竹島 宏、聴いたことのなかった 声の魅力を感じる ミディアム・バラード! ロング・インタビュー!

最下部にプレゼント情報あり!(応募方法掲載)

【 NEWS 】 NHK BSプレミアム「新・BS日本のうた」で、新曲『はじめて好きになった人』を歌唱!
4月12日放送予定!(再放送:4月18日、4月24日)
詳しくはコチラ!


竹島 宏

NEW SINGLE 「はじめて好きになった人」

★ カップリング「涙ひとりきり」もA面クオリティ!
★ 声の魅力が、これまでで最も良く出ている2曲!
★ 柔らかで、響き豊かで、チカラがあって、色気がある!
★『はじめて好きになった人』は、マイナー調、王道のポップス歌謡バラード!
★『涙ひとりきり』は、聴けば聴くほど沁みるマイー調3連の切ない歌!


「はじめて好きになった人」歌詞を見る

「涙ひとりきり」歌詞を見る


竹島 宏 / はじめて好きになった人

カップリング曲を含む4曲を収録したAタイプと、
ミュージックビデオを収録したDVD付きBタイプの2バージョン同時発売!


「はじめて好きになった人」 【 Aタイプ 】

竹島 宏 「はじめて好きになった人」 【Aタイプ】
シングル CD
2020年4月15日発売
TECA-20026
¥1,227+税
TEICHIKU ENTERTAINMENT

<収録曲>
1 はじめて好きになった人 (作詞:松井五郎 / 作曲・編曲:都志見 隆)
2 涙ひとりきり (作詞:松井五郎 / 作曲・編曲:都志見 隆)
3 はじめて好きになった人 (オリジナルカラオケ)
4 涙ひとりきり (オリジナルカラオケ)


「はじめて好きになった人」 【 Bタイプ 】

竹島 宏 「はじめて好きになった人」 【Bタイプ】
シングルCD + DVD
2020年4月15日発売
TECA-20027
¥1,227+税
TEICHIKU ENTERTAINMENT

<収録曲>
1 はじめて好きになった人
2 はじめて好きになった人 (オリジナルカラオケ)
<DVD 収録内容>
1 はじめて好きになった人 ミュージックビデオ


コメント動画 公開予告!

4月13日(月)13:10頃
下記「TEICHIKU RECORDS YouTube チャンネル」にて 、竹島宏のコメント動画をアップ致します!

配信はコチラ!

当初、4月13日(月)に予定されていました「YouTube生配信イベント」【1部 12:30~13:00 "はじめて"のYou Tube生配信イベント】【2部 13:10~“はじめて”のメッセージ抽選会】は、新型コロナウィルス感染症による<緊急事態宣言>を受けて、中止となりました。

※ 情報は随時更新されますので、下記、メーカーサイトにてご確認ください。


竹島宏 テイチクエンタテインメント

TEICHIKU RECORDS YouTube チャンネル


竹島宏 ロング・インタビュー

 歌手という仕事は、実に厳しい職業だ。人気商売だから、ただ頑張ればいいわけではない。なんの保証もなく、つぶしも効かない。華やかにデビューしても消えていく歌手も少なくないし、いつまで続ければ売れるのかは誰にもわからない。歌手になることも難しいが、それを続けていくことは、もっと難しい。人を楽しませることが仕事だから、一見、華やかで、楽しそうに見えるが、何事も見た目とは違う。
 歌手にインタビューすると、毎回、そういうことを思うが、竹島宏の言葉と話し方からは、そういう厳しさをより強く感じさせられた。

 そのスッキリとした甘いマスクと、テレビで見せる普段よりテンション高めの喋りからは、チャラチャラした軽いイメージがあるかもしれないが、真面目で、自分が大切にしていることは絶対に譲らない意志の強さも持っている。冷静に自分を客観視できる視点も持っているし、例えば、お客さんやファン、スタッフや歌手仲間など、自分に関わる全ての人の立場になって発想ができる、とてもクレバーな人だ。インタビューの質問にも、真摯に、一生懸命に答えようとしてくれる。

 デビュー6年目の2008年、『NHK歌謡コンサート』の企画で、北川大介、山内惠介とともに若手イケメン演歌歌手トリオ「イケメン3(スリー)」として話題になったのが、つい最近のことのように感じるが、はや10年以上が経ち、デビュー20周年も近づいている。
 新世代の若い演歌歌手が続々とデビューし続けている中、そういう若手たちからはベテランに見られ、大御所歌手からは若手に見られるという、本人にとっては、なんとも難しいポジションにいるのではないだろうか。

 2017年の20枚目のシングル『月枕』からは、作詞:松井五郎、作編曲:都志見隆のコンビが、竹島宏の作品を提供し続けており、『恋町カウンター』『噂のふたり』『夢の振り子』と「踊らされちゃう歌謡曲シリーズ3部作」に続く今回のシングルでは踊らない。
 『はじめて好きになった人』は、マイナー調、王道のポップス歌謡曲で、サビの歌声が耳に残るいい歌だ。カップリングの『涙ひとりきり』も、昔なら野口五郎が歌いそうなマイナー調3連の切ない歌で、聴けば聴くほど沁みてくる。人によっては、こっちの方が好きになるかもしれない。

 楽曲の良さもさることながら、竹島宏の声の魅力が、これまでで最も良く出ている2曲だ。これまでになく柔らかで、響き豊かで、チカラがあって、色気がある。

 ちなみに、竹島宏は、コブシをまわすような、いわゆる「演歌歌手」ではない。これまでのシングルは、いずれもポップス系の歌謡曲で、従来のイメージの演歌ではない。だから、あえて言うとすれば「歌謡曲歌手」、昔なら「流行歌歌手」というのが適当だと思う。


■『はじめて好きになった人』
〜「自分の声をお客様に楽しんで頂きやすい楽曲…」〜

 通算24枚目となる最新シングル『はじめて好きになった人』と、Aタイプのカップリング『涙ひとりきり』は、ともに、作詞:松井五郎、作編曲:都志見隆のコンビによる作品で、2017年のシングル『月枕』以降、このコンビで5枚目のシングルということになる(2009年の『禁じられた想い』も、松井五郎と都志見隆による詞曲だが、編曲は萩田光雄)。どちらもA面にしたくなるような、甲乙つけがたい仕上がりだ。作詞家、作曲家、編曲家、そして歌手が、ひとつのチームとなって何作か作っていくと、楽曲を作る側も、その歌手の良さがどこにあるのか、どういうものが合うのかもわかってくる。
 今回、複数ある候補曲の中から、竹島本人が選んだようだ。

「はい、今回は、ボクが "これがいいです" って言わせて頂きました。自分で選んだのは、デビューして初めてですね。」

 松井五郎と都志見隆が8曲ほど作り、都志見隆が歌ったデモテープを聴いて覚えて、実際に仮歌を録音してから選んだようだ。仮歌を入れた8曲の中から2曲を選ぶなんて、なんとも贅沢な話だが、それは、とりもなおさず、制作に関わる全員が情熱をもって一生懸命にやっていたということでもある。それに、その歌手本人が楽曲を歌ってみないと、実際のところ作家もわからない。作った時の想定と違うことも起きる。だから、本来は、ここまでやるべきだが、様々な事情で、そうならないことの方が多いのが現実だ。

 「贅沢なんですかね…? 実は、後から聞いた話なのですが、最初、他に別の曲でほぼ決定していたんです。でも、プリプロ(プリ・プロダクションの意味、本番のレコーディングの前に行う作業のこと)で歌入れをしてみたあとに、ディレクターが突然、"竹島さんはどうしたいですか?"って聞いてきたんです。"えっ? それはなに? 自分の言うことを聞いてくれるってこと?"って思って、じゃあ、ちょっと言ってみようと思って、"すいません、もう1回、自分が歌入れしたやつを全部聴かせてください" って言って聴き直してみたんです。その結果、この『はじめて好きになった人』っていう曲が、一番、自分の声をお客様に楽しんで頂きやすい楽曲じゃないかなって、ボクは思ったんですね。それで、この『はじめて好きになった人』で行かせて下さいって言いました。」

 当初、シングル候補だった曲は、これまでの3部作の流れで、踊るような曲だったのだろうか?

 「踊る曲ではないですね…。ただ、かっこいい激しめのロック歌謡みたいな曲で、そういう意味では、これまでの3部作にちょっと近いかもしれないですね。でも、これまでの3作で踊ってきて、またここでガラッと色を変えたいという思いもあって、それで、今回、この『はじめて好きになった人』に決めました。」

 タイトル曲の『はじめて好きになった人』は、1970年代からあるような王道のポップス歌謡曲だ。竹島宏の歌声にとてもよく合っていて、竹島宏の声のオイシイ部分が聴ける歌である。サビの「♪はじめて好きだと告げて はじめてひとりで泣いて〜」は、心地よく耳に残り、一度、聴いただけでスグ覚えてしまう。プリプロで仮歌を入れ、そこから選び、本番のレコーディングになるというステップを踏むことで、歌い方も、歌の理解度もより深まる。

 「都志見先生の事務所にスタジオがあって、そこでプリプロはやらせてもらっています。都志見先生の場合、オケどりの前のデモの段階で、ほぼアレンジも出来上がっている感じなので、最初から曲のイメージも掴みやすかったですし、本番のレコーディングの時も歌いやすかったですね。」

 カップリングの『涙ひとりきり』も、聴けば聴くほどしみてくるカップリングにはもったいないようなイイ曲だ。

 「そうですね、第一印象も良かったですね。『涙ひとりきり』もよかったですし、他にも何曲もいい曲があって、たとえば、ノリがすごく良くてかっこいい歌も実はあったんですけど、今、自分が皆さんにお届けしたい"自分の声の音色"ってことを考えた時には、この『はじめて好きになった人』が一番適してるかなと思ったんです。」

■ 踊らされちゃう歌謡曲シリーズ3部作
〜「いろんな偶然が重なって、結果的には3部作みたいに…」〜

 作詞:松井五郎、作編曲:都志見隆のコンビになってからは、毎回、何曲もデモを作ってもらっていて、これまでに渡された過去のデモの中にも、まだ歌っていない曲もある。

 「シングルかアルバムで使わせて頂きたいっていう前提で、お願いさせていただいていたんです。それで、松井先生も都志見先生も昔からの仲なので、お互いに連絡取り合って "ちょっと今度こういうの竹島に作ろうか…" とか "こういうのなかったよね…" とか、ライブを見てくださった後とかには "あっ、こういうのもありなんだよね" というように、どんどんいろんな歌を作ってくださってるんです。しかも、どれも違ったタイプで、かぶるものはないんですね。本当にありがたいです。どちらかというと、シングル狙いというよりも、アルバムを作るイメージで、先生達が作ってくださっているっていうところは大きいかもしれないですね。」

 踊らされちゃう歌謡曲シリーズ3部作は、最初から踊る予定ではなかった。1作目の『恋町カウンター』は、キャッチーな歌謡曲というコンセプトで作られたものらしい。

 「その時の宣伝の人が、"サビのところだけでもファンの人と一緒にできることがあるといいよね" って言ったところから始まったんです。誰かに、振り付けっぽいものを考えてもらおうっていうことになって、そしたら、そのお願いした先生が、もともと浜崎あゆみさんのダンサーをやられていた方で、ノリのいい曲を聴いてると体が自然に動いてしまうみたいで、"フリを全部つけちゃったけど、歌の邪魔になるといけないから、できるところだけでいいから…" って言われて。」

 「ミュージックビデオの撮影の数日前だったんですけど、ダンスの振り付けの最初のレッスンの時に、"せっかくつけてもらったので、もったいないからちょっと練習だけします" って言って、実際は、なかなかうまくはできなかったんですけど、まあとりあえずやってみようということになったんです。」

 「撮影の時にも先生に来てもらって、踊りながら撮ったんですけど、なにしろ踊るのが初めてだったので、撮影が終わった後の映像を見ても、"ちょっとこれは出さないほうがいいよね…" ってところが結構あったんです。でも、それをうまく編集していただいて、見せてもOKなようなところ、ちゃんと振り付けができているところだけ、間に差し込んでもらったんです。」

 「それで、初めてお客様の前で踊りながら歌ったら大爆笑で…(笑)。やめたほうがいいって言われたりもしましたけど、でも、やめたほうがいいって言った方が、しばらくすると "『恋町カウンター』は振り付けがないと聴けないわ〜、なんかクセになっちゃった" って言っていただけるようになったんです。そうこうしてるうちに、例えば、歌番組でも、踊りのあるのコーナーを担当させていただいたりとかして、そこから、結局、その次の第2弾の『噂のふたり』が去年出て、そういう楽曲だったら、また踊るしかないねってことになったんです。」

 昨年、2019年に発売となったシングル『噂のふたり』は、メジャー調でアップテンポ、まさに完成度の高い1970年代のアイドル歌謡のような曲だ。

 「最初は、あの曲の予定じゃなかったんです。カップリングのしっとりとした方がいいだろうっていうことで進んでいたんです。でも、『噂のふたり』みたいな曲は歌ったこともなかったし、レコーディングの日は、ちょっとなんか鼻声でムズムズするなと思いながらやっていたので、それを吹き飛ばすくらいの感じで歌ってみたら、それが良かったみたいで…。それで『噂のふたり』に決まって、"じゃあ、また踊るしかないね" ってことになってしまって…。」

 この時に初めて、「踊らされちゃう歌謡曲」というキャッチフレーズが付けられて、この『噂のふたり』が第2弾で、前作が第1弾ということになったというのが真相だ。しかし、『噂のふたり』が発売された直後に、NHK さん から「番組の主題歌を歌いませんか?」という話が来て、急遽、わずか3ヶ月後に、第3弾の『夢の振り子』が NHK BS時代劇「大富豪同心」の主題歌として発売となる。

 「本当にリリース直後の "今からキャンペーン頑張ります!" っていう時に、その話が急に来たんです。それで、先生たちも一週間くらいで曲を作ってくださって、レコーディングしたら "なんかイイ歌できちゃったね" ってことになり、急遽、3カ月後に『夢の振り子』を発売することになったんです。」

 「あっ、でも最初は踊る予定じゃなかったんですよ。番組のプロデューサーさんが、"時代劇のエンディングで役者さんが踊るみたいなことをやってみたい" っておっしゃっていたようで、それを、ディレクターが "竹島も踊らなきゃいけない" って勘違いしちゃって、振り付けの先生にまたお願いをしてしまったんです。でも、どうも後で話を聞いたら、NHK さんは、とくに竹島宏に踊ってくれという話はしていなかったらしく、ただ、役者さんたちの踊りをこっちでやらせてもらいますって話だったんですよ(笑)。」

 「でも、そこが、なんか面白いところで、誤解が生まれたり、いろんな偶然が重なって、結果的に3部作みたいになったんです。全部、誰かのきっかけが、いろんな道を作ってくださっていたというか…。主題歌の『夢の振り子』を歌うことになったのも、その前の年に『恋町カウンター』をボクが踊りながら歌ってる姿を、番組のプロデューサーさんが見てくださったそうなんですね。それで、その後、ちょうど『噂のふたり』をリリースした直後に "主題歌を歌いませんか?" ってお話をくださったんです。」

■ 都志見メロディの難しさ
〜「相当鍛えられましたね…この3年くらい…」〜

 作詞の松井五郎は、坂本冬美・ビリー・バンバンの『また君に恋してる』、安全地帯『悲しみにさよなら』、HOUND DOG『AMBITIOUS』、光GENJI『勇気100%』などの作品で知られている。今でも、Sexy Zone などのジャニーズ系も多く手がけるなど、もともとはポップス系の作詞家だが、最近は、五木ひろしや山内惠介などにも提供している。郷ひろみの『逢いたくてしかたない』は、松井五郎と都志見隆のコンビによる作品だ。

 「松井先生は、いろいろな解釈ができる言葉の並べ方をされる先生なので、いつも、想像力を掻き立てられる作品だなっていう印象があります。言葉の一つ一つは、すごく分かりやすいというか、演歌とはまるで違いますね。演歌だと、ちょっと辞書で調べなきゃいけない言葉も出てきたりしますけど(笑)そういうの全くないです。」

 作曲の都志見隆(つしみ たかし)は、中西保志の名バラード『最後の雨』、TOKIOのデビュー曲の『LOVE YOU ONLY』、前川清『男と女の破片』など、やはりポップス系の作曲家だ。もともと、シンガーソングライターとしてデビューしたことがあり、その後渡米し、アメリカの音楽大学で作曲を学びながら、マイケル・ジャクソンらのボイストレーニングを担当していたセス・リッグスに歌を習っていたようだ。

 「だから、渡されるデモに入っている歌が、すっごいうまいんですよ! 演歌の弦哲也先生なみですね。今でも、レコーディングの時なんか、すぐハモリとかやってくださいますし、自分では悪いと思っていないところでも「そこ…ピッチどうかな?」って言われて、都志見先生レベルになると、かなり細かいところでも気になるみたいで。」

 都志見隆の作るメロディはポップでキャッチーだが、実は難しい歌が多い。今回の『はじめて好きになった人』もそういう曲だ。

 「ハッキリ言って難しいです。それは『月枕』以降、ずっと感じていて…、相当鍛えられましたね…この3年くらい。他のカバー曲を歌うときには、あまり感じないんですけど、自分のオリジナルの都志見メロディだけは、いつも苦戦してます…(笑)。」

 『はじめて好きになった人』でも、サビの部分「♪はじめて好きだと告げて はじめてひとりで泣いて」は、とてもキャッチーで耳に残るが、いざ歌おうとすると、音程がよくわからなかったりする。音楽的に言えば、そのコードの構成音にない音、いわゆるテンション・ノートにメロディが行っていることが少なくないからだ。都志見隆の作品に、洋楽っぽく聞こえるメロディが多いのも、そのためだ。

 「『噂のふたり』は、都志見先生には珍しく歌謡曲よりの音階でしたけど、ほかは、だいたい音をとるのが難しいです。都志見先生はアメリカに行って勉強された方なので、その時に培われたものを、最近の竹島宏の作品にふんだんに盛り込んでくだっているようなんです。だから、『はじめて好きになった人』もそうですけど、簡単そうに聴こえますけど、実際、しっかり音をつかめるようになるまで時間かかりますね。先生は、デモテープで、いとも簡単に歌っているんですけどね(笑)。でも、じゃあ、都志見先生のデモの歌を聴きながらやればっていうんですけど、それも違うんですよ。」

 カバー曲は、オリジナルの歌手が歌ったお手本(見本)のようなものがあるから簡単だが、自身がオリジナルとなる持ち歌は、誰も歌ったことのないお手本のない歌だけに難しいものだ。

■ レコーディングでの発見
〜「教えこんでくださった結果だと思います…」〜

 最初、竹島宏は、作詞家、久仁京介の弟子だった。久仁京介は、日吉ミミの『男と女のお話』、新沼謙治の『津軽恋女』、最近では、福田こうへいの『南部蝉しぐれ』や『峠越え』などの作詞で知られ、2016年、竹島宏の19作目のシングル『夜明けのカラス』までは、師匠の久仁京介が多くの曲で作詞を担当している。

 「久仁先生は厳しかったですね。最近は、レコーディングもそんなに時間がかからなくなりましたけど、デビュー当時なんか、あらためて別日にやりなおしたこともあります。それこそ、久仁先生が納得いかなくって。ディレクターは "今の竹島の実力はコレなんだから仕方ないだろ" と、"これから歌っていって勉強していけばいいんだ" と言っても、久仁先生は、"そんな甘いことじゃいけない" っておっしゃって…、今思えばありがたいですね。」

 その後、久仁京介・弦哲也による『はぐれ橋』や、幸耕平の作詞作曲による『泣きぬれて…』などがあり、2017年の『月枕』から、松井五郎・都志見隆のコンビが現在まで続いている。実際の歌入れでは、松井五郎が積極的にディレクションをしているようだ。

 「松井先生は、"言葉をこれに変えてみようかとか?" とか、現場でボクが歌ったものを聴いて、いろいろ提案してくださいます。その場で歌詞を変えたりということも結構ありますね。」

 「都志見先生は、いつもはだいたい "いいんじゃない〜?" って、わりとそういう感じなんですけど、ところが、今回は、アドバイスやリクエストを色々と言ってくださいました。」

 都志見隆が、とくに今回は、竹島宏が歌ったイメージを明確に持っていたからだろう。それだけ、力が入っていたということの現れでもある。

 「そうですね…。"いや、そこはそういう風に解釈してるかもしれないけど、声はこういう風に出してもらいたい" というような具体的なディレクションが多かったですね。例えば、ボクが "ここはふんわり柔らかく" って思っていたところを、"しっかり強く前に出してもらいたい" とか、イメージしてたのと正反対のアドバイスもされて、でも、結果、大正解で、自分であとから聴き返しても、その方が、スッキリ、気持ち良く聴こえるなって思いました。」

 今回の2曲は、これまでになく歌声がやわらかで、響きも豊かになっているように感じる。もちろん、仮歌を入れて、自身の声の良さが最もよく出る曲を選んだということもあるが、歌そのものも変わったように思える。

 「そうですね。今回の作品、今回のレコーディングで、ようやくヘンなチカラが入らなくなったというか…、ようやく重心が下に下がって、自然に柔らかく歌えるようになったかなって思うんです。」

 カップリングの『涙ひとりきり』は、マイナー調の切ない3連バラードだが、難しい曲なのに実に伸びやかで、感情豊かで、明るい声の響きで切なさが伝わってくる。

 「カップリングも、結構丁寧にレコーディングしました。とにかく "明るく 明るく" って言われました。それで、明るく歌おうとすると、重心が下がらざるを得ないですね。そういうことに、今回、はじめて気づいたんです、レコーディングの時に。一番のポイントは、腰回りからおしりにかけての筋肉みたいな…、。あっ、こういうことだったのか!って、18年目でようやく気がつきました。諸先輩方は、ちゃんとわかっていらっしゃるんだと思いますけど。」

 「これまで、いろんな先生方からいただいたアドバイスが、自然と体の中に入っていて、その積み重ねだと思います。たとえば、最初、体でうまく表現できなくても、どっかに色々とストックがあって、"これができない時は、これだ…" とか、応用が効くようになって、レコーディングの時に体で表現できるようになってきましたね。これまで、いろんな先生方が、教えこんでくださった結果だと思います。」

■ 竹島宏は演歌歌手なのか?
〜「イメージとしてわかりやすいんだろうな…」〜

 冒頭にも書いたように、竹島宏は、多くの場合「演歌歌手」としてくくられるているが、コブシをまわすような、いわゆる「演歌歌手」ではない。これまでのシングルは、いずれもポップス系の歌謡曲で、これまでのイメージの「演歌」ではない。だから、あえて言うとすれば「歌謡曲歌手」、昔なら「流行歌歌手」というのが適当で、少なくとも、従来の「演歌歌手」ではない。

 「そういうことになっちゃいますよね、歌っている歌からすると。」

 デビュー前から、テレビ番組「歌謡サロン 演歌がええじゃん」に出演していたため、そういうイメージになったのかもしれない(その後、番組名は「竹島宏の歌MAX」になった)。

 「演歌歌手っていうのは、出発点だったのかもしれないですね。今思い返すと、デビュー曲の『いいもんだ いいもんだ』なんかも、演歌じゃなくて、あえて表現するならコミック・ソングですからね(笑)。まあ、カップリングは、ちょっとムード歌謡的な作品ではあったんですけど。」

 「今は、自分では "演歌歌手" とは言ってないです。ただ単に "歌手です" って言うようにしています。それは、演歌歌手と言われることがいやなわけではなく、いろんなジャンルの歌を唄っているので、自然にそう出るようになったのかもしれません。」

 時代とともに、「演歌」という便宜的なジャンル分けのイメージも変わってきている。最近では、以前のアイドル歌謡曲みたいなものも含め、歌謡曲的なものは全て「演歌」として括られるような傾向もある。

 「演歌歌手って言えば、イメージとしてわかりやすいんだろうなとは思います。ただ、僕がデビューする前、歌手になりたいなと思ってた時の演歌歌手のイメージと、今の人達が思う演歌のイメージが全く違うと思うんですよ。演歌という意味合いが変わってきているので、そういう意味では、演歌歌手っていう表現も全然ありだと思いますね。」

 「時々、コンサートでは、演歌を歌わせていただくこともありますけど、でも、結果的に、ボクが今歌っているのは、本当の演歌とはちょっと離れているところだったりしますから…、まあ、何でも歌いますってことですね。」

 「今まで、いろいろ見させて頂いてきて思うのが、意外と、どの方も、演歌っていう言葉にこだわっていないというか、そんな気がします。"なにが演歌?" って言われても、絶対的な答えはなかなか難しいというか、もしかしたら、若い子からすると、テレサ・テンさんの歌でさえも演歌っていう風になっちゃうのかもしれないですし。」

■ 坂本冬美との出会い
〜「カルチャーショックでした…」〜

 歌手を目指す最初のきっかけとなった出来事がある。小学校5年生の時、当時、住んでいた地元の福井市で、ひいおばあちゃんに連れて行ってもらった坂本冬美のコンサートだ。

 「とにかく "すごいな" って、そのひとことですね。なんですかね…、やっぱりプロの人の歌を聴くのも初めてでしたし、フェニックス・プラザ(福井市にあるホール)っていう大きな会場に入ったのも初めてで、緞帳ってモノも初めてで、幕が開いてバンドがいて、きらびやかなセットがあって、そこに冬美さんが着物でいて…、もう全てが初めて、カルチャーショックでした。」

 はじめて、エンターテインメントのキラキラした華やかな世界、楽しさに触れたということだろう。もしかしたら、それが、坂本冬美でなくても、誰でも良かったのかもしれないが、しかし、坂本冬美の歌を含めた世界観に惹かれたことは間違いないから、仮に「他の誰か」では、そうはならなかったのかもしれない。

 「そうですね、冬美さんの歌は、大好きでよく聴いてましたね。その前は、光GENJI の『パラダイス銀河』とか、ああいう作品に憧れていましたけど、冬美さんがきっかけで、色んな音楽を聴き始めましたね。冬美さん以外にも、その当時、美人演歌歌手と言われた先輩方、夏子さん、藤さん、香西さんとか…、あと、ちょうど香田晋さんが『手酌酒』っていう曲を歌われてて、すごい好きで、ずっとテープに合わせて歌ってました。中学校に入るくらいの頃ですかね。あと、「歌手の小金沢くん」のCMをやっていたころで、小金沢さんのテープも買って、歌ったりしていました。」

 「でも、今、冷静になって振り返ってみると、冬美さんの歌を聞く前、初めて歌をちゃんと聞いたなと思ったのが、家にあったカセットテープに入っていた『北国の春』で、それは誰か女の人が歌っていました。その歌を聴いて、いいなと思った記憶を思い出したことがあります。」

 その後は、演歌だけでなく、歌謡曲やニュー・ミュージック、洋楽など、なんでも聴くようになった。ビリーホリデイやナット・キング・コール、チェット・ベイカーなど、ジャズ・ボーカルも好きだと言う。

 「そうですね…聞いてましたね。なんか、退廃的な匂いのするジャズのボーカルがすごく好きで…、なんですかね…なんか心惹かれるんですね。多分、ないものねだりっていうか…。若干しゃがれた感じっていうか、そういうハスキーボイスも好きみたいですね。ジミースコットなんか、多分あれが最後だったと思うんですけど、ブルーノートにひとりで聴きに行きました。その時、杖をついたおじいちゃんのジミーが、奥さんに支えられながらステージに上がって、その直後の第一声でやられましたね。そのひと声で酔える…、そのひと声で今日の入場料オッケー!みたいな感じで、それを見たときに "ああ、こういう歌手になりたい" って思いましたね。若い時とは違う、その年齢じゃないと出ない息遣いとか響きってあるじゃないですか。」

■ 上京、歌手への道
〜「そりゃあ、びっくりしますよね…」〜

 中学3年の進路指導の時に、歌手になろうと決めた。

 「はっきり決めたのは、そのときですね。それまでは、そういう意識は、あんまりなかったんですけど、そのときに、演歌歌手になろうって決めたんです。」

 なぜ、演歌だったのだろう?

 「なんですかね…。あの〜…これは誤解を生みそうな発言になるんですけど、その当時、演歌の若い人が、あんまりいそうになかったっていう…そういう甘い考えで…。」

 若い演歌歌手がいないから…と、マーケティング戦略のように考えていたのは驚きだ。なんともクレバーな中学3年生だ。その後と、今の演歌界の状況を見れば、それが正解だったことは明らかだ。

 「そのころは、小金沢さんとか香田さんとか、あと西方さんとか、岩出さんとかもちょうどデビューした頃だったかな…、いらっしゃったと思うんですけど、自分の中では、そのあとに続く、もっと若い人がいないなと思ってて…。」

 しかし、その後、福井県立高志高校に進学し、高校卒業後は、明治大学の経営学部に入学するために上京する。

 「そこしか行く場所がなかったというか…。"演歌歌手になりたいので、中学校卒業したら高校には行きません" って言ったんですけど、"じゃあどうするの?" って言われて、"東京に行ってアルバイトしながらオーディションうける" とか、何もわからずそう言ったんですけど…、演歌歌手のオーディションなんてないですよね(笑)。それで、音楽の専門学校も、いろいろ自分で調べましたけど、でも、音楽の専門学校行ったからって必ずプロになれるとは限らないのに、普通の高校に行くよりも学費が高くて。」

 「それで、そうこうしているうちに、先生に "やっぱり高校に行って、そのあとに考えたらいいんやないの" って言われて、自分も、よく言えば素直というか単純というか、それで分かりましたっていうことで、結局、高校を受験しました。」

 「高校に入ってからも、ずっとの演歌歌手になると言ってたので、当然、勉強する気も全くなかったんですけど、でも、やっぱり周りは大学に行くような状況だったので、自然とそういう流れになっちゃって…。高校卒業してからも、とくにあてがなかったですし、就職するわけにもいかないし。そんな時、 "大学に行ったらいっぱい時間があるから、その時にいくらでもできるよ" っていう高校の先生の一言で、東京に行くために大学に進学することにしたんです。それで、本当にラッキーだったんですけど、推薦で明治大学に入れたんです。」

 「ラッキー」とは言うが、高校の推薦で明治大学に入れるということは、高校の成績も良かったということだ。おそらく、生来の真面目な性格があったからではないだろうか…。
 上京後、大学に通いながら歌手の道を模索している中、校舎が明大前から御茶ノ水の駿河台に変わる、大学2年から3年になる春に出場したカラオケの審査会で、審査員だった作詞家の久仁京介と出会い、声をかけられた。

 「最初からスカウトされてレッスン…とか、そういうことではなかったんです。その当時、レコード店で貸し出しをしていた、カラオケのレッスンビデオっていうのがあって、それのレッスン生の役をやらないかって連絡を、しばらくして頂いたんですね。そのレッスンビデオの収録があって、その時に、先生が今の事務所の社長を紹介してくださったんです。」

 「その場では、とくに何ていう話もなかったんです。でも、ある日、たまたま原宿に行った時に、社長から頂いた名刺を頼りに事務所を探してみたんです。その時は、明治通り沿いのパレフランスってビルに事務所が入ってて、"あ、ここだ!" って見つけて、それで、若気の至りで、そのままアポもなく社長を訪ねて行ったんです(笑)。」

 「そりゃあ、びっくりしますよね…社長も。"どうしたの?" って言われて "ちょっと遊びに来ました!" って言ったら、ちょうど神宮の花火大会の日だったんですけど、社長も社長で "じゃあ、今日これからみんなで花火大会行くけど、一緒に行く?" って誘ってくれたんです。」

 「それで、その勢いで、"大学3年になって学校に行く回数が減るので、バイトで使ってもらえませんか" って言ったら、いいよって軽くOKしてもらって…。」

 すごいエピソードだ。簡単に言うが、実際には、なかなか出来ることではない。歌手になりたいという思いの強さに加え、行動力もある。それに、スッと相手の懐に知らぬ間に入り込んでしまうような魅力、そういうキャラクターを持っているからなのだろう。

 「事務所でバイトをし始めて、そうこうしてるうちに、事務所の方で『竹島宏の歌MAX』の前身の『歌謡サロン 演歌がええじゃん』というテレビ番組を作ることになったんですね。その当時、事務所にいらっしゃった女性の先輩が司会をするっていうことで、"アシスタントの男の子にちょうどいいんじゃない" ってことで出させてもらうことになったんです。」

 「最初は、ただ出ているだけだったんですけど、"せっかく出るんだったら歌えば" っていうことになり、そのうち、ナツメロのリクエストコーナー、チャレンジコーナーみたいな感じで歌わせていただくことになって、その時、ようやく久仁先生からレッスンをしていただけるようになったんです。」

 番組に出始めてから、わずか2年でデビューとなった。

■ イケメン3、五ツ星演歌男子
〜「自分じゃなくてもいいだろうし…」〜

 デビューしてから6年目の2008年、『NHK歌謡コンサート』で、北川大介、山内惠介とともに若手イケメン演歌歌手トリオ「イケメン3(スリー)」が結成され、一躍有名となった。さらに、その後、「イケメン3」に松原健之と黒川真一朗が加わったユニット「五輪の華」でも活動したり、最近は、CS歌謡ポップスチャンネルでは「演歌男子。」、NHK『新・BS日本のうた』では「五ツ星演歌男子」など、グループで活動することも少なくない。

 「最初の "イケメン3" は、番組の中の企画で始まったユニットですね。最初は、幸子さんや川中さんたち、女性の大御所の先輩たちとデュエットする若手、新入社員役みたいな感じ出させてもらって、それが思いのほか評判が良くて…と言われている…僕はそう思っているんですけど(笑)、それが年末だったんですね。その年明けに、また3人が呼ばれた時に台本を見たら "イケメン3" になってたんです(笑)。その当時の担当プロデューサーさんが考えてくださっていたんです。」

 しかし、北川大介、山内惠介、竹島宏では、どう見ても、全くタイプが違う3人だ。それに、お互い、それぞれがライバルでもあるはずだ。

 「3人は全く違いますね。その当時は、誰かと一緒に共同作業するっていうことをやったことがなくて、間合いの取り方が全くわからなかったですね。僕達も、まだこれから上に上がってく、上を目指して行くってそういう段階だったですし。」

 「嫌いとか好きとかそういうことではなくて、その時に急に3人が集まって、あくまでもライバルなはずなんだけど、先輩後輩でもあったり、年齢も全然違うし、事務所もレコード会社も違うから、正直3人とも、どうしていいかわからない状態で戸惑ってたところはあったと思うんです。お互いに、どうしていいのかわからない。お互いに、みんな、てっぺんを目指してるけど、そのてっぺんに上がれるのはみんなじゃなくて、誰か一人しか旗は取れない…。」

 「でも、いろいろやっていくうちに、お互いの性格とか方向性とかも見えてきて、最初はギクシャクしてたけれども、最後はなんとなく、"またしばらくして大人になったら集まってできたらいいね" みたいに終わっていたんだと思うんですね。」

 「まあ、ただひとつ言えるのは、全く噛み合うことがなかったっていうことですかね(笑)。でも、結果的に、見てる側からすれば、そこが面白くて、興味をそそられたんじゃないかなって思います。とにかく、その時は、3人とも必死だったし、それぞれが、やるべきことを一生懸命やってましたね。だから、たぶん今も、それぞれの道で歩いて行けてるんだと思います。その時にいろんなことを経験させて頂いたことが、今にも繋がっていると思います。」

 NHK『新・BS日本のうた』では「五ツ星演歌男子」として、竹島宏、パク・ジュニョン、川上大輔、真田ナオキ、中澤卓也という、若手イケメン歌手5人で出演することがある。しかし、他の4人の中に入ると、どうしても、竹島宏がひとりだけベテラン歌手に見えてしまう。年齢と言うよりも、そのキャリアと経験の中から、自然と醸し出される雰囲気なのだろう。もちろん、竹島宏がリーダーだ。

 「"イケメン3" で、3人でも大変だったのに、もっと色んな人達とやるのは本当大変だろうなあって思っていました。でも、ところが、今の子達っていうのは…今の子達っていうと自分がすごい年みたいですけど…、最近デビューした子たちっていうのは、そういう感覚が違うんですよね。最初っから、"みんな、よろしく! 楽しくやろうね!" っていう風なスタンスで入っていける子たちって言うか…。それが悪いとも思わないけど、かと言っていいとも思っていないんです…実は。世代のギャップを、すごく感じてます…(笑)。」

 「もちろん、いろんなことをみんなでやるっていうことの面白さとかは、大変だけど、たしかにあると思います。ただ、最初からグループとしてやっている人たちと、ソロとして看板を張らなきゃいけない人たちが集まってひとつのことやるって言うこととは、全く意味合いが違います。そこを履き違えさえしなければ、それぞれ、長く生き残っていけると思いますし、その時にやったことに意味があったということになると思います。」

 「自分はあくまでもソロの歌手で、自分の名前でお客さんを呼べる歌手にならなきゃいけないんだっていう意識が欠けてると、同じように仲良くやっていても、将来が不安になるんじゃないのかな?って思います。そういうことを、実は、このあいだ「五ツ星」の打ち上げの時に言わせてもらいました…、年長者なんで(笑)。」

 「たとえば、ほかにも、"五ツ星" のユニットに参加したい人もいるわけじゃないですか。参加したくてもできない人もいるし、そういう人たちもいるってことを踏まえながらしっかりやっていかないとダメだよね〜って…、年長者なんで(笑)。」

 「自分は、"五ツ星" のユニットでは、浮いてたと思いますよ、正直言って。でも、それはそれで面白いと思いますし、またの機会があれば、自分を必要としてくださるのであれば、行きたいです。でも、たぶん、その時は、たまたま自分だっただけで、もっと若い子達もいっぱいいるわけだから、自分じゃなくてもいいだろうし…。」

 「たとえば、辰巳ゆうとくんとか新浜レオンくんとかが入っても全然おかしくないし、二見颯一くんみたいな演歌の匂いがする人が入っても面白いと思うし。"五ツ星" のユニットだけじゃなくて、たとえば、ちょっとタイプの違う "本格派演歌を歌うユニット" で、彩青くんみたいな子達が集まっての3人とか5人のユニットだとしたら、それはそれで、また違ったものも出てくるだろうと思いますし。」

 「あとは、番組のその時の趣旨とか企画があると思うので、その中で、どれだけ楽しんで積極的に乗っかってけるか、いい意味でハジけられるかっていうことが大切なことだと思っています。そういうつもりで、出させていただいていますし…。"エラそうなこと言って、ふざけんなこのやろう!" って怒られるかもしれないですけど…。」

 自分のポジションや立ち位置や役割を、俯瞰で客観的に見ることが自然と出来ているだけでなく、他の歌手や番組など、周りのことまでよく見えている。実にクレバーな人だ。

■ 竹島宏が目指すところ
〜「そこに何かが生まれると思うんです…」〜

 再来年の2022年には、デビュー20周年を迎える。今後、竹島宏は、どういうところを目指しているのだろうか?

 「そうなんですよね! この前、ひとに20周年て言われて "そうなんだ!" って…。今、この瞬間では、実は、この『はじめて好きになった人』のことしか考えてなくて、この歌が、きっとボクの歌手人生の中で、キーポイントになるんだろうなって思ってるんですね。この歌が、世の中の皆さんに受け入れていただけるとしたら、なんか今後の道筋っていうか、何かがはっきり決まってくるんだろうなっていう気はしてます。」

「よく言ってるのは、理想は、たとえば武道館とか国際フォーラムのホールAみたいな大きな会場で、全編ピアノだけとかギターだけでライブができちゃうような歌手になりたいなと思っています。それを感じたのが、山崎まさよしさんが、弾き語りだけでやっている映像をDVDで見たとき、すごいなって思って。自分で弾けるって言うのもすごいですけど、声だけで、そこまで持たせられるっていうのは、すごいなと思って。そういう挑戦をしてみたいなっていう思いはあります。」

 「もちろん、エンターテイメントとして、華やかな衣装とか、華やかなステージとか、派手なパフォーマンスとか、そういうもの見せることも必要だと思うんですけど、それは、自分があまり意識しなくても、ヒット曲が生まれたら自然にそういう状況になってくるじゃないのかなって気がしてるんです。それは、周りの人たちがお膳立てしてくれてできることで、でも、ピアノ1本とかギター1本とかで、大きなコンサート会場を持たせることができるかどうかっていうのは、完全にもう自分の能力だけにかかっているということになりますから。"能力"プラス"存在感"ですかね。そういうところに挑戦できる歌手になりたいないって、ボクは思ってます。」

 「"声で、いろんな色の音楽を描ける歌手" そういう風になれたら、これから先、音楽の世界がどうなっていくかわからないですけど、不安に思うことはないじゃないかなって思います。今は、もうCDを売ってどうのこうのって時代じゃなくなりつつあると、世の中の人はみんな思っていますし、レコード会社の人も含めて。それはそれで、どういう風に収益を生み出していくかっていうことが大きな悩みになってるとは思うんですけど、でも、根本的に、やっぱり歌手っていうのは、いい歌を、いい表現を、お客さんの心が動く歌を歌い続けていれば、そこに何かが生まれると思うんです。」

 「そういうソフトの部分がしっかりしていれば、ハードの方は後からついてくるんじゃないかなっていう気が、ボクはしています。」

(取材日:2020年3月24日 / 取材・文:西山 寧)


竹島宏 歌詞一覧

MUSIC GUIDE「注目歌手カタログ」竹島宏


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竹島宏 公式サイト


竹島 宏 『月枕』 2017年
踊らされちゃう歌謡曲シリーズ3部作 第1弾「恋町カウンター」2019年
踊らされちゃう歌謡曲シリーズ3部作 第2弾「噂のふたり」2019年
踊らされちゃう歌謡曲シリーズ3部作 第3弾「夢の振り子」2019年


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