いろいろわかる… 純烈、ロングインタビュー 第2弾! メンバーが語るそれぞれの素顔とは…? 通算13作目となるシングル「君を奪い去りたい」が 2月9日発売! メジャー調 80年代風のロック! オリコン週間演歌・歌謡ランキング 1位!「

 

 

インタビューの最後に、読者プレゼントあり!

 

JYUNRETSU

 

純 烈

 

New Single『 君を奪い去りたい 』

 

 

 

★ 紅白 4年連続出場中! 人気の4人組、通算13作目となる最新シングル!
★ 歌詞の世界観はそのままに、メジャー調 80年代風のロック!
★ オリコン 週間 演歌・歌謡 シングル ランキング 1位 獲得!
★「お台場 大江戸温泉物語」最後の公演を収録した DVD も3月に発売!
★ インタビューでわかるった、メンバー 4人の素顔とは!

 

 

 

 

 

 

 

シングル リリース情報

 

 

 

 

純烈 「君を奪い去りたい」 【Aタイプ】
シングル CD
2022年 2月 9日 発売
CRCN-8459
¥1,350
日本クラウン

<収録曲>
1 君を奪い去りたい (作詞・作曲:幸 耕平、編曲:萩田光雄)
2 来た道行く道   (作詞:及川眠子、作曲:幸 耕平、編曲:坂本昌之)
3 君を奪い去りたい (オリジナル・カラオケ)
4 来た道行く道   (オリジナル・カラオケ)

 

 

 

 

純烈 「君を奪い去りたい」 【Bタイプ】
シングル CD
2022年 2月 9日 発売
CRCN-8460
¥1,350
日本クラウン

<収録曲>
1 君を奪い去りたい (作詞・作曲:幸 耕平、編曲:萩田光雄)
2 愛は大丈夫    (作詞:及川眠子、作曲:幸 耕平、編曲:坂本昌之)
3 君を奪い去りたい (オリジナル・カラオケ)
4 愛は大丈夫    (オリジナル・カラオケ)

 

 

 

純烈「君を奪い去りたい」各配信サイト

 

 

 

 

 

純烈「君を奪い去りたい」ミュージックビデオ(フル)

 

 

 

「君を奪い去りたい」歌詞を見る

 

 

 

純烈「来た道行く道」(Aタイプ カップリング曲)Audio

 

 

 

「来た道行く道」歌詞を見る

 

 

 

純烈「愛は大丈夫」(Bタイプ カップリング曲)Audio

 

 

 

「愛は大丈夫」歌詞を見る

 

 

 

 

 

 

 

DVD リリース 情報

 

 

純烈「純烈 温泉ライブ in お台場 THE FINAL」
DVD
2022年3月23日発売
初回限定盤(DVD+グッズ)CRBN-103 5,980円(税込)
通常盤(DVD)3,980円(税込)
日本クラウン

<収録内容>
【第一部 昼の部】
01 君がそばにいるから
02 プロポーズ
03 純烈のハッピーバースデー
04 失恋ピエロ
05 愛をください~Don’t you cry~
06 愛が裁かれるとき
07 NEW(入浴)YORK
08 星降る街角
09 言葉足らずのメロディ
10 ジグザグ
【第二部 夜の部】
11 君がそばにいるから
12 ふたりで一緒に暮らしましょう
13 好きだよ
14 あなたは水夫
15 僕に残された時間はどのくらいあるだろう
16 愛をください~Don’t you cry~
17 NEW(入浴)YORK
18 星降る街角
19 夏色グラフィティ―
20 純烈一途
21 メンバーインタビュー、オフショット

 

 

 

純烈 歌詞一覧

 

 

 

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純烈 歌詞一覧

 

 

 

いろいろわかる… 純烈 ロングインタビュー!(2021年)

 

 

 

 

 

 

 

純烈 ロング インタビュー 第2弾

 

 

 

後上 翔太(左・グリーン)/ 酒井 一圭(中央前・ピンク)/
小田井 涼平(中央後・ブルー)/ 白川 裕二郎(右・レッド)

 

 

 

 

<純烈メンバー>
酒井 一圭(さかい かずよし)46歳 身長 186cm リーダー
白川 裕二郎(しらかわ ゆうじろう)45歳 身長 185cm
小田井 涼平(おだい りょうへい)51歳 身長 188cm
後上 翔太(ごがみ しょうた)35歳 身長 179cm

<名物マネージャー>
山本 浩光(やまもと ひろみつ)48歳 身長 194cm

 

 

 

 「夢は紅白!親孝行!」をキャッチフレーズに、2010年に『涙の銀座線』でユニバーサルミュージックからメジャーデビューした純烈(当時は 6人組)。しかし、最初は全く売れなかった。その後、契約が切れ、2013年からは、日本クラウンに移籍してリリースしたが、やはり売れない……。
 
 ところが、2012年、ある幸運な出会いがきっかけで始まったスーパー銭湯での活動が、2015年ころからワイドショーなどで取り上げられたことが転機となり、徐々に脚光を浴び、その後、「スーパー銭湯アイドル」として一気に認知度が上がった。
 
 2016年 通算7枚目のシングル『幸福あそび』、翌2017年の『愛でしばりたい』がヒットし、2018年には『プロポーズ』で「NHK 紅白歌合戦」に初出場。その後も、2019年は『純烈のハッピーバースデー』で、2020年は『愛をください 〜Don't you cry〜』で、そして、昨年、2021年には『君がそばにいるから』で、4年連続出場中。
 
 さらに、昨年、2021年は、7月に初座長公演を東京・明治座で行い、9月には初主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』が全国ロードショー。年末には、「日本レコード大賞」で優秀作品賞を受賞と、目覚ましい活躍を見せ、今や、テレビやラジオ、CM などで引っ張りだこだ……。
 
 純烈は、不思議なグループだ。現在のメンバーの誰一人として、歌手を目指していたわけではない。誰も歌手になりたいと思っていなかったのに、「NHK 紅白歌合戦」には 4年連続出場中。ボーカルグループであることに間違いはないが、「歌手なのか?」と問われると、ちょっと違う気もする……。
 
 しかも、オジサン 4人組 なのに「スーパー銭湯アイドル」という肩書きがあり、「アイドル」と呼ばれる……(もちろん、アイドルとは、若い人だけのことを言うわけではないし、後上をオジサンとは言えないが)。
 
 つまり、純烈は、不思議な魅力を持った、これまでにはなかった新しいタイプのグループということだ。
 
 そして、純烈は、幸運や、単なるもの珍しさで売れているわけではない。
 
 おごらず、謙虚、素直で飾らずフレンドリー、サービス精神が旺盛で、お客さんに対しては「そんなことまでやるのか!」というくらい徹底的にやる。そうは見えないかもしれないが、常に全力で必死。メンバー全員、楽しませることが大好きで、そこに、エンタテインメントの真髄がある。単純に、歌がうまければ、歌手になれるというわけでもないし、伝わるわけではない。
 
 そして、今の活躍は、純烈の生みの親でもあり、リーダーであり、自身もパフォーマーでありながらプロデューサーでもあるというプレーイング・マネージャー、酒井一圭の頭脳によるところが大きい。
 
 結成のころ、リーダーの酒井が「メジャーデビューも番組も決まっている、紅白も見えている」などとウソをついてメンバーを集めたというエピソードがよく知られていることもあり、「思いつきだけで行動する調子のいい人」に見えるかもしれないが、決してそんなことはない。
  
 たしかに、アイディアマンなだけに、天才的なヒラメキで、思いつきでの言動ということもあるが、実は、グループを俯瞰し、時代を分析して緻密に戦略的に考えている。まるで経営者のような発想で、常に先を見て、どんどん新しいアイディアで攻め続けようとする。鋭い嗅覚を持ち、当たり前ではない見方が出来る人だ。
 
 しかし、純烈は、リーダーだけでは成立しない。ほかの 3人のメンバーがいてこそだ。純烈は、実にバランスの良い 4人組だと思う。
 
 前回、ちょうど1年前のインタビューでは、「プライベートは、基本バラバラで、一緒に食事に行ったりすることもほとんどない」と答えていたが、その「遠過ぎず、近過ぎず」の距離感もいい。インタビューを読んでいただければわかると思うが、4人の仲はとても良く、なんでも言い合える。
 
 先日、2022年2月9日には、通算13作目となる最新シングル『君を奪い去りたい』が発売となり、発売週には、オリコン週間演歌・歌謡シングルランキングでは 1位を獲得している。
 
 前作「君がそばにいるから」に続く「君」シリーズ 第2弾で、歌詞の世界観はそのままに、メロディとサウンドはこれまでとはガラリと変わり、さわやかなメジャー調。どこか懐かしい感じのする80年代風のロックになっている。純烈の新しい一面を感じることができ、また、新しいファンの獲得にもつながるだろう。
 
 3月23日には、純烈がホームグラウンドとして定期的に公演を行い、2021年9月に閉館した「東京 お台場 大江戸温泉物語」での最後の公演を収録したライブDVD『純烈 温泉ライブ in お台場 THE FINAL』が発売となる(2021年9月2日収録)。昼・夜公演 全20曲に加え、メンバーインタビュー、楽屋映像などの他、メンバーによる副音声を収録した充実の内容。
 
 そして、その東京でのホームグラウンドとなっていた「東京 お台場 大江戸温泉物語」の閉館後、コロナ禍で継続できていなかった温浴施設でのライブが、2月24日に、栃木県「大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原」の「鳳凰座」で約半年ぶりに実施された。
 
 4月には、コロナ禍前の 2020年 2月 以来となる、関西でのスーパー銭湯のホームグラウンドとも言える「大江戸温泉物語 箕面温泉スパーガーデン」でのライブも再開する。
 
 さらに、今年、秋には、シリーズ 第2弾となる映画『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』の公開が予定されている。
 
 今回のインタビューでは、新曲や映画のことに加えて、それぞれのメンバーについて、他のメンバーがどう思っているかを聞いてみた。コメントしたり、されたりの両方で、メンバーそれぞれの人間性を感じてもらえると思う。

 

 

 

<もくじ>

1 最新シングルは、さわやかな 80年代ロック! 〜「新し過ぎないというか…」〜 
2 意外なミュージックビデオ 〜「"シワを撮ってくれ" っていうオーダーをしたんですよ…」〜
3 チーム一体となって出来上がった新曲 3曲 〜「ここで結実したなっていう感じがすごいあります…」〜
4 ホームグラウンドはお風呂屋さん 〜「だから、マジやりたいですね…」〜

5 メンバーが語る 酒井一圭 とは… 〜「知らない人から見ると "怪しいオジサン" なんですよ…」〜
6 メンバーが語る 小田井涼平 とは… 〜「なんだかんだ付き合ってくれるのよ…」〜
7 メンバーが語る 白川裕二郎 とは… 〜「クリアできる目標があった方がいい人なんですよ…」〜
8 メンバーが語る 後上翔太 とは… 〜「三、四番手のフィクサーみたいなのが上手だからね …」〜

 

 

 

 

1 最新シングルは、さわやかな 80年代ロック 〜「新し過ぎないというか…」〜 
 
 通算13作目となる最新シングルのタイトル曲『君を奪い去りたい』(作詞・作曲:幸 耕平、編曲:萩田光雄)は、ラテン・テイストのムード歌謡調だった前作『君がそばにいるから』とはガラリと変わり、浜田省吾を思わせるような、さわやかなメジャー調、80年代風のロックだ。
 まさか、こんなメジャー調のロックが来るとは思ってもみなかったが、4人のさわやかな歌声や、Aメロ の「♪ドゥ ドゥワ ドゥ〜」というコーラスの部分などで、純烈らしい曲に仕上がっている。思わず手拍子をしてしまいそうな、これまでの純烈にはなかったような爽快な曲だ。
 
酒井: 打ち合わせの段階で、作詞・作曲の 幸(耕平)さんとも、そういう方向でいこうっていう話をして……。やっぱ、いろいろリサーチをした中で、そん時に一番核心を突くというか……、根拠があろうがなかろうが「自信のある力強い言葉」というか、その熱が上回ったものが、やっぱりそのテーマになるっていう感じがあって、今回、幸(耕平)さんとも、すなわち、それをやることで、新しいリスナーであったり、新しい純烈を見せるっていうか……。お客さんの層も広がってきている状況もあったので……、そういう流れですね。
 
 2018年に発売され 紅白初出場曲となった 9作目のシングル『プロポーズ』以降、作曲家の 幸 耕平(みゆき こうへい)が、今作まで 5作 連続して、作詞と作曲を担当している。その 幸 耕平 と決めたコンセプトだった。
 
酒井: この昨今のトレンドとか流れもあって、ムード歌謡っていう僕ら的な方向の古い方を連想させるよりも、新しい方というか……、まあ、新しくもないんだけど、純烈がやると「あっ、懐かしいね」って感じになるんじゃないかって感じですね。
 
 懐かしいサウンドだから耳馴染みが良く、逆に、今、純烈が歌うことで、新鮮に聴こえる。
 
後上: こういう明るいメジャーコードの曲みたいなのを A面でやるっていうのは、『純烈のハッピーバースデー』以来で、最初、聴いた時には「あっ、こっちだ!」って思いましたね。やっぱ、どうしても、純烈は、歌謡曲ってイメージで、「哀愁」とか「切なさ」みたいな感じのメロディーラインが多いんですけど、もう、今回はメロディーラインが全然違うんだと……。
 
後上: でも、よくよく歌詞を聴いてみると、やっぱり、ちょっと歌謡曲的なエッセンスもある……。『純烈のハッピーバースデー』に関しては、本当に「ハッピー ハッピー」って連呼してるだけだから……(笑)、だから、そこのバランスみたいなものが……、その切ない歌詞と、メジャーなメロディーラインっていうところのバランスを取った時に、「お客様は、どっちに注目して聴くんだろう?」と……。でも、多分、メロディーの方に引っ張られて、明るい気持ちで聴いて、家とかでじっくり聴いたり、歌詞見たりした時に、「あっ、実は……」「奪い去られたい……」みたいな……。なんていうんすかね……「1粒で 2度おいしい」じゃないですけど。
 
 たしかに、メロディラインやサウンドは、これまでの純烈には無かったものだが、歌詞の方は、前作、前々作から同じような流れできている感じがする。実際、前作は『君がそばにいるから』で、今作は『君を奪い去りたい』と、「君」シリーズになっている。ただ単に曲調が変わっただけだ。
 
後上: そうですね。だから、いい意味で「曲調と歌詞がマッチしない」っていうところで言うと、お客さんの楽しみ方の幅みたいなものはあるんだろうなって思いましたけど……。ただ、デモ(テープ)を聴いた段階では、まだアレンジが今みたいな完成形じゃなかったんで「どうなるんだろう?」という未知数な部分もありましたね。
 
 作詞・作曲をしている 幸 耕平 が、最初にメンバーらに聴かせるいわゆるデモテープは、幸 耕平 が、ギター1本の弾き語りで歌っているものでしかない。
 
後上: そうです、そうです。(幸)先生が、ギター1本で歌ってる感じなんで……。でも、毎回、そっから大変貌を遂げるっていう歴史があるから「どうなるんだろう?」って思ってて、オケが出来上がって聴いたら「いきなり、ギュイ〜ンだ!」って……(笑)。で、純烈の今までの曲で言うと、これまで、あんまり聴かないタイプのギターの音色というか、そういうふうなところがすごく面白いなって……。「これで 今年 1年 行く」っていうのが、非常に楽しみだなって思いました。
 
小田井: 僕は、もう、正直……、最近とくにそうなんですけども、「ダサ!」と思いましたね。あの……、僕らが、一番最初にもらう時って、最初は、先生がギター弾いてるだけなんです。まだ、演奏が決まってない段階で、アレンジが入ってから実際の演奏を聴くので、だから、毎回、僕、最初は、いつも「ダサ!」って思うんですよ(笑)。純烈の場合は、もう、これは「褒め言葉」なので……(笑)。だから、それが楽曲として出来上がった時に、アレンジされて演奏が仕上がった時には、『二十歳の約束』(1992年)という昔のドラマを思い出しました(笑)。あの、牧瀬里穂さんと、稲垣吾郎さんの……(笑)。それが、パッと浮かんだのが第一印象ですね。
 
小田井: で、最初のギターの「ギュイーン」を聴いて、「いきなり、こんなところから入んのか。あっ、ロックやな……」と思ったら、最初だけで、あとはもう「やっぱり『二十歳の約束』やな」って思いましたね(笑)。
 
白川: なんか、純烈のファン層も、少しずつ若返ってきたりとかしてて、でも、やっぱり、おばちゃんたちがいるわけじゃないですか。おばちゃんたちって、若さに勝てなかったりとかするんですけど、でも、そういった昔の青春みたいなものを、歌を通して思い出してもらいたいっていうふうにね……。だから、(幸)先生も言ってたのが、「やっぱり、おばちゃんたちに、"『君を奪い去りたい』というお前らのその言葉で、おばちゃんたちの気持ちを奪い去ってもらいたい" っていう思いがあるわけだから、それでオレはこういった曲を作ったんだよ」ってね……。
 
白川: だから、まだ、純烈の曲を知らない方もいらっしゃいますけど、でも、今回、こういったね、ちょっと80年代っぽいロック調な曲だったので、たくさんのお客様に、若い方も含めてね、突き刺さるんじゃないかなというふうに思いますね。何て言うんでしょうかね……、「新し過ぎない」というか……。あまり新しすぎてしまうと、やっぱり僕たちよりも上の世代には、ちょっと「ごめんなさい」ってなってしまう方もいらっしゃるのかなと思うんですけど、でも、こういった聴きなじみのいい曲だと、スーッと聴いてもらえるんじゃないかって感じがしましたね。
 
 今回、Aタイプ と Bタイプ の 2形態でのリリースとなっているが、Aタイプ のジャケットは、リーダーの酒井一圭から熱烈なオファーを受けた人気漫画家・東村アキコが描き下ろしている。東村アキコとは、サブカルチャーの殿堂とも言われているトークライブハウス「新宿 ロフトプラスワン」で、酒井がブッキングプロデューサーを務めていた2007年に出会った。その後、東村アキコは、フジテレビの月9枠でドラマ化もされた『海月姫』や『東京タラレバ娘』など数々のヒット作を連発し、大人気作家となっていたため、断られるかもと思いながらもオファーをしたところ快諾されたという。
 
酒井: あのカレーとか持ってるイラスト書いた東村さんからは、「何か花束とかマイクとかそういうものよりも、ご本人が好きな食べ物とか持たせたいと思うんですけど……」ってポンと来たんですよ。で、ポンと僕らも好きな食べ物を答えたら、ものの見事にお子様ランチになってて……(笑)。

 

 

2 意外なミュージックビデオ 〜「"シワを撮ってくれ" っていうオーダーをしたんですよ…」〜
 
 フルサイズで公開されている『君を奪い去りたい』のミュージックビデオは意外なものだった。純烈らしく、歌い踊るシーンもあるが、そのさわやかな曲調に反し、血を流しボロボロに傷ついたメンバーたちが、荒野の山を苦しそうに登って行くシーンが象徴的に挿入されている。曲のイメージをそのままミュージックビデオにしたというよりは、これまで、傷つき苦労してきた純烈のこれまで道のりと、「傷ついてボロボロになっても、それでも、これからも進んでゆく」という決意が表れているように感じる。
 
酒井: うん、ま、あの〜、なんだろう……、純烈って「二周りぐらい下のムード歌謡を聴かせてみよう」みたいな、そういう実験的なところから始まってるじゃないですか。今回は、今までのお客さんも引っ張りながら、新しい人たちも含めて……ということで、ちょっとお客さんの層を広げた時に「どの辺の音楽にしようかね?」みたいなことを今やってるっていうか……、まあ、常にそれをやってきたっていう感じなんですけど。
 
酒井: で、今度、「それをどう届けるか?」っていうことになった時に、曲までは 幸(耕平)さんなんだけど、そっからは、もう、ぐちゃぐちゃにしていって「なんだかわかんないけど純烈にしていく」っていう作業が自分のところにかかってくるんです。
 
酒井: 今回は、なんとなく曲を作ってる時に、「デビューから12年たったかな〜」みたいな、「干支ひと回りなんだな〜」「よくやったね、よくもったね」っていうかね……。メジャーで 10年経った時も「10年もったな……」みたいな感じだったんですけどね。
 
酒井: だから、何ていうのかな……、コロナだったり、売れなかった時もそうですけど、順風満帆じゃなかったから続けてこれたから……。「初年度売れて10年」っていうことじゃないじゃないですか。「やっと10年」だから、そういうのも含め、もう小田井さんも50歳を超えてっていう時に、じゃあ、もう、「シワを撮ってくれ」っていうオーダーをしたんですよ。カメラを「ひく」んじゃなくて、「よってくれ」って。
 
酒井: あのね……、レッチリ(Red Hot Chili Peppers)の『スカーテッシュ』(Scar Tissue)っていう歌があるんですけど、あのミュージックビデオも、ジョンが戻ってきてとかいろいろあって、みんな同じ1台の車に乗っててみたいなので……。で、似たようなイメージで EXILE の『HERO』ていう歌があるんですけど、あれは割とちょっとヒキが多くて、その背景も含め、かっこよく見せるとかそういう感じなんですけど、レッチリのやつは、もう、めちゃくちゃシワだったり傷だったり、年輪を見せてるんですね。だから、そういうふうに、「シワをきっちり撮ってくれ」っていうコンセプトを監督に伝えたら、なぜか、もうボロボロにやられてるのになってて……(笑)。「そこまでボロボロになるのか〜!」って、あれ見た時は、笑っちゃいましたね(笑)。
 
酒井: 監督にポンって言ったら、「酒井さんは、足折れてましたから、足を怪我しましょう」とか、「後上さんは、なんかウイルスで目やられましたよね」とか、「白川さんは、肩の手術しましたよね」とか、「小田井さんは、かかとが痛いですよね」とかっていう、それぞれの自分の痛いところ、痛くなってしまったところとか、なんかそういう感じで……(笑)。
 
酒井: で、最初は、笑っちゃいましたけど、でも、やっぱり振り返ると、「でも、やっぱボロボロだよな〜」ってね……。やり尽くしてるっていうか、みんなにも助けてもらったりして、ここまで来てるっていう感じなのでね。だから、やっぱ、監督も(純烈のミュージックビデオを)何作かやった時に、もうそこまでやっていいグループというか、そういうふうに見えたのかなって……。で、まあ、おばちゃんにも、ちゃんと伝わってたので、良かったなと思って。
 
酒井: で、もうひとつのシーンの方、あのリップシーン(タクシーの車内や屋上での歌唱シーン)のところは、今回、振り付けは、『愛をください 〜Don’t you cry〜』の時にやっていただいた、菊地ヒロユキさんなんですけど……、「竹の子族とか、一世風靡とか、そういう感じのことをやりいたいんだよね」みたいなこと言ってたんです。何か今、ジャニーズさんが純烈っぽい服を着るようになってるんだけど、もう1回まわして「ジャニー喜多川さんが最初の頃にやってたものを、逆に俺たちがやっちゃおう」みたいな……。そういうのも含めて、衣装さんとかにもお願いして、みんなも「いいね」って感じだったんで、あとは、もうみなさんが、ああいう雰囲気にしてくれたっていう……。あのボロボロの衣装を作った人が千葉くんって言って、純烈ジャーの衣装作った人なんですね。
 
 ミュージックビデオの冒頭、タクシーに乗った酒井に、タクシー運転手が「苦労されましたね」と言うシーンがある。
 
酒井: あれはね、監督からセリフを書いた ペラ1枚を渡されて「こういうふうに始めようと思うんです」って、。それ見た時に、「そっか……、そんな苦労したように見えるんだ」と思って……(笑)。まあ、「いろいろあったけど、よく頑張ったね」みたいな……、そういう感じですよね。
 
酒井: でも、最初はタクシーじゃなかったんですよ。監督が「酒井さんが言ってたオープンカー的なものって厳しいんで、タクシーでいいですか? タクシーに乗ってもらって歌ってもらいたいんですけど」って言うから、「いいよ」っていう話をしてて、で、僕が、2007年に救急車で運ばれた時に、一緒に乗ってくれた男の子が、今、タクシードライバーになってるんですよ。で、そこの「コンドルタクシー」というタクシー会社は、売れない俳優とか芸人とかを支援するって言って、この世界にいる人たちをタクシードライバーにしてて、志茂田景樹の息子さん(下田 大気)とかも「コンドルタクシー」の運転手なんですよ。「じゃ、タクシーだったら、その伊藤くんに連絡すれば貸してくれるよ」っていうことで……。
 
酒井: で、そのタクシー運転手役で、映画監督の河崎実監督が出てるんですけど……。『愛でしばりたい』(8作目のシングル、2017年)からずっとやってくれてる(ミュージックビデオの)監督の遠山くんと、その衣装の千葉くんと 3人で話してた時に、なぜか河崎実監督の話になったんですよ。「僕の知り合い河崎実監督の編集やってますよ」とか、「僕、1週間ぐらい河崎実監督とずっとロケやってたんです」みたいな感じになって河崎実監督の話が出たから、「じゃあ、監督に運転手役でやってもらおうよ」って話になって、「運転をするシーンじゃなくて、見送るだけですから」って河崎監督に連絡してみたら、OKしてくれたんですよ。河崎監督ってのは、まだ純烈が売れてなかったころに、後上を使ってくれたりとか、本当に良い人なんで、なんかこう「マニアックな純烈っぽいしね」って言う感じでね。
 
 映画監督の河崎実は、純烈が売れる前の 2014年に 公開された映画『電エース中野 ~大江戸温泉物語の謎~』で、酒井と後上を悪の組織「悪烈」の支配者役として出演させている。
 今回のミュージックビデオも、そういうふうに、リーダー酒井のイメージで作られている。
 
酒井: そうですね、インスピレーションというか……、根を詰めてやるっていうよりは、幸(耕平)さんの着想を、自分の着想の部分とすり合わせて、最終的に、こういうアレンジまで行った段階で、ダダダダダーッって決めていくっていうか……、はい。

 

 

 そして、ミュージックビデオで印象的なのは、白川の髪型だ。
 
4人: あははは……!(爆笑)
酒井: あれ、なんで、ああなったんだろうね?
白川: えーっ! 自分が言ったんだよ! ふざけんなよ……(笑)。
後上: 白川さんが、やりたがったわけではない……(笑)。

白川: みんながオールバックだったから、「じゃあ、オレもオールバックなんだね」って言ったら、リーダーに「お前、違うよ」って言われて、「お前は、UNICORN の 民生ちゃん(奥田民生)みたいにしてもらってさ〜」って……。

酒井: あっ、そうだ、そうだ! で、フミヤだ!
後上: この忘れっぷりですよね〜(笑)。

白川: おばちゃんから「あれ、地毛ですか?」って言われるから、「あたりめぇだろ!地毛だよ!」って(笑)。あれ、全然おちなくって、シャンプー 3回ぐらいして……。

後上: 固めてるからね(笑)。
酒井: 次は「X」か「BUCK-TICK」かもしんないね(笑)。
 
白川: もう、毛根も弱ってるから、手を入れただけで、バリバリバリって髪の毛が何本か抜けたんですよ……。だから、トリートメントつけて頭皮をいたわってますよ……。でも、メイクさんが大変だったと思いますよ。その日、ちょっと雨が降ってて、そのたんびになおしてくれて……。それで、本来ならば1日で終わるはずだったんですけど、また違う日になっちゃったんですよね。だから、また髪の毛を作り直してもらったりとかして、すごい大変だったと思います。
 
 そして、純烈のステージにも登場するし、ネットサイン会まで開催する純烈の「名物マネジャー」山本 浩光 氏と、所属レコード会社「日本クラウン」の担当プロモーター 新宮 崇志 氏 が、今回もミュージックビデオの最後に登場している。
 
4人: あははは……!(爆笑)
 
酒井: 出たがりでね〜(笑)
 
 ちなみに、山本浩光氏は、山口の宇部商業野球部出身で、3年の夏に、4番ファーストで甲子園に出場。新宮崇志氏は、茨城の常総学院野球部出身で、2年春にセカンドで甲子園に出場している。松坂大輔が率いる横浜高校が優勝した年だ。
 ふたりは、このところ、毎回、純烈のミュージックビデオに登場しているから、ファンにはよく知られた存在で、ファンも期待していると思う。
 
酒井: あのね、書いておいて欲しいのは……、今回、最初のデモがあった時に、「ちょっと、リーダーいいですか? これ、やばいですよね……」って言った 2人が、新宮と山本……(笑)。うん、全く出来立てのホヤホヤで、アレンジができてない状態の骨組みなんだけど、「これ、大丈夫?」って真っ先に聞かれて、で、オレも「いや……、あかんやろ〜コレ」って……(笑)。「いや、でも、アレンジされて変わってくれるから、どうやろうな……」って思って、(幸 耕平)先生に「大丈夫ですか?コレ?」って聞いたら、「大丈夫だから〜!」って、バーンと跳ね返ってきたから、「あっ、これ大丈夫だな」って……。
 
小田井: それ『Don’t you cry』(11作目のシングル『愛をください 〜Don’t you cry〜』2020年)の時じゃない?
 
酒井: うん、『Don’t you cry』の時もそうだった。だから、3作くらい連続で、ギター1本で歌ってる最初のデモの時は、いつもドキッとする(笑)。
 
小田井: だから、3人が最初に言った感想は、全部、建前で、こっちが本音ですよ(笑)。何も間違ってないです、ボク。
 
酒井: そうね、このまま行ったらね、小田井さんだけ悪者になっちゃうしね(笑)。
 
小田井: オレは、もう、ホンマに思うたことを言ってるから。
 
 アレンジされて、最終的なサウンドとなって出来上がると、毎回、結果的には良くなる。
 
後上: 結果、毎回、そうなるんですよね。
 
白川: 幸(耕平)マジック!
 
酒井: 結果的にはね……。今回、一番いいんじゃない! 萩田マジック!
 
 今回のアレンジ(編曲)は、『愛をください 〜Don’t you cry〜』『君がそばにいるから』と 3作続けて担当している 萩田光雄 によるもの。「音の魔術師」とも言われ、これまで、『異邦人』『横須賀ストーリー』『秋桜』『私のハートはストップモーション』『少女A』……など、日本の歌謡曲のサウンドを作ってきた巨匠だ。
 
白川: 萩田(光雄)さん……、すごいね。
 
酒井: でも、ホントに、幸(耕平)さんの 萩田(光雄)さんへの信頼が、やっぱすごい。で、今回、俺、昨日リツイートしたやつでわかったんだけど、あのギター弾いてくれたオトーサンは、やっぱ萩田さんに「自由にやっていいよ」っていうパターンでやって、あの「ギュイーン ギュイーン」が生まれてる……。
 
白川: へえ〜。
 
酒井: 3作くらい前までは、オケ録りも立ち会ってたんだけど、もう、スケジュールが かぶっちゃって、この3作くらいは歌録りだけで、どういう過程で出来上がってるかっていうのはあんまり見えなかったんですけど、でも、それがちょっと垣間見えたので、ちょっと嬉しかったんですけど……。とにかく、萩田さんは天才すぎて、もったいないですね。

 

 

3 チーム一体となって出来上がった新曲 3曲 〜「ここで結実したなっていう感じがすごいあります…」〜
 
 Aタイプ のカップリング曲『来た道行く道』(作詞:及川眠子、作曲:幸 耕平、編曲:坂本昌之)は、マイナー調、3連ミディアムの歌謡曲。どこかヨーロッパの雰囲気のするやさしい歌。白川のボーカルも、チカラが抜けてて、声の魅力がよく出ている。
 
白川: ちょっとね……、今までと違って、ちょっとファルセット(裏声)チックに出したんですよ。だけど、レコーディングの時に、(幸 耕平)先生が「お前、やっぱりちょっと思いっきり出してみろよ」とかって言われて、やってみたんですけど、何回もひっくり返って駄目で、そしたら先生から「じゃあさ、また仮録の時みたいなさ、ファルセットっぽいのでちょっとやってみてよ」って言われて、そしたら、それが採用されて……。あとは、伝わればいいなと思いますけど。
 
 言葉がよく伝わってくる歌声で、優しい感じの曲調によく合っている。そして、Bタイプ のカップリング曲『愛は大丈夫』(作詞:及川眠子、作曲:幸 耕平、編曲:坂本昌之)は、『君を奪い去りたい』と同じく メジャー調のさわやかな80年代風だが、こちらは、ロックというよりはポップス調。  
 
酒井: うんうんうん、そうですね、卑怯な歌だなと思いました……(笑)。なんか、こう……、ライブで、いろいろ「純烈ジャー」の歌とかもやって、で、『来た道行く道』とか歌って、で、ちょっと下品なトーク入れて、最後にこの『愛は大丈夫』やったら一丁上がりで、また来てくれるな……みたいな(笑)。それを、幸(耕平)さんは、わかって作ってるから……、もう自分が何をやればいいかが明確にわかってるから〜。
 
 実に、バランスのいい新曲 3曲だと思う。しかし、レコーディングでは、4人が一緒に「せーの」で録っているわけではない。
 
酒井: もうバラで歌って、あとから強烈になおすっていう……(笑)。
 
 現在のレコーディングでは、何本か録った歌の「良いところだけを部分的につなぐ」ということはもちろん、音程やタイミングも細かく修正することができる。
 
酒井: その……、白川も完璧な感じでここまで歌い切れはしないんですよ、ハモもそうですけど。だから、チームとして、エンジニアとかみんな含めて、最終的なところに持っていくっていうのが、ある種、今回、ここで結実したなっていう感じがすごいあります。いつもは、誰かがめちゃくちゃ頑張ってる……。でも、今回、すごくみんながイーブンになってるんです。
 
酒井: 白川も、今は「何歌っても大丈夫」って感じで……、スーパーマリオが星とってる状態の「♪テッテッテッテ……」ってそういう音が鳴ってる状態で……
 
白川: いやいやいや……
 
酒井: だから、お前は、あれよ……、完パケ(出来上がった完成形の音源)聴くのもいいけど、もとの(録音)データ聴くとひっくりかえるから(笑)。
 
白川: 正直、言うと、この『愛は大丈夫』は、ボク、めっちゃ苦手なんですよ……、すごく苦手。
 
酒井: だから、その辺の役割がすごく明確になるんですよ。オレは逆に『愛は大丈夫』とかの方がラクなんですよ……。どうしても、みんな、ムード歌謡とか、そういうやったことのない、むしろ苦手な、歌ったことないことをチャレンジしてきた歴史があるじゃないですか……。それを、さらに我流でやってきたっていう、わけわかんない歴史なので、マイナーからマイナーから入るんですよね。入りがちなんですよ。だからメジャーな歌が来た時に、スッって乗っかれないんですよ。
 
白川: それは、あるかもしれない……。
 
酒井: そう、だから(白川)裕二郎も大変なのは、コンサートで、10曲ぐらいそういうマイナーな歌を歌ったあとに、時々、メジャーがカラっとくるじゃないですか。そん時に、やっぱり補完してあげないと、やっぱ厳しいっていう……。逆に、そこでキッチリ歌いすぎちゃうと、次「マイナーなのに明るすぎちゃった」みたいなことだったり、そこは難しくて……。どうしても(白川)裕二郎は、そっち行かなくちゃいけないので、なんとなく、みんなで補完するっていうか、ユニゾンにしてワーってみんなで行くとか……。
 
酒井: だから、セットリストも、そこはやっぱちょっと考えたりしますし、逆に(白川)裕二郎もサボっていいところは、「ここはもう歌わなくていい、パクパクしていいよ」っていうシーンもライブやってればわかるから……。「そこ頑張っちゃうと、次行けないよね」っていうところとかが、やっぱある。
 
 今回、歌い分けも、それぞれの良さが出るように作られているし、4人 それぞれの声の魅力がよく出ている。
 
酒井: それは、最終的なチョイスは、幸(耕平)さんですね。最初のメロディーだけの段階で、幸 さんところのスタジオに行って、幸 さんがギター弾いて、それで歌ってみる……。で、歌ってみると、先生の中で、「♪ドゥ ドゥワ ドゥ〜」とかが聴こえてくるみたいなんですよ。それで「出来たじゃん!」ってなるんですけど……。
 
酒井: そうなったら、「最初、二人で歌ってみようか」とか、「みんなで歌ってみようか」みたいにやるんですけど、やっぱり、(白川)裕二郎の一番いいところが残っていく……。「じゃあ、ほか誰が歌っていく?」って感じで、歌い分けが決まっていく……。
 
 曲作りのコンセプトから、レコーディングを含め、今回、新曲の制作がすごくうまくいったようだ。
 
酒井: そうそうそう。だからこのバランスで、あと 2〜3作 いけたら、なんか本当に「やっとヒット曲とか出るかもね」みたいな雰囲気の方向には行ってるような気もしますけど……、はい。

 

 

4 ホームグラウンドはお風呂屋さん 〜「だから、マジやりたいですね…」〜
 
 昨年、2021年9月には、初主演の特撮映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』が全国公開された。そして、今年の秋には、早くも、そのシリーズ 第2弾『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』が公開となる。
 
酒井: そう、続編です……。撮影は、もう去年の9月に終わってます。もう、粗編集(あらへんしゅう)の方は済んで見てるので、だから、今やってる劇中のやつのレコーディングが終わったら、出来上がると思います。
 
 前作では、メンバー4人は、そのまま、温浴施設でマダムたちを歓喜させる「スーパー銭湯アイドル 純烈」として出演し、後上が主役を演じた。小林幸子や前川清らも出演しているが、今回も、そういう大物スペシャルゲストの出演があるようだ。
 
小田井: どこまで言っていいのかオレらも知らないですし……。
酒井: う〜ん……、まあ、主役は後上ではないですね、今回は(笑)。
 
白川: でも、主役はオレだって言っちゃってるよね?
酒井: 言った……、ペロリと(笑)。
 
白川: もう、いろんなコンサートとかで言っちゃってるんですよね〜。
酒井: でも、まあ……「主役は…… 白川…… かな……?」って言ってる……(笑)。
 
 3月23日には、純烈がホームグラウンドとして定期的に公演を行い、2021年9月に閉館した「東京 お台場 大江戸温泉物語」での最後の公演を収録したライブDVD『純烈 温泉ライブ in お台場 THE FINAL』が発売となる。
 もともと、純烈は、2012年から、「湯乃泉・相模健康センター」「湯乃泉・東名厚木健康センター」「湯乃泉・草加健康センター」の 系列 3店舗でライブを行なっていた。今でも、酒井は、この 3店舗は「純烈の故郷」と言い、「紅白に初出場できたのもこの3店舗のおかげ」と話す。
 しかし、2020年からのコロナの影響もあり、3店舗のうち「相模健康センター」が 昨年、2021年1月10日に閉店。ほかの 2店舗も、スペースに限りがあり、お客さんが密になることを避けられないため、長らく健康センターでのライブが出来ない日が続いていた。
 そんな時に声をかけてくれたのが「東京 お台場 大江戸温泉物語」だった。大江戸温泉グループは、施設のスペースも広く、コロナ禍でも純烈のライブが開催できた。
 酒井は、昨年の紅白歌合戦に出演したその足で、閉店した「東京 お台場 大江戸温泉物語」の跡地に行っている。一昨年も、同じく紅白歌合戦に出演したその足で、閉店となる「相模健康センター」を訪れている。
 どんなに売れても、健康センターなどの温浴施設は、純烈のホームグラウンドだ。
 
酒井: そうですね……。やっぱり、今、お風呂屋さんでやってないんでね……。だから、マジやりたいですね。ずいぶんやってないんでね……。
 
後上: だから、去年、お台場で 9月に閉店の時にやったのが最後ですね。それまでは、月1回くらいはお台場ではやってましたからね。
 
白川: でも、お台場以外でって言ったら、もう、ずっとやってないですね。
 
酒井: そうなんです……。本当はね……、「竹取の湯」が 一番 近いんです……(笑)。「竹取の湯」はスゴイんだよ、サウナが20種類くらいあるんだよ。
 
後上: えーっ! 超行きたい!
 
酒井: あれ、めちゃくちゃヤバイですよ。そう、サウナ中心……。今はわかんないけど、窯の中で熱々になったレンガがグーッって出て来て、もう熱々だから、部屋がドンドンドンドン暑くなってくるの。
 
白川: 水かなんかかけるの?
 
酒井: で、そこは男女ともに、館内着を着てみたいな……。いろんなのがある。
3人: へぇ〜。
白川: 行きたい!
後上: 行きたいですね!
白川: なあ!
 
酒井: だから、もう 2〜3時間 寝るだけで痩せてる……(笑)
後上: めっちゃ、いいじゃないですか!
小田井: よく知ってるね〜。
白川: どこにあるの?
酒井: 京王永山……。えっ「グリナード永山」知らないの……?(笑)
白川: 知るわけね〜だろ!
酒井: めっちゃローカルだからね(笑)
後上: それ入りたいから、1回やりたい……。

酒井: でもね、そこは、今、「斬波」(ざんぱ)とかが行ってがんばってるから、俺らは行かない方がいい……、荒らさない方がいい。

白川: そうだね……。
 
 このインタビューのあと、2月24日、栃木県「大江戸温泉物語 ホテルニュー塩原」の「鳳凰座」で、純烈の「お風呂屋さんでのライブ」が約半年ぶりに実現した。さらに、4月には、コロナ禍前の 2020年 2月 以来となる、関西でのスーパー銭湯のホームグラウンドとも言える「大江戸温泉物語 箕面温泉スパーガーデン」でのライブも再開する。
 そして、昨年末、酒井は、「2024年に日本武道館でコンサートやりたい、武道館で風呂を沸かしたい」と言い出した。
 
酒井: うん……、なんか、めっちゃこだわってるってことでもなく、「そういうことが起こるような流れになりゃいいな」みたいな……。大目標というよりは「スッとやる」って感じで……。もっとその先の目標ってのが多分ね、俺じゃなくて、チーム全体に芽生えるように持っていくって感じですね。そういう「流れ」にしたいですね……。
 
 2024年とは言わず、今の純烈でも武道館でコンサートは十分に実現可能だと思うが、あえて、それを2024年に設定したところに、酒井の戦略的な発想を感じてしまう。そして、それは、単なる通過点でしかなく、酒井は、その先を慎重に見ているし、「決して甘くはない」ということも知っている。

 

 

5 メンバーが語る 酒井一圭 とは… 〜「知らない人から見ると "怪しいオジサン" なんですよ…」〜
 
 テレビに出ている人は、そのキャラクターを演じていて、「実際は全く違う性格の人」という場合も少なくない。純烈の場合、4人とも「テレビで見ているイメージのまま」のように思うが、「本当はどんな人なのか?」を、メンバーそれぞれに聞いてみた。
 まずは、純烈の創設者で、リーダーの酒井一圭。
 大阪府吹田市の出身で、小学校の頃は東京都多摩市、中学校からは千葉県で育った。小学生の時、テレビドラマ『逆転あばれはっちゃく』(1985年、テレビ朝日)の「5代目あばれはっちゃく・桜間長太郎」役で子役デビューし、2001年には、戦隊ヒーローもののテレビドラマ『百獣戦隊ガオレンジャー』で「ガオブラック・牛込草太郎」役を演じた。その後も、ドラマや映画に出演するもブレイクすることはなく、純烈の結成前、2006年からは、トークライブハウス「新宿 ロフトプラスワン」のプロデューサーを務めていた。
 
酒井: じゃあ、私、一言も喋りませんよ……、うん。
 
小田井: いや、オレ……、酒井くんに限らずですけど、たぶん、このまんま……ですよ。
 
酒井: いやいやいや、違いますよ、この3人、このままじゃないですよ。
 
4人: ははははは……(爆笑)
 
小田井: いや、よく聞かれるけど、意外とそのまんまな気がするけどな〜、オレ。
 
酒井: それだと、記事にならないんで〜(笑)、なんか面白いこと言ってください。
 
白川: たとえば、リーダーは、今はこうですけど、知らない人から見ると「怪しいオジサン」なんですよ(笑)。そうでしょ? だけど、やっぱ付き合ってみると、その「怪しさ」が面白くなってきたりとか、何かそれが魅力であったりとかするんですよ。
 
 リーダーの酒井一圭は、常に、ものすごく、いろんなことを考えている。アイディアマンだし、冷静に分析もしているし、表に出る側というより裏方、プロデューサー的な発想で、まるで事務所の社長のような考え方をしている。まさに「純烈の頭脳」であり、何もないところから、純烈をここまで人気者にした敏腕プロデューサーでもある。
 
白川: そうだね。僕が初めて出会ったのが、僕が「ハリケンジャー」をやってた時で、その時にリーダーがやってたのが、「ロフトプラスワン」(新宿・歌舞伎町のトークライブハウス)のプロデューサーですよね。その時に、イベントとか組んでくれて、やっぱり僕とか出さしてもらってる時に、ファンのみんなとか周りの人たちは「酒井くん……大丈夫?」っていうのが結構あったんですよ(笑)。だけど、それが何年も何年も積み重なっていって「こういう人だよね」っていうのを認知されると、ものすごく受け入れられるというか……、頼りにされる人。
 
後上: いや、リーダーは、変わらないです。昔から、こういう感じの発想だし、着眼点だし、話し口調だったりするんですけど……。これ、皆さん冷静に考えていただくとわかるのが、今は紅白に4年出てる純烈のリーダーとして言ってるから全てに説得力ありますよね。でも、出会った当初は、メジャーデビューも何も決まってないものを思いついたオジサンなんですよ(笑)。だから、今と同じことを言ってると、やっぱみんな首をかしげるっていうか……。
 
後上: だから、リーダー自体は、別に何も変わってないんだけど、リーダーの発言だったり行動を裏付けて信頼に足る実績みたいなものが、この10何年で積み上がってきてるから、今は、もう皆さんの知ってるリーダー通り……。ただ、昔は「この人って……、えっ……???」って……。今みたいなことを確信めいてちゃんと言ってたんですけどね……。
 
 それがすごいところだ。全く売れていない時代から、一貫して変わらない。確信を持って、10年以上先をイメージ出来ていたということだ。そして、売れた今でも、変わらないでいるようだ。
 
後上: そう。そうなんですけど……、ただ、その次に言うのが「ちょっと、ラーメン食いたいから 1000円 貸して!」って……(笑)。
 
酒井: いや、でも、それも嘘じゃないんだよね〜。
 
後上: そう(笑)、そこも、やっぱり変わってないんですけど………。
 
白川: メンバーは振り回されますよ、すごい。だって、昨日 言ってたことと、今日 言ってることが全然違うんだもん。だから、それで戸惑ったりとかして……。
 
酒井: それは、やっぱさぁ〜、常にさぁ〜、新しい音楽やりたいからじゃ〜ん(笑)。
 
後上: しゃべんないって言ったじゃん(笑)、しゃべっちゃダメだって……(笑)。
 
 アイディアマンだけに、時には天才的なヒラメキもある。朝令暮改となると、どちらかと言えば良くないイメージにも聞こえるが、すぐに実行できること、そして、すぐに修正できることは、優秀なプロデューサーに共通する能力だ。
 
白川: まあ、よく言えばそうだね。でも、困ってしまいますよ……ホントに。

 

 

6 メンバーが語る 小田井涼平 とは… 〜「なんだかんだ付き合ってくれるのよ…」〜
 
 つぎに、メンバー最年長の小田井涼平について、ほかの 3人に聞いてみた。
 兵庫県川西市出身で、神戸学院大学の法学部卒業後は、家電メーカーに就職して仙台で働きながらモデル活動を始める。その後、会社を辞め、東京で「涼平」の芸名でモデルとして活動。2002年には、戦隊ヒーローもののテレビドラマ『仮面ライダー龍騎』の「仮面ライダーゾルダ・北岡秀一」役で俳優デビュー。その後も、テレビドラマや映画、舞台などで活動していたところを、酒井から純烈に誘われた。妻は、タレントの LiLiCo 。
 
白川: そうだな〜……、なんか、僕、初めてお会いした時っていうのは、僕がやっぱり「ハリケンジャー」の時で、小田井さんが「仮面ライダー龍騎」で、同じ年にやってたんですよ。
 
小田井: 30分あとにね。
 
白川: でも、会ったりとかしても、ひとこと ふたことしか喋らなかったりとか……。あとね……、ヒーローものが終わった後に「トーキング・ヒーロー」っていうラジオ番組があったんですよ。それで、たまたまお会いした時に、スノボーが共通の趣味で「じゃあ、今度、スノボー行きましょうよ!」みたいな話から、連絡先を教えてもらって連絡したんですけど、電話出てくんなかったんですよ……。結構、冷たい人だなって……(笑)
 
小田井: あれ、なんでやろうなぁ……? オレ、多分、あの時、もう携帯番号が変わってた時やと思う……、うん。
 
白川: よくわかんないですけど、その印象がすごい強くて「冷たい人なのかな?」って思ってたんですけど、でも、純烈を結成して、みなさん、知ってると思いますけど、「デビューが決まってます」とか、「テレビ番組も決まってますよ」とか「紅白にも出ますよ」みたいな……、でも「それ全部ウソだった」みたいなことがあったじゃないですか。
 
白川: で、そういうころに、僕は、ものすごく不安だったりとかして、相談をしてたのは、全部、小田井さんだったんです。すごく親身に、いろいろ相談にのってくれたりとかして、アドバイスをくれるというか……。ぱっと見、冷たそうに見えるけど、実は、心の中は、ものすごく温かい方なんだなっていうのを感じましたね。
 
 たしかに、小田井涼平には、ちょっと近寄り難い雰囲気を感じるかもしれないが、実際は、明るく、ひょうきんで楽しく、サービス精神も旺盛だ。場の空気をよく感じているし、細かい気遣いや気配りも怠らない。
 
白川: そうそうそう。そういったとこに、LiLiCo さんも惚れたんじゃないかなって。
 
後上: う〜ん……、たぶん、めちゃくちゃ我慢強いというか……、「しんどい」「痛い」「きつい」を言わないイメージですよね。
 
酒井: ラガーマンだよね!
 
後上: そう、ホントにラガーマン……「戦う男」というか……。で、最近も「かかとが痛い」とか言ってるけど、ほかにもキツイところがあるのかなって……。
 
後上: あの……、デビュー当時くらいに、みんなでスノボーに行ったんですよ。この3人と音響の木島さんて方とで行ったんですけど、事務所として送り出すにあたって「絶対にケガだけはしないで帰ってきて下さいね」って……。で、その時、小田井さん、実は、ファミリーゲレンデで転んで、肋骨 折ってたんですよ。でも、折れてるって、治るまで僕ら知らなかったんですよ。
 
小田井: 折れてたんじゃなくて、ヒビ入ってたんですよ。
 
白川: ヒビの方が痛いって言うしね。
 
後上: で、ヒビ入ってた最中も、俺ら知らなかったですし、誰も知らなくて、やめた友井さん(もと純烈メンバーの 友井 雄亮、2019年1月に脱退)とかが、後ろからドーンって抱きついたりしてて、「イテテ、友井くん痛いよ〜」とかやってたりしたんですけど……。その時は、じゃれてる感じの「痛いよ〜」だと思ってたんですけど、今にして思えば、たぶん、あの時、激痛が走ってたんだろうなって思うんですけど(笑)。でも、ひと言も言わずに、1年くらい経ってから「実は、あの時、ヒビ入っててん……」って……。しんどい時に、しんどいって言わない……。
 
小田井: ライブ中が一番しんどかったですね。呼吸がしんどいから、踊りながら「ううっ…」って言ってました(笑)。
 
酒井: 小田井さんはですね〜、手先がめっちゃ器用なんですけど、足先がめっちゃ不器用なんですよ。この足先が何かって言うと、「すごろく」で言うところの「人生ゲーム」が下手やねん……。でも、多分、小田井さんは、やっぱり、ひとりが寂しいんやと思うねん。
 
酒井: 例えば 友井(雄亮)とか、例えば 純烈とか、例えば LiLiCo さんとか、例えば 歴代の彼女とかもそうやねんけど、全部 捨ててドカーンって行ったら、アカデミー賞取ってるぐらいのところまで行けるわけ。だけど、なんだかんだ付き合ってくれるのよ、人がええから……。その分、ある種、助けられてる部分もあるけど、ある種、足引っ張られてる部分もあるのよ。だからね、もし「もうええねん、オレはたったひとりじゃ〜!」ぐらいの感覚になったら、もう世界よ……。
 
白川: 『孤独のRunaway』ね……。
 
酒井: そう。だから、「オレは、もう、そんないらんねん。みんなのフォローしたりお世話したりしながら、オレもフォローしてもらうねん」っていう選択をしてくれてるから、今、純烈もね、こういうふうになった……、ていう部分はあると思う。
 
 酒井の言う「人がええから」が、まさに言い当てていると思う。はにかむようなところもあるが、とにかく、やさしい人だ。
 
酒井: うん、やさしい。
 
白川: そうだね〜。目がラクダみたいだもん(笑)。

 

 

7 メンバーが語る 白川裕二郎 とは… 〜「クリアできる目標があった方がいい人なんですよ…」〜
 
 つぎに、リードボーカルで、グループの顔でもある 白川裕二郎 について、ほかの 3人に聞いてみた。
 神奈川県横浜市出身で、もと朝日山部屋所属の大相撲力士「綱ノ富士」(つなのふじ)。怪我のために、わずか 1年、7場所で引退し、その後、俳優に転身することを決意。2002年に、戦隊ヒーローもののテレビドラマ『忍風戦隊ハリケンジャー』の「カブトライジャー・霞一甲」役で俳優デビュー(当時の芸名は、白川 侑二朗)。その後も、テレビドラマや映画、舞台などで活動していたところを、酒井から純烈に誘われた。
 
小田井: いや〜、だから、このままなんだよね〜白川くんは。まあ、でも、当時、見てて、悩んでたりとかあったから……。まあ、後上くんとかは、あとから入ってきて、ボクらのことはその時からだから、もともとは知らない人なんですよ。でも、酒井くんと白川くんとボクは、なんらかの関係で面識はあって、で、ボクと酒井くんとかって関係より、酒井くんと白川くんの方が仲良かったね、当時……。ボクはもう本当に 1回 共演したぐらいの感覚やったし、何年も会ってない時間もあったんで。
 
小田井: だから、なんかその、やっぱり純烈つくった時に、僕から見て「(酒井とは)仲のいい同士やから、何か悩んだ時に、逆に言いにくいのかな」みたいな感覚がオレはちょっとあって、オレの方が新しいから相談しやすいのかなって思ってて……。
 
小田井: で、まあ、どっちかって言うと堅実なタイプの人間なんで……「趣味は貯金」って言うぐらいなので。だから、何か常に大きい目標じゃなくて、一つ一つ消化できていく、クリアできる目標があった方がいい人なんですよ、多分。そうすれば、それに向かって頑張れるし……。
 
小田井: そういう感触があったので、悩みを聞いた時に、「何かしら彼にとって目標になることを言葉で足してあげんとあかんな」という感覚があって、その頃、多分、相談にのってたと思うんですよね。
 
白川: たしかに、そうだった。
 
小田井: だから、そこが今も全然変わってないというか、今もそういう人なので……。でも、結局、当時って、オレも不安やし、みんな不安でやってるじゃないですか……、見えてないから。
 
小田井: だから、ボクも同じように悩んでるんですよ。けど、相談されるから、「こういうふうにやった方がええんちゃう」「こういうふうにやりいな、がんばりいな」って言うから、自分がグチ言えなくなるんですよ……、「人に言うた手前、あかんやん」みたいな。だから、すごい初期の頃は、反面教師っていうか、なんか自分が相談されて答えることで、自分も何か一緒に浄化されていくみたいな……、そんな感覚やった。
 
後上: そうですね〜、なんか、ほかのふたりに比べると、白川さんは、一番、なんか変わったというか……。昔は、わりと職人気質というか、ちょっとストイックなところが、今よりも強かったというか……。今が「ストイックじゃない」ということじゃなくて、いい意味で大雑把になったというか、「いいよ! 気にしない、気にしない!」みたいな感じになったかな……。前は、例えば、収録の後とか、「あそこさ〜、音程はずしちゃったんだよね……」みたいに考え込んでたりとかしてたんですけど、最近は、「しょうがない! いいよ、そんなの!」って前向きな感じになったかなっていう変化は、すごく感じます。
 
酒井: 白川さんね〜、やっぱり、早くにお父さんを亡くされてるからね。だから、もう、白川裕二郎といえば「親孝行」でいかに口説くかっていうのが最初で、だから、(純烈の最初のキャッチフレーズだった)「夢は紅白!親孝行!」っていうのも、オレ、個人的には全くそんなこと考えてないけど、白川を口説くに当たって「親孝行」っていうフレーズが、「これで釣れなかったら〜」って感じで、最高のルアーを投げる感じだったんですよ(笑)。
 
酒井: まあ、それが、そのまま 純烈のコンセプトにもなっていってるんだけれども、やっぱり、今、白川のお母さんも高齢でだから、白川の人生の最大のターニングポイントになるのは、やっぱお母さんが亡くなったタイミングだと思うんすよ。
 
酒井: その時に、白川裕二郎が芸能界にいるモチベーションっていうか、ここまでの「白川裕二郎 物語 前半 芸能編」みたいなことで言うと、もう完全にそのモチベーションがなくなっちゃうわけだから、「さあ……どうする?」っていう絶頂を迎えるわけですよ。
 
酒井: 歌手としてだったり、芸能とか……、それを全て捨てて引退するのか……。それとも、北島三郎さん、五木ひろしさん、前川清さんみたいな、そういう脈々と来た何か「歌謡の神様の定め」みたいなものを受け入れ歌うのか……、「さあ、どうする?」っていうのを、オレは、多分、相当近いところで見ることになるからね……。
 
酒井: うん。だから、それは(純烈に)誘ってる時からもわかってることなんですよね……。でも、幸いなことに、お母さんは今もご健在でね。生きてるっていうのがやっぱりすごいことで、でも、やっぱ高齢だからね……。だってもう 80超えたらわかんないじゃん、人間てね。
 
酒井: うん。だから、そういうとこら辺の何て言うかな……、そこをどう捉え……、やっぱり生きていかなくちゃいけないからね、残されたものとして。その辺が、こう純烈にとっても大きなことになるので。
 
酒井: でも、オレとしては、やっぱ個人的には「面白い」になっちゃうんだよね、興味深い。うん……、そこかな、白川の見どころは(笑)。そう言う感じ。

 

 

8 メンバーが語る 後上翔太 とは… 〜「三、四番手のフィクサーみたいなのが上手だからね …」〜
 
 最後に、グループ最年少、後上翔太 について、ほかの 3人に聞いてみた。
 東京都国分寺市出身、お受験で、東京学芸大学附属小学校を経て、名門、桐朋中学校・高等学校を卒業。難関校の東京理科大学工学部に入学するが、大学生のころは、いわゆる「ギャル男」として、もっぱらサークル活動。就職活動中に、酒井から純烈に誘われ、大学4年の時に中退してまで純烈に加入することを選んだ。「ギャル男」時代に、トラックにひかれ意識を失い救急搬送されたが、ひいたトラックが廃車になるほどの大事故だったにも関わらず、擦り傷のみと診断されたことから、強い運を持っている「純烈のラッキーチャーム」とも言える存在となっている。4人の中では、ただひとり、芸能活動未経験で、純烈が芸能界デビュー。
 
小田井: 後上くんに関しては……、同じなんですね、そんなに変わってないですね、会った時と……、感覚としては。だけど、彼は、一番、わからないです、ボクは(笑)。
 
後上: はははは……(笑)
 
小田井: そもそも、年齢差がむちゃくちゃあるんです、15年くらいあいてるから「自分と近い感覚ではモノを見てないだろうな」と、はなから思うてるから、何か起こった時に「後上くんはどう思うやろうな?」って思わないんです、逆に……。ま、たぶん、彼は彼なりに物事を捉えてるんやろうなと。
 
小田井: 他のメンバーに関しては、多少、昔から知ってるとか、年齢が近いとかあるから、「二人はどう考えるやろな?」って思うんですけど、後上くんだけに関しては、そこに入らないから……。何ていうのかな……、たとえば、純烈で「新しいことをやりましょう」って時に、新曲をだしますとか、いまの取材もそうですけど、インタビューで答えてる時に、一番、答えが想像できないんですよ……、「なに言うんやろう?」って(笑)。
 
小田井: でも、意外と、優等生的なことを無難に言うんですよ……、「あ、まとめてきたな」って感じで。だから、それすら、オレは「ホントはそう思ってないよ」って思ってるところがちょっとあって……。
 
3人: あっはははは……(笑)
後上: はははは……、聞きたくなかった〜、オレ……(笑)
 
小田井: なんでかって言うと、これには、ちゃんと理由があって、多分、何ていうのかな……、オレらに合わせた答えをしてる気がすんのね。自分で見た、自分の目線で言えばいいのにって思う。
 
 たしかに、芸能経験もないし、最年少ということもあり、出過ぎたり、間違ったことを言わないように、無意識に遠慮しているようなところもあるのかもしれない。しかし、クレバーな人だけに、それよりも、グループでの自分の役割やポジションを考えているようにも思える。
 
小田井: そうそうそう、バランスとってはるんやろうな〜って思ってオレは見てるから……、だから、一番わからない。だから、いつも答えを聞いたあとに、「うん……。で、ホントは?」って思う……(笑)。
 
3人: あっはははは……(爆笑)
後上: 聞きたくなかったな〜、それ(笑)
酒井: 「聞きたくなかった〜」って、いつもそういう態度やんか(笑)
 
白川: でもね……、それは、ホントによくわかるんですよ、辞めた 友井(雄亮)も、それ言ってて……。彼の心の奥底って、やっぱボクもわかんないんですよ。だから、表面はいい顔してるけど、心の底はめっちゃ悪魔なんじゃないかなと……(笑)、やっぱ思ってるんですよ(笑)。
 
後上: 風評被害が……(笑)
 
白川: だけど、一番、年下じゃないですか……。で、彼のすごいところって、なんて言うんだろう……、言われたことを、それ以上にできるとこ。たとえば、純烈は、みんな(芸能の)キャリアがあるのに、彼だけキャリアがないと……。そんな時に「じゃあ何をしたらいいのか?」って時に、終わった後に、みんなの靴を磨いてくれるとか、みんなの靴を運んでくれたりとか、そこまでできるかなと……同じメンバーで。で、そういったことを、もう何年も続けてくれたんですよ。
 
白川: ちょっと慣れたりすると、そういったことって「もう、いいや」ってなったりとかするのが人間じゃないですか。だけど、それを誰にも言われずに、仕事終わった後とか事務所に戻って、靴をせっせと磨いてくれてたりとか、そういった健気なところであったりとか……。
 
白川: あと、頭がいいんでね、最近、たとえば、クイズ番組とか結構出てますけど、時間のない中で、「いつ勉強してんだろう?」とか……。そういったところでも、やっぱ、彼は、ひとりでコツコツできる精神力の強さとか、そういったところが、やっぱ、年下ながら、すごく尊敬するっていうのがありますね。
 
酒井: う〜ん……、いや、だから、さっきユースケ(友井雄亮)の話も出ましたけど、小田井さんと裕二郎とユースケとかは、どっちかと言うと、情熱的というか「熱血派」なんですよね。で、こっち二人(酒井、後上)は、熱血なんだけど、とにかく求めてるものは「勝ち」なんですよ。「最終的に優勝する」ために、130試合のペナントレースで必ず優勝するようなオーダーを作りをするっていう……。
 
酒井: だから、オレは、どっちかというと監督としての落合博満だとしたら、この人(後上)は、もう井端みたいな 二遊間の人……。オレがノムさん(野村克也)だとしたら 古田……、とにかく勝つために……。やっぱり、小田井さんと白川じゃ勝てないですよ。勝つ時もあるけど、負ける時の方が多くなっちゃうのね……、全力プレーだから。そこの部分で、コイツ(後上)が、無難なコメントとかを言ってくれるとか……。
 
酒井: コイツ(後上)、どっちかっていうと、さっきの小田井さんみたいに、最初に「ボーン!」と答えたりとか、オレが言うような「ボーン!」っていうのは、なかなか苦手だから、やっぱりラストに喋って、みんなが喋らなかった一番真っ当なところ、穴のところを見つけるっていうのが上手というか……。最初、純烈の始まりの時もそうだったし……。
 
酒井: でも、もともと特性として、そういう帝王学の世界で、家族の中で生きてきてるから……。だから、自分がトップになった時に一番大変だと思うんだけど……、「別グループのリーダーになりました」とか、なんかそういうふうになった時にね。でも、やっぱ、三、四番手のフィクサーみたいなのが上手だからね。
 
 後上の父親はメガバンクの銀行マンで、その兄弟は全員が慶應義塾大学出身、母方の祖父は医師。酒井が言う「帝王学」とは、そういうことを言っている。だからかどうかはわからないが、最近は、以前よりも、後上が積極的に発言するようになってきている気がする。それも、絶妙のタイミングで、すごくいいことを言う。以前よりも存在感が大きくなった気がする。そして、前回、1年前のインタビューでも話していたが、酒井は、後上に期待している。
 
酒井: そう。今、世の中が荒れてきてる……って言うか、「事なかれ」になってるじゃん。そうすると、コイツ(後上)のコメントって、なんてことないことなんだけど、結局「使われるコメント」になってるんだよね。ってことを、コイツ(後上)もわかってるし、あとの 3人もわかってるから……。3人がエッジの立ったこと言ってもどうせカットになって、で、最終的に、コイツ(後上)のコメントの方が「圧」があるのよ。この間までは、全く定形のコピペするようなコメントだったんだけど、世の中が荒れたり、事なかれ主義になってるから、コイツ(後上)のコメントが上に行くわけ。
 
酒井: で、今度は、上に行き過ぎた時には、こっち 3人は、多分いなくなっちゃう……(笑)。
 
4人: はははは……(笑)
 
酒井: だから、(野球で言うと)4番になりたいって夢はあるだろうけど、3番とか5番とかに入り始めるとか、6番で勝利打点を重ねて印象的なところで人気取っていくっていうか、「そういう方向がよかですよね」っていうふうに見てるけど……。でも、これも、飽きちゃダメだから……、もう30年くらいやって飽きちゃいけない世界じゃない……。
 
後上: スゴイ世界ですね〜。
 
酒井: そうなのよ。飽きたヤツは、みんな田舎に帰って終わるのよ。で、30年やってたヤツだけ残ってて……ってことだから。だから、やっぱりそういうね、継続性っていうね……。今は楽しく、もう本当に靴磨きからここまで来たっていうところまで来てるんだけど、だから、引く手あまたとかになった時に、ここがまた「浮わつくポイント その1」なわけよ。
 
後上: ………(だまって聞いている)
 
酒井: 「仮面ライダーになりました」つって、「行ける!」ってやっぱ思ったけど、「行けない……」っていうのが現実だから……。「行ける!」っていう時には、もう台本が何冊もここに菅田将暉のようにあるから。だから、「ないの行く」っていうのは勘違いだからね。難しいとこなんだけどね。でも、確かに、すごいいいところまで来てるよね……、うん。

 

(取材日:2022年 2月10日 / 取材・文:西山 寧)

 

 

 

 

 

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