いろいろわかる… 城南海(きずき みなみ)ロングインタビュー! 抜群の声質と歌唱力に加え、色気を感じる響きの歌声に魅了される最新アルバム! NHK「ラジオ深夜便」の『産声』、ディズニー「ムーラン」日本版主題歌『リフレクション』、本人作詞の『君だけのメロディー』や洋邦の名曲カバーなど、心に響く歌声の全10曲収録! -MUSIC GUIDE ミュージックガイド

MUSIC GUIDE


トップ・ボード

一覧を見る

いろいろわかる… 城南海(きずき みなみ)ロングインタビュー! 抜群の声質と歌唱力に加え、色気を感じる響きの歌声に魅了される最新アルバム! NHK「ラジオ深夜便」の『産声』、ディズニー「ムーラン」日本版主題歌『リフレクション』、本人作詞の『君だけのメロディー』や洋邦の名曲カバーなど、心に響く歌声の全10曲収録!

トップボードのバックナンバーはコチラ!

インタビューの最後に、読者プレゼントあり!

Kizuki Minami

城 南海(きずき みなみ)

10th Album『 Reflections 』


★ 奄美出身、2009年、19歳の時に『アイツムギ』でデビュー!
★「THE カラオケ★バトル」番組初の10冠達成でも有名!
★ ゾクゾクするような歌声に魅了される通算10枚目となるアルバム!
★ ディズニー映画「ムーラン」の日本語版主題歌『リフレクション』収録!
★ 森山直太朗が書き下ろした NHK「ラジオ深夜便」の『産声』収録!
★ 4月からは コンサートツアー「ウタアシビ 2022 春」が 全国5ヶ所で 開催!



「ムーラン」日本版主題歌『リフレクション』MV|城南海

Reflection (Japanese)
『リフレクション』(ディズニー実写映画『ムーラン』日本版主題歌)』城 南海

『リフレクション』歌詞を見る


『産声』城 南海(きずき みなみ)

『産声』歌詞を見る



コンサート情報


城南海 コンサートツアー「ウタアシビ 2022 春」

【大阪】
2022年 4月9日(土) 大槻能楽堂 開場 15:30 / 開演 16:00
キョードーインフォメーション 0570-200-888 (日祝休11:00~16:00)

【東京】
2022年 4月24日(日) 浅草公会堂 開場 16:00 / 開演 17:00
ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999 (平日12:00~15:00)

【名古屋】
2022年 5月1日(日) BL café
昼公演:開場 14:30 / 開演 15:00
夜公演:開場 17:30 / 開演 18:00
サンデーフォークプロモーション 052-320-9100(全日 12:00~18:00)

【福岡】
2022年 5月14日(土) 福岡border
昼公演:開場 14:30 / 開演 15:00
夜公演:開場 17:30 / 開演 18:00
border 092-406-8448(16:00~21:00 月曜定休日)

【埼玉】さいたま市民の日記念事業 さいたま市特別公演
2022年 5月29日(日) 市民会館 いわつき ホール
開場13:00 / 開演14:00
市民会館 いわつき 048-756-5151


チケットぴあ

イープラス

ローソンチケット


<ファンクラブ 入会キャンペーン実施中>
対象期間中(2022年3月22日~5月31日)に、城南海オフィシャルファンクラブ「南海人“みなみんちゅ”」に入会すると、「サイン入りポストカード」と、「入会 “ありがとう” コメント動画」がメールでもらえる特典が、全員にプレゼント!

新規入会キャンペーン

ファンクラブ 詳細




リリース情報


城 南海 「Reflections」(初回限定盤)
アルバム CD + DVD
2021年 1月27日発売
PCCA-04994
¥6,380(税込)
PONY CANYON


城 南海 「Reflections」(通常盤)
アルバム CD
2021年 1月27日発売
PCCA-04995
¥3,080(税込)
PONY CANYON


収録内容

【 CD 収録曲 】
M01 リフレクション (ディズニー実写映画『ムーラン』日本版主題歌)
M02 Change the World (映画『フェノミナン』より) *カバー
M03 カントリー・ロード (映画『耳をすませば』より) *カバー
M04 Good-bye days (映画『タイヨウのうた』より) *カバー
M05 Never Enough (映画『グレイテスト・ショーマン』より) *カバー
M06 蘇州夜曲 (映画『支那の夜』より) *カバー
M07 Over the Rainbow (映画『オズの魔法使』より) *カバー
M08 君だけのメロディー (作詞:城 南海、作曲:松本俊明)
M09 Encounter in Space ”THE EARTH” (NHK BSプレミアム『コズミックフロント☆NEXT』)
M10 産声 (作詞・作曲:森山直太朗)(NHK「ラジオ深夜便」2020年12月~2021年1月 深夜便のうた)
 
【 DVD 収録内容】(初回限定盤のみ)
Digest of「城 南海 with 1966 カルテット クラシカルコンサート 2020」東京
 01 童神~私の宝物~
 02 ルナ・レガーロ~月からの贈り物~
 03 晩秋
 04 糸
 05 イトゥ
 06 リフレクション
 07 アイツムギ
 08 サンサーラ
 09 祈りうた~トウトガナシ~
 10 花
 11 ワイド節


城南海「産声」各配信サイト


城南海 ポニーキャニオン

城南海 オフィシャルサイト

城南海 オフィシャル YouTube


城南海 歌詞一覧




城 南海 ロング インタビュー



 城 南海(きずき みなみ)は、将来、日本を代表する歌手になると思う……。いや、すでに、日本を代表する女性シンガーのひとりだろう。
 
 なぜなら、2020年に Disney+(ディズニープラス)で公開されたディズニーの実写版映画『ムーラン』(Mulan)では、主題歌『リフレクション』(Reflection)の日本版を歌うシンガーとして指名されている。
 
 もともと、1998年に公開されたアニメーション版『ムーラン』の主題歌として作られた曲で、前回も今回も英語版は、クリスティーナ・アギレラが歌っている。ワールドワイドで発売されている映画のサウンド・トラック・アルバムには、クリスティーナ・アギレラと、北京語で歌われた中国版のリウ・イーフェイによるものとともに、城 南海 が歌う日本語バージョンが収録されている。
 
 鹿児島県 奄美大島出身の城 南海 は、2009年、19歳の時に、川村結花による名曲『アイツムギ』でデビューした。その楽曲の良さに加え、明るい響きの伸びやかな歌声と、奄美民謡に特有のグイン(こぶし)を自然に使った言葉が伝わる歌唱で話題となった。
 
 ほかにも、NHK『みんなのうた』で使われた『あさなゆうな』『夢待列車』をはじめ、NHKドラマ『八日目の蝉』の主題歌『童神〜私の宝物〜』、韓国歴史ドラマ『トンイ』の挿入歌『チョネジア』の日本語カバー、NHK『J-MELO』エンディングテーマ『祈りうた〜トウトガナシ〜』などがヒット、大河ドラマ『西郷どん』の大河紀行テーマや劇中歌も歌っている実力派シンガーだ。
 
 2014年には、テレビ東京系のカラオケ番組『THE カラオケ★バトル』に初出演し、その後、毎回、高得点を取り、番組初となる10冠を達成したことでも知られるが、城 南海 の歌が魅力的なのは、それが理由ではない。
 もちろん、音程が限りなく正確であるに越したことはないが、本質的に歌のうまさとは関係がない。音程やリズムが良ければ、伝わる歌が歌えるというわけではないし、聴く人を感動させることができるとは限らない。
 
 2021年1月27日にリリースされた 通算10枚目となる 最新アルバム『Reflections』(リフレクションズ)を聴けば、そんな城 南海 の歌が、どれほど魅力的か感じることができると思う。
 
 アルバムには、森山直太朗が書き下ろした、NHK『ラジオ深夜便』の『深夜便のうた』になった『産声』や、日本語訳詞も担当したディズニー実写映画『ムーラン』日本版主題歌『リフレクション』、自身が作詞を担当した新曲『君だけのメロディー』、そして、映画『グレイテスト・ショーマン』の『Never Enough』、映画『支那の夜』の『蘇州夜曲』など、洋邦の映画主題歌名曲カバーが 6曲 収録されていて、オリジナル、カバーとも名曲ばかりの全10曲。
 
 もともと持つ抜群の声質と歌唱力に加え、デビューから11年の時を経て、響きがより豊かになり、大人の色気を感じるゾクゾクするような歌声に魅了されるアルバムだ。
 
 音楽は、説明すればするほどヤボになる。とにかく、一度、聴いてみてほしいアルバムだ。
 
 そして、あらためて、デビュー曲の『アイツムギ』も、YouTube で公開されているので、ぜひ聴いてほしい。今、この時代にこそ、必要とされている歌だと思う。
 
 4月9日からは、全国5ヶ所(大阪、東京、名古屋、福岡、埼玉)でのコンサートツアー『ウタアシビ 2022 春』が開催される。その空間を支配するような圧倒的で魅力的な歌唱を、ぜひ生で味わってほしいと思う。


1 ディズニーから指名された曲では日本語歌詞も担当 〜「”歌っててよかったな” って思いました…」〜 
2 日本人とは思えない英語カバー曲の歌声 〜「私自身、何か初めて聴いた感じで…」〜 
3 自身が作詞した新曲『君だけのメロディー』 〜「言葉を引き出してくれるメロディーだと思います…」〜 
4 城 南海 の歌声を変えた曲『産声』 〜「自分でも知らなかった私の声の響きを引き出してくれた…」〜 
5 コンサートツアー『ウタアシビ 2022 春』 〜「まだ、言えないこともあったり…」〜 
6 ルーツは、地元・奄美大島のシマ唄 〜「懐かしく思って、それからでしたね…」〜 
7 大学1年の時に『アイツムギ』でデビュー 〜「何か自分の世界が狭まるなと思って…」〜 
8 進化し続ける歌 〜「世界に行きたいですね…」〜


1 ディズニーから指名された曲では日本語詞も担当 〜「”歌っててよかったな” って思いました…」〜 
 
 前作、2019年12月に発売されたアルバム『one』は、デビュー以来、これまでの城 南海 をよく知るファン、つまり、『アイツムギ』や『夢待列車』『童神~私の宝物~」『祈りうた ~トウトガナシ~』『あなたに逢えてよかった』などのイメージを持つ人にとっては、もしかしたら、最初は一瞬「えっ?」と思ったかもしれない。
 たしかに、挑戦的で、実にバリエーションに富んだ10曲と、それぞれの楽曲ごとの歌声や歌い方は、これまでの城 南海 のイメージを一新するものだ。しかし、もともと持つ抜群の声質と歌唱力に加え、余裕を持ったボーカルには、シンガーとしての大きな成長を感じた。
 
城: あ〜そうですね〜。ディレクターさんが変わったり、アレンジャーさんも変わったりして、ロックとか、もうガーッって変えてみたんですよ。
 
 デビューして 11年目となる 2020年に向けて、新たなスタートという意味もあったのだろう。そして、2021年1月27日にリリースされた 通算10枚目となる 最新アルバム『Reflections』(リフレクションズ)では、さらに、大きな歌の進化を感じた。よりチカラが抜け、響きがより豊かになり、大人の色気を感じるゾクゾクするような歌声に魅了されるアルバムだ。
 
城: あ〜、うれしい。ありがとうございます。
 
 アルバムタイトルでもあり、1曲目に収録されている『リフレクション』(Reflection)は、2020年に公開されたディズニー実写映画『ムーラン』(Mulan)主題歌の日本語版。もともと、1998年に公開されたアニメーション版の主題歌として作られた曲で、前回も今回も英語版は、クリスティーナ・アギレラが歌っている。ワールドワイドで発売されてる映画のサウンド・トラック・アルバムには、クリスティーナ・アギレラと、北京語で歌われた中国版のリウ・イーフェイによるものとともに、城 南海 が歌う日本語バージョンも収録されている。
 さらに、今回、城 南海 は日本語版の歌詞も担当している。作詞は、音符に言葉をはめこむだけの単純な作業ではない。メロディと言葉のリズムの関係、歌った時の音としての響きや歌い心地なども考えて作らなければならない。とくに、日本語は母音が多く、1音に1語しか乗せられないため、洋楽のメロディに歌詞を付ける作業はより困難になる。
 しかし、今回、実にうまく歌詞が乗せられている。メロディに乗った「♪素顔の私 見せたいの… これが運命(さだめ)だとしても 私は 私を生きるわ…」の歌詞が、聴いた時、印象的に耳に残る。日本人が聴くものだから、言葉が伝わらないと意味がない。
 
城: あ〜、うれしいです〜。あの……、これ原曲は(クリスティーナ)アギレラじゃないですか。で、もともと日本語の歌詞もワンコーラスだけあったんですよ……、もともと存在してたんです、『ムーラン』が、昔、20年くらい前にアニメーションであった時にすでにあったんですね。
 
城: それを作詞した人が誰なのかは知らないんですけど、その歌詞が「♪ダメね〜 何のために生まれてきたの 私…」っていう、水に映る自分の顔を見て「こんな私、誰なの?」って化粧を落とすワンシーンを描いてるワンコーラスだったんですね。
 
城: で、今回は、ワンコーラスだけじゃなくて「1曲としての訳詞をしてほしい」ということでいただいたお話だったので、その日本語の歌詞は 1回 置いといて、「作品全体のメッセージをそこに映し出したい」っていう思いがまずあって、プラス、意識したのは、アギレラの曲があまりにも有名というか、あの歌詞が20年あったわけじゃないですか。だから「その『リフレクション』が好きな人にも受け入れてもらいたい」ってなった時に、「英語の歌詞の母音を意識して書こう」と思って……。
 
城: たとえば、最初が「♪ひとり〜」なんですけど、もとの英語だと「♪Look at me〜」なんですよ。だから、そういう「イ」で伸ばすとか「ア」で伸ばすとか、伸ばす大事なところは母音を一緒にすることで、違和感をなくす……、サウンドとして、言葉の響きとして、音楽に乗る言葉として……。それ、以前、(作詞家の)松井五郎さんから聞いたんです。韓国の曲で、日本語版の歌詞を書いていただいた時に、松井さんに「何を意識して書いてるんですか?」って聞いた時に、「母音を一緒にしてる」っておっしゃってたんですよ。それで、私はそこからヒントをいただいて「松井さん、こうおっしゃってたな……」と思って、やっぱりその訳詞をするときの意識として「私もそれをやってみよう」と思って書いたんですね。
 
 たとえば、「ひとり」の「り(RI)」は「イ」、「Look at me」の「me」も「イ」で伸ばしているということだ。そういう原曲の母音と合わせることで、サウンドとして、もとのイメージを崩さないように工夫したということだ。そういう音としての響きの心地良さに加え、ちゃんとメッセージも伝わってくる。
 
城: えっと〜、そうですね……、「ムーランが何を訴えたいのか?」「どういう作品なのか?」「実写化されて何を伝えたいのか?」とか、そういうところを考えました。私、構想が長いタイプで、書き始めたらバーッて書いちゃうんですけど……。それで、まず「私は私を生きる」っていうのが出てきて、それに紐付けていったというか……。その……、英語から遠く離れない程度に、その母音に合うような言葉を見つけ出しながら……、っていうパズルではありましたね。
 
 今回、映画の完成版を見てから詞を書いたのだろうか?
 
城: 実は、見ないで書きました……(笑)。「こういうストーリーです」っていうのはもらってて……。
 
 日本語版の詞を書く段階では、まだ映画が間に合わなかったようだ。それにしても、ディズニー映画の主題歌の日本語版を歌い、歌詞まで書くということはすごいことだ。
 
城: ディズニーの方からお話をいただいたんですけど……、ライブを見ていただいて、それからお話をいただきました。で、歌詞も書いてほしいってことでいただいて、年末年始、ずっと書いてました……(笑)。ディズニーさんとやり取りしながら、「ここは、もうちょっとわかりやすく」とか、2回ぐらい戻しましたね。でも、そんなに大きくは変わらなかったですね。
 
 実際、「いつかはディズニーの歌を歌いたい」と思っていたようだ。
 
城: ありました、ありました、思ってました。ディズニーって憧れだったんで。夢がひとつ叶ったし、何か「今まで歌っててよかったな」って思いました……、やっぱり、ディズニー、ジブリ、ドラえもん……、紅白……(笑)、ふふふふ……(笑)、夢は大きく……、はい。
 
 いずれにしろ、ディズニーに日本の代表として選ばれたということになる。
 
城: そうですね〜、もうホントに、ありがたいですね〜。こんなに愛されてきた曲だからこその重みはありましたけど、でも、すごくいい経験をさせていただいたなと思います。 

2 日本人とは思えない英語カバー曲の歌声 〜「私自身、何か初めて聴いた感じで…」〜 
 
 アルバムには、『リフレクション』のほかに、映画『耳をすませば』の『カントリー・ロード』や、李香蘭主演の映画『支那の夜』の『蘇州夜曲』、映画『オズの魔法使』の『Over the Rainbow』、YUI が歌った『Good-bye days』など比較的最近の曲まで、洋邦の映画主題歌名曲カバーが 6曲 収録されている。
 中でも、英語による洋楽カバーには驚かされる。三味線をフューチャーした映画『フェノミナン』の『Change the World』もさることながら、映画『グレイテスト・ショーマン』の『Never Enough』では、前半の大人っぽい色気を感じる低い歌声から、「♪for me ….」で張る圧巻のサビまで、言われなければ、日本人が歌っているとは思えないような響きの歌声を聴かせてくれている。
 
城: ああ、嬉しいです。練習しました……。このアルバム作る前の年、10周年の時に、英語の曲だけを歌うツアーをやったんですよ。その時に英語の先生についてもらって、歌う上での英語の発声の仕方とか、切り方、乗せ方とかいろいろ教わって、その先生に、このアルバムの時も、もう付きっきりでやってもらってたんです。
 
 『Never Enough』は、曲自体、とても難しい歌だ。
 
城: むずかしいです……。まず、発声だけでも、いっぱいいっぱいなのに(笑)、もうず〜っとやっぱり練習して……。もう、とにかく原曲を聴きまくり、カバーした人のを聴きまくり、言葉の乗せ方がすごい難しい曲なんで……。でも、自分の声の低音の響きっていうのを、この曲を通して、私自身、何か初めて聴いた感じで……。
 
 たしかに、圧巻の張った高いサビもいいが、冒頭の低いところの歌声が、とても魅力的だ。チカラが抜けて、響きが豊かで、子音の感じとか母音の響かせ方が、まるで英語圏の人の声の響きだ。
 
城: うれしいです〜。で、それを汲み取って、アレンジもしてくださってて……。アレンジャーの方も素晴らしいんですね、松浦晃久さんって方なんですけど……、あの……平井堅さんとか、絢香さんとか、JUJU さんとかよくやられてて、「ミナミの低音はいいから」ってこのアレンジにしてくださったんです。で、金原千恵子ストリングスでやってくださって、みなさんの弾いてる姿を見ながら一緒に仮歌を入れたので、ものすごい自分も羽ばたくように歌えたっていう……、すごく気持ちよく……(笑)。
 
 ヴァイオリニストの金原千恵子(きんばら ちえこ)が率いる「金原千恵子ストリングス」は、小田和正やサザンオールスターズ、MISIA ……らのレコーディングで数多くのヒット曲に参加している人気のグループだ。
 
城: あの臨場感があって、歌えた歌なんじゃないかなって思いますね。
 
 城 南海 が、たとえば『THE カラオケ★バトル』で 100点を出せるほど音程がいいのは、トレーニングしたからではなく、もともと耳がいいからだと思う。そして、「音楽の耳」が良い人は「語学の耳」も良い。だから、英語のカバーも、これほど見事に歌えるのだろう。

3 自身が作詞した新曲『君だけのメロディー』 〜「言葉を引き出してくれるメロディーだと思います…」〜 
 
 アルバムに収録されているオリジナルの新曲『君だけのメロディー』(作詞:城 南海、作曲:松本俊明)は、言葉が耳に残るキャッチーなメロディーのピアノバラード。その優しく語るような歌声で、「大切なものは いつでも そばにあるから…」「いろんな色の今日という日が 重なり合い 虹になるよ…」「迷い立ち止まる時でも 朝は来るから…」などの言葉がストレートに伝わる、明日への勇気をもらえるような応援歌だ。この曲は、城 南海 が、松本俊明(作・編曲家)が書いたメロディーに詞をつけた。
 
城: はい、(松本)俊明さんには、今まで何曲も書いてもらってるんですけど……、このコロナ禍の中、(松本)俊明さんと二人で一緒に何かやろうって言って、二人で配信ライブをしたんですけど、そこに向けて作ろうって言って出来た曲なんですね。もともと(松本)俊明さんとは、NHK『みんなのうた』のスタッフさんが繋いでくれたんですよ。私も『みんなのうた』を歌ってて、(松本)俊明さんも書いてたので、最初、『みんなのうた』のスタッフさんと 3人で よくお茶をしてて、それで「お願いします」ってことで何曲か私の曲を書いてもらったりしてたんです。
 
城: それから、ずっと10年くらい友達なんですけど、このコロナ禍の中で、何かやろうってなって、「まず曲を書いてライブをしよう」ってなったんですよ。そのライブは、今も続いているんですけど、二人とも『みんなのうた』をやってきた仲間だから、「子供たちに向けて何か書きたいね」っていうので、私も大学は保育科を出てるんですけど、世界の子供たちに向けてのメッセージとして、この温かいメロディーに乗っかって書かせてもらいました。
 
 『リフレクション』と同様に、この『君だけのメロディー』も、サウンドとしての言葉も大事にしながら、言葉が伝わるようにうまく乗せてある。
 
城: (松本)俊明さんのメロディーは、言葉を引き出してくれるメロディーだと思います。だから、すぐに書けました。もうイメージがすぐ出てきて、(松本)俊明さんも、本当にお友達みたいにそうやって一緒にいろいろ話したり、プライベートで会ったり寄り添ってくれる人だからこそ、私から出てくる言葉もきっと引き出してくれるのか……。なんか、そういう仲だからこそなんだろうなって思いました。
 
 歌も、やさしく柔らかな響きだからこそ、言葉が伝わってくる。
 
城: あれは、(松本)俊明さんのピアノとチェロの人と3人で同時に録ったんですよ、せーので。だから、乗り方もやっぱりいいのかもしれないですね……。
 
 サビの「♪君だけのメロディー」のペダルポイント(=通奏低音。ベース音が変わらずに上のコードだけが変わる演奏)になっている部分の歌声が、実に気持ち良く耳に残る。

4 城 南海 の歌声を変えた曲『産声』 〜「自分でも知らなかった私の声の響きを引き出してくれた…」〜 
 
 そして、アルバムの最後、10曲目に収録されている『産声』(作詞・作曲:森山直太朗)は、まさに、城 南海 の真骨頂。デビュー曲で名曲『アイツムギ』の「10年後のカタチ」とも思えるような曲で、祈りのような、心を包み込まれるような、大人のための子守唄となっている。森山直太朗が NHK『ラジオ深夜便』の『深夜便のうた』(2021年12月~1月)として書き下ろした曲で、たった 8小節のメロディーが繰り返されるシンプルな曲だが、とにかく、やさしく語りかけるような歌い方が心地よい。
 
城: 実は、この曲を、アルバム全体をレコーディングする前に録ってるんですよ。そうなんですよ、そのチカラの抜けたこのアルバム全体の「声の響き感」ってのは、この『産声』から始まってるんですよ。この『産声』で、(森山)直太朗さんが、自分でも知らなかった私の声の響きを引き出してくれたんですね。
 
 アルバムを聴いた時に、まず「歌声が大人っぽく、より柔らかくなったな」と感じたが、実際、この『産声』をきっかけに、今回のアルバムで自身の歌が変わったという感覚があるようだ。
 
城: あります、あります、はい。やっぱ、コロナ禍で作ってたアルバムでもありますし、『産声』で得たもの、感じたことを、すべての楽曲に投影して、今ここにある自分を受け入れて、音を楽しんで……っていう……。なんか、しょってたいろんなものを 1回 置いて、羽ばたくように歌えたのは『産声』があったからですね……。
 
 NHK『ラジオ深夜便』から「『深夜便のうた』を歌いませんか?」という話が来たタイミングで、森山直太朗に「曲を作ってほしい」と依頼した。
 
城: そう、ずっと(森山)直太朗さんに書いてほしいって思ってて、この時、「いまだ!」と思って……(笑)、「直太朗さんお願いします!」って言って……(笑)。で、最初、ZOOM の打ち合わせから入って、で「お願いします」ってことで……。
 
 歌うにあたり、森山直太朗からのアドバイスもあったようだ。
 
城: レコーディングの前に、(森山)直太朗さんから直で電話が来て、「なんかね、こういう感じで歌ってみたらどうかなって思うんだけどさ。ミナミちゃんのシマ唄っぽい歌い方、コブシはもちろん素敵なんだけど、なんかベッドの上で、”♪ふ〜ん” て鼻声で歌ったのが台所のお母さんだけに聴こえてるようなそんな距離感で歌ってみるのはどうかな?」って言って、耳元で歌ってくれたんですよ。「これレコーディングしたい!」って思いましたけど……(笑)。で、「わかります、その距離感ですね……、やってみます」って言ったんです。
 
城: その「やってみます」っていう気持ちも、すごくやっぱり私にはチャレンジだったし、「ちょっと怖さもあるチャレンジ」っていうのも汲み取ってくれた上で、いろいろ考えて書いてくれたので……。(森山)直太朗さんは、本当に曲だけではなくって、なんかいろんなスタッフさんの動き方とか、いろんな……「チーム 城 南海」のことも全て考えて動いてくださって、本当にすごい人だなって思いました。
 
 『産声』は、最初、アカペラから始まり、途中から楽器が入ってくるが、アカペラの部分は、インテンポ(一定のテンポ)では歌っていない。
 
城: はい。これは、ピアノとビオラの人と私の 3人で一緒に「せーの」で録ってます。それにギターを乗っけてるんですけど……、頭は、本当にあのまんまです。だから、私の呼吸感でみんなで録ったって感じですかね。だから、ほぼ一発録り……、何回かは歌ったんですけど、入れ替えたりはしてないです。
 
 演奏と共に、しかも一発録りだから、独特のやわらかな空気感を感じることができるのだろう。インテンポではない心地よい間も含め、見事としか言いようがない。歌声が祈りのようだ。
 
城: なんか……、歌いながら、「あっ、私いろんなことがあって、今ここにいるんだな……」って、なんか全部 救われたような……、そんなことを歌いながら感じました……。
 
城: あの……、レコーディングする前と歌った後の感覚が、この曲、実は全然違ってて、なんか「お母さんのお腹の中にいるような曲だな」って歌う前は思ってたんですけど、レコーディングしながら、皆さんと「せーの」で入れながら、「ここに居られる自分、ここに居られる幸せ、今歌えてる幸せ」って、何か全てが救われたような感じで、何か、その肯定感っていうか……、すごい不思議な曲だなって思いましたね。
 
 歌うことで、自分が浄化されるような、救われたような気がした曲だから、自然とそういう歌唱になったのかもしれない。そして、それが聴く人にも伝わるのだろう。とにかく心休まる歌だ。
 
城: そう、そう。人それぞれ受け捉え方はあると思うし……、と、(森山)直太朗さんもおっしゃってましたけど……、うん……。

5 コンサートツアー『ウタアシビ 2022 春』 〜「まだ、言えないこともあったり…」〜 
 
 4月9日からは、全国5ヶ所(大阪、東京、名古屋、福岡、埼玉)でのコンサートツアー『ウタアシビ 2022 春』が開催される。新曲も披露されるとのことで、まだ完成形ではないが、リハーサルの音を聴かせてもらった。大人っぽいおしゃれな曲だが、1オクターブ以上 音が下がったりするメロディーのある難しい歌だ。
 
城: 難しいです……、なんか「どこにいくんだろう?」って……(笑)、私、譜面を読みながらソルフェージュですよ、もう(笑)……、えっ、えっ、えっ、ってなりながらやってました。
 
 新曲は、ツアーのバンマスを務めるキーボードの扇谷研人によるもの。
 
城: そうです、そうです。バンマスの扇谷研人さんが「ミナミちゃんに」って書き下ろしてくれて、詞も曲も(扇谷)研人さんです。で、今からちょっと、「ここのメロディーは歌いづらいから、こうしてほしい」みたいなのは、これからやる段階で、まだ出来てはいないんですけど……。
 
城: とにかく、CDに入れるとか、そういうの関係なく「一緒にいろいろ作ろうよ」って言ってくださるのが(松本)俊明さんであり、(扇谷)研人さんであったりするので、すごいありがたい存在です。だから、今回もチャレンジしていこうっていう中の1曲で、リリースとかとは関係なく、ライブでやってみるっていう……。
 
 これまで、コンサートでは、奄美三味線、二胡、シマ太鼓なども披露しているが、今回、他にも新しいチャレンジがあるようだ。
 
城: そうですね、まだ、言えないこともあったり……(笑)。まだ、言えないこともあるんですが……(笑)。これまではカバーとかも結構歌ってたんですけど、今回は「オリジナルを中心に」っていうのはいつもと違うポイントで……、昔の曲とかも歌ったり……。
 
城: 今回、最初に決まってたのが「大槻能楽堂」(大阪)と「浅草公会堂」(東京)で……、「大槻能楽堂」は初めてで、「浅草公会堂」は私、大学の卒業式があった懐かしい場所なんですけど……、なので、その時、描いてた思いとかルーツとかを移しながら、新たなサウンドでお届けしたい。なおかつ、日本の言葉とか景色とか、そういった美しさを、こういう特別な空間の中で、非日常の世界観で届けられる、楽しんでもらえるように……、純粋に音楽を楽しんでもらえるように、MC少なめで……(笑)。なんか、いつも喋っちゃうんですよね(笑)。なので、今回、パンフレットで結構解説してるんで、もう曲に入っていただけるような世界で、オリジナルを新旧、今の声で、今の音色で楽しんでもらえるように、カラフルに……、はい、春らしいカラフルなサウンドでお届けしたいなと思っております。
 
 奄美の民謡であるシマ唄や、奄美のコブシであるグインを使うような曲だけではなく、ポップスの曲でも『あなたに逢えてよかった』『いつか星になる』『サヨナラよりも伝えたったこと』『月と月』……など、いい歌がたくさんあるだけに、何が聴けるか楽しみだ。
 
城: ああ〜、ありがとうございます。ありがたいです。
 
 ベスト盤のような、ファンはうれしい内容になりそうだ。その空間を支配するような、自然と惹き込まれてしまうような圧倒的な歌唱を、ぜひ生で味わってほしいと思う。

6 ルーツは、地元・奄美大島のシマ唄 〜「懐かしく思って、それからでしたね…」〜 
 
 鹿児島県 奄美大島で生まれた 城 南海 。小中学校のころは、普通に流行りの音楽を聴いていた。
 
城: やっぱり、島(奄美大島)にいると、流行っている音楽を聴くので、「モー娘。」(モーニング娘。)とか、あゆ(浜崎あゆみ)とか、宇多田ヒカルさんとか……、初めて買ったのは、「SPEED」さんの『White Love』ですね……。そういう流行りの音楽と、あと、ピアノやってたんでクラシックですね。
 
 3歳のころからピアノを習っていたようだ。
 
城:ピアノは 好きでした。やめたいと思ったことはなく……、あの……、泣きながらでもコンクールどんどん受けながらやってました……、あははは……(笑)。
 
 その後、奄美大島から徳之島に引っ越し、14歳、中学 2年生の時に、鹿児島市に引っ越した。
 
城: はい、徳之島をはさんで、鹿児島市に引っ越しました。兄は歳が離れてるんですけど、先に鹿児島に行ってて、で、一緒に住んだんですけど。
 
 中学を卒業した後、高校は音楽科に入った。
 
城: はい、音楽科です。鹿児島に 1校だけあるんですよ。松陽高校っていう、音楽科と美術科と普通科がある県立高校で……、沢村一樹さんとか、はしのえみさんとか「GO!GO!7188」(バンド)とかも行ってた高校で……、あの方達は普通科だったんですけど。
 
城: で、その頃、私は、ピアニストかピアノの先生になりたかったので、「高校から音楽科に行きたい」って中学の先生に言ったら、「大学に行ったらできるから高校からは必要ない」って言われて、「じゃあ、自分で推薦もらわずに行きます!」って言って、受けて……(笑)、危なかったけど通ったんです。
 
 高校生の頃は、好きで洋楽をよく聴いていたようだ。
 
城: その頃は、洋楽でしたね。初めて買った洋楽は アヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)で、エヴァネッセンス(Evanescence)とか、ミシェル・ブランチ(Michelle Branch)とか、ロック聴いてました……、はい、好きで。アイドルみたいな人たちとかも聴いてましたし、マライア・キャリー(Mariah Carey)とかも聴いてましたし……、いろいろ聴いてました。
 
城: で、兄が、趣味でシマ唄(奄美の民謡)を歌うNPO法人を立ち上げて、鹿児島にいる島出身の友達と何人かで「つむぎんちゅ」っていうユニットを作って、鹿児島の路上でライブしたり、お祭りでライブしたりしてたんです。シマ唄歌う人って、みんなシマ唄を本職にしてなくて、仕事が終わってから歌いに行くみたいな感じなんですよ。
 
城: 兄も、ちゃんと習ったとかいうわけじゃなくて独学なんですけど、で、私もお兄ちゃん子なんで、そばで聴いてて「私も歌いたい」ってなったんです。鹿児島には奄美料理のお店も多くて、そこで「ウタアシビ」(唄遊び)をよくやってたんです。「ウタアシビ」っていうのは、ひとりが三味線を弾いて、まわりの人が節を歌っていくんですけど、毎日、天文館(鹿児島の繁華街)の中にある奄美料理屋さんとかについて行ってました。
 
城: そこで、みんなで歌ったりしながら、聴いて私も覚えていったっていう感じなんですけど……。中学生ぐらいからちょいちょい行ってたんですけど、高校生のときから本格的に歌おうと思ってやり始めました。
 
 そうして、だんだんシマ唄が好きになっていった。
 
城: 鹿児島(市)に行ったすぐの時は、やっぱり、それまでは「島(奄美大島)を離れたい」って気持ちの方が大きかったから、島(奄美大島)の音楽なんて見向きもしなかったんですけど、行って、3年くらい経って、「あっ、なんか島の音楽に触れたい……」って、懐かしく思って、それからでしたね。
 
城: それからは、鹿児島(市)で「奄美のシマ唄を広めたい、素晴らしさを伝えたいな」と思って……。はい、お兄ちゃんから教えてもらって、もう半年後くらいには、ひとりで三味線持って「MBC」(南日本放送)っていう地元のラジオに出たりとかしてました。

7 大学1年の時に『アイツムギ』でデビュー 〜「何か自分の世界が狭まるなと思って…」〜 
 
 そんな高校生の時に、鹿児島市内の公園でスカウトされた。
 
城: その日、たまたまラジオの帰りで、ひとりで三味線持って公園を通りかかったらアートイベントをやってて、私の知り合いがそこで店を出してて「ミナミちゃん、お店の前で歌ってよ」って言われて、「はーい」って言ってシマ唄を歌ってた時に、たまたま通りすがったのがポニー・キャニオン(レコード会社)の関係の方だったんです。「新人発掘の全国オーディションやるから、全国から集めてくれ」みたいに頼まれた鹿児島担当みたいな人で、「オーディションがあるんで受けませんか?」って言われて、受けました。
 
 オーディションは、まず、鹿児島で地区予選があった。
 
城: シマ唄を歌いました。シマ唄でスカウトされたから、東京から来る人にシマ唄を聴いてもらおうと思って……。「シマ唄を聴いてください」って言って、ひとりだけシマ唄を歌って、あとの人はみんなカラオケとかで歌ったんですけど……、それで受かって。
 
城: で、それからショーケースって言って、全国から受かった人が 20組くらい東京の原宿の「ASTRO HALL」に集まって、そこでレコード会社が見るみたいな感じのやつが、2006年にあったんですよ。そこでは、『童神』と、『もういちど教えてほしい』っていうガメラの映画の曲を歌いました。他の人は言われてないんですけど、私だけ、課題曲としてガメラの曲を歌ってほしいって言われて……(笑)。
 
 そのオーディションでデビューが決まったが、上京すると、大学の保育科に進学した。
 
城: やっぱり、親も心配で「歌手がダメだった時のために何か資格を取っておきなさい」っていうのはあるんですけど……。私も、子供が好きで、何か子供と触れ合う……、ピアノが弾ける……ってなった時に「保育だな」と思って、保育の大学に一応行こうと思って……。
 
城: あと、こういう世界の人間関係だけだと、何か自分の世界が狭まるなと思って、普通の友達関係とかやっぱそういう仕事じゃない関係が東京に必要だと思ったのもあって、4年間大変だろうけど行こうと思って……。
 
 そもそも、歌手になりたいとは思っていたのだろうか?
 
城: あっ、それは、スカウトされて、「あっ、自分は歌も歌っていいのかな?」って思い始めてからですね。鹿児島県なのに、鹿児島(市)の人は奄美のシマ唄を知らない人が多いので、「シマ唄を鹿児島の人に知ってもらいたい」って思いから歌ってたってのがあったので、「東京の人にも聴いてもらいたい」「全国の人にも聴いてもらいたい」みたいなところから、「歌っていこう」って思って……。でも、ポップスと違うじゃないですか、だから、最初、ポップスを歌うときはすごい大変でしたけど……。
 
 2009年1月7日、大学1年の時に『アイツムギ』(作詞・作曲:川村結花、編曲:上杉洋史)でデビューした。その楽曲の良さに加え、明るい響きの伸びやかな歌声と、奄美民謡に特有のグイン(こぶし)を自然に使った言葉が伝わる歌唱で話題となり、地元の鹿児島県ではチャート初登場1位を獲得。『アイツムギ』は、2012年には「SEVEN & i HOLDINGS」の CMソングにも起用されている。
 そして、2014年には、テレビ東京系の人気カラオケ番組『THEカラオケ★バトル』に初出場し、その後、出演するたびに 100点を取るなど毎回 高得点を獲得し、ついに、番組初となる10冠。番組最多優勝回数は、現在も破られていない。
 
城: もともと、徳光(和夫)さんの番組『徳光和夫の名曲にっぽん』(BSテレ東)の初代のアシスタントをやらせてもらってて(2013年10月2日〜2014年3月26日)、その時のプロデューサーさんが『THEカラオケ★バトル』もやられてたんですよ。それで「出ませんか?」って言われて、採点とかやったことないし不安だけれど、ご縁とかもあるし、せっかく声をかけていただいたので、「やってみます」って言って出ました。で、「やるからには勝たなきゃ」って思って、練習を頑張ってやる……、みたいな感じでした(笑)。
 
 歌手として、カラオケの機械が採点する番組に出ることは、勇気がいることだと思う。カラオケの点数は、本質的には歌の良し悪しとは関係ないが、そうは言っても、点数が低いのはいやだろう。
 
城: すごいタイヘンでした……(笑)。でも、点数で「歌の良し悪し」みたいに見えちゃうじゃないですか……。あれって、何か点数低いと「歌が良くない」って錯覚するじゃないですか。でも、そうじゃないじゃないですか。でも、点数を出さないと、番組の趣旨としては、やっぱり負けだから……、負けは負けだから、この負けん気が出ちゃって……、はい(笑)。
 
 その見かけとは違い、気は強い。
 
城: はい、すごい思います……(笑)。
 
 点数も取りたいし、自分の歌の魅力も伝えたい。
 
城: そう! どっちも追っかけるタイプ……(笑)。
 
 それが出来てしまうのがすごい。その結果、番組を見た視聴者の反響は、実際の点数もさることながら、「歌が伝わる」「心に響く」というものが多かったようだ。

8 進化し続ける歌 〜「世界に行きたいですね…」〜
 
 2009年1月の歌手デビューから、今年、2022年で 13年目に入った。
 
城: 意外とあっという間でしたけど、でも、本当に……、何ていうのかな……、そのシマ唄を知ってもらいたいって思いから入ったら、行くとも思ってなかった海外とか日本全国とか行って歌わせてもらって、すごい出会いがたくさんあって……、なんか、すごいことだなって……。歌い続けられてることってすごいことなんだなって思いますね。
 
 デビュー翌年の2010年には、すでに、アメリカや中国でも歌っている。そして、最近では、テレビの音楽番組『新・BS日本のうた』では、石川さゆりと『ウィスキーが、お好きでしょ』(歌:石川さゆり、作詞:田口俊、作曲:杉真理)をデュエットしたり、吉永小百合の前で『寒い朝』(歌:吉永小百合・和田弘とマヒナスターズ、作詞:佐伯孝夫、作曲:吉田正)を歌ったりもした。
 
城: 緊張しました〜(笑)。心臓がここまで出かかっている感じです……。でも、一生懸命歌ったら伝わるかなと思って……、はい。でも、あんな経験させてもらえるのは一生に一度だと思うので……、なかなかあんな経験できる人もいないと思うので。吉永小百合さんの前で『寒い朝』を歌うなんてことは、もうとんでもないことですから……、私、台本見て「ウソでしょ!」って思いましたから(笑)。「城がんばれ!」って激励の言葉を皆さんからいただいて、一生一度の経験をさせていただきました。感謝です。ありがたかったですけど、すごい緊張でした。
 
 緊張しているようには見えず、むしろ、堂々とした見事な歌いっぷりだった。石川さゆりにも負けない、吉永小百合に聴かせられる歌唱力を持っているから、その大役を任されるということだ。
 そして、城 南海 は、今回のアルバムに収録されている『リフレクション』や『君だけのメロディー』の他にも、これまでに『東京』『愛加那』『西郷どん紀行~奄美大島・沖永良部島編~』などの曲でも作詞をしているが、『七草の詩』『祈りうた ~トウトガナシ~』などは、作曲もしている。いずれも、耳に残るいいメロディーを書いている。
 
城: あっ、書きたいと思ってます。はい、こっからもっと……。実は、私、詞は苦手なんですよ。まずメロディーがあって、そこに詞が乗っかるっていう感覚は自分でもあるんですけど。でも、詞も曲も書きたいと思っています。「城ワールド」をもっと確立させて、世界に羽ばたいていきたいと思います。
 
 グインを使うような奄美の民謡も歌うし、ポップス、洋楽カバーまで幅広く歌っているが、曲によって意識して歌い方を変えたりしているのだろうか?
 
城: そうですね……、言葉によって変えてる感じ。と、あと、曲と聴いてる人との距離感でコブシも変わってくるんですけど……、ただ、シマ唄を歌ってる時とスイッチは違いますね。本当は、シマ唄を歌ってる時のように、地面に足をつけて……、自由に歌いたいです……、どんな曲も。
 
 ということは、今はまだ「本当に自由には歌えていない」ということだろうか?
 
城: 自由に歌えてるんだけど……、感覚が……、まだ、シマ唄のようにはいってない……。だから「シマ唄を歌ってる時はミナミちゃんすごく自由だ」って言われたりもするんですけど、私の中で、まだ「自由さが足りない」と思っていて……。でも、それができる曲もあるんですよ……、たまに。たとえば、『Encounter in Space ”THE EARTH”』とかそうですし、『祈りうた 〜トウトガナシ〜』とかもそうだし……、『七草の詩』もそうかもしれない……。だから、自分が書いた言葉の曲が多いかもしれないですけど、やっぱり、その感覚を、もっといろんな曲でやっていきたいなと思うので、自分でもっと書きたいなって思いますね。
 
 本当に自由になったら、もっと歌が変わる。
 
城: はい、そうですね。その時々で、やりたいことはやれてるんですけど、なんかもっと根本、その自分のルーツを直球で持っていけるような感覚の曲もやりたいなって思ってて……。だから、「自分の軸」っていうのをこれから作っていかないといけないなってのはあります。
 
 軸は、すでにあると思うが……。
 
城: う〜ん……、まあ、あるはあるんですけど……、たぶん、もっと作って、城 南海 っていうスタイルで世界に行けるような……、うん、世界に行きたいですね。
 
 これまで歌った海外でも反応はいいようだ。知らないシンガーだとしても、日本とは違い、素直に聴いて、楽しんでくれる。
 
城: うん、そうですね。やっぱり、歌がストレートに届いてくれるくれるし、シマ唄を歌っても、ものすごいのってくれるし、踊るし、日本人より反応がストレートだから、なんか「受け取ってくれてるんだな」っていうのを感じるので、もっともっと海外でも歌っていきたいですね、コロナ落ち着いたら。
 
 今後、やってみたいことを聞いてみた。
 
城: 今、言った話もそうですけど、ちょっと面白いこともやってみたいです(笑)。たとえば、あの〜、フェスに前に出てたんですけど、もっとリズム、ビートが効いた世界のフェスに行けるような音楽とか……。言葉も大事なんだけど、言葉自体を音と捉えて、サウンドとしていろんなミックスを……。ケルト音楽とかそうだけど、そういう国の音楽とシマ唄の発声とミックスしたり、そういうものをやってみたいなってのはあるんですけど……、まだ形にはしてません。
 
 たしかに、ケルト音楽の起源と言われるアイルランドも島だ。ケルティックなものと奄美なものとのミクスチュアーのようなものだろうか?
 
城: そうです、そうです。私、大学の卒論で「アイルランドと奄美の音楽の関係性」を書いたんですよ。そうなんです、近いんですよ〜。やっぱりブルースですよね。つらい歴史の中で生まれてきた音楽っていう共通点があるんですけど、やっぱ、そこで奏でられる音色とか響きも似てるものがあって、結構、沖縄・奄美系の人って、しょっちゅうアイルランドの人とコラボしてるんですよ……、お互い惹かれ合うのか、「チーフタンズ」と 元 ちとせ さんとか、古謝(美佐子)さんとかも。
 
城: 私も、初めて「ケルティック・ウーマン」(Celtic Woman)を聴いた時に、それを感じて卒論を書いたんですけど、いつか、そういうのをやってみたいし……。「チーフタンズ」とか「U2」とか民謡とかもいろいろ聴きますけど、なんかそういう海外の音楽とコラボしたり、(今回のアルバム『Reflections』収録曲の)『Change the World』に三味線を入れたのもそうですけど、そういう羽ばたき方……、化学反応も面白いな〜と、(今回のアルバム)『Reflections』でも思ったので、もっともっと積極的にやりたいです。
 
 どんなものを聴かせてくれるのか想像がつかないだけに楽しみだ。そういう新しい試みと同時に、これまでの数々の名曲を、もっと多くの人たちに聴いてもらいたいとも思う。とくに、デビュー曲の『アイツムギ』は、今の世の中に聴かせたい曲だ。
 「♪高い枝を 見上げるあまり 足元の花を 踏んでないか…」
 「♪強さの意味を 違えてないか 守ることで 奪ってないか…」
 「♪勝ろうとして ひざまずかせて あなたに 一体 何が 残ろうか…」
 日本はもちろん、世界に届けたいメッセージだ。年末の紅白でフルコーラス聴かせたいと思ってしまう。
 
城: ホントに……、さっきもそれを話してたんですけど……、世界に聴かせたいって……(笑)。世界に届いたらいいなって思いました。今……、この世界はね……、ホントに……、みんなに届いたらいいなと思いますね。

(取材日:2022年3月7日 / 取材・文:西山 寧)





読者プレゼント!


城 南海 直筆サイン色紙 を3名様にプレゼント!

twitter で、MUSIC GUIDE を フォロー&下記リンクのツイートをリツイートして頂いた方の中から、抽選で3名様に、みなみちゃん が 持っている 直筆サイン色紙を プレゼントさせていただきます。
締め切りは、2022年 5月 1日 (日) まで!

ツイートはコチラ!


【ご注意ください】
当選された方には、twitter の DM(ダイレクトメッセージ)にて、ご連絡させていただきます。
(せっかくご当選されたのに連絡の取れない方がいらっしゃいます。)

また、「【公式】MUSICGUIDE ミュージックガイド」を名乗る偽アカウントからプレゼント当選のDMが送られてくる事例が発生しています。
公式アカウントは「@MUSICGUIDE1003」です。
DMでアカウント登録やクーポンを配信することはありません。偽アカウントからDMが届いてもリンクをクリックしないで下さい。




アイツムギ(full ver.)/ 城 南海 (きずきみなみ)

あなたに逢えてよかった / 城 南海(きずき みなみ)

月と月 / 城 南海(きずきみなみ)-オリジナルアルバム『尊々加那志~トウトガナシ~』より

城南海「西郷どん〜奄美大島・沖永良部島編〜」/「愛加那」ダイジェスト(歌詞・訳)

夢待列車~NHK「みんなのうた」バージョン~/城 南海(きずきみなみ)

童神 ~私の宝物~ / 城 南海(きずきみなみ)

城 南海「ウタアシビ」10周年記念コンサート Bunkamuraオーチャードホール−2019.11.08−
ティザー映像