スターダスト☆レビュー、根本 要 スペシャル インタビュー!「その思いが、僕がライブを続ける理由でしょうね…」 唯一無二、日本屈指のライブバンド! 最新ミニアルバム「ブギウギ ワンダー☆レビュー」が 2022年10月19日に発売! 前回の 40周年ツアーも Blu-ray / DVD / CD で 同時発売! 2024年まで続く全国ツアーがスタート! 読者プレゼントあり!

インタビューの最後に、読者プレゼントあり!

STARDUST REVUE

スターダスト☆レビュー

Mini-Album
『 ブギウギ ワンダー☆レビュー 』

Blu-ray / DVD / CD
『 スターダスト☆レビュー
  40TH ANNIVERSARY 年中模索
  ~しばらくは、コール&ノーレスポンスで~ 』


★ 結成 40周年を越えた、唯一無二、日本一のライブバンド!
★ 初期作品をホーンセクションと共にリテイクしたミニアルバムが発売!
★ 日本屈指のライブバンドを体感できる、40周年ツアーのライブ Blu-ray / DVD も 同時発売!
★ 2024年まで 約100公演を予定する ツアーが 2022年10月22日にスタート!

★ 40年を振り返る スペシャル インタビュー!
★ 40年以上続けられている理由とは……、リーダー 根本要が語るライブへの想い!
★「既成の考え方とちょっと違うところがあるんでしょうね…」



スターダスト☆レビュー2022.10.19発売『ブギウギ ワンダー☆レビュー』Making

「スターダスト☆レビュー 40th Anniversary 年中模索
〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜」Blu-ray・DVD・CD、2022.10.19発売!

スターダスト☆レビューよりお知らせ



リリース 情報


スターダスト☆レビュー「ブギウギ ワンダー☆レビュー」
Mini-Album CD
2022年10月19日 発売
COCP-41893
¥2,200
日本コロムビア

<収録曲>
1 シュガーはお年頃
2 銀座ネオン・パラダイス
3 噂のアーパー・ストリート
4 What A Nite!
5 紅いハンカチ


スターダスト☆レビュー「スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY 年中模索 ~しばらくは、コール&ノーレスポンスで~」
Blu-ray / DVD
2022年10月19日 発売
Blu-ray: COXA-1305 ¥7,700
DVD: COBA-7311-2 ¥6,800
日本コロムビア

<収録曲>
01 今夜だけきっと(Symphonic Version)
02 Welcome To The Jungle
03 NO! NO! Lucky Lady
04 約束の地へ
05 夢伝説
06 愛はいつも偶然じゃない
07 センタクの人生
08 追憶
09 おぼろづき
10 僕の中の君
11 銀座ネオン・パラダイス
12 トワイライト・アヴェニュー
13 不思議なチ・カ・ラ
14 同級生
15 オ・マ・ジ・ナ・イ
16 木蘭の涙
17 君は大丈夫!
18 RUNNING
19 還暦少年
20 働きたい男のバラッド
21 今夜だけきっと
22 南風吹く丘で
23 Northern Lights -輝く君に
24 道 ~The Song For Us~

[特典映像]
・年中模索 裏模様
・We are Stardust Revue


スターダスト☆レビュー「スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY 年中模索 ~しばらくは、コール&ノーレスポンスで~」
Live CD
2022年10月19日 発売
COCP-41892
¥1,100
日本コロムビア

<収録曲>
01 Welcome To The Jungle
02 約束の地へ
03 夢伝説
04 愛はいつも偶然じゃない
05 センタクの人生
06 おぼろづき
07 僕の中の君
08 不思議なチ・カ・ラ
09 同級生
10 オ・マ・ジ・ナ・イ
11 木蘭の涙
12 君は大丈夫!
13 RUNNING
14 働きたい男のバラッド
15 Northern Lights -輝く君に
16 道 ~The Song For Us~


スターダスト☆レビュー 日本コロムビア


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スターダスト☆レビュー YouTube


スターダスト☆レビュー 歌詞一覧




ツアー情報


スターダスト☆レビュー ツアー 2022~24「ブギウギ ワンダー☆レビュー」

2022.10.22 SAT 神奈川県 ハーモニーホール座間
2022.10.29 SAT 群馬県 藤岡市みかぼみらい館
2022.10.30 SUN 埼玉県 羽生市産業文化ホール

2022.11.05 SAT 石川県 本多の森ホール
2022.11.06 SUN 長野県 ホクト文化ホール 大ホール
2022.11.12 SAT 秋田県 ほくしか鹿鳴ホール (大館市民文化会館) 大ホール
2022.11.13 SUN 秋田県 能代市文化会館 大ホール
2022.11.19 SAT 兵庫県 三木市文化会館
2022.11.20 SUN 大阪府 狭山市文化会館(SAYAKAホール)

2022.11.23 WED 滋賀県 守山市民ホール 大ホール

2022.12.08 THU 北海道 幕別町100年記念ホール
2022.12.16 FRI 愛媛県 松山市総合コミュニティセンター
2022.12.18 SUN 高知県 高知県立県民文化ホール
2022.12.24 SAT 熊本県 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
2022.12.25 SUN 福岡県 北九州ソレイユホール

2023.01.07 SAT 長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
2023.01.09 MON 千葉県 千葉県文化会館 大ホール
2023.01.14 SAT 栃木県 宇都宮市文化会館 大ホール
2023.01.15 SUN 神奈川県 茅ヶ崎市民文化会館
2023.01.20 FRI 東京都 中野サンプラザホール
2023.01.21 SAT 東京都 中野サンプラザホール
2023.01.29 SUN 群馬県 太田市民会館ホール

2023.02.23 THU 山形県 シェルターなんようホール(南陽市文化会館)大ホール
2023.02.25 SAT 青森県 弘前市民会館
2023.02.26 SUN 秋田県 大曲市民会館

2023.03.04 SAT 福井県 敦賀市民文化センター
2023.03.05 SUN 富山県 富山オーバードホール
2023.03.11 SAT 島根県 島根県民会館 大ホール
2023.03.12 SUN 広島県 上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)

2023.04.01 SAT 福島県 喜多方プラザ文化センター
2023.04.02 SUN 福島県 いわき芸術文化交流館アリオス
2023.04.08 SAT 東京都 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
2023.04.09 SUN 千葉県 千葉県南総文化ホール 大ホール

2023.05.13 SAT 新潟県 上越文化会館
2023.05.14 SUN 新潟県 新潟テルサ

(2022/11/21 現在 発表分)

一般・前売り指定:7,800円(税込)


ツアー情報


スターダスト☆レビュー ツアー 2022~24「ブギウギ ワンダー☆レビュー」がスタート! MUSIC GUIDE





スターダスト☆レビュー 根本 要 スペシャル インタビュー!



 2021年に、デビュー40周年を迎えた スターダスト☆レビュー(通称:スタレビ)というバンドは、日本では唯一と言える「ライブ中心」のバンドだ。何十年にもわたりコンスタントに、毎年、日本全国 47都道府県のホールで、60公演以上のライブをやっている。
 
 単純に、バンドを40年続けているということだけでも珍しいことなのに、しかも、そんなことができているバンドは、なかなかない。もちろん、たとえば、サザンオールスターズのように、長く続いているバンドはあるが、日本全国のホールを、毎年、回っているバンドはない。しかも、スタレビの場合、県庁所在地だけではなく、第2 第3 第4の街にも行く。
 
 スタレビは、そういう、毎年、全国ツアーが出来る「スタレビ・スタイル」とも言える環境を、40年かけて作り上げてきた。そのために、2000年には、大手事務所から独立もしている。
 
 さらに、誰もやらないような長時間のライブもやったりする。2001年には、「つま恋 100曲ライブ」で 101曲を演奏し、「24時間でグループによる最も多く演奏された」ギネス世界記録にも認定されているし、その後、30周年、35周年には、それぞれ 6時間を超えるライブをやっている。
 
 だから、「日本一のライブバンド」と言っても過言ではないと思う。
 
 スタレビのライブは、エンターテイメントに徹したステージ、まさに「レビュー・ショー」と言えるもので、初めて見る人も、毎年、見ている人も楽しめるライブだ。実際、毎年1回、「おらが町」にやって来てくれる スタレビ のライブを楽しみにしている地方のファンも多い。
 
 お客さんとの距離が近いのも特徴だ。ライブをやるためには、お客さんがいないと成立しない。だから、スタレビ は、常に、お客さんの気持ちで、お客さんのことを考え、初めての人も、何度も来ている人も、リラックスしてシンプルに楽しめる雰囲気を作る。
 
 根本要(Vo/G)、柿沼清史(Bs/Vo)、寺田正美(Dr/Vo)、林“VOH”紀勝(Per/Vo)という バンドメンバー 4人に加え、編曲を担当したりレコーディングにも参加するなど、ほぼ正式メンバーのようにもなっている サポートの 2人、添田啓二(Key/Cho)と 岡崎昌幸(G/Key/Cho)を合わせた、6人のハーモニーも見事で、それも、スタレビ の大きなの特徴のひとつでもある。
 
 スターダスト☆レビュー は、1981年に、アルバム『STARDUST REVUE』と、シングル『シュガーはお年頃』でデビューした。デビューしたその年の11月〜12月にかけて、いきなり、エリック・クラプトン 来日公演、全8公演のオープニングアクトも務めている。
 
 バンドのリーダーで、ボーカル&ギターの 根本 要(ねもと かなめ)は、「僕たちはヒット曲がないから……」とよく言うが、『夢伝説』(1984年)や『今夜だけきっと』(1986年)、多くのシンガーにカバーもされている『木蘭の涙』(1993年)などは広く知られており、誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
 
 それらの他にも、AOR や R&B といった洋楽のテイストを日本語のロック/ポップスにうまく昇華した、たとえば、『トワイライト・アヴェニュー』『ラッキーレイン』『Thank You』『さよならの足音』『めぐり逢えてよかった』『と・つ・ぜ・ん Fall In Love』『想い出にかわるまで』『Northern Lights -輝く君に-』『No! No! Lucky Lady』『Goin'Back To 1981』『追憶』……、最近では『偶然の再会』などのような、良質な、スタレビ らしい いい曲がたくさんあることも、ライブを長く続けられる理由のひとつだろう。
 
 「昔のアルバム曲など、ファンの思い入れのある曲を 1曲でも多く聴かせることができるように」との想いから、今年、2022年6月には、「スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ」と題し、埼玉と大阪で、それぞれ 約6時間に 渡って 58曲づつ(定番の8曲以外の50曲は全て入れ替え)演奏され、そのライブの模様は有料配信もされた。
 
 2018年には、『還暦少年』というタイトルのアルバムをリリースしているが、「とにかくライブをやることが好きで、とにかくライブをたくさんやりたい」という、まさに、少年のような「永遠のアマチュアイズム」とでもいうような想いを持ち続け、それを実践しているのが スタレビ だ。
 
 根本要は、「ライブで疲れたなんて思ったことない」と言い、「僕らがやりたいことっていうのは、果てしなく大きくなりたいわけじゃなくて、音楽をやれる環境がちゃんと作れればいいだけのことだから」とも話している。
 
 加山雄三、吉田拓郎、小椋佳、高橋真梨子ら、引退していくアーティストも少なくない中、「ライブ活動をやめる」などということは全く考えていないと言う。そんなことはあり得ないが、「もしも、お客さんが誰も来なくなったら、やめなければならないだろうが、その時は、路上ライブでもやる」と話す。

 スターダスト☆レビュー が、いまの日本の音楽シーンにおいて、異彩を放つ稀有な存在である理由は、良質な音楽を作り続けながらも、いわゆる「ヒット曲を出すこと」を第1の目的としているのではなく、「ライブを数多く長く続けること」を最優先に考え、それを、ずっと実践しているからだ……。
 
 コロナ禍の 2020年7月にリリースされた、通算42枚目、オリジナル・アルバムとしては 24枚目となる『年中模索』を携えて、2021年1月から 2022年5月まで、約1年4ヶ月にわたって 全102公演 行われた 先のツアーの模様を収録した DVD / Blu-ray / CD が、2022年10月19日に発売された。
 
 DVD / Blu-ray には、ツアーの中から、2022年5月に「カルッツかわさき」で行われた公演が、MCを含め完全収録されており、楽しい スタレビ のライブの魅力を体感できる。
 
 また、最新スタジオアルバムとなるミニアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』も、同日、2022年10月19日に発売された。『シュガーはお年頃』『噂のアーパー・ストリート』『What A Nite!』など、1981年〜1982年の初期作品 5曲を、ホーンセクションと共にリテイクしたミニアルバムだ。
 
 ビッグバンド風アレンジとなっているが、オリジナルのアレンジを基本にしているので、イメージを裏切らない。しかも、コーラスなどは、より洗練されているし、ボーカルもイメージはそのままに、40年という年を重ねた説得力を感じる。まさに、「レビュー」というイメージで、スタレビ の原点のようなアルバムになっている。


<もくじ>

1 デビューから 40周年 〜「その思いが、僕がライブを続ける理由でしょうね…」〜
2 ライブへの想い 〜「全国で スタレビ を支えてくれる一番の源流でしょうね…」〜
3 最新ライブ作品『年中模索』 〜「既成の考え方とちょっと違うところがあるんでしょうね…」〜
4 最新ミニアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』 〜「僕にとって全てが出来すぎだった…」〜
5 これからの スタレビ 〜「新しいバンドのあり方だと僕は思うんですね…」〜


1 デビューから 40周年 〜「その思いが、僕がライブを続ける理由でしょうね…」〜
 
ーー スターダスト☆レビュー は、1981年に、アルバム『STARDUST REVUE』と、シングル『シュガーはお年頃』でデビュー。これまで、65枚のシングルと 46枚のアルバムをリリースし、2021年に40周年を迎えた。30年以上、日本全国 60本以上のツアーを続けており、昨年、2021年1月から、今年、2022年5月まで行われたツアー『スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY 年中模索 〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜』は、これまでで 最長の 1年4ヶ月にもわたり 全102公演が行われた。その 40周年ツアーも終わり、これまでの 40年を振り返って、今、何を思うのだろう?
 
根本: まあ、ひたすら出会った人たちに感謝ですよね。ハタチそこそこの僕らが、右も左もわからぬままにデビューして、今でこそ 40年だけど、その 40年間に出会った人たちに「育ててもらってきた」という感覚ですね。僕らは、ずっと実力以上のものを望んでいるんだと思うんです。でも、その場所までたどり着けないまま……。
 
根本: たとえば 80点が合格ラインだとしたら、1回もその合格ラインに届いてない状態。それでも、僕らの不合格点の 60点か 70点を褒めてくれる人たちばっかりと出会えたことは大きかったですよね。
 
根本: たとえば、自動車運転免許の試験なら、90点でしたっけ? それ以下は当然不合格ですよね。入試にしたってそうだけど、ある基準点以下はバッサリ落とされちゃうものじゃないですか。でも、僕らは、仮に 60点しか取れなかったとしても、その 60点 取れたことを、ちゃんと実感として持てたし、それを認めてくれたスタッフがいてくれた……、そこが、スタレビにとっての 40年の一番の大きいことかな。そんな感覚は、今も続いてますね。
 
ーー どういうところが「合格点をとれていない」と思っているのだろう?
 
根本: 僕らの最初は、埼玉のライブ好きのただのアマチュアバンドですから、好きな音楽を自分たちなりに作っていただけで、売れるとか考えたこともなかった。
 
根本: でも、スタッフから「これは売れるよ〜」ってデビュー曲の『シュガーはお年頃』をいきなり CMソング にしてもらったり……。あるいは、一番よく覚えてるのは、1986年かな、「夜のヒットスタジオ」(フジテレビ系の人気音楽番組)に『今夜だけきっと』という曲で出たんだけど、当時、その「夜のヒットスタジオ」から火がつくミュージシャンがたくさんいたわけですよ。おそらく、スタッフも頑張ってブッキングしてくれたんでしょうね。

根本: 今でもよく覚えてるけど、その当時の社長から「明日から人生変わる歌を歌ってこいや!」って本番前に言われて……(笑)。それで、僕は「社長、そんな歌が歌えるくらいだったら、とっくに歌ってますよ。初めてのこんなデカイ番組で、ドギマギして歌うわけですから、まあ、良くて 6割、ダメだった時はもっとひどいって思っててください」って言ったんです(笑)。案の定ひとつも火がつくこともなく、まぁ、そんなもんですよ……(笑)。
 
根本: それから、90年かな……、カネボウの CMソング にも使ってもらったこともあって……。80年代は「CMソングといえば、最高峰は化粧品のCM」と言われる中で、カネボウの CM をやらせてもらって、大々的にキャンペーンがあったにもかかわらず、なにひとつです……、はい(笑)。
 
根本: そんなふうに、僕らは、スタッフの期待を裏切り続けてきたんです。だけど、「じゃあ何もなかったか?」っていうと、たとえばそれをきっかけにライブの動員が増えたり、多少なりともバンド名や曲を覚えてもらったりね。それでも、スタッフは、それを「良し」として、次に繋いでくれたから、今の僕らがいるわけでね。

ーー それでも、30年以上にわたって、アルバム出すごとに、日本全国 47都道府県をめぐるツアーを 60公演以上続けていて、日本全国で集客ができる。これほどコンスタントにライブを長く続けているバンドはない。
 
根本: そうかもしれないですね……。でもね、皆さんがやらないだけのことですよ。ライブが好きじゃないのか、あるいは大都市の大きな会場でしかやらないのかわからないけど、全国 周るのはそんな難しいことじゃないと思いますよ。
 
根本: 僕のライブに対する考え方は、たとえば、「1年に 5回ライブをやればメシ食えるよ」って言われて。う〜ん、そうだな……、もうちょいわかりやすく説明すると、たとえば「1回 コンサートやれば 100万。5回やれば 500万儲かるよ」って言われれば、大抵の人は、それで OK するんでしょうね。

根本: でも、僕は「いや、もっとやらせてくれ!」って言う。たとえば 5回じゃなくて 50回 やりたいと……。でも、スタッフからは「50回やってもギャラは500万だよ」って言われる。大抵の人は、5回のライブで500万を選ぶんでしょうね。でも、僕は 50回を選ぶ。なぜならば、音楽をやりたくてミュージシャンになったんだもん。状況が整うなら毎日だって歌っていたいからね。
 
根本: よくね、最近の「ミュージシャン」は、「アーティスト」っていう言葉で表現されるけど、僕はあくまで「ミュージシャン」であって「アーティスト」だと思ったことはない。個人的な思いで言えば、「アート」って「芸術」だから、人が評価しようがしまいが、創作意欲のままに絵を描くなり、曲を作るなりの表現をする人なんだと思う。乱暴に言えば、「人の評価はどうでもいいんだよ」と思える人……。
 
根本: でも、僕は、人に聴いて欲しくて、楽しんで欲しくて自分の音楽を作ってる。もっと言えば、一緒に楽しみたいから、それは、まさに「娯楽」であって、そこに「芸術」がどうのこうのなんていうのは、どうでもいいかな(笑)。
 
根本: 中学2年生の時に、同級生と初めてバンド組んで、学校の中でライブやったり、高校生になってコンテストとか出て賞をもらえるようになったり、大学生の頃は、ライブハウスからも呼んでもらえるようにもなって、いつの間にかプロになってた……。それで、何が嬉しかったかと言えば、「これで毎日ライブができるんだ!」って思ったこと。でも、実際は、毎日ライブなんてない(笑)。
 
根本: 最初はシングルやアルバムのプロモーションで TVやラジオ局を周りながら、デビューして 4ヶ月後に東京は「日本青年館」、名古屋は「雲竜ホール」、大阪が「厚生年金会館」の 中ホール で デビューライブをやらせてもらった。お客さんは半分くらいだったかな……。
 
根本: それでも、とにかく僕らはライブがやりたかったし、イベンターさんのウケも良かったから、東京、名古屋、大阪は、その後もライブハウスでやらせてもらいましたけどね。
 
根本: で、そのころ、ライブで名を挙げるミュージシャンも増えてきて、新宿の「ルイード」から 佐野元春 さん とか シャネルズ がクローズアップされて、僕らも「ルイード」をマンスリーでやらせてもらえるようになったのは嬉しかったですね。お客さんもその頃から多少増えだした感じもありましたね。その後、84年のシングル『夢伝説』が CMソングになったり、85,86年は、「学園祭キング」なんて栄誉も頂いて、学園祭の時期に20校以上から呼ばれましたね。
 
根本: そんなこともあって、スタレビを知る人には、「ライブ・バンド」とイメージされることも多くなりましたね。でも、折しも時代はバブル期で、CD は、ミリオンを記録するミュージシャンが続出してたから、やっぱり、ヒット曲を持ってる人には、全然 かなわない。あの頃は、日本武道館を3日とかやってたけど、全然話題にもならなかったなぁ。まぁ、そんなこんなで、スタレビは、地味に全国周るイメージが定着しましたね……(笑)。
 
根本: でもね、正直 言えば、それこそが夢だったし、当時からずっと思っていたけど、半年、ヘタすりゃ 1年もかけてアルバムを頑張って作るのに、そのアルバムのツアーは、たった何ヶ月かで終わっちゃうわけですよ。僕としては、もっと周りたいと思うけど、スタッフからは「お客さん入らないから」と言われる……。当然だけど、採算は大事だからね。でも、最初から満杯になる街なんてない。そりゃそうですよ。知ってる人が限られてるんだから。

根本: だから、最初はお客さんも少ないけど、「次に繋げられるコンサートができたか?」っていうのが一番大事で、ライブの回数って僕にとっては毎回のチャレンジなわけですよ。「次回は一人でも多くのお客さんを呼びたい」、その思いが、僕がライブを続ける理由でしょうね。

2 ライブへの想い 〜「全国で スタレビ を支えてくれる一番の源流でしょうね…」〜
 
ーー スターダスト☆レビュー のライブは、毎回、違った趣向で、その名の通り「レビューショー」のような演出がされていて、何度も来ている人も、初めて見る人も楽しめる。そして、やっている方も、デビューのころから、いや、アマチュアのころから変わらない気持ちで、本当に楽しそうにライブをやっているように見える。本当に楽しんでやっているから、その楽しさがお客さんにも伝わる。
 
ーー 「次に繋げられるコンサート」を意識して、何十年も積み重ねたから、毎年、47都道府県を回れて、ちゃんとお客さんが入る。地方には、年に一度、必ず来てくれる スタレビ のコンサートを、毎年、楽しみにしている人が大勢いる。
 
根本: そうね、それは嬉しいよね。僕にとっては、お客さんの反応こそがライブの原動力だから、毎回、客席にアンケート用紙を置いて、記入してもらっているんですけど、前回の『年中模索』のツアーは、それも置けなくて残念だったけど……、でも、そのアンケートには、ホントに色んな思いを書いてくださるんですよ。

根本: それが嬉しくて、終演後にそれを読むことが毎回の楽しみにもなっているんだけど、ただ、ビックリするのは、質問の中に「今日のスタレビライブは何回目ですか?」という項目があって、もちろん 2,3回の方も多いけど、10回 15回に 丸がついてる人が結構いらっしゃるんですよ。たしかに、「ああ、スタレビはこの街で、もう30回以上ライブやってるからなぁ」と……。これは、すごくありがたいことですよね。
 
根本: 僕は、ライブを観るのも大好きだから、好きなミュージシャンが来日すれば、日程さえ合えば追っかけしますよ(笑)。僕が、一番ライブ見てる人って……、誰だろう? たとえば、スティーリー・ダン とか来れば、全公演 追っかけようとするし、「ビルボード」や「ブルーノート」「コットンクラブ」のような都内の会場なら、毎日でも行きたいとは思うけど、それでも、同じアーティストを 10回 見てるって……、タワー・オブ・パワー と クラプトン くらいかな〜。スティーリー・ダンも 3回の来日で 10回くらいは行ってるかも……。
 
根本: ねっ、だから、僕らのコンサートに 10回ってのは、これは、もうミュージシャン冥利につきますよ。ありがたいことです。そういうふうに スタレビ を楽しんでくれる、「よし、次はこんなことやってみよう」とか「この曲はどうだろう」みたいに工夫したくなるんですよ。
 
根本: それとね……、これは負け惜しみに聞こえるかもしれないけど(笑)、僕は「ソールドアウト」(チケット売り切れ)を目指してライブやってるわけじゃないんです。人って、自分の成長を感じたいじゃないですか。でも「ソールドアウト」しちゃったら、その先がない(笑)。僕は、ホントに気がちっちゃい人間だから、「じゃあ、次どうすんだよ……」ってなっちゃう。
 
根本: だから「おっ、前回より少し増えたな……」って感じで、毎回、喜びたい。ただ、この音楽業界は「ソールドアウト」って言葉に弱い人も多いよね。価値を感じるのかな。でも、それって簡単なことで、単純に例えば、1000人のお客さんがいるなら 700人の会場でやればいいだけのことでね。需要より小さい会場でやれば、明らかに「ソールドアウト」しますよね。でも、それだと、実際には 300人の人が観られないことになる……。

根本: 僕は、スタレビ を観たい人がいるなら、いつだって観せたい。スタレビ のライブのモットーは「観たい人が、観たい時に、観たいだけ観られる」だからね。音楽を妙な価値とか限定とかで需要を高めるのは好きじゃないなぁ。
 
根本: 同じような話になるけど、「ネームバリュー」もそうですよね。悔しいけど、ライブの内容以上にお客さんを集めるのは「ネームバリュー」。大抵の人が、よく知らないバンドより、有名なミュージシャンを観たがると思うんです。音楽業界もそれをよく知ってるから、より大きな「ネームバリュー」を得るために、東京という大都市で大きなのプロモーションをかけるわけですよ。東京で大きな花火をポーンとあげれば、それは全国からも見られるわけだからね。しかも、その花火は、文化の中心、東京というお墨付きでもあるから、簡単に飛び火するする。ただ、相当の金額もかかるのも事実。
 
根本: ところが、僕らは、そんな金額もかけられないから、ツアーへ行くたびに、各地でちっちゃい花火を上げてるわけです。残念だけど、その花火は、「鹿児島でしか見られない」「青森でしか見られない」……。でも、「その街で確実に上がってる花火」を知ってる人には、確実に伝わってるわけですよ。
 
根本: だから、SNS を見てると「スタレビはウチの県がよっぽど好きなのか、毎年、来てる」って書かれてることが多々ある……、しかも、あちこちの県で……(笑)。つまり、スタレビは「ウチの県だけよく来る」って、どの県からも思われてるみたいなんでです……(笑)。

根本: そりゃもちろん、ゴージャスなデカイ花火を遠くからでも見たい人もいれば、「いや〜地元のちっちゃい花火でも、近くで見れば十分面白いよ」っていう人もいてくれる。この後者の人たちが、全国で スタレビ を支えてくれる一番の源流でしょうね。
 
根本: 一昔前に『グレイトフル・デッドに学ぶマーケティング』という本が妙に売れたけど、僕も彼らのファンだからなんとなくわかるけど……、一番大切なことは、果てしなく大きくなりたいわけじゃなくて、音楽をやれる環境がちゃんと作れれば、それでいいってことなんですよ。

ーー アリーナクラスのライブを主要都市だけでやるのではなく、日本全国のホールでのライブを、コンスタントに長く続けていきたいということだ。
 
根本: うん、もちろん、アリーナクラスのライブをやる人たちを否定しているわけじゃないし、今のスタレビには、逆立ちしたって出来るはずがない(笑)。さっきも言ったように、それだけの需要がある人ならそれ相応の場所でやらなきゃ対応できないわけだからね。
 
根本: ただ、それには「売れる」って言葉が付いてくる。これが一番難しいよね。自分ではコントロール出来ない波だから。だから、僕の理想は、そういう波を起こさないようにすること(笑)。だって、今の環境は僕にとって理想的だからね。
 
根本: 思い起こすに、アマチュア時代に僕が憧れてたミュージシャンたちって、たとえば 70年代の半ばの「シュガーベイブ」や「ムーンライダース」、う〜ん「金子マリ&バックスバニー」や「四人囃子」、失礼ながらそういう人たちって一般的には誰も売れてなかったけど、音楽愛好家達はみんな好んで聴いていたし、それでいて、当時のライブハウスは、ちゃんといっぱいになってた人たちでしょ。僕は、そういう人たちを目標にデビューしたんです。
 
根本: でも、80年代は、サザン・オールスターズの成功もあって、ロック・バンドでも売れるという時代に変わってきた。僕らもデビューしてから、テレビにも出たしプロモーションもたくさんやりましたよ。でも、だからって、みんなが簡単に売れるわけじゃない。
 
根本: スタレビ がラッキーだったのは、そういう時代の中でプロモーションのおかげもあって、ライブに人が来てくれるようになったこと。ありがたいことに、僕らの理想と言うべき 47都道府県をちゃんと周れるような下地を作ってもらった。結果論だけど、あまり売れなかったことと、「ライブ好き」というバンドだったからこそ、理想的なポジションを見つけられたんでしょうね。
 
ーー 毎年の 47都道府県を回る全国ツアーだけでなく、スタレビ は、誰もやらないような、とんでもない長時間のライブもやったりする。2001年の20周年の時には、「つま恋 100曲ライブ」で 101曲を演奏し、「24時間でグループによる最も多く演奏された」ギネス世界記録にも認定されている。その後、2012年の30周年、2017年の35周年には、それぞれ 6時間を超えるライブを「さいたまスーパーアリーナ」でやっている。2017年の「STARDUST REVUE 35th Anniversary スタ☆レビ 大宴会 〜大コラボレーションライブ〜大抽選会付き」には、小田和正、鈴木雅之、KAN、岸谷香、杉山清貴、馬場俊英、松たか子、スキマスイッチ、渡辺美里、森高千里、矢井田瞳という 13人のゲストも出演した。
 
ーー さらに、今年、2022年6月には、「スタ☆レビ 40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ」と題し、埼玉と大阪で、それぞれ 約6時間に渡って 58曲づつ(定番の8曲以外の50曲は、全て入れ替え)、2日間で 計108曲を演奏した。2012年以降、これも スタレビ の名物のひとつのようになっているが、どうして、こんな長時間ライブをやるのだろう?
 
根本: ライブって、お客さんがいてくれて、初めて成立するものじゃないですか。そういう意味で言えば、スタレビ の宝物は、お客さんですよ。だって、お客さんがいなかったら、音楽やれる場所もないんだから。さっきも言ったけど、僕はアーティストじゃないから。その宝物というべきお客さんと出来るだけ長く一緒にいたいんですよ。毎回 3時間のライブやっても「もうちょっとやりたかったなぁ」って思うし……。なら、せっかくの周年ライブは、「飽きるまで スタレビ を楽しんでもらおう」って、あの長時間ライブを企画したんです。
 
根本: ただ、お客さんには、「真剣に聴いてくれなくていいよ」って言ってるんですよ……(笑)。だって、僕自身、たとえば、大好きな スティーリー・ダン でも、アルバムの中で「イマイチ好きになれない曲」もある。だから、お客さんにも、「アタシ、この曲キライ」とか、「オレ、この曲、イマイチ好きじゃない」とかあったら「飛ばしてくれ」と……。でも、ライブは CD と違って飛ばすわけにいかないから、「休憩してください」と……(笑)。だから、毎回、長時間ライブでは休憩場所も作った上で、ライブをやってます。
 
根本: それに、たとえば、「通常のツアーだったらできない曲が、100曲あればやれます! あなたの好きな曲も聴けますよ!」ってなる。やっぱり、ライブの選曲ってある程度偏ってきてしまうからね。
 
ーー 42枚もアルバムを出していれば、ファンは、それぞれに、好きな曲、思い入れのある曲がある。それらをできるだけカバーしようとすれば、定番は必ずやらなければいけないから、たしかに、20曲くらいの通常の時間では足りなくなる。
 
根本: そうそう(笑)。やっぱり、ツアーの 20曲って言ったら、毎回、同じような曲ばっかりになりがちなんですよ。だから、スタレビ は、今回も 3年越しで 100公演くらい周るけど、日替わりを入れて 70曲ぐらいから選曲して周るんです。そうすると、ほとんどの街で、違う曲を演奏できるじゃないですか。それは、僕にとっても楽しみだし、お客さんも、定番曲は聴けるだろうけど、それ以外の曲の入れ替えがあれば、やっぱり「あれ聴けた、これ聴けた」って喜んでくれると思うんです。
 
根本: 実際、選曲しているみると、スタレビ の楽曲のバラエティって、ビックリするくらい広いんですよ。だから、毎日、違う雰囲気のライブになる。それがとても新鮮なんです。骨格の定番曲を数曲残して、どんどん入れ替えてます。おそらく、全公演同じメニューってないと思いますよ。
 
ーー スタレビ のライブでは、「ほぼ新作アルバムの曲ばかり」ということはなく、『夢伝説』『今夜だけきっと』『木蘭の涙』『トワイライト・アヴェニュー』などの代表曲は、定番として、毎回、必ず演奏してくれるし、人気曲や昔のアルバム曲などもやってくれる。そういうふうに、毎回、ちゃんと、お客さんの心理で考えられている。

3 最新ライブ作品『年中模索』 〜「既成の考え方とちょっと違うところがあるんでしょうね…」〜
 
ーー コロナ禍の 2020年7月、通算42枚目で、オリジナル・アルバムとしては 24枚目となる『年中模索』が発売され、その最新アルバムを携えてのツアー『スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY 年中模索 〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜』が、2021年1月から 2022年5月まで、約1年4ヶ月にわたり、全102公演が開催された。
 
ーー そのツアーから、2022年5月に「カルッツかわさき」で行われた公演が、MCを含め 3時間10分 完全収録した DVD / Blu-ray が、2022年10月19日に発売され、ダイジェストの CD も 税抜 1,000円という嬉しい価格で発売されている。ライブ DVD / Blu-ray には、最新アルバムからの 7曲に加え、『夢伝説』『トワイライト・アヴェニュー』『木蘭の涙』『今夜だけきっと』『NO! NO! Lucky Lady』『追憶』『おぼろづき』など、人気曲、定番曲もちゃんと入っている。初めてきた人も、往年のファンも満足できる、「さすが40年のキャリア!」と思わせる見事な構成だ。
 
根本: そりゃね……、40年 やってりゃね、何をどう構成したらいいのかなんていうのは、たいていの人はわかってきますよ。40年やって、シドロモドロのミュージシャンだったらダメでしょ(笑)。
 
ーー しかし、多くの人は、40年も続けられないのが現実だ。
 
根本: う〜ん……、「アーティスト」って人は、よっぽどのアイディアやモチベーションがないと、そのアーティスト自身に飽きちゃうと思うんだ。それに比べたら、俺たちは、さっきも言ったように「ミュージシャン」だから、少しでもライブが面白くなるように、手を変え品を変え作れるわけ。
 
根本: 何より、ミュージシャンは、「これで完成」というてっぺんがないから頑張るんだよね。だって、もっとうまくなりたいんだから、日々練習もするでしょ。それで、モチベーションが下がらないんだと思うんだ。まあ、アーティストのモチベーションがどこにあるのか、僕にはわかんないけど……、でも、やっぱり、「オレ、全然 ダメだなぁ……」って自分を否定しちゃったら、きっとアートにはならないと思うのから、それこそ「これこそがオレだ」みたいなふうに作ってるんだとしたら、どっかでやっぱ飽きちゃうんじゃないかな〜って気がする。
 
ーー 今回の DVD / Blu-ray には、MCも含めて収録されているため、楽しい スタレビ のライブの魅力を体感できる。スタレビ の コアなお客さんは、MCも含めて楽しみにしている。
 
根本: う〜ん……、そうね。それは、いつの間にか、僕らのスタイルになっちゃったからね(笑)。
 
ーー コロナ禍ということを逆手に取った演出で、今回も、芝居仕立てになっている。2003年から、サポートメンバーとしてライブに参加している 添田啓二(Key/Cho)と 岡崎昌幸(G/Key/Cho)も、ファンからは、準メンバーのように見られているし、とくに、この『年中模索』ツアーの演出では、添田啓二 の芝居が重要だったりする。
 
根本: あはははは……そうだね(笑)。『年中模索』ツアーは、コロナ禍でお客さんと一緒に歌ったり出来ないから、あえてストーリー仕立てにすることで、いわゆるライブのコール・アンド・レスポンスなしで、盛り上がれるように作ったけど、そのストーリーを繋いでいくセリフもメンバーそれぞれに作ったんですよ。
 
根本: その中では、添田が一番うまいですよね(笑)。ストーリーは、「西暦 3000年に、地球が謎の惑星に支配され、人々が声を出せなくなってしまい、その声を取り戻すために、立ち上がったのが スターダスト☆レビュー」……(笑)。お客さんを乗組員に仕立てて、スタレビ号でエイリアンに闘いを挑むって感じですね。実際、僕らは芝居の人間じゃないので、出来るだけ「素」で喋れるように、セリフも細かく決めないで、ストーリーから外れなければ何を言ってもいい状態でやりました。メンバーは、もちろんですけど、お客さんも交えて総力戦のような不思議なライブになりましたね(笑)。

ーー 今回の DVD / Blu-ray は、見事なライブ作品になっているが、欲を言えば、最新アルバム『年中模索』収録曲で、2020年8月には TBS テレビ『ひるおび!』のエンディングテーマ曲になっていた『偶然の再会』が入っていない。一度、聴いただけで耳に残る、キャッチーで、実に「スタレビらしい」いい曲だ。
 
根本: あ〜っ(笑)そうなんですよ〜。僕も『偶然の再会』は、お気に入りだったのですが、ひとつ前のシングル曲だったから、夏の野外ツアーにまわしてたので、(DVD / Blu-ray を収録した)「カルッツかわさき」ではなかったんですよ〜。
 
ーー 常設セットリストに入れてもよかったような気もする。
 
根本: ですよねっ! ウチの社長もそう言ってました。今、『偶然の再会』を「スタレビらしい」っておっしゃってくださったけど、そういうのって、なかなか僕にはわからなかったりするんですよ。なんとなくの匂いは感じるんだけど……。でも、その「スタレビらしい」って音を持ってるっていうのは、すごい強みだと思うんです。だから、僕自身が、それをもっと知りたいし、その「らしさ」をもっと利用したいですよね。
 
ーー 「らしい」というのは、本人には、なかなかわからないものだろう。
 
根本: うん……、そうですね。
 
ーー このツアー『スターダスト☆レビュー 40TH ANNIVERSARY 年中模索 〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜』は、コロナ禍ということで「しばらくは、コール&ノーレスポンスで」というサブタイトルになり、結果的に、2年にまたがる 計102公演という、これまでで最長のツアーになった。
 
根本: 僕はね、さっきも言ったように、デビューの時からライブがやりたかったわけで、ツアーをやるために頑張ってアルバム作る部分もあるんですよ。それこそ、アルバムには、その時に費やした半年なり1年間の僕らが色濃くいるけど、ツアーには、これまでの スタレビ の歴史が、まんま詰まっているんですよ。新旧取り混ぜて選曲するわけだし、音だけでなくて、言葉でも説明する MC もありますからね……(笑)。

根本: しかも、面と向かって、聴いて楽しんでくれるお客さんがいる。僕はここに スタレビ の本質があると思ってるんですよ。CDは、何回聴いても、基本的には同じ音が流れる。でも、ライブって、1公演 1公演、僕らのコンディションや客席の雰囲気でまったく違うものが出来上がるじゃないですか。僕は、それを楽しんでいるし、お客さんにも、今の一番新しいスタレビを楽しんでほしいんですよ。
 
ーー スターダスト☆レビュー は、デビューの 1981年から「アップフロントエージェンシー」(アップフロントグループ)に所属していた。過去には、アリス、バンバン、海援隊、佐野元春、渡辺美里 らが所属し、KAN、森高千里、堀内孝雄、シャ乱Q、モーニング娘。らで知られる 大手プロダクションだ。しかし、2000年に、その「アップフロント」から独立した。その理由は、そういう「とにかくライブをたくさんやりたい」ということだったようだ。
 
根本: まあ、実際、そうですね。「自分たちのことを、自分たちのやり方で考えていきたい」っていうのが基本で……、なので、事務所に不満があったわけじゃなくて……。社長ともたくさん話し合って、一番いい形、いわゆる円満退社という形で送り出してもらいました。本当にありがたかったです。
 
根本: 実際、いまだにお世話になってる部分もありますからね(笑)。ウチのイベントに KAN ちゃんや 森高千里 が気軽に出てくれるのも、そういう繋がりだったりするわけです。やっぱり スタレビ 自体が、既成の考え方とちょっと違うところがあるんでしょうね。だから、僕は、それを実現するためには、独立するのが一番早いって思ったんです。

4 最新ミニアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』 〜「僕にとって全てが出来すぎだった…」〜
 
ーー 2022年10月19日に、最新スタジオアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』が発売された。新作は、『シュガーはお年頃』『噂のアーパー・ストリート』『What A Nite!』など、1981年〜1982年、1st アルバム、2nd アルバムに収録されていたの初期作品を、ホーンセクションと共にリテイクした 5曲入りのミニアルバムだ。「オリジナルアルバムの発売後にツアーに出る」ということが、ここ最近の流れだったが、今回は、なぜ「オリジナルのフルアルバム」ではなく、「セルフカバーのミニアルバム」だったのだろう?
 
根本: まぁ……、全部、説明すると長くなるので、掻い摘んで……。通常、周年の時って、ベストアルバムを出して「周年ありがとうツアー」やったりするんですよ。ところが、僕らは、40年の時に、頑張って新しいアルバム『年中模索』を作れたので、それでツアーを周ったんですよ。
 
根本: さらには、その 2ヶ月後に、40周年記念の「108曲 煩悩ライブ」も終わって、次のツアーは、今までのスターダスト☆レビュー の 40年を網羅できるような……、それは音楽的にも思考的にもだけど……、幅広い選曲で、ツアーを周る予定でいたんです。
 
根本: 当然、アルバムを作れるような期間もなかったんだけど。でもやっぱり、スタッフから「新しいアイテムはあった方がいいのでは」と言われたわけです。それで、「何が面白いだろう?」って思いながらも、時間も限られていたから、できるだけ労力を使わないで(笑)、しかも、変わったことやりたい……、「そのためには何だ?」って考えたときに、やっぱり企画アルバムだったわけですよ。
 
根本: 実は、いつかミニアルバムを作ってみたいとは思ってたんですけどね(笑)。ミニアルバムって 20分くらいで、なんとなく聴き心地がいいじゃないすか、「もうちょっと聴きたい」みたいなところもあるし、しかも値段も安いし。
 
根本: それで、アイディアは、自分の中にいくつかあったんだけど、 「こういうのはどうだろう?」とスタッフに提案したのが、「初期作品のリアレンジ」だったんですね。『シュガーはお年頃』を始めとする初期作品は、「スタレビ ブギウギ サウンド」として、ファンの人たちには知られてても、84年の『夢伝説』からの スタレビ を知る人も多い中、一般的には、浸透度は低いじゃないですか。
 
根本:「なら、それをリアレンジしたら面白いのでは?」と思ったんですよ。それも、たとえば、大胆に、カウント・ベイシー・オーケストラ、あるいは、グレン・ミラー・オーケストラ のようなジャズの名門ビッグバンドにアレンジ演奏してもらって、僕らは、歌とコーラスのみとか……。そうすれば「既存の スタレビ とは違う毛色の企画アルバムができるのでは?」というところまで提案して、それで、スタッフからほぼ了解を得て、「さあ、じゃあ誰に頼もうか?」「オーケストラどこに頼もうか?」っていうとこまでいったんですよ。
 
根本: で、トントン拍子で決まっていったその時に、僕が「、いや、待てよ……」と……。「所詮、名もなきジャパニーズ・ミュージシャンに、どこまでチカラを入れてくれるのか……」と。あるいは、本当に凄いものが出てきたとしても、それが僕らの方向からズレてしまっていたら直しようがないじゃないかと……。
 
根本:「じゃあ、ウチで作るか」と……。つまり、僕ら スターダスト☆レビュー は、デビュー時は 5人でスタートしてるけど、「もし、13人のホーンセクションがいるバンドだったら、どんな音を作るだろう」っていうイメージから始まったんですよ。

ーー ミニアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』では、ビッグバンド・バージョンにはなっているが、オリジナルのアレンジを基本にしているので、オリジナルを知っているファンのイメージを裏切らない。そして、コーラスなどは、より洗練されているし、ボーカルもイメージはそのままに、40年という年を重ね、説得力が増している。
 
根本: とにかくレコーディングはスムーズでしたね。演奏も歌もコーラスも、やっぱ 40年もやっているから。ベーシックは、スタジオで「せーの」で録ったんですけど、目論見どおり、ほぼ、テイク2 ですよ……、しかも、余裕付き……(笑)。
 
根本: で、ホーンセクションは、あとでダビングしました。アレンジは、前田大輔 って「オルケスタ・デ・ラ・ルス」のトロンボーン奏者で、スタレビ のホーンセクション「んなアホなホーンズ」(岡嶋直樹・寺内茂・前田大輔)でも、アレンジをお願いしている人なんだけど、彼のアレンジが、毎回、とてもよくて、今回もお願いしたけど、まさかこんな本格的なビッグバンドアレンジを作ってくれると思わなかった(笑)。これはもう、僕にとっては、大いなる誤算っていうか、本当に彼を見くびってっていうか、そういう申し訳ないぐらい……、いや、すごいのができました。
 
ーー もとのイメージを壊していないし、ブラスサウンドが心地よく、シンプルに楽しい。5曲入りだから、「あれっ、もう終わっちゃうの? もうちょっとあっても……」と思ってしまう。
 
根本: うん、そう。でも、その 5曲で「もうちょっと聴きたい」って感じてもらえたら……、このミニアルバムは大成功だね……(笑)。
 
ーー たしかに、何事も「おなかいっぱい」よりも、「もうちょっと……」という方が良い。そして、ブラスをメインにしたことで、まさに、「レビュー」という雰囲気もあり、「ブギウギ・ドゥーワップ」スタイルが前面に出た スタレビ の原点のようなアルバムになっている。
 
根本: そうですね。ホント、おっしゃる通り、僕にとって全てが出来すぎでした。本当に、これくらいのちっちゃなアイディアが、気が付いたら、「おい!すごいぞ、コレ!」っていう、瓢箪から駒……。
 
根本: 実はね、このアルバムのもともとのきっかけも、ウチのマネージャーが「次のツアータイトルは、(新しい)アルバムもないし、スタレビの楽しさを網羅できるような『ブギウギ ワンダー☆レビュー』ってどうですか?」って出してきて、それがすべてのキーワードでしたね。「それ、おもしれぇな」って。それが、すべての始まりでした。
 
根本: ブギウギって、もともとはアメリカのブルースやジャズから派生したピアノスタイルなんだけど。僕らが影響された「日本のブギウギ」って、大作曲家の服部良一さんがその本家に影響受けて作った昭和のブギウギ……、曲で言えば『東京ブギウギ』や『銀座カンカン娘』のイメージなんですよ。それを、僕らは、デビュー当時からやってきたから、それこそ 40年経って原点回帰もできるし、かつ、今のスタレビの音も作れる。だから、手前味噌な言い方をさせてもらえると、「40年間、ワインを寝かしたら、ほらこんなに芳醇になりました」ってい感じかな……(笑)。
 
根本: 今、思うと、このアルバムの収録曲全部、ハタチそこそこのクソガキが、ただただ過去の音楽に憧れて作ってたわけで、当時は、実力もなければ、掘り下げた理念もないままに、「面白そうだ」って作っただけのものだったわけですよ……、それをやらせてくれたあの時のスタッフには感謝してるけど……。
 
根本: それで、今回、僕らが、この音楽業界の中で 40年やってきて、「スタレビって何なんだ?」、そして「僕らがやるべきことは何なんだ?」っていうことを、なんとなく見つけられた気がしますね。「あ〜なるほどね、やっぱり 40年ってすごいね」って、自分自身でも再確認できたアルバムになりましたね。何より、みんな スタレビ に飽きてないというか、まだまだ自分たちで発見できる部分がある……。練習して何度もやれば、以前よりもうまくなるし、そこで新たな発見もある……。まさに『ブギウギ ワンダー☆レビュー』は、40年やって、うまくなった音の証ですね。

5 これからの スタレビ 〜「新しいバンドのあり方だと僕は思うんですね…」〜
 
ーー そして、この最新ミニアルバム『ブギウギ ワンダー☆レビュー』 を持って、最新ツアー『スターダスト☆レビュー ツアー 2022〜24 ブギウギ ワンダー☆レビュー』が、2022年10月22日の座間からスタート。現時点では、2023年5月14日の新潟までの 39本しかスケジュールが発表されていないが、ツアータイトル通り、2024年まで 3年越しのツアーとなる。おそらく、前回のツアー 102公演を超える最長ツアーになるのではないだろうか?
 
根本: どうなりますかね……。前回はね、せっかくの周年ツアーだったので、実は 100公演を目標にしていたんです。でも、30周年も 100公演 だったから、「じゃあ、語呂合わせで、煩悩の 108 ってのはどうだ?」って僕がスタッフに言ったんですけど、ずっとコロナ禍で、中止、延期も出る中で、会場がなかなか押さえられなくて、結局、102公演だったんですよ。
 
根本: でも、その時にね、僕が「煩悩」と言った言葉がきっかけになって、今年(2022年)6月の「108曲 煩悩ライブ」が企画されることになった。いや〜、なんとなくこういうものって繋がってくるもんですよね……。そう考えると、スタレビ って、もう「瓢箪から駒」の連続ですよ、全部……、「これがあったから、これができた」って……。

根本: さっきの話じゃないけど、「これは成功しなかったけど、それのおかげでこれができたよね」っていう、本当に何か、うん……、あの……「継続は力なり」って言う人もいるけど……、まあ、どこまでをチカラっていうのかわかんないけど、最近の僕らは、それを身に沁みて感じてますね。
 
ーー スタレビ の場合、ただ「47都道府県を回る」というだけではなく、たとえば、前回のツアーでの福島県なら「福島市と会津若松市」、今回の秋田なら「大館市と能代市」といったように、県庁所在地だけでなく、第2、第3の町にも行く。100本を超える本数をやるのだから、いままで行ったことのないようなところにも行ける。
 
根本: うん、そうだね。基本的には、スタレビ は、呼ばれればどこでも行きますよ。ウチが他と違うのは、ご予算に応じて色んな スタレビ がいるんです。もちろん、フルバンド、それからアコースティック、機材がなければ アカペラで……(笑)。
 
根本: だから、行ける範囲も広がりますよね。沖縄の離島もアコースティックで何度か行ってるし、何年か前のツアーでは、利尻島にも行きました。スキマスイッチ とか KAN ちゃんが、(日本で最北端の街と言って)稚内でライブやってて、「じゃ、ウチは、その先まで行こう」って……(笑)。5千人の島で、500人近く集まってくれたんですよ。嬉しいですよね。実は、コロナがなければ『年中模索』ツアーでも行く予定だったんだけどね。
 
根本: スタレビのライブの基本理念には「また来るよ〜」っていうのがあって、「今日は、アコースティックでこれだけしか見せられなかったけど、次はもっと、こういうスタイルも見せられるよ」っていうのが、いつもある。本当は、佐渡も行くはずだったんだけど……、今度こそ、なんとか行きたいですねぇ〜。
 
ーー 佐渡も利尻島も、普通はなかなか行かない。本当に日本全国津々浦々を回った、1960年代〜70年代の ベンチャーズ ですら行ってないと思う。
 
根本: 様々なミュージシャンがいる中、大抵は、基準となる楽器編成やスタイルがあるんだと思うけど、ウチは、それも変えられるからね。もちろん、フルセットで観せたいのは山々だけど、それが出来ないなら、まずはできる方法を考えるのが「スタレビ流」……(笑)。
 
ーー この「アルバムを作って、全国ツアーを回る」というスタイルは、今後、45周年、50周年と、今後も変わりそうにない。
 
根本: そうですね……。ただ、正直いえば……、自分が 65歳を越えて、やっぱり、創作意欲っていう部分で言うと、う〜ん……、どうだろう、作曲に関して言えば自分の中では、自信はなくなってるところはあります。それはね、『還暦少年』(2018年のアルバム)の時から言ってるのね。

根本: でも、その後の『年中模索』も結果的に良いものが出来てるんで、自分の中でも半信半疑ですよ。「もう何もないだろ!」っていうオレと、「いや〜、まだまだイケるだろ」みたいなオレがね……、交互に話しかけてくる……(笑)。
 
根本: でも、それ以上に、僕は、ライブの魅力にはまっちゃってるっていうか……、まさに、独立して 20年かけて、この誰もやってなかったライブのやり方を構築してるような気がするんですよ。僕らのように、本当に、こと細かく、県庁所在地だけじゃなくて、いろんな 第2 第3 の都市まで周る、それって、新しいバンドのあり方だと僕は思うんですね。
 
根本: たとえば、最近は、インディーズのバンドとかデビューしたてのバンドが、47都道府県ライブハウスツアーをやるって話をよく聞くんだけど、でも、売れると、やらなくなっちゃうんだよね。なんでだろう……? 大変なのかなぁ……。毎日、音楽出来たら幸せなのにねぇ……(笑)。

根本: 結局、僕らのように、アルバムのツアーでこと細かく、県庁所在地だけじゃなくて、いろんな 第2 第3 の都市まで周るような人って、あまりいないんですよね。とくに、ボーカリストはノドのコンディション整えたり、年齢によっても声って変わるから、出来るだけ温存したいってこともあるんでしょうね。
 
根本: 僕はね……、ノドの調子がいいんですよ(笑)。普通は、65(歳)にもなったら、下降してくるみたいだけど。歌い手にとって刺激物は厳禁と言われる中で、僕はステージの前に、必ず「辛ラーメン」食ってるんですよ。あえて、あのクソ辛い……(笑)。もちろん辛いもの好きもあるけど、「それは明らかにコンディション悪くするよ」っていうものを食うことによって、今日のコンディションを下げるわけですよ。

根本: で、一度下げてしまえば、そっからは上がるしかないわけですよ……(笑)。仮に、ダメだったとしても、「しょうがないよ、"辛ラーメン" 食ってるんだから」って「辛ラーメン」のせいにしちゃう……(笑)。でも、もし、そっからガンガンいけたら、僕の気持ちの中では「爆あがり」になるわけじゃないですか、「よぅし〜」って……(笑)。
 
根本: そういう、毎回、自分との戦いって言うか、チャレンジする面白さを……、「ここまで(声が)出たよね」「ここまで歌えたよ」とかね、そういう楽しさをね、今、ライブに見出しちゃってる時期なんでしょうね。僕は、歌手を目指していたわけでもないし、それどころか、ホントに歌が下手っぴだったからね。昔よりは、多少は上手くなったと思うけど、まだ守るほどの歌なんて全然歌えてないからね。それが試せるライブ、ほんとに、毎回、幸せを感じてますよ。

ーー プロとして 40年以上やってきて、あらためて「今、ライブの魅力にはまっちゃってる」と感じているとは驚きだ。
 
根本: あとね、スタレビ を評価してくれるなら、どうしても伝えたい思いがあるんですよ。この音楽業界って、ヒット曲だったり、知名度だったりをついつい重視してしまいがちだけど、でも「音楽で食うって、それだけじゃないんだよ」っていうことを、僕が身をもって語れるならば、そういうミュージシャンたちに伝えたいし、育てたい……。40年が凄いとか言うけど、僕らは、ただバンド活動してただけ……。
 
根本: ところが、僕らのまわりもそうだけど、大抵、やめていくわけですよ。「それは何で?」って聞けば、「売れなかったから」とか、あとは「売れすぎて仲が悪くなった」とかね……(笑)。でも、「音楽やりたかったらできるよ……」「どういうふうに?」「スタレビ みたいに」っていうような……。
 
根本: 僕らは、決して超一流じゃないけど、たとえば 1.5流 とか 二流の面白さっていうのを、語り続けていかないと、音楽業界は、いつも画一的に「ヒット曲を狙って、知名度を上げて」っていうことばっかりになっちゃう気がするんだよね。
 
根本: そりゃ、その人の夢が有名になることとか、ヒット曲を飛ばすことだとしたら、僕に言えることはないけど、でも、もし音楽が好きでミュージシャンになったのなら、音楽で食う方法がいくらでもあるはずなんだよね。もちろん、いいライブをやんなきゃいけないと思うし、いい曲を作ることもひとつだと思うけども、でも、「ヒット曲がなくても、ちゃんと音楽を作り続けていけるんだ」っていうことを、なんか僕はね、伝えていきたいんだ……。
 
根本: それが、誰かの目や耳にとまって……、実際、今日もこうやって僕は取材していただいてるけど、そんなふうに広げてくれる人がいて、それで知る人が出てきて、「そいつがいいライブをやれば、またお客さんを呼んで」っていうね、好循環が生まれるはずじゃないですか。
 
ーー「スタレビ系」というか、「スタレビ・スタイル」は、音楽業界での新しい在り方かもしれない。
 
根本: そうね……。ちょっと口幅ったい言い方だけど、昔は「渋谷系」みたいな言葉があったでしょ。あれは音楽ジャンル的な呼び方だったけど、活動の仕方のスタイルとして、表舞台には出ないけどたくさんライブやってる「スタレビ系」とかね……。うーん、ちょっと偉そうだな……(笑)。たとえば「継続系」「持続系」でもいいんだけど、そういう言葉で、やってるミュージシャンたちにもスポットライトが当たるといいなって……、それが、今、僕が、すごい願っていること。

根本: 「継続系」「持続系」……、なんかね、そういうミュージシャンがいっぱい出てくれたら、この音楽業界は、少しまた活性化するかな〜って気がする。
 
ーー 吉田拓郎、加山雄三、小椋佳、高橋真梨子 ら、引退を宣言するシンガーが少なくない中、バンドの活動終了のことも考えたりすることはあるのだろうか?
 
根本: 僕は、とにかくライブがやりたくってやってるんだけど、もしかして……、ライブって大変なことなんですかね?……(笑)。いつも、みんなに「おかしい」って言われるんだけど、僕はライブで疲れたことがないんですよ。6月の「108曲 煩悩ライブ」も、埼玉と大阪で 58曲 歌ってて、そのあと、(朝の)4時くらいまで、僕の部屋でホーンセクションの人と飲んでた……(笑)。「自分の想い」って言うか……、アドレナリン? ドーパミンって言うんですかね、そういうものが出まくっちゃってる。
 
ーー「いつかはやめるんだろうな?」ということを考えたりするのだろうか?
 
根本: 単純に、お客さんがいなくなったらね(笑)。そしたら、ストリートミュージシャンになるしかない(笑)。でも、もし、渋谷で、70(歳)近い おっさんが、ストリートミュージシャンやってたとしたら、それはそれで「なんかいいな」って思うな……、うん。


(取材日:2022年9月24日 / 取材・文:西山 寧)


根本要「歌ネット」インタビューアーカイブ(2014年)


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スタ☆レビ40周年 東西あわせて108曲 煩悩ライブ
2022年6月4日 さいたまスーパーアリーナ公演
ダイジェスト映像

「スターダスト☆レビュー 40th Anniversary 年中模索
〜しばらくは、コール&ノーレスポンスで〜」2022.5.5 カルッツかわさき 公演
ダイジェスト映像

スターダスト☆レビュー 楽園音楽祭2021 40th Anniv.
スターダスト☆レビュー Singles/62 in ステラシアター
7/31(土)河口湖ステラシアター野外音楽堂

スターダスト☆レビュー「偶然の再会」MV

「今夜だけきっと」スターダスト☆レビュー【LIVE】

「夢伝説」スターダスト☆レビュー【LIVE】

「木蘭の涙~acoustic~」スターダスト☆レビュー【LIVE】

「トワイライト・アヴェニュー」スターダスト☆レビュー【LIVE】

「めぐり逢えてよかった」スターダスト☆レビュー【LIVE】