名盤シリーズ『クラシック百貨店』第3弾
『クラシック百貨店』と題されたクラシック音楽の名盤シリーズ100タイトルが、ユニバーサル ミュージックから、6月23日より 5回にわたって 順次発売されている。
「器楽曲」「協奏曲」「管弦楽曲」「室内楽/歌劇&声楽」「交響曲」とジャンルに分けて、20タイトルずつ合計100タイトルが発売される。

ユニバーサル ミュージックでは、クラシック音楽関係者を含む約2万5000人(在京オーケストラスタッフ、CD販売店スタッフ、ユニバーサル ミュージッククラシックニュースレター会員、他)を対象にアンケートを実施。「あなたにとってのクラシックの名曲」を集計し、人気ランキングを基に100タイトルが選盤された。
世界最古のクラシック・レーベル「ドイツ・グラモフォン」、そして、「デッカ」(旧フィリップス音源含む)の両レーベルから、人気、クオリティともに最高でエバーグリーンな名盤が選ばれており、いずれも最良のマスターを使用し、そのポテンシャルをひき出す高音質SHM-CD&グリーン・カラー・レーベルコート仕様が採用されている。
そのクラシック音楽の名盤シリーズ『クラシック百貨店』、6月23日に発売された 第1弾「器楽曲編」の20タイトル、7月7日の「協奏曲編」の20タイトルに続き、7月21日には 第3弾として「管弦楽曲編」の20タイトルが発売された。
「管弦楽曲編」の人気曲ランキングでは、3位が《G線上のアリア》を含む J.S.バッハの管弦楽組曲、2位は、ムソルグスキーによる組曲《展覧会の絵》、そして、1 位は、ストラヴィンスキーのバレエ《春の祭典》という結果になった。
1位のストラヴィンスキー:バレエ《春の祭典》では、サンクトペテルブルグの音楽界を代表する指揮者、ワレリー・ゲルギエフとマリインスキー劇場管弦楽団の演奏による作品が選盤されている。



そして、このクラシック百貨店・管弦楽曲編のCDブックレットには、1997年『家族シネマ』で芥川賞を受賞、昨年、『JR上野駅公園口』で全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞した小説家、柳美里がエッセイを書き下ろしている。

柳美里は、本シリーズの発売に際し、クラシック音楽と自らの関わりについて下記のようにコメントを寄せた。
わたしが通っていた小学校では、下校時間にドヴォルザークの交響曲第9番《新世界より》の第2楽章〈ラルゴ〉が流れていた。日本では「家路」「遠き山に日は落ちて」というタイトルで親しまれていることから、生徒たちに下校を促そうと学校関係者が選曲したのだろう。
わたしは小学校に入学して間も無く「バイキン」というあだ名で呼ばれ、激しいイジメに遭っていた。下校時には、心身ともに傷だらけになっていたが、家に帰ったところで、父親も母親も夜の勤めだったので、明け方近くまで幼い弟妹たちと過ごさなければならなかった。家と学校に居るしかなかったのに、家にも学校にも居た堪れなかったのである。
わたしは、ぼんやりと死を考えながら、暮れゆく教室の窓辺で《新世界より》を聴いていた。友だちと手を繋いだり、肩を組んだり、追いかけっこをしたりしながら校庭を渡って校門を出て行く生徒たちの姿が見えた。
わたしを生に踏みとどめさせてくれたのは、あのイングリッシュ・ホルンの音色である。
わたしの生きられる時間と場所が限られていても、「いま」と「ここ」が悲しみと苦しみでいっぱいだとしても、決して絶望することはない。「いま」と「ここ」は、全ての過去と未来を包摂していて、それは永遠へ、まだ見ぬ故郷へと繋がっているのだと、《新世界より》の旋律は、死の縁にいたわたしに気付きと慰撫を与えてくれた。
クラッシック音楽は、余裕のある人の趣味ではない。「いま」と「ここ」で声を失っている人、生きることと死ぬことの間で立ち尽くしている人にこそ聴いてほしい。
尚、「クラシック百貨店」シリーズ全100タイトルに貼ってある応募シールを 2枚集めて応募すると、特製ガイドブック「クラシック百貨店book」が必ずもらえるプレゼント・キャンペーンを 9月17日実施中!
リリース情報
名盤シリーズ 100タイトル『クラシック百貨店』
2021/6/23 (水) 発売 第1回 器楽曲編 20タイトル
2021/7/07 (水) 発売 第2回 協奏曲編 20タイトル
2021/7/21 (水) 発売 第3回 管弦楽曲編 20タイトル
2021/8/04 (水) 発売 第4回 室内楽、歌劇&声楽曲編 20タイトル
2021/8/18 (水) 発売 第5回 交響曲編 20タイトル
SHM-CD仕様 / グリーン・カラー・レーベルコート
1枚:¥1,650(税込)/ 2枚組:¥2,420(税込)
UNIVERSAL MUSIC