Paul Gilbert ”Werewolves of Portland”
ポール・ギルバート
Album
「ウェアウルヴス・オブ・ポートランド」
★ もと「MR.BIG」「レーサーX」の 超絶速弾きギタリスト!
★ 通算16枚目となるオリジナル・ソロアルバム!
★ 全ての楽器をポール自ら演奏した ギター・インスト・アルバム!
★ テクニックに頼らず、「歌もの」のようにポップでゴキゲンな曲ばかり!
光速ギタリストの異名をとり、速弾き、タッピング、ストリングスキッピングなどのハードロック色の強いテクニカルなプレイでも知られる、「MR.BIG」「レーサーX」の超絶ギタリスト、ポール・ギルバート。
前作より2年ぶり、通算16枚目となるオリジナル・ソロアルバム『ウェアウルヴス・オブ・ポートランド』(Werewolves of Portland)が、6月2日(海外は同月4日)にリリース。アルバムタイトルは、直訳すると「ポートランドの狼男」となる。
新作アルバムは、当初、昨年、2020年の春に、他のミュージシャンたちとレコーディング予定だったが、コロナ禍のロックダウンのため全て保留に。その後もロックダウンが延々と続く中、他の方法でアルバムを作る方法はないものかと考えるようになった。
そこで、今作では、ギターのみならず、ドラム、ベース、キーボードなど、ほぼ全ての楽器をポール自ら演奏している。唯一、「ハロー!ノース・ダコタ!」(Hello! North Dakota!)の最後に出てくるスネアのドラム・ロールのみ、助っ人を頼んだそうだ。
レコーディングは、共同プロデューサーでエンジニアでもある ケヴィン・ハーン とともに、ポートランドのケヴィンの自宅地下室にあるスタジオ「オパール・スタジオ」で行われた。
ギターは、ほとんどの曲で「アイバニーズ・ファイヤーマン」をメインに使った。
「最近はヴィンテージのアイバニーズのギターを集めてもいるんだ。アイバニーズ・アーティスト、ロードスターII、ゴーストライダーとか、’70 年代、’80 年代、’90 年代のモデルをいくつか持っていったよ。それから、’60 年代のエピフォーン・オリンピックも持っていって改造したんだ。レーサーX の初期に使っていたものでね。初期のシュレッダー・スタイルを思い出させるギターを使うのは楽しかったよ。」
ハードロック色の強いテクニカルなプレイを得意とするポールだけに、もちろん、超絶テク満載の光速ナンバーもあるが、特筆すべきは、いずれの曲もテクニカルなプレイに固執せず、まるで「歌もの」のようにポップでゴキゲンな曲ばかりということだ。
その秘密は、ポールの作曲のやり方にある。最終的にはギター向けの曲になるが、最初は歌って作ると言う。インストゥルメンタル作品でありながら、全ての楽曲に、ポール自身による歌詞が存在しているのだ。
「大抵の場合は歌うことによって曲を書くんだ。僕は歌詞を使って自分に骨組みを与えてやって、そこに音符をぶら下げる。何らかの命が宿るくらいメロディが長くなったら、そこからは僕の音楽的な本能が取って代わる。多くの言葉を必要とすることなく曲を完成できることも多い。暗礁に乗り上げても、歌詞があればいつだってまた動きだすことができるんだ。」
「ソングライティングの大半は、歌うことから始まったんだ。短い歌詞を書いてから色んな歌い方をして、どんなメロディが出てくるか様子を見た。頭の中でぐるぐる回るほど強力なメロディだったら、ギターを手に取って、コードやグルーヴを考え出したんだ。」
さらに、
「ソングライティングはティーンエイジのシュレッダーよりも、バート・バカラックみたいな考え方をしようとしたときの方がずっとうまくいくような気がするんだ。」
とも話している。
どの曲もポップに聴こえるのは、このように「歌もの」と同じような作り方をしているからだ。
しかし、作曲するときにボーカルが重要な役割を果たしているにも関わらず、ポールは、本作を完全なインストゥルメンタル・アルバムにすることを選んだ。
「自分のギターを“声”としてこれらのメロディを演奏することは本当に喜びを感じたね。僕のヴォーカリストとしての制約すべてが取り除かれたんだ。ギターなら高い音も出せるしね! 声のために書かれたメロディには(息継ぎのための) 間(ま)が入っている。僕はギターを弾くときにその間が残っているサウンドがとても気に入っている。僕みたいな “シュレッダー(速弾きする人のこと) ” にとって、間があるというのはびっくりするような発見に繋がることもあるんだ!」
と話す。
また、「ア・サンダラス・オヴェーション・シュック・ザ・カラムズ」(A Thunderous Ovation Shook The Columns)と、「プロフェッサーシップ・アット・ザ・レニングラード・コンサーヴァトリー」(Professorship At The Leningrad Conservatory)は、ロシアのクラシック作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチにインスパイアされて作られたとも話している。
アルバムの発売に先駆けて、収録曲の「ウェアウルヴス・オブ・ポートランド」(Werewolves of Portland)、「アーギュメント・アバウト・パイ」(Argument About Pie)、「ア・サンダラス・オヴェーション・シュック・ザ・カラムズ」(A Thunderous Ovation Shook The Columns)の 3曲が、5月19日から先行配信となる。
中でも、すでにミュージックビデオが公開されている「アーギュメント・アバウト・パイ」(Argument About Pie)は、お気に入りの曲のひとつだと話している。
「歌詞はロックダウン前の経験が基になっている。地元のパイ店に立ち寄っ て、ストロベリー・ルバーブ味を 1 切れ買おうとしたんだ。ポートランドでは不安感が募りつつあった中、そのパイ店は誰もがハッピーで平和な 気分になれる場所だった。パイを食べるということについては全員の意見が一致するように感じられたんだ。僕の心は対照的なものを探す 癖があるから、パイを食べることに反対するのはどんなやつらなんだろうと思い始めたのさ。」
音楽は、サーカスではないから、速弾きだけを聴いていても感動はしない。
ポールの曲は、インストだとしても、そこには歌詞があり、物語が存在し、「歌ごころ」がある。だから、キャッチーでポップで心地よい。
リリース情報
Paul Gilbert ”Werewolves of Portland”
ポール・ギルバート 「ウェアウルヴス・オブ・ポートランド」
アルバム CD / Digital
2021年6月2日発売
SICX-165
¥2,400+税
Mascot Label Group / Sony Music Japan International
<収録曲>
01 ハロー!ノース・ダコタ! Hello! North Dakota!
02 マイ・グッドネス My Goodness
03 ウェアウルヴス・オブ・ポートランド Werewolves Of Portland
04 プロフェッサーシップ・アット・ザ・レニングラード・コンサーヴァトリー
Professorship At The Leningrad Conservatory
05 アーギュメント・アバウト・パイ Argument About Pie
06 ミーニングフル Meaningful
07 アイ・ワナ・クライ(イーヴン・ゾウ・アイ・エイント・サッド)
I Wanna Cry (Even Though I Ain’t Sad)
08 ア・サンダラス・オヴェーション・シュック・ザ・カラムズ
A Thunderous Ovation Shook The Columns
09 プロブレム・ソルヴィング・ピープル Problem-Solving People
10 (ユー・ウッド・ノット・ビー・エイブル・トゥ・ハンドル) ホワット・アイ・ハンドル・エヴリデイ
(You Would Not Be Able to Handle) W hat I Handle Everyday
11 ヤング・ギター・ピープル Young Guitar People ※日本盤CD ボーナス・トラック
ポール・ギルバート オフィシャル Youtube チャンネル