亜蘭 知子
2000年代に入り、海外発の「シティ・ポップ」ムーヴメントの中、亜蘭 知子（あらん ともこ）が 1983年5月にリリースし、当時はアルバム・チャートの TOP 100 にさえ入る事がなかった 3rd アルバム『浮遊空間』が、ジワジワと人気を博し続けている。再発されたアナログ盤のセールスも『浮遊空間』は、飛び抜けて好調だ。
今月、2022年1月7日には、カナダ出身のコンテンポラリー R&B シンガーソングライター「THE WEEKND」（ザ・ウィークエンド）がリリースしたアルバム『Dawn FM』で、『浮遊空間』収録の『Midnight Pretenders』（作詞：亜蘭知子、作曲：織田哲郎、編曲：西村麻聡）のイントロ部分が大胆にサンプリングされている。
「THE WEEKND」は、昨年、2021年、スーパーボウルのハーフタイムショーにも出演、ビルボード・ミュージック・アワードでは最多16部門にノミネートし10部門を受賞した人気アーティスト。
亜蘭知子は、1981年にシングル『悲しきボードビリアン』でのデビュー後、ヒットには恵まれずも作詞家としての才能を認められ、TUBE の『シーズン・イン・ザ・サン』や『SUMMER DREAM』、B’z『Nothing To Change』など多くのヒット曲を作詞している。また、自身のデビュー以前には、三原順子のデビュー曲『セクシー・ナイト』(1980年) を手掛け、作詞家としての代表曲のひとつにもなっている。
そして、1983年5月にリリースされ、当時はアルバム・チャートの TOP 100 にさえ入る事がなかった 3rd アルバム『浮遊空間』収録曲の『I’m in Love』『Midnight Pretenders』の2 曲が、発売から30年近く経った辺りで、独り歩きをし始める。
『I’m in Love』は、「Netflix」のドラマ劇中歌として使われたり、ロン・バーガンディ・ポッドキャストで（ロン・バーガンディとは映画「俺たちニュースキャスター」（原題 Anchorman）で演じたキャラクターの名前）のエンディング・テーマとして現在も使用されている。
そんな、39年前の「シティ・ポップ」の名盤『浮遊空間』が、2月23日に、高音質「SACD ハイブリッド」（SACD プレーヤーでも、通常 CD プレーヤーでも高音質で楽しめる）にて 再発される事が決定。
今作の SACD層は、オリジナル・アナログ・マスターを DSD11.2Mhz でアーカイヴしたマスターを使用した最高音質、CD層は、トランスファーした 44,1KHz/16bit に変換。
また曲順に関しては、本来の制作意図に基づき、4曲目の「ジレンマ（25才の憂鬱）」は、初 CD化 (1988年) の際に4曲目に差し替え収録された 別メロディ＆別アレンジ＆追加歌詞歌唱もある「3分32秒ヴァージョン」を採用。そして、ボーナストラックとして、アナログ発売時に収録された「3分9秒ヴァージョン」を収録。
当時、差し替えられた理由は、楽曲の左右に振られたバスドラ音の為、アナログ・カッティングが出来なかったとの事で、現在でも不可能との事。
また、今作は、リマスターを施してない当時のアナログ・マスターそのままの音源を採用。DSD11.2Mhz での アーカイヴにより、当時のアナログ・レコーディングの音質の良さを楽しめる。
リリース情報
亜蘭知子 「浮遊空間（＋1）」
アルバム CD（SACDハイブリッド）/ Digital（ハイレゾ）
2022年2月23日 発売
WPCL-13367
2,860円
Warner Music Japan
＜収録曲＞
01 Body to Body （2022 restored version, DSD）
02 Lonely Night （2022 restored version, DSD）
03 I’m in Love （2022 restored version, DSD）
04 ジ・レ・ン・マ （25才の憂鬱） （2022 restored version, DSD）
05 Midnight Pretnders （2022 restored version, DSD）
06 ひと夏のタペストリー （2022 restored version, DSD）
07 HANNYA（般若） （2022 restored version, DSD）
08 しゃくなYesterday （2022 restored version, DSD）
09 Baby, Don’t You Cry Anymore （2022 restored version, DSD）
10 ジ・レ・ン・マ （25才の憂鬱） (Released on Analog only Version)（2022 restored version, DSD）
