フル試聴
<配信先>
日本、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポーランド、イギリス、台湾、韓国、 香港、マカオ、シンガポール、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、ブラジル、カナダ、 他
主催:commmons / Kab Inc.