Ella Fitzgerald エラ・フィッツジェラルド
「ザ・ファースト・レディ・オブ・ソング」や「ジャズの女王」と呼ばれる エラ・フィッツジェラルド の 1962年3月25日にベルリンのスポーツ宮殿で録音されたライブ音源が発掘され、10月2日にリリースされる。
8月21日には、先行トラック「マック・ザ・ナイフ」が配信スタートとなり、同時にミュージックビデオも公開となった。
エラ・フィッツジェラルドとベルリンと言えば、1960年に録音され大ヒットを記録したグラミー賞受賞作品『マック・ザ・ナイフ ~エラ・イン・ベルリン』(1999年には、アメリカのナショナル・アカデミー・オブ・レコーディング・アーツ・アンド・サイエンスとグラミー賞の殿堂入りを同時に果たし、音楽史上「最も有名なライブ盤」と呼ばれるモンスター・アルバム)が有名。
しかし、実は、エラは その後も1961年、1962年と立て続けにベルリンを訪れており、音源が確認されていないのは1962年の本アルバムの音源のみであった。
ベルリン3部作の完結は、長年、ジャズ・ファンの夢であり、ついに今回のリリースで、伝説が完結することとなる。
本作が録音された1962年は、エラがキャリアの頂点に立っていた全盛期であり、本ライブもそれまでのキャリアの中で最も大規模なヨーロッパ・ツアーの最中に行われたものであった。
ピアニストのポール・スミス、ベーシストのウィルフレッド・ミドルブルックス、ドラマーのスタン・リーヴィーによる強力なリズムセクションをバックに、45歳の誕生日を1ヶ月後に控えたエラはパワフルなスウィングで観客を熱狂。音源には鳴り止まない拍手も収録されている。
また、ライブ音源ならではのハプニングやMCも収められている。
先行配信された「マック・ザ・ナイフ」では、曲中にアドリブで登場させた「ベルリン」という街の名前をなかなか思い出せなかったというエラが「とても恥ずかしいわ。『マック・ザ・ナイフ』を歌った場所なのに、街の名前が出てくるパートで、名前を思い出せなかったの!」とチャーミングに話す声が収録されている。
本音源はこれまで、エラのマネージャーを務めていたノーマン・グランツのプライベート・コレクションとして保管されていた。本アルバムは彼女の過去の名音源と呼ばれるライブ音源たちに並ぶ貴重な音源となる。
なお、本作の発売を記念し当時エラが在籍していた Verve に残した名盤から選りすぐりの10枚が、10月7日にリイシューされることも決定した。
中でもベルリン3部作の2作目に位置づけられる『エラ・リターンズ・トゥ・ベルリン』は 日本初 CD化となる。
リリース情報
Ella Fitzgerald ”Ella: The Lost Berlin Tapes”
エラ・フィッツジェラルド 『エラ ~ザ・ロスト・ベルリン・テープ』
アルバム CD ライブ録音(SHM-CD)
2020年10月2日発売
UCCV-1182
¥2,860 税込
ユニバーサルミュージック
1962年3月25日 ベルリン・スポーツ宮殿にて録音
パーソネル
エラ・フィッツジェラルド (Vo)
ポール・スミス (P)
ウィルフレッド・ミドルブルックス (B)
スタン・リーヴィー (Ds)
収録曲
M-1. チーク・トゥ・チーク / Cheek To Cheek
M-2. ヒーズ・マイ・カインド・オブ・ガイ / He’s My Kind Of Guy
M-3. クライ・ミー・ア・リヴァー / Cry Me A River
M-4. アイ・ウォント・ダンス / I Won’t Dance
M-5. サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー / Someone To Watch Over Me
M-6. ジャージー・バウンス/ Jersey Bounce
M-7. エンジェル・アイズ / Angel Eyes
M-8. クラップ・ハンズ・ヒア・カムズ・チャ-リー / Clap Hands, Here Comes Charlie
M-9. 恋のチャンス / Taking A Chance On Love
M-10. セ・マニフィーク / C’est Magnifique
M-11. グッド・モーニング・ハートエイク / Good Morning Heartache
M-12. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ヒム・ソー / Hallelujah, I Love Him So
M-13. ハレルヤ・アイ・ラヴ・ヒム・ソー(リプライズ) / Hallelujah, I Love Him So (Reprise)
M-14. サマータイム/ Summertime
M-15. ミスター・パガニーニ / Mr. Paganini
M-16. マック・ザ・ナイフ / Mack The Knife
M-17. ウィー・ベイビー・ブルース / Wee Baby Blues
エラ・フィッツジェラルド誕生100周年の1年間を振り返る ユニバーサルミュージック