堀内孝雄 50周年 スペシャル インタビュー!「堀内孝雄 50周年ベストアルバム 〜愛しき日々〜」が 2022年6月1日 発売! アリス時代からソロまでのベストに、自身が「ぜひ残しておきたい曲」をセレクトした 2枚組! さらに、新曲も 4曲収録!「さすがに無駄じゃなかった…」

インタビューの最後に、読者プレゼントあり!

Horiuchi Takao

堀内 孝雄

Album
『堀内孝雄 50周年ベストアルバム 〜愛しき日々〜』


★ 1972年 アリス でデビューして 50周年!
★ 自身が「ぜひ残しておきたい曲」をセレクトした ベスト盤!
★ アリスの曲から、ソロでのヒット曲、隠れた名曲まで CD 2枚組、全32曲!
★『空のほとりで逢えたなら』など 書き下ろしの新曲 4曲も収録!


★ 歌手 / 作曲家活動 50年を振り返る スペシャルインタビュー!
★「さすがに無駄じゃなかった…」



堀内孝雄「空のほとりで逢えたなら」ミュージックビデオ



アルバム リリース 情報


堀内孝雄「堀内孝雄 50周年ベストアルバム 〜愛しき日々〜」
アルバム CD(2枚組)/ Digital
2022年6月1日 発売
PKCP-2092
¥3,500
Rice Music / UP-FRONT WORKS

【収録曲】

<Disc 1>
01 空のほとりで逢えたなら (新曲)
02 終の棲みか (新曲)
03 流星群 (新曲)
04 風のレジェンド
05 Far away
06 縁
07 君よ知るや (新曲)
08 恋文
09 言い古されても(ニューバージョン)
10 秋の匂い
11 運河
12 君の夢を見たよ
13 みんな少年だった
14 諦めさえしなければ
15 空蝉の家

<Disc 2>
01 影法師
02 東京発
03 都会の天使たち (デュエット・桂銀淑)
04 冗談じゃねえ
05 恋唄綴り
06 河
07 憧れ遊び
08 ガキの頃のように
09 秋止符 (アリス)
10 愛しき日々
11 聖橋の夕陽
12 遠くで汽笛を聞きながら (アリス)
13 君のひとみは10000ボルト
14 竹とんぼ
15 カラスの女房
16 遥かな轍
17 山河

※ 全てオリジナル音源で収録。


アルバム詳細

堀内孝雄 アップフロントワークス

堀内孝雄 オフィシャルサイト




アリス シングル リリース情報


アリス 「告白 / キセキフルヨル」
シングル CD + DVD / Digital
2022年3月30日 発売
UICZ-5168
¥3,500
USM / UNIVERSAL MUSIC

【収録内容】

<CD>
1 告白
2 キセキフルヨル
3 冬の稲妻(1978年“栄光への脱出”ライブ・バージョン) 
4 告白(カラオケ)
5 キセキフルヨル(カラオケ)

<DVD>(約45分収録)
1 タニムラテレビ特別番組『50年目のアリスからのクリスマス・プレゼント』ノーカット版
2 告白(ミュージック・ビデオ)
3 キセキフルヨル(ミュージック・ビデオ)


各配信サイト

アリス ユニバーサルミュージック

アリス オフィシャルサイト




堀内孝雄 コンサート情報


堀内孝雄 アコースティックライブ 2022 50th Anniversary Live(大阪)
2022年7月17日(日)ビルボードライブ大阪 1st 15:00 / 2nd 18:00(1日2回公演)
サービスエリア ¥8,600-(飲食代別途)/ カジュアルエリア ¥8,100-(1ドリンク付)

堀内孝雄 アコースティックライブ 2022 50th Anniversary Live(神奈川)
2022年8月6日(土)ビルボードライブ横浜 1st 15:00 / 2nd 18:00(1日2回公演)
サービスエリア ¥8,600-(飲食代別途)/ カジュアルエリア ¥8,100-(1ドリンク付)

ブラザーズ5 アコースティックライブ(神奈川)
2022年11月27日(日)クアーズテック秦野カルチャーホール 開演 16:00
S席 6,500円 / A席 5,500円
出演:ブラザーズ5(杉田二郎 / 堀内孝雄 / ばんばひろふみ / 高山厳 / 因幡晃)


コンサート情報

ビルボードライブ大阪

ビルボードライブ横浜




堀内孝雄 50周年 スペシャル インタビュー!



 1972年に「アリス」のメンバーとしてデビュー。1978年からは「アリス」の活動と並行してソロ活動を開始。1981年「アリス」の活動停止後も、ソロ歌手として活躍し、今年、2022年は、歌手活動 50周年となる。
 
 アクセントは強いのに、柔らかく、豊かに響く、唯一無二のその歌声はもちろんだが、堀内孝雄の場合、シンガーとしてだけでなく、作曲家としての一面も見逃せない。
 
 「アリス」の『遠くで汽笛を聞きながら』『冬の稲妻』『ジョニーの子守唄』『夢去りし街角』『秋止符』(いずれも作詞は谷村新司)などに加え、ソロ・デビュー作『君のひとみは10000ボルト』(作詞:谷村新司)、そして、ソロ活動での『愛しき日々』(作詞:小椋佳)、『恋唄綴り』(作詞:荒木とよひさ)、『ガキの頃のように』(作詞:荒木とよひさ)、『都会の天使たち』(作詞:荒木とよひさ)、『影法師』(作詞:荒木とよひさ)、『竹とんぼ』(作詞:荒木とよひさ)などに加え、山口百恵に提供した『愛染橋』(作詞:松本隆)、五木ひろしに提供した『山河』(作詞:小椋佳)、田川寿美に提供した『花になれ -うめ さくら あやめ あじさい ひがんばな-』(作詞:阿久悠)など、その非凡な才能で、数多くの名曲を世の中に送り出している。
 
 しかし、堀内孝雄の場合、基本的にメロディを作るのみで、歌詞は書かない。数百曲ある堀内孝雄が作曲した曲の中でも、自身で作詞した曲は数えるほどしかない。
 
 「詞がないとメロディを書けない」、そして、「歌詞がメロディを書かせる」と堀内孝雄は言う。「アリス」の頃は 谷村新司が、その後、ソロでは、小椋佳、松本隆、荒木とよひさ、阿久悠(「多夢星人」名義もあり)らが歌詞を提供している。
 
 たしかに、その歌詞によって、堀内孝雄が書くメロディも大きく変わってくる。「詞のモチーフによって曲のカラーが決まる」と言う。
 
 「アリス」の活動停止後、ソロとなってからは、よく「堀内孝雄は、演歌・歌謡曲に転向した」などと言う人もいたが、べつに転向したわけではなく、その歌詞によってメロディも進化していっただけのことで、堀内孝雄は、何も変わっていない。
 
 たしかに、歌謡曲色の強い曲もあるが、実際、今年、2022年3月にリリースされた「アリス」の34年ぶりのニューシングル『告白』(作詞:谷村新司)などは、往年の「アリス」を彷彿とさせるロック調の曲だ。
 
 作曲は、その人が聴いてきた音楽の積み重ねに影響されるものだ。フォーク調、ロック調、歌謡曲調と、堀内孝雄は様々なメロディを書くが、意外にも、自身のルーツは、子供の頃、実家の食堂で聴いた 三橋美智也の『リンゴ村から』だと言う。フォークやロックなど洋楽に影響を受けながらも、「歌詞が書かせたメロディ」が、いずれも、私たち日本人の心に沁みるメロディとなっているのは、そういうベースがあるからかもしれない。
 
 2022年 6月1日に発売となった CD 2枚組のアルバム『堀内孝雄 50周年ベストアルバム ~愛しき日々~』には、そんな堀内孝雄の 50年の魅力が詰まっている。
 
 2枚組の Disc 2 は、ソロでのヒット曲に加え、「アリス」の『遠くで汽笛を聞きながら』『秋止符』、五木ひろしに提供した『山河』のセルフカバーバージョンなどを含むソロベスト。そして、Disc 1 は、過去の作品から自身が選曲したこだわりの11曲に、『空のほとりで逢えたなら』(作詞:もりちよこ)、『終の棲みか』(作詞:荒木とよひさ)、『流星群』(作詞:田久保真見)、『君よ知るや』(作詞:小椋佳)の新曲 4曲も収録されている。
 
 堀内孝雄は「素晴らしい作詞家の方々と出会えたことが、今の自分をつくった」と話す。そういう作詞家との関係なしに、堀内孝雄は語れない。
 
 ヒゲがトレードマーク、はにかんだ笑顔が印象的な「べーやん」は、そのイメージ通り、サービス精神が旺盛で、やさしい。そして、決しておごることなく、これもトレードマークとなっている「サンキュ〜!」が象徴するように、周りへの感謝を常に口にする。


<もくじ>

1 デビュー50年をふりかえって 〜「不思議でしょうがないですよね…」〜
2 歌詞がメロディを決める 〜「変えてくれたのはみんな作詞家の先生です…」〜
3 自身が選曲した 50周年ベストアルバム 〜「答えがいつも書いてあるんですよ…」〜
4 もりちよこ作詞の新曲『空のほとりで逢えたなら』 〜「やけに泣けてくるんですよね…」〜
5 田久保真見が作詞した新曲『流星群』 〜「それをしちゃうと普通なんですよね…」〜


6 荒木とよひさ が作詞した新曲『終の棲みか』 〜「さすがに無駄じゃなかった…」〜
7 小椋佳が作詞した新曲『君よ知るや』 〜「ホントに稀有な存在と言うか…」〜
8 18年 作り続けた『はぐれ刑事純情派』の主題歌 〜「作詞家の人に、本当に助けてもらったんですよ…」〜
9 アリス 34年ぶりのシングル『告白』は 初期の雰囲気 〜「逆に、スゴイんだけど…」〜
10 50年で大きく変わった 今の音楽シーンに思うこと 〜「何かをすごい感じちゃうんですよ…」〜


1 デビュー50年をふりかえって 〜「不思議でしょうがないですよね…」〜
 
ーー 1949年(昭和24年)、大阪 阿倍野区の大衆食堂「大和屋」の 3人兄弟(姉・兄)の末っ子として生まれた堀内孝雄は、子供の頃、散髪屋やバスの運転手になりたいと思っていた。大学時代、アマチュア・フォーク・グループ「ピースメーカーズ」や「フーリッシュ・ブラザーズ・フット」で活動していた時に、フォーク・グループ「ロック・キャンディーズ」でデビューしていた谷村新司から誘われて、1972年3月5日、シングル『走っておいで恋人よ』で「アリス」のメンバーとしてデビューした。
 
堀内: あの……、いま「フーリッシュ・ブラザーズ・フット」っていう名前が出ましたけど、その相方の松井くんっていうのが、「俺はプロにはならない」ってプロになる直前で言うもんだから……。それで、ちょうどそのころ、チンペイさん(谷村新司)が「オレ、もう "ロック・キャンディーズ" やめるんだ」って言ってて、「一緒にツイン・ボーカルでやらない?」って誘いを受けてたんですけど、最初は断ってたんですよ……、松井がいたから。
 
堀内: で、後日、「申し訳ないです」って、またお詫びの電話をした時に、「実は、僕はプロにはなりたいんですよ。チンペイさんも嫌いじゃないし。でも、相方(の松井くん)に聞いたら "俺はプロにはならない" って言うから……、"俺はどうしたらいいんだ?" って迷ってたんですよ」って言ったら、「べつにいいじゃん、そんなの。俺は、ベーやんと一緒に歌いたいし、一緒に歌ったら面白いぞ〜」とか言ってくれたから、今があるんですよ。
 
ーー 1972年に「アリス」としてデビューしたものの、最初のうちはあまり売れなかった。それでも、年間300本を越えるコンサートを続け、1975年に 7枚目のシングルとして発売された ウッディ・ウーのカバー『今はもうだれも』がヒットしたことで、その後、『帰らざる日々』『遠くで汽笛を聞きながら』『さらば青春の時』『冬の稲妻』『涙の誓い』『ジョニーの子守唄』『チャンピオン』『夢去りし街角』『秋止符』『狂った果実』などヒット曲を連発。1978年には、当時、日本人アーティストとして初めて日本武道館 3日間公演を成功させるなど、一時代を築いた。
 
ーー 堀内孝雄は、1978年からは「アリス」の活動と並行してソロ活動を開始し、ソロ・デビュー作『君のひとみは10000ボルト』が大ヒット。1979年には、山口百恵に提供した『愛染橋』が、1980年には「滝ともはる&堀内孝雄」名義で発売した『南回帰線』がヒット。
 
ーー そして、1981年「アリス」の活動停止後は、1986年に発売された『愛しき日々』のヒットを機に、『ガキの頃のように』『冗談じゃねえ』『恋唄綴り』『都会の天使たち』『影法師』『竹とんぼ』『カラスの女房』などヒット曲を連発。また、2000年には、五木ひろしに提供した『山河』もヒットした。
 
ーー また、並行して、2009年に「アリス」のメンバー 3人が還暦を迎えたタイミングで本格的に再始動した「アリス」での活動に加え、2014年からは、杉田二郎、ばんばひろふみ、高山厳、因幡晃と「ブラザーズ5」を結成し活動している。そして、その間も、ソロとしては、コンスタントにシングルをリリースを続け、デビュー 50周年となる、今年、2022年 6月1日には、2枚組のアルバム『堀内孝雄 50周年ベストアルバム ~愛しき日々~』が発売となった。
 
ーー この 50周年にあたり、今、何を思うのだろう?
 
堀内: まあ……、爪跡って言ったらヘンですけど、こんな自分が、こんな多岐にわたって……、紆余曲折もあったのに……、まあ、それはつきもんなんですけど、よくこんな長期決戦で残れたな〜って、不思議でしょうがないですよね。まあ、それは、積み重ねで、キャリアを積んだ結果が50年てことにはなるんでしょうけど、こんなふうにして 50周年を迎えられたっていうのは、何か夢のようですね……。
 
ーー 誰でも、自分が50歳や60歳や70歳になるとは、実際になってみるまで思っていなかったように、その時、その時は、目の前のことに一生懸命だった。
 
堀内: そうですね、目先のことに一生懸命なんですよね。それで、「いい時」なんていうのは、そんなにはないと思ってますよね。だけど、ある程度いい思いもたくさんしたし、その分だけイヤな思いも……、「ああ、そこは頑張らなきゃいけないんだな」っていうのも覚えたし、だから、一つ一つなんですけど……、まあ、大変ですよね。
 
堀内: それを、要するに、こう続けていくわけですから、「若さがあれば、そこは跳ねのけられんじゃん」っていうチカラは、もうなくなっていくんですよ。そうすると、自分の中で要領の良さというか、かいつまむチカラを身につけていくんですよね。
 
ーー 歳を重ねたからこその知恵だ。
 
堀内: うん、多分、キャリアだと思うんですよね。それで、「そこはもうしなくていい」「それはもう本番を楽しみにしておこう」とかいろいろあるんですけど……、若いときはもう全力じゃないですか。そりゃあ、クタクタになりますよ。そんな事をね、10年 20年は続けても、30年では、思えないな〜(笑)。

2 歌詞がメロディを決める 〜「変えてくれたのはみんな作詞家の先生です…」〜
 
ーー アクセントは強いのに、柔らかく、豊かに響く、唯一無二のその歌声の魅力はもちろんだが、堀内孝雄の場合、シンガーとしてだけでなく、作曲家としての一面も見逃せない。これまで、数多くの名曲を発表してきた。
 
堀内: いえいえ、とんでもない。
 
ーー 堀内孝雄の場合、基本的にはメロディを作るのみで、歌詞は書かない。数百曲ある堀内孝雄が作曲した曲の中でも、自身で作詞した曲は数えるほどしかない。したがって、100% 詞先(先に出来上がっている歌詞にメロディをつける)となる。以前、堀内孝雄にインタビューをした時には、「言葉がメロディーを書かせる」「歌詞がメロディを持っている」ということを言っていた。
 
堀内: いや〜、みんな、本当によく考えてるって思いますよ。
 
ーー ソロとなってから、世の中では「堀内孝雄は、演歌・歌謡曲に転向した」とも言われた。たしかに、ソロのヒット曲の中には、「アリス」時代とは違う歌謡曲調の曲もある。曲作りに関して、変えてきた意識はあるのだろうか?
 
堀内: いや、これはね、自分では全く意識してない。変えてくれたのはみんな作詞家の先生です。あの……、詞のモチーフによって、曲のカラーが決まってしまうんですよね。詞が歌謡曲であれば、メロディも歌謡曲になりますね。詞の中に、そういうメロディがあるんでしょうね。
 
ーー その歌詞に合ったメロディが、自然と浮かんでくるということだ。
 
堀内: なんか景色が見えてくるんですよ。で、「今度いただいたのがコレだ……、『愛しき日々』? なんだこれ?」って……、「まあ、愛しいんだろうな、日々が……」って回想するんですよ。で、読むにつれ「♪風の流れの〜」とか、「そうか、そこに主人公は立つ……、すごいヤツだなこいつ……」とか、そういうのが、どんどん どんどん ドラマとして自分の中に入ってくるのが、メロディになるんですよね。
 
堀内: ということは、「このメロディは(この歌詞には)合わない」というのは、もう自然に削除されていくんですよ。で、やっぱり自分が、「この詞だと、こういう感じのメロディーがやっぱ合うな〜」っていう勝手な憶測なんですけど、その憶測が憶測を重ね重ねて、何とかなっていくんですよね。
 
堀内: それで「何とか Aメロができたぞ」ってなっても、今度は Bメロが 1週間かかってもできないとかね。そんなことは、いっぱいありますよ。で、しまいには投げ出すっていう……(笑)、のもあるし……。
 
堀内: かと言って、支離滅裂な詞もあるんですよ。「(メロディが)できないのは何でだろう?」って時に、「この詞がまとまってないからだ!」って。どう見ても、どこにもオチもないし、「何を言いたいんだろう?」って……。一見、カラーリングがめちゃくちゃいいんですよ、小道具もすごい上手だったりするんですよ。だけど「この人の言いたいのは何なんだろう?」と思ったときには、もう遅いですね……、やっぱ作れないです。
 
堀内: それはもう、昔は追い求めたんですよ。だから、悩んで悩んで「なんでできないんだろう?」って……。でも、最近はね、「コイツ(詞)が悪いんだ」って(笑)。だって、何にもないもん、言いたいことが。本当に言いたいことを書かないと、聴いた人には伝わらないから、逆にキャリアを積むにつれて、「おまえ、もうちょっと勉強してこい」って……(笑)。
 
堀内: でも、小椋(佳)さんは、そういうわけにはいかなかったですね(笑)。もうね、完璧に出来上がってるから、「ちょっと〜 やめてよ……」って感じで(笑)。もう、あの人は、ひどい人ですよ……、完璧なもん出てくるから、「どっか、おかしなところとかあったら言ってください」って言うんですけど、どっこもないんですよ(笑)。
 
堀内: そいで、「どうすんだよ。期日が来るぞ!」ってなっていって……、もう、本当にあせったのは小椋(佳)さんですね……。あと、阿久悠さんもね……。あのへんの方は「やめてもらいたい……」って感じでしたね(笑)。
 
ーー だから、演歌・歌謡曲に転向したわけでもなんでもなく、ただ、それぞれの歌詞によって引き出されたメロディだったということだ。堀内孝雄 自身は、何も変わっていない。実際、歌詞によっては、今でも「アリス」のような雰囲気の曲もある。
 
堀内: ああ、あります、あります。
 
ーー それに、歳を重ねて自然と変わっていくこともあるし、また、同じように、聴き手も歳を重ねて変わっていくものだ。
 
堀内: 僕の場合、なかなか括れない感じになってるとは思うんですけど……。だから、それはもう、聴く人ご自分が判断されて、演歌の色が強くても、ポップスな感じがしても、「これは何かなんとなくいい歌なんだろうな」って思ってくれれば、それが正解だと思いますね。

3 自身が選曲した 50周年ベストアルバム 〜「答えがいつも書いてあるんですよ…」〜
 
ーー デビュー50周年を記念して、2022年 6月1日に発売となった CD 2枚組のアルバム『堀内孝雄 50周年ベストアルバム ~愛しき日々~』の Disc 2 は、ソロでのヒット曲に加え、「アリス」の『遠くで汽笛を聞きながら』『秋止符』、五木ひろしに提供した『山河』のセルフカバーバージョンなどを収録したソロ・ベストで、ズラリと名曲が並ぶ。そして、Disc 1 は、過去の作品から自身が選曲したこだわりの11曲に、新曲 4曲も収録されている。
 
堀内: そうですね、Disc 1 の方の選曲は自分ですね。Disc 2 の方は、もうディレクター任せですね、「もうどれでも選んでくれ」って(笑)。とは言っても、曲順は、全て僕が決めました。
 
ーー 自身が選曲した Disc 1 で、とくに思い入れのある曲を聞いてみた。
 
堀内: そうですね〜、そういう意味で言えば……、愛の形っていうことは、みんな考えてるんですけど、「何なんだろう?」って思うんですよね……、人を好きになることとか。でも、小椋佳さんて、もう黙っていても詞の中に答えが書いてあって、やっぱり、この6曲目の『縁(えにし)』(作詞:小椋佳、作曲:堀内孝雄)っていう曲は、アルバムのタイトルになってるぐらいなんですけど……、いつもね、自分が「何だろうこれ?」なんて思っている答えが書いてあるんですよ。
 
堀内: だから、「この人(小椋佳)は、なんなんだろうな」って思って……。で、自分で、最初、出だしで言うんですよ、「♪愛してるって 何のこと まして 愛を誓うって どんなこと」って。それで、次に出てくるのは「♪わたしには 少しも 分からない」なんですよ(笑)、「責任とれよ!」なんて思うんですけど、「そういうもんなんだ」と……。
 
堀内: だから、「好きだな」と思った瞬間は、なんか互いが……、わかんないけど「思いやれる」っていうか、その瞬間が「これが愛なんだよ」ってことで、だから、「何かをもってして」とか、「形では言い表せないな」っていう……、「いやあ、答えはこんなとこにあったのかあ」なんて思いましたけど……。やっぱ、すごい人だなと思いますね。
 
ーー 6曲目に収録されている『縁』(えにし)という小椋佳の言葉が書かせたメロディは、堀内孝雄には珍しくマイナーの3拍子だ。
 
堀内: そうなんですよ。普通はね、あんまり……。要するに、字ズラで 3拍子じゃないと乗らないんですよ。
 
ーー そもそも、小椋佳は、3拍子のリズムで歌詞を書いたのかもしれない。
 
堀内: それは、あるかもしれないですね……。毎回、作り終えた後で、「たぶん、小椋さんがお作りになったとしたら、こんな感じを作られたんじゃないかな……」とか、「こんな感じを思い浮かべられたんだろうなぁ……」ってことは思いますね。なんかね、「お前も来いや」って感じで世界観に連れてかれる感じなんですよね。あの優しいパワーはヤメてほしいですよね(笑)……「いいから来なさい〜」って(笑)。
 
ーー 14曲目に収録されている「アリス」風のロック・ナンバー『諦めさえしなければ』も、小椋佳の詞だ。
 
堀内: すごい強いことを言ってるんですよ。「どうしようもない時は、みんなにある……、でも、最後の最後、お前が諦めさえしなければ、きっといいことがあるぞ」って……。もう、悩める人には最高のね、「いや、もう最後まで捨てないぞ」なんていう……。だから、ある有名なIT企業の社長さんなんかも、「困ったときはこれ読んだりする」とか言うんですよ。
 
ーー 堀内孝雄の作品には、本当にいい歌が多く、2枚組のアルバムでは収まりきらない。たとえば、2012年のシングル『笑うは薬』(作詞:相田毅、作曲:堀内孝雄)なども、「アリス」時代の隠れた名曲『ページ99』(作詞:中村行延、作曲:堀内孝雄)にどことなく似た、さわやかなメロディの曲だ。
 
堀内: ああ……、あれが好きだって言う方も多いですね。あれ、実話なんですよ……。
 
ーー 『笑うは薬』は、作家の眉村卓が、病床の妻に楽しい話を毎日聞かせ、宣告された余命をはるかに超えさせたという実話をもとに、作詞家・相田毅が作詞し、堀内孝雄が曲を付けた。メジャー調のメロディが、より切なさを伝え、心を揺さぶられる名曲だ。

4 もりちよこ作詞の新曲『空のほとりで逢えたなら』 〜「やけに泣けてくるんですよね…」〜
 
ーー 『堀内孝雄 50周年ベストアルバム ~愛しき日々~』の Disc 1 には、『空のほとりで逢えたなら』(作詞:もりちよこ)、『終の棲みか』(作詞:荒木とよひさ)、『流星群』(作詞:田久保真見)、『君よ知るや』(作詞:小椋佳)という 4曲の新曲も 収録されている。
 
堀内: 他にも 3曲か 4曲あったんだけど、ディレクターと相談して、いろいろ考えて、その中から 今回は この4曲ってことになったんです。それで、『空のほとりで逢えたなら』がシングル扱いというか、リード曲ってことになって。
 
ーー 4曲とも、聴き手が人生を振り返りながら今を考えさせられるような、大人が心に染みる曲だ。
 
堀内: 結果的に、全部、そういう曲になってるんですよね。母親のことだったり、それは友達のことだったりもするんですけど……。
 
ーー アルバムのリード曲となっている『空のほとりで逢えたなら』は、作詞の もりちよこ が、堀内孝雄の歌らしい歌詞を書いた。
 
堀内: たぶん、なんとなくですけど、おぼろげに理解されてるというか……。
 
ーー もりちよこ という作詞家は、提供する歌手のことを、事前によく研究しているフシがある。
 
堀内: あれはね〜、やっぱりリサーチされてる気がしますね。されてないと、言い回しが違うだろうなって気がしますね。
 
ーー 結果、堀内孝雄らしい歌詞になっている。そして、その歌詞によって生まれた曲は、エレピとスティールギターが印象的な、カントリー調の 3フィンガーに乗せた やさしく、さわやかなメロディ。
 
堀内: そう、これで出会ったのが……、いま「ブラザース5」でバックをやってくれてる和田くん(和田春彦)ってのがキーボードなんですよ。で、和田くんにお願いしたら「軽やかな方がいいですよね」って。それで、傍にスティール(ギター)を弾いてる尾崎くん(尾崎博志)てのがいるんですよ。「えっ、尾崎くんて……あの尾崎くん?」って思ってたら、「オヤジ(尾崎孝)もお世話になりまして」って言われて。で、そいつもめっちゃくちゃうまいんですよ。
 
ーー 『空のほとりで逢えたなら』は、メジャー調で軽やかな感じだからこそ、言葉が聴き手によく伝わってくる。
 
堀内: 永六輔(作詞)さんと 中村八大(作曲)さんの『上を向いて歩こう』……とか、なんかそんな感じだと思うんですよね。メジャー(調)で作ったから、やけに泣けてくるんですよね。「なんてことないじゃん」っていうか、「明るいじゃん」って言ってんのに、「泣いてるじゃんお前……」って。でも、これマイナーで来られたら、違う泣き方しますよね。湿っちゃいますよね。
 
ーー 『空のほとりで逢えたなら』の歌詞は、亡き母親がテーマになっている。
 
堀内: いや〜、母親のこと、思い出しますね。
 
堀内: 後妻なんですよね。親父が、その前の奥さんとは死別してるんですよ。それも、子供と一緒に死別してるんですよ。だから、余計ね……。ある時、変だな〜と思ってたんですよ。川の字になって寝てるときに、(父親が)うなされてんですよ。「最近、とくにそうなんだけど、なんなんだろうな?」って母親に言ったら、「何か意味があるんじゃない?」って言うんですよ。
 
堀内: それで、何気に(父親に)聞いてみたら、「実はな、亡くなった女房のこと子供のことを思い出すんだよ」って。「そんなこと言ってよ! 水くさいなあ〜」と思って。で、結局、位牌を作って、性根を入れてもらって、おがんだんですよ。そうしたら、胸のつかえも取れたみたいで……。
 
堀内: だから……、それくらい、みんな、それぞれに想いがあるんだな〜って……、まあ、自分の中にもありますよね。人を想う時には、やっぱ、そんなふうになるんだ〜っていう……。
 
堀内: だから、『空のほとりで逢えたなら』なんかは、「どっかで誰か見てるんだろうな〜」(笑)……、っていう感じはしますけど、その分だけ励まされてるんですよ。きっと、みんな応援してくれてるんですよ。
 
ーー まさに、この歌詞そのものだ。
 
堀内: そうなんですよ。だから、河島英五も、三橋美智也さんもそうなんですよ。みんなで円陣つくって応援してくれてるんだな〜って思うから……、「母親がまた指揮ふってるわ」みたいな……。そう思うから、「もうちょっと頑張ろう」と思えちゃうというか……、不思議なもんですよね。

5 田久保真見が作詞した新曲『流星群』 〜「それをしちゃうと普通なんですよね…」〜
 
ーー 同じく新曲として収録されている『流星群』は、Disc 1 の 15曲目に収録されている『空蝉の家』や、13曲目の『みんな少年だった』など、歳を重ねた大人を泣かせる詞を書く田久保真見による作品。
 
堀内: 田久保(真見)さんは、世界観がすごいんですよ……、泣かせるんですよ……。『空蝉の家』とか「ホントにこの家なくなるんだよ……」って……。それと、みんなの中にある詞じゃないですか。だから、たまたま僕が歌ってるわけなんだけど、「いや〜、わかるな〜」っていうのが田久保(真見)さんらしいですよね。
 
堀内: で、(作詞家の)康 珍化(かん ちんふぁ)さんに会った時も、「タッグ組めるな」って思ったんですけど、流れちゃったんですよ……。「まあ、ヒマができた時に書いておきますから……」って言ってくれたんですけどね。それで、結局、流れちゃったんだけど、うまいことなってるもんで、そうしたら、田久保真見さんが、今度、(詞を)くれるんですよね。それが『空蝉の家』とかそのへんなんですけど。で、聞いたら、(田久保真見は)康珍化さんの弟子らしいじゃないすか。
 
ーー 杏里『悲しみがとまらない』、杉山清貴&オメガトライブ『SUMMER SUSPICION』、高橋真梨子『桃色吐息』、上田正樹『悲しい色やね』、山下久美子『バスルームから愛をこめて』、中森明菜『ミ・アモーレ』、郷ひろみ『言えないよ』などの作詞で知られる 康珍化 は、どちらかといえば、おしゃれなシティポップのイメージが強く、田久保真見の書く歌詞とは、ずいぶん雰囲気が違う。
 
堀内: そう、違うんです。田久保真見さんは、濡れてるんですよ。違うんですけど、弟子なんですよ。だから、絶対、なんか縁があるんですね。
 
ーー 田久保真見の歌詞は、はっきりしている。新曲『流星群』も『空蝉の家』も『みんな少年だった』も、人生を振り返ることができる年代になった人の心に強く響く。新曲『流星群』も『空蝉の家』のシリーズのような歌だ。
 
堀内: うん、うん、流れはそうですね。やっぱり、田久保(真見)さんらしい、詞の運びですよね。だから、サークルゲームじゃないけど……。これ、康(珍化)さんとも共通するんですけど、やっぱ、康(珍化)さんも同じようなことを書いてるんですよね。「人生はサークルゲーム、回り回っていつかお鉢が回ってくるけど、一生懸命生きてりゃ、間違いなく自分の人生を歩めるから」っていうのを、何かうまい表現でね……。
 
ーー この田久保真見の歌詞が書かせた曲は、マイナーキーで 3フィンガーのフォーク調。どことなく「アリス」時代の『秋止符』っぽい雰囲気もある。
 
堀内: ああ、そういう世界はありますよね。
 
ーー だからこそ、こういう、やや重くなりがちな歌詞でも、演歌調にならず、ストレートに沁みてくる。
 
堀内: うん、なんか不思議な色合いを持ってるんですよね。
 
ーー やろうと思えば、演歌調のメロディもつけられるし、それはそれで、しっくりくるかもしれない。
 
堀内: うん。だから、それをしちゃうと普通なんですよね。「うまいこと落とし込んだな」ってそれだけなんですよね……。
 
堀内: だから、「Em」で始まったら「B7」で「Em」っての(コード進行)があるんだけど、僕は、あれが癪にさわってしょうがないんですよ(笑)……、「もうひとひねりあるだろ!」って。で、見つけ出したのが、「B」には行くけど、「B7」じゃなくて「Bm7」……「D」にも近いんだけどね。それ使うだけで、おしまいが、締めくくりが、すごい爽やかなんですよ。濡れてるくせに爽やかになるんですよ。

6 荒木とよひさ が作詞した新曲『終の棲みか』 〜「さすがに無駄じゃなかった…」〜
 
ーー 同じく新曲として収録されている『終の棲みか』(ついのすみか)は、マイナー調で堀内孝雄らしいメロディラインの曲。作詞は、『恋唄綴り』『竹とんぼ』『影法師』『ガキの頃のように』『都会の天使たち』など、多くの歌詞を堀内孝雄に提供している荒木とよひさ。
 
堀内: これも、もう 荒木(とよひさ)さんらしいですよね……。女好きでね〜……(笑)。でも、そういうのが、先生の活力になってるっていうか……、ヘンな人ですよ〜(笑)。ヘンな人なんだけど、あんな自由にロマンで生きれたら最高だなと思いますよ。「いいじゃん、べつに! 好きになっちゃったんだから!」って言うんですよ。だから「好きになっちゃったはいいけど、好きになりすぎだよ!」なんて言うんだけど、それぞれに、めっちゃくちゃ愛情を持ってるんですよ。だから、変な話、本当に憎めないんですよ。
 
堀内: だから、荒木(とよひさ)さんに会えてよかったですよ、僕は……。まさか、あの『四季の歌』(作詞・作曲:荒木とよひさ)を、あの先生が作ったなんていうのは笑っちゃうくらいなんだけど(笑)。スキーで勝手に足を折って、で、「入院して動けなくなったから、何かしなくちゃって思って、それで曲作ったんだ」って言うんですけど……。すごいね〜。
 
ーー 芹洋子が歌った『四季の歌』の作詞・作曲をはじめ、『時の流れに身をまかせ』『つぐない』『別れの予感』『愛人』など一連のテレサ・テンのヒット曲や、坂本九『心の瞳』、チョー・ヨンピル『想いで迷子』、高山厳『心凍らせて』、前川清『男と女の破片』、桂銀淑『すずめの涙』、森昌子『哀しみ本線日本海』など多くのヒット曲を作詞した 荒木とよひさ は、まさに、『ガキの頃のように』のように、純粋で、素直に生きている人のようだ。
 
堀内: ホント、ガキなんですよ。めちゃくちゃ素直です。「いいじゃんか!」って言うんで、「ダメだって、先生!」って言うと、「なんでよ〜、好きになっちゃったんだから、いいじゃん!」って……(笑)。ホント、自由ですよ。
 
堀内:だから、ズルは全然ないし、開けっぴろげなんですよ。だから、もう何か、付き合ったら100年目……、一生付き合ってる人ですよ(笑)。もう楽しいったらありゃしない。しかも、あんだけ話題があってね。僕は、本当に、話がそんなに弾むというのはあの先生ぐらいだけですね。あんないい男いないですよ。
 
堀内: だから、あの先生を嫌いだって言う人を聞いたことないし……、だから、みんな好きなんだろうな、(荒木)先生のこと……。中村泰士さんもそうだったけど……。やっぱ多いですよ、みんな「人たらし」だって。だから、みんな先生のこと好きになっちゃう……、まあ、阿久(悠)さんだけは、別だけどね(笑)……、もう「寄せ付けない」って言うか……(笑)。
 
堀内: でも、そこが好きで、「だから、そんなこと言わないでさ〜、(歌詞のここの意味を)教えてくださいよ〜」って言うんですけど、「言わないよ、そんなこと……、言っちゃったらおかしいでしょ」って。「いや、だから、そこを聞きたいでしょ」って言うと、「お前はしつこい!」って言われて(笑)。だから好かれたのかな〜とは思いますけどね。
 
ーー 今回の『堀内孝雄 50周年ベストアルバム ~愛しき日々~』の Disc 1 には、「多夢星人」名義で 阿久悠 が作詞した『秋の匂い』も収録されている。
 
堀内: だから、あの先生(阿久悠)も本当に「男」ですよ。で、(歌詞を)書き直さないでしょ。書き直さないって言われたら……もう……。荒木(とよひさ)さんなんか、「えっ! 歌詞 変えたの?」とか言うんですけど、「でも、いいな〜。それにしよ!」って感じなんですよ。でも、阿久(悠)さんはダメなんですよ。
 
堀内: だけど、スゴイのは、これ(50周年ベストアルバム)に入ってる『秋の匂い』の詞が大好きなんだけど、これ、最初は『黄昏を見たことがない』ってタイトルだったんですよ。それで、僕、曲を書いて提出したら、「堀内くん、違うな〜。何度も聴いたけど、詞が悪い」って言うんですよ。それで、珍しく「全部、書き換えるからちょっと待ってね」って言って、「メロディはいいから、そのまま使わせてくれ」って言うんで、それで書き直したのが、この『秋の匂い』なんですよ。
 
ーー メロディに乗って聴いた時に、阿久悠は、何かイメージが違うと思ったのだろう。
 
堀内: きっと、そうだと思うんですよ。それで(書き直された)『秋の匂い』が来た時は、「あっ、こういう世界になるんだ〜」って……、まあ〜見事でしたね。世界観は、そんなに変わっていなかったんだけど、恋人に対しても、すごく誠実だし、馳せてる想いもすごく出てるんですよ。『秋の匂い』ってのは、枯れ草の匂いで、わくらばの匂いなんですよ。阿久悠ってスゴイけど、またしてもスゴイな〜って思いましたね。
 
堀内: だから、僕はね、たまたまなんだけど、すごい人たちとすごい出会ってるんですよね。船村徹さんなんて、曲作ると思ってないじゃないすか。そしたら「書くよ……」って言われて、本当に書いてきちゃって……(笑)。「こんな難しい歌、誰が歌うんだ」って言ったら、「きみだよ」って……、「うわぁ〜まいったな〜」って……(笑)。
 
堀内: だけど、本当にみんないい人とお会いできましたね。うん……、50年はね、さすがに無駄じゃなかった。いや、本当に嬉しいですよね。

7 小椋佳が作詞した新曲『君よ知るや』 〜「ホントに稀有な存在と言うか…」〜
 
ーー そして、新曲として収録されている 4曲目の『君よ知るや』は、今年、2022年で歌手活動を引退することを表明している シンガーソングライターの 小椋佳 による作詞。堀内孝雄の曲では、これまで『愛しき日々』『山河』『憧れ遊び』『遥かな轍』などでコンビを組んでいる。何より、小椋佳 らしいのが、歌い出しの歌詞だ。いきなり「♪君よ 知るや 稲刈りのあと」ときて驚かされる。
 
堀内: すごいでしょ……。いや、でもね……、(小椋佳さんは)学生時代にすごく悩んだって……。言葉に悩んだんだって。で、しばらく、山梨の方かな、行って逗留したんだけど、もう悩んじゃって、頭がヘンになってくるって言うんですよ。それは、なんでかっていうと、言葉なんだって……、「この言葉をチョイスしていいいものか?」って……。「そんなの自由に喋ればいいじゃないですか!」って言っても、「それが、いかないんだよ」って言うんですよ。
 
堀内: それで、悩んで悩んで、「それだったら哲学を勉強しよう」ってんで、大学院に行ってるんですよね。それで、銀行員でしょ。だから、ホント変わり者なんですよ。で、ボート部だったから、腕力もすごいし、ゴルフやったら、めちゃくちゃ飛ぶんですよ。で、銀行でもみんなに期待されてるから、途中、ニューヨーク行ってるんですよ、支店長で。信じられない……、本当に スーパーマン みたいな人。
 
ーー マイナー調で、言葉を語るようなメロディが印象的な『君よ知るや』は、どことなく『山河』を思い起こさせる。
 
堀内: だから、そういうのも作れるんですよ。だからね、ホントに稀有な存在と言うか……、いや、もう 2人としていないですね、あの存在は……。
 
堀内: 小椋佳さんは『さらば青春』を聴いた瞬間から、顔も出てないころじゃないですか、「何者だ?」って思いましたね。「♪僕は〜 呼びかけはしない〜」って、「なんだろうな、この声質から響いてくるものは?」って。で、コードも、誰でも弾けるような簡単なのに、こんなに世界観があって、それを、この声質に乗せてくるのか〜なんて思いましたね。それで、知らないで、チンペイさん(谷村新司)は、自分のラジオの深夜放送の主題歌にしてました(笑)。
 
堀内: だからね、最初は「そんな(小椋佳と)会うことはないだろう」って思ってたんです。それが、縁あって、『小説吉田学校』っていう東宝系の映画があって、吉田茂の物語を作るって時に、「曲作らない?」ってディレクターから言われたんです。「小椋佳さんが何か(詞を)作ってくれるらしいよ」って言われて……。で、山本又一朗さんがプロデューサーで、とりあえず、銀座のレストランで(小椋佳さんと)会うことになったんですよ。小椋佳さんは、昼間しか来れないって言うんですよ、銀行勤めてるから。
 
堀内: そしたら、汗かきながら「お待たせしました〜」って(小椋佳さんが)来たんですけど、「えっ? あなたが! ウソぉ〜」って……(笑)。まだ、(小椋佳さんが)顔を出していなかったころですから、「♪僕は〜 呼びかけはしない〜」の感じとは全然違う人だって思って……(笑)。でも、喋ってくうちに、世界観があるし、「あっ、紛れもなく小椋佳さんだ」って思いましたね。
 
堀内: それで、曲を作ったんですよ。それから付き合い出して、「いや〜、あの歌よかったですよ〜」って言ってくれて……。
 
ーー そうして、堀内孝雄は、1983年に公開された映画『小説吉田学校』の主題歌として、『少年達よ』を書き下ろし、自身で歌うことになった。
 
堀内: 僕がソロになって、低迷を続けてたころですね(笑)。「そこまで行くか!」ってころですよ……、「底ってこんな感じ?」みたいな……(笑)。
 
堀内: それで、『少年達よ』は、もう亡くなりましたけど ハネケンさん(羽田 健太郎)がアレンジをしてたんですけど、「なんかピントこないな〜」って言うんですよ。「ドラマティックじゃない……、劇伴風なんだから、それ風に作らないと」って、そいで、「劇伴とかやってる川村栄二さんてのがいるんだ〜、その人、いいストリングス書くよ」って言うんでお願いしたら、素晴らしいアレンジするんですよ。もう出だしからスゴイんですよ。
 
堀内: で、それ(『少年達よ』)を聴いてたのが、日テレの常務の岩渕さんて方で、「会社に遊びに来ない?」って言われて、それからですよ……、年末(1985年、日本テレビ系の『年末時代劇スペシャル 忠臣蔵』の主題歌『憧れ遊び』)が決まったの。「キミ、いい歌つくるね〜」って言われて……。だから、『愛しき日々』(作詞:小椋佳、作曲:堀内孝雄、編曲:川村栄二)もあるんですよ。それから、6作くらいやってるんですよ。
 
ーー 翌 1986年に、日本テレビ系の年末時代劇『白虎隊』の主題歌として『愛しき日々』を書き下ろした。1981年に「アリス」が活動を停止して以降、しばらく低迷を続けていた堀内孝雄のターニングポイントとなった曲が、この『愛しき日々』で、そのきっかけを作ったのが、映画『小説吉田学校』の主題歌『少年達よ』であり、小椋佳だった。

8 18年 作り続けた『はぐれ刑事純情派』の主題歌 〜「作詞家の人に、本当に助けてもらったんですよ…」〜
 
ーー そして、その『愛しき日々』のヒットが、また、次のヒットに繋がっていった。
 
堀内: で、日テレの『愛しき日々』を聴いたテレ朝の人が、「いいじゃない〜堀内孝雄って〜、あんな歌、歌うんだ〜」ってなって『はぐれ刑事純情派』に繋がったんですよ。
 
ーー 1988年からレギュラーのドラマとしてスタートした『はぐれ刑事純情派』(テレビ朝日系列)は、放送開始から18年(18シリーズ)も続いた。毎シーズン、オープニングテーマは変わらないが、エンディング曲は、毎回、堀内孝雄の曲が使われていた。
 
堀内: テレ朝ミュージックの方に「ウチはもうちょっと演歌チックにやってよ〜」って言われて、それで「わかりました……」って始めたら 18年も続いちゃって……(笑)。だから、18曲 あるんですよ。
 
ーー 第1回目の『ガキの頃のように』(1988年)以降、五木ひろしとのデュエット曲で、すぎもとまさと が作曲した『ふたりで竜馬をやろうじゃないか』(2005年)まで 18年も続いた。
 
ーー 『冗談じゃねえ』『恋唄綴り』『さよならだけの人生に』『都会の天使たち』(桂銀淑とのデュエット)『影法師』『竹とんぼ』『河』『カラスの女房』など、いずれも、毎年、ヒットし、今回の『堀内孝雄 50周年ベストアルバム ~愛しき日々~』の Disc 2 にも、この『はぐれ刑事純情派』主題歌となった曲が数多く収録されている。
 
ーー しかし、逆にいえば、「毎年、ヒット曲を書かなければいけない」というプレッシャーも、年々、大きくなる。
 
堀内: そうです……。18作 プラス 年末スペシャルとかが 6作か 7作でしょ。だから、20何年間は、僕は……、まあ、無事に過ごせたってだけなんですけど、毎年、プレッシャーでしたよ。「来年もやるんだって」って言われるから、こっちも困るじゃないですか……。3年目のころとか「もう曲がないよ〜」って。
 
堀内: そしたら、ウチ(事務所、アップフロントグループ)の社長(現 会長)が、「そういえば、この前、麻生詩織に渡したやつがあるじゃん。あれ歌わせてもうらおう。(発売して)もう1年たったんだから、(『はぐれ刑事純情派』主題歌)3作目はあれにしよう」って言って、『恋唄綴り』(作詞:荒木とよひさ、作曲:堀内孝雄、編曲:川村栄二、1989年5月25日発売)になったんですよ。で、最初、「今回は不作だな……」なんて言われてたんですけど、そしたら、レコード大賞ですよ。
 
ーー 『恋唄綴り』は、1990年の「第32回 日本レコード大賞」の歌謡曲・演歌部門で大賞を受賞、さらに、日本有線大賞でも大賞を受賞し、「第41回 NHK 紅白歌合戦」でも歌った。
 
堀内: そう……。そしたら、また首がつながって、「今度は、桂銀淑さんと一緒に歌ったら?」とか言われて、それで、またいい感じになって……。
 
ーー 桂銀淑とのデュエット曲として発表された『都会の天使たち』(作詞: 荒木とよひさ、作曲: 堀内孝雄、編曲: 川村栄二、1992年3月11日 発売)も大ヒットし、この年の「第43回 NHK 紅白歌合戦」でも歌われた。
 
堀内: だから、助けてくれたのが……、小椋佳さんでしょ、荒木とよひささん、たきのえいじさん、山川啓介さんもそう……。だから、作詞家の人に、本当に助けてもらったんですよ。

9 アリス 34年ぶりのシングル『告白』は 初期の雰囲気 〜「逆に、スゴイんだけど…」〜
 
ーー 今年、2022年3月30日には、「アリス」として 実に 34年ぶりとなる ニューシングル『告白』(作詞:谷村新司、作曲:堀内孝雄、編曲;アリス)が発売された。往年の「アリス」を彷彿とさせる メジャーキーで 8ビートのロック調。「これはまぎれもなくアリスの音だ!」と感じる心地よい歌だ。
 
堀内: もう、まったくそうです。
 
ーー そして、谷村新司による歌詞に、また驚かされる。いきなり「♪あなたが好きだ あなたが好きだ ただそれだけを叫びたい」で始まる。この、まるで若者が書くような、あまりにもストレートなラブソングを、さわやかなサウンドとメロディに乗せてサラリと歌えてしまう 71歳と 72歳の「アリス」は、本当にすごいグループだと思う。
 
堀内: 詞を見ながら、「冗談じゃないよ〜」って思いましたよ〜。もう、(歌詞を)捨ててやろうかと思いました……(笑)。驚いちゃいましたね。逆に、スゴイんだけど、でも、なんでいまさらって……(笑)。「♪我は 行く〜」(『昴』)って書いて、上海で教授になった人が、何言ってんだって……、薬飲んだ方がいいんじゃないかって……(笑)。
 
ーー そして、まさに、その歌詞が、堀内孝雄に初期のアリスのようなメロディを産み出させた。
 
堀内: そうそう、そうなったんですよ……。それで、なんか「作ってるところをドキュメントでビデオ撮影するから」なんて勝手なこと言ってて、「じゃあ、いってみよ〜か!」って……(笑)。それで「"あなたが好きだ" で、 できるかよ〜」って言ったら、「普通に作ればいいんだよ、あの頃に戻れば」なんて言うから、「戻れないよ」って……(笑)。
 
堀内: で、「しょ〜がないな〜、こんな感じかな〜」ってちょっとやってみたら、「あっ!それいいんじゃない? じゃあ、その続きいってみよう!」なんて言うんですよ……(笑)。最初の方は、『今はもう誰も』とコード進行が一緒なんですよ。なんだけど……、ちょい違った風なエッセンスだな〜って思って作りましたけどね。
 
ーー 谷村新司は、堀内孝雄から、そういうメロディが出てくることをイメージしていたのかもしれない。
 
堀内: まあ、イメージされてたんだと思いますけど……。で、その場に録音機材がないから、撮ってたビデオを再生して聴きながら作りましたね〜。
 
ーー 動画収録をしながら、まさに、ライブで曲を作ったということだ。
 
堀内: いや、もう、脅迫ですよ……、『告白』じゃなくて……(笑)。そんなプレッシャーの中で作ったんだけど、「ベーやんらしくていいよ〜、アリスらしくていいよ〜」って(谷村新司に)言われて、「キンちゃん(矢沢透)どう?」って聞いたら、「いいよ! あのエイト(8ビート)叩きやすいよ」って。それで、「あとは固めておくから〜」って言われて、(後日)スタジオに行ったら、もうすっかりオケが出来上がってるんですよ。
 
堀内: だから、僕が、その時にフッと思ったのが、もうあと「アリスらしい」と言ったら、要するにインパクトだけしかないんですよ。インパクトでゴリ押しした時に、みんながグッと その圧に魅かれて「いいんじゃないの〜?今回の〜」ってなればいいかなって進んで行った作業なんです……(笑)。なんとか、キンちゃん(矢沢透)が形にしてくれましたから……、やっぱ、持つべきは仲間ですね。
 
ーー これから、また、アリスとしての活動も始まる。結成50年目を機に、新たなスタートとして持続していこうという意味で「アリス SDGs 目標」10年計画を発表し、4年ぶりの全国ツアーも予定されている。
 
堀内: おそらく、来年あたりに……。まあ、僕らは一生懸命やるだけですから。

10 50年で大きく変わった 今の音楽シーンに思うこと 〜「何かをすごい感じちゃうんですよ…」〜
 
ーー 「アリス」でデビューした 1972年(昭和47年)からは、世の中の大きな変化とともに、音楽をとりまく環境も大きく変わった。堀内孝雄は、今の音楽シーンをどう見ているのだろうか?
 
堀内: 気にする人は、気にすると思うんですよ……。で、僕たちも、気にした時代もあったし、それも、ある種、年代的に限界があると思うんですよ。なぜかというと、自分も「これならこなせるぞ」というのがあった時は、それに融合していくと思うんですよ。
 
堀内: ところが、本当に「ちょっと、なんか理解しがたいなあ〜」という世界観に だんだん だんだん入っていくんです。そうなると、「じゃあ、あなたは何できるんですか?」って言われた時に、思い出を語るしかないけど、プラスアルファとして、どっかで聞こえてきた雑音があるはずなんですよ……、知らずに取りこまれてきたものが……。ラップほどじゃないけど、なんかそういうリズム感とか……。それをやっぱり「素直に認めりゃいいじゃん」っていうところありますよね。いずれもって、何かアルバム作りとかしだすと、そういうのが自然と入ってくると思うんですよね。
 
堀内: それは、歌詞には、もっと入ってくると思うんですよ。谷村はそういうところは、ものすごい早いですから、アンテナをいつも張ってますから……、うん。やっぱり、YouTube なんか、死ぬほど見てると思うんですよ……。「そんなに好きなら、自分でやりゃいいじゃない」と思うんだけど(笑)。だけど、やっぱり、そういうアンテナを張ってるっていうのが、「まだ、やっぱり頑張ろうと思ってる自分がいるんだな〜」と思いますね。
 
ーー たとえば、『愛しき日々』の歌詞にある「もう少し時が ゆるやかであったなら……」ではないが、「こういう音楽の世界であってほしい」と思うことはあるのだろうか?
 
堀内: いや……、でもね、僕はいつも思うんですよ……、アリスがそうだったように……、みんなあの時代の人たちがそうだったように、いつも、若者が、いいと思ってやってきたんですよ。それは、あの……、カルチャーじゃないけど、文化って、やっぱ常に若者が作るんだなっていう……。
 
堀内: めちゃくちゃなんだけど、だけど、「あっ、今のいいな」って思うこともあって、それを「大人風に処理させていただきますけど、こういうことなんですよね?」って言うと、「いや、別にいいですけど……、やってくださいよ」って……。で、そうすると、すごい良かったりするんですよ。
 
堀内: 若者たちが……、きっと、今やってる人たちは……、まあ、あいみょん とかもそうだろうと思うんですけど、みんなが、やってくれると思うんですよね。もう、すごい 一石を投じてる人たちばっかりだから。米津(玄師)さんなんて、もう、ついていけないぐらい……「え〜っ!」みたいな(笑)。「前髪、もうちょっと切れよ」ぐらいしか言えないじゃないですか(笑)。
 
堀内: だけど、やっぱり、何かをすごい感じちゃうんですよ。あの言葉使いとか、メロディの持っていき方とか、「え〜! そんなに行っちゃうの!」とか、感心するんですよ。それが、知らず知らずのうちに、自分の中に打ち込まれてると思うんですよ。だから、「おじさんも、もうちょっと頑張らないと」みたいな……。知らず知らずに、入ってると思うんですよね。
 
堀内: だから、若い人が作りますよ……。それが、すごい楽しみなんで、僕らは楽しみにしていればいいと思うんですよね。

(取材日:2022年5月17日 / 取材・文:西山 寧)



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