Katherine Jenkins キャサリン・ジェンキンス
2020年5月8日の「VE デー」(欧州戦勝記念日)75周年記念イベントの一環として、ロンドンが世界に誇るロイヤル・アルバート・ホールで、国際的に活躍するメゾ・ソプラノ歌手、キャサリン・ジェンキンスによる、150年の歴史で初めてとなる無観客コンサートが行われた。
今後、ロイヤル・アルバート・ホールが予定している #RoyalAlbertHome シリーズの記念すべき第一回の配信となり、YouTube で英国夏時間18時(日本時間 5月9日午前2時)から約30分のコンサートが行われ、YouTube にてコンサートの模様が公開されている。
キャサリン・ジェンキンスがロックダウン中に自宅から行ない、現在まで2万回以上再生されている「アット・ホーム・コンサート」の流れを汲んでいる。
今回のコンサートは、ロンドンのサディク・カーン市長の財政支援により#LondonTogether の一環として催されることで実現に至り、市長からのビデオ・メッセージも紹介された。
#LondonTogether は、ロンドン市民に、ポジティヴな地域活動に対する意識を高め、医療ならびにケアワークのスタッフ、救急サービス、公共サービス従業者、ボランティアの働きに改めて感謝の気持ちを伝えるよう、呼びかける。また、ロイヤル・アルバート・ホールのファンドレイジング(募金)並びに、イギリス軍とその家族のための慈善団体、SSAFAの緊急時対応基金の支援を兼ねている。
ロイヤル・アルバート・ホールのステージに立つのは46回目となるキャサリン・ジェンキンスが、この日歌ったのは戦中の流行歌。「ザ・ホワイト・クリフズ・オブ・ドーバー」、そして、「ウィール・ミート・アゲイン」はデイム・ヴェラ・リンとのバーチャル・デュエットで披露された。時を越え、今も愛されるこの曲で歌われる「私たちはまた会えるでしょう いつか晴れた日に」という歌詞は、戦時中の人々のみならず、まさに、現在の状況を歌っているようにも聞こえる。
コンサートのラストは、イギリスで最も愛される賛美歌「Jerusalem」で締められた。
ロイヤル・アルバート・ホール「VEデー75」イベントは当初、2020年5月8日にイギリス全土の450以上の映画館でライヴ・ヴューイングの予定だったが、こちらは政府の新型コロナ対策により、2020年9月20日(日)に延期された。
コンサートに臨む キャサリン・ジェンジンス コメント
1945年5月8日のVEデー、ロンドンでは百万人を超える市民が街に繰り出し、欧州戦線での勝利を、そして6年に及ぶ大戦の終結を祝いました。
トラファルガー広場からバッキンガム宮殿までを埋め尽くした群衆。今年は、その時のように祝うことはできないかもしれませんが、この歴史的な日から75年の祝いの年に影を投げかけてはなりません。
60周年、70周年の式典にも参加していた私は、今年も何かできないか、この困難な時期だからこそ、国を、そして世界を一つにつなぎ、記念の日を祝うことができないか、と考えました。
バーチャルな形ではありますが、こうしてみなさんと一堂に会し、ロンドンの代名詞とも言えるコンサート会場から、戦時中の歌とミュージカルへのトリビュート・コンサートを行えることを心から嬉しく思っています。
誰もいない、隔離されたロイヤル・アルバート・ホール。それは見たことのない姿かもしれませんが、それでもなお、息を飲むほど壮観であるに違いありません。
リリース情報
Katherine Jenkins / Cinema Paradiso
キャサリン・ジェンジンス「シネマ・パラディーソ」
CD アルバム
2020年7月10日発売
UCCS-1286
3,080円(税込)
UNIVERSAL MUSIC
収録曲
M01. 星に願いを(『ピノキオ』より) / When You Wish Upon A Star (From ”Pinocchio”)
M02. Merry Christmas Mr. Lawrence (Somewhere Far Away)(『戦場のメリークリスマス』より) /
Merry Christmas Mr. Lawrence (Somewhere Far Away) (From ”Merry Christmas Mr. Lawrence”)
M03. シネマ・パラディーゾ(『ニュー・シネマ・パラダイス』より)(feat.アルベルト・ウルソ) /
Cinema Paradiso (From ”Cinema Paradiso”)
M04. アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン(『スター誕生』より) / I’ll Never Love Again (From “A Star Is Born”)
M05. ムーン・リヴァー(『ティファニーで朝食を』より) / Moon River (From ”Breakfast At Tiffany’s”)
M06. 雨に唄えば(『雨に唄えば』より) / Singin’ In The Rain (From ”Singin’ In The Rain”)
M07. ウェスト・サイド・ストーリー(サムウェア/トゥナイト)
(『ウェスト・サイド・ストーリー』より)(feat.ルーク・エヴァンズ) /
West Side Story (Somewhere/Tonight) (From ”West Side Story”)
M08. ダニー・ボーイ(『メンフィス・ベル』より) / Danny Boy (From ”Memphis Belle”)
M09. シンドラーのリスト(『シンドラーのリスト』より) / Schindler’s List (From ”Schindler’s List”)
M10. ローズ(『ローズ』より) / The Rose (From ”The Rose”)
M11. メイ・イット・ビー(『ロード・オブ・ザ・リング』より) / May It Be (From ”Lord Of The Rings”)
M12. Here’s to the Heroes(映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 /
Here’s To The Heroes (From ”Dances With Wolves”)
M13. ローズ(『ローズ』より)(feat.ショーン・エスコフェリー) / The Rose (From ”The Rose”)
M14. Merry Christmas Mr. Lawrence (Somewhere Far Away)
(『戦場のメリークリスマス』より)(feat.サラ・オレイン) /
Merry Christmas Mr. Lawrence (Somewhere Far Away) (From ”Merry Christmas Mr. Lawrence”)
M15. シネマ・パラディーゾ(『ニュー・シネマ・パラダイス』より) /
Cinema Paradiso (From ”Cinema Paradiso”)