「水雲-MIZMO-」(みずも)ロングインタビュー! 3パートのハーモニーで演歌を歌うガールズグループ! 2020年11月18日発売の 4thシングル「松竹梅」は、3声コーラスが心地よいマイナー調の王道演歌! -MUSIC GUIDE ミュージックガイド

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「水雲-MIZMO-」(みずも)ロングインタビュー! 3パートのハーモニーで演歌を歌うガールズグループ! 2020年11月18日発売の 4thシングル「松竹梅」は、3声コーラスが心地よいマイナー調の王道演歌!

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MIZMO

水雲-MIZMO-

4th Single「松竹梅」


★ 2017年「帯屋町ブルース」でメジャーデビュー!
★ 世界初!3パートのハーモニーで歌う、演歌の女性ボーカルグループ!
★ メジャーデビュー前から、海外でもパフォーマンス!
★ 4thシングル「松竹梅」は、3声コーラスが心地よいマイナー調の王道演歌!
★ カップリングの「小江戸捕物帖」は、小気味よく楽しいアップテンポの曲!


2017年に「帯屋町ブルース」でメジャーデビューした、3パートのハーモニーで本格演歌を歌う、NAO、AKANE、NEKO からなる 3人組ガールズグループ「水雲-MIZMO-」(みずも)。

水雲-MIZMO- 左から、NEKO、AKANE、NAO

新曲「松竹梅」は、古来から、めでたい事の象徴とされた“松・竹・梅”をテーマに、人間の生き様や喜怒哀楽を感じさせる楽曲で、3声のハーモニーが心地よいマイナー調の王道演歌。

振付はメンバーの NEKO が担当。デビューから担当しているハリウッドでも活躍するデザイナー、押元須上子 によるゴージャスな衣装にも注目。

「松竹梅」のミュージック・ビデオは、埼玉県・所沢にあるオペラ・ホールを使用し、ステージ上だけでなく客席やロビーなどもふんだんに使った、まるで「水雲-MIZMO-」のコンサートに来ているようなスケール感のある映像となっている。

2020年12月20日(日)には、東京・浅草ビューホテルで「水雲-MIZMO-X‘mas Dinner Show 2020」が開催される。


メンバーコメント

新曲「松竹梅」は若い世代の方にはこれからの人生の励みになる、人生経験を積まれた方々には、まさに人生そのものを歌にした壮大な演歌なので、皆さまの心に響く一曲になれば嬉しいです。ミュージックビデオも私たちのコンサートに遊びに来ているような気分になるのでぜひご覧ください!
―― NAO(高音担当 / リーダー)


「松竹梅」は歌い終わった後に生きる力が漲るような力強い迫力のある王道演歌です。
ミュージックビデオもオペラホールを使って、舞台からの眺めは“まるで宇宙船に乗っているみたい”な壮大な世界観のある映像になっています。ぜひ皆さんも水雲という宇宙船に乗りこんで「松竹梅」の世界に浸って欲しいです。
―― AKANE(主旋律担当)


「松竹梅」は人生への感謝を表す、日本のお祝いの歌。演歌が好きな方にも、日本のサウンドをもっと知りたい海外の方にもきっと通じ合えるような「和」のテイストが溢れだす1曲です。ミュージックビデオの壮大なオペラホールのバックに映える押元須上子先生に作って頂いた素敵な衣装にもぜひ注目してください!
―― NEKO(低音担当)


水雲-MIZMO- 4th Single「松竹梅」 MV short Ver.

雲-MIZMO-「小江戸捕物帖」MV

水雲-MIZMO-「松竹梅」歌詞を見る!

水雲-MIZMO-「小江戸捕物帖」歌詞を見る!



リリース情報

水雲-MIZMO- 「松竹梅」
CD シングル / Digital
2020年11月18日発売(11月6日先行配信)
TKCA-91310
¥1,227+税
徳間ジャパンコミュニケーションズ

<収録曲>
M1.  松竹梅 (作詞 坂口照幸 / 作曲 水森英夫 / 編曲 伊戸のりお)
M2.  小江戸捕物帖 (作詞 松岡弘一 / 作曲 水森英夫 / 編曲 周防泰臣)
M3.  松竹梅  (オリジナルカラオケ)
M4.  小江戸捕物帖  (オリジナルカラオケ)
M5.  松竹梅  (コーラス入り (NAO&NEKO) カラオケ)
M6.  小江戸捕物帖  (コーラス入り (NAO&NEKO) カラオケ)


水雲-MIZMO-「松竹梅」歌詞を見る!

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水雲-MIZMO- 徳間ジャパンコミュニケーションズ

水雲-MIZMO- オフィシャルサイト

水雲-MIZMO- 歌詞一覧



水雲-MIZMO- クリスマス・ディナーショー

水雲-MIZMO- X’mas Dinner Show 2020
【日付】2020年 12 月 20 日(日)
【時間】開場:13:00、食事:13:30、ショー:15:00
【会場】浅草ビューホテル(東京都台東区西浅草3-17-1)
【料金】¥20,000 円+特典つき(チケット送料別途 800 円)

チケット購入、詳細はコチラ!



水雲-MIZMO- ラジオ レギュラー番組

★ 毎週 火曜日 21:00〜22:00
  ラジオ大阪「いいね!イマうた水雲-MIZMO-です」
★ 毎週 日曜日 19:00~19:15
  東海ラジオ「水雲-MIZMO-のみんなずっともっと」
★ 毎週 金曜日 21:00~22:00
  秋田放送・北日本放送・福井放送・和歌山放送・山口放送「ラジオアミューズメントパーク 水雲 à la carte」



水雲-MIZMO- ロング・インタビュー

 女性トリオのコーラス・グループといえば、海外なら、ロネッツ、エモーションズ、スープリームス、スリー・ディグリーズ、ポインター・シスターズ、アラベスク、バナナラマ……、最近でも、ウィルソン・フィリップス、TLC、デスティニーズ・チャイルドなど、有名なグループがたくさんあるが、日本だと、キャンディーズくらいしか、思い浮かばない……。

 ましてや、演歌の女性ボーカルトリオとなると、世界初だ。

 そんなグループをプロデュースしたのは、山内惠介や氷川きよしを見出したことでも知られる作曲家の水森英夫。まさか、演歌というジャンルで、新しいものが出てくるとは思ってもみなかった……。

 2017年にメジャー・デビューした「水雲-MIZMO-」(みずも)は、これまでなかった、3声のハーモニーで本格演歌を歌う、女性3人組のグループだ。メジャー・デビュー曲の『帯屋町ブルース』は、往年の内山田洋とクール・ファイブを彷彿とさせる、メジャー調3連のブルース。心地よい3声のハーモニーが新鮮で、衝撃的だった。

 子供の頃から演歌を歌っているリード・ボーカルの AKANE、音大の声楽科でクラシックを勉強していたリーダーで高音ハーモニー担当の NAO、米国出身でアニメが好きな低音ハーモニー担当の NEKO……。3人のそのプロフィールだけを聞くと、相容れない3人のようにも思えるが、この3人だからこそ、いまの「水雲-MIZMO-」が、これほど生き生きとした魅力的なグループになっているのだと思う。

 実は、「水雲-MIZMO-」は、2013年に「MIZMO」としてインディーズ・デビューしていて、現在のメンバーで「水雲-MIZMO-」として2017年にメジャー・デビューするまでに、2回メンバーが変わっている。

 最初から、ずっといるのは、リーダーの NAO で、2015年に AKANE が加入し、2017年に NEKO が加わった。これまで、「望んでいた活動とは違う」と辞めていったメンバーを2度見送り、「このまま続けていて大丈夫なのか?」と、自身も毎日のように疑いながらも、NAO が最後まで信じ切ったことで、現在の「水雲-MIZMO-」が出来上がり、メジャー・デビューに至った。

 そして、「水雲-MIZMO-」は、今年、2020年の9月でメジャー・デビュー3周年を迎えた。

 2017年、メジャー・デビュー曲の『帯屋町ブルース』に、続く 2nd シングルの『みれん節』と、クール・ファイブ風のメジャー調3連の曲が続き、3rd シングルの『泣いちゃえ渡り鳥』は、「♪泣いちゃおうかな〜」が耳に残る、ゆったりした情感あふれるメジャー調の股旅もの。

 4枚目のシングルとなる今作『松竹梅』は、シングルとして初のマイナー調の曲で、力強いメロディーの王道演歌。毎コーラスの最後の「♪え〜 松竹梅〜」が耳に残る。冒頭の「♪松は風雪 耐えてこそ」のメロディと3声のコーラスで、最初から惹きつけられる、いい歌だ。一方、カップリングの『小江戸捕物帖』は、一転、メジャー調アップテンポの小気味よい曲。「水雲-MIZMO-」の魅力がいっぱい詰まった楽しい曲で、両A面にしたいくらいだ。

 「水雲-MIZMO-」は、演歌だけではなく、昭和歌謡曲や、アニソンも洋楽ロックも歌うし、2017年には、ワシントン、ニューヨーク、フィラデルフィアなどでもパフォーマンスを披露。米国メジャーリーグの公式戦で、試合前の日米両国の国歌斉唱も経験している。

 しかし、何を歌おうとも、あくまでも「水雲-MIZMO-」のベースは演歌だ。3人とも演歌が好きで、演歌の素晴らしさを海外にも伝えたいと考えている。

 パンチのある力強い歌声が印象的だが、普段は実に女の子らしい「NHKのど自慢」チャンピオンの AKANE……、いつもニコニコ、一見、おとなしそうに見えるが、実は芯の強さを持っている 音大声楽科卒の NAO……、日本の心を知り、謙虚で、日本人よりも日本人ぽい アメリカ出身の NEKO……。

 演歌という共通のベースが繋いだ、この似た者同士ではない3人、まるっきり違う3人だからこそ、「水雲-MIZMO-」は、三本の矢としてチカラを発揮することができる。

 これから、どう進化してゆくのかが本当に楽しみなグループだ。


<もくじ>
1 初のマイナー調の王道演歌『松竹梅』 〜「”勝負曲っぽいのがキターッ!” って…」〜
2 小気味良いカップリングの『小江戸捕物帖』 〜「3人がそれぞれソロで歌っているので…」〜
3 2度のメンバーチェンジを経て今のメンバーに 〜「そこまで本当にたどり着けるのか…」〜
4 保育士をやめて上京した AKANE が加入 〜「やった〜!って思いましたね…」〜
5 NEKO が加入して、今の “水雲-MIZMO-” に 〜「根拠のない自信はあったんですね…」〜
6 NAO 音大声楽科卒の演歌歌手 〜「新幹線まで追っかけました…」〜
7 AKANE 高校生の時に『NHKのど自慢』のチャンピオンに 〜「めっちゃ気持ちよかったんです…」〜
8 NEKO 日本語の響きに感動した〜「なんで感動するんだろう?…」〜
9 演歌を通して日本の魅力を世界に〜「いろんな人たちとの架け橋になれたら…」〜


1 初のマイナー調の王道演歌『松竹梅』 〜「”勝負曲っぽいのがキターッ!” って…」〜

 「水雲-MIZMO-」2017年のメジャーデビュー・シングル『帯屋町ブルース』は新鮮だった。これまで、演歌を3声のハーモニーで歌うグループなどなかったからだ。まさか、演歌歌謡曲というジャンルで、新しいものが出てくるとは思ってもみなかっただけに、まさに、意表を突かれた感じがした。
 そんなことを思いついたのは、山内惠介や氷川きよしを見出したことでも知られる作曲家の水森英夫。もちろん、「水雲-MIZMO-」のシングル曲は、全て水森英夫の作曲によるものだ。
 日本で独自に進化した音楽の「演歌」と、3声のハーモニーという「洋」の象徴的な要素を掛け合わせた。まさに、「East Meets West」で、それが、「水雲-MIZMO-」のコンセプトのひとつにもなっている。

 メジャーデビュー通算4枚目となる今回のシングル『松竹梅』も、水森英夫の作曲で、4枚目にして初のマイナー調の王道演歌。「♪松は風雪 耐えてこそ」の冒頭から、美しいメロディと、力強い AKANE の歌声、そして3人のハーモニーで心を掴まれる曲だ。極め付きは、毎コーラス最後の「♪え〜松竹梅」のところ。一度、聴いただけで覚えてしまうくらい、歌声が耳に残る。

NAO:「初めて聴いたのは、水森英夫先生の家にレッスンに行った時で、先生がギターで歌って下さったんです。先生だから当然なんですけど、もうあまりにも凄すぎて……。今まで、水雲-MIZMO-のシングルにはなかったようなすごい演歌で、しかも、男性(先生)が歌っていたので、”本当にコレが自分たちのシングルなのか……?” っていう感じで、驚きました。」

「そのあと、レコーディングスタジオで、アレンジされたのを聴いた時は、すごく嬉しかったです。”こういう曲が、ついに私たちも歌えるんだ!” って思って……。ホントに演歌が好きで、こういった和楽器の入ったアレンジに憧れていたので、すごく嬉しかったです。」

AKANE:「小さい頃から、カラオケ大会に出ていたりしたので、先生のご自宅で聴いた時に、”あっ、勝負曲っぽいのがキターッ!” って最初に思いました(笑)。”張り唄”って言い方するんですけど、サビの盛り上がる感じは、カラオケの勝負曲にピッタリだな〜って思って……。それと、タイトルの『松竹梅』っていうのが壮大なタイトルだなーっていうのは、直感的に思いました。ちょっと難しいけど、でもしっかり歌えるようになりたいっていうのが第一印象でした。」

NEKO:「初めて楽譜を渡された時に、”あっ……、まつ たけ うめ! 今回の漢字は読める〜”って思いました(笑)。松・竹・梅 だから、最初、「フード(食べ物)演歌」かな〜と思いました。私たちのデビュー曲のカップリングは『米〜kome〜 [海外バージョン]』っていう曲なんですけど、もしかして、また和食の曲かな〜と思ったら、全然違いました……(笑)、松竹梅っていう言葉を初めて知りました。」

「それで、曲を聞いた時には、AKANE ちゃんの声にドンピシャだなと思って、NAO さんのかっこいい(コーラス)アレンジも、きっと、かっこいいものになるんだろうな〜と思って、すごく楽しみにしていました。」

 「水雲-MIZMO-」では、リーダーで音大声楽科出身の NAO が、コーラス・アレンジを担当している。レコーディングもそうだが、テレビなどでカバー曲を歌う場合にも、NAO が全て、3声にアレンジしている。基本的には、リードボーカルを、センターの AKANE が担当し、向かって右側の NAO がハーモニーの高い方、向かって左側の NEKO が、ハーモニーの低い方を担当している。

NEKO:「『松竹梅』は、歌って楽しいし、聴いてすごくかっこいいし、独特なハーモニーになっているので、早くみんなに聴いていただきたいなって思います。これまで、シングルを3曲歌ってきて、この4枚目は、個人的にも一番好きな低音のハーモニーです。」

2 小気味良いカップリングの『小江戸捕物帖』 〜「3人がそれぞれソロで歌っているので…」〜

 一方、カップリングの『小江戸捕物帖』は、一転、メジャー調アップテンポの小気味よい曲。イントロには、セブンス系ロックンロールの要素が入ったサウンドで、レビュー・ショーのような演出がされた小気味よいアレンジ。まさに、和と洋が絶妙にミックスされていて、メロディもハーモニーも心地よく、病みつきになる。「水雲-MIZMO-」の魅力がいっぱい詰まっていて楽しい。ショーアップ出来そうな曲なので、NEKO が担当している振り付けも楽しみだ。

NAO:「振り付け! あります、あります!」

NEKO:「実は……、まだ悩み中で……。ホントに、ひとつの芝居じゃないですけど、そんな風にしたいと思っています。『松竹梅』の方は、歌をじっくりと聴いていただいて、『小江戸捕物帖』では、ちょっと羽目を外して楽しんでいただけたらな〜と思います。」

NAO:「1コーラスずつ、3人がそれぞれソロで歌っているので、それぞれの声を聴いてもらえる楽しさもありますし、作詞が、前回の『泣いちゃえ渡り鳥』を書いていただいた松岡弘一先生で、本当に時代劇のような、アニメのような世界観があるので、聴いていただく方も、一緒に楽しんでいただけるような曲かな〜と思います。これも早くお客様の前で歌いたいですね……。」

 『小江戸捕物帖』の Aメロは、「水雲-MIZMO-」の基本的なスタイルである、AKANE のリードボーカルに、NAO と NEKO が、それぞれ、上下のハーモニーを歌っているが、Bメロは、1番が AKANE、2番を NEKO、3番を NAO がソロで歌っている。AKANE のパンチがあって、ちょっと鼻にかかった色気のある歌声、NEKO の張りのある伸びやかな歌声、NAO の素直でキュートな歌声と、それぞれに魅力的だ。
 『松竹梅』も『小江戸捕物帖』も、CDには、コーラス入りのカラオケも収録されているので、「水雲-MIZMO-」のハーモニーの心地よさを、実際に歌って体験することもできる。

 そして、メジャー・デビュー以来、「水雲-MIZMO-」のトレード・マークともなっている、着物ベースの衣装は、米国在住で、映画『ラスト サムライ』(”The Last Samurai” トム・クルーズ主演、2003年 米)の衣装を手がけるなどハリウッドでも活躍する衣装デザイナー・押元 須上子(おしもと すえこ)によるもの。今回の衣装も、斬新でゴージャスだ。

NAO:「最初に、こういう曲ですって聴いていただいて、そこから先生がデザインしてくださるんですけど、それぞれに合う色や形を選んでくださって、出来上がる前に、一度、デザイン画を見せてくださるんですよ。」

 「今回の衣装はコレです……」というように、出来上がったものを着せられているのかと思っていたが、実際はそうではなく、これまでは、毎回、先生が来日して、メンバーの希望や意見も聞いた上で、相談しながらデザインを完成させていたようだ。

NAO:「そうなんです。スカートの時も、測ってくれる時に、”どれくらいの長さがいい?” って先生が聞いてくださるんです。先生は、毎回、日本に来てくださるんですけど、今回は、こういうコロナで来られなくて、リモートで先生と話したんです。それで、最初は、NEKO ちゃんだけが、このデザインだったんですよ。で、AKANE ちゃんと 私は、また違ったデザインでスカートだったんですけど、今回、すごくカッコイイ曲だったので、”私たちもパンツがいいです……” ってお願いをして、パンツにしてもらいました。」

3 2度のメンバーチェンジを経て今のメンバーに 〜「そこまで本当にたどり着けるのか…」〜

 ところで、「水雲-MIZMO-」のメンバーが、現在の3人になったのは 2017年だ。

 実は、「MIZMO」というローマ字表記だけのグループ名で、インディーズ・デビューしている。インディーズ・デビュー曲は、メジャーデビューの時と同じ『帯屋町ブルース』だった。作曲家の水森英夫が、オーディションでメンバーを集めた。最初からのメンバーは NAO で、2度のメンバーチェンジを経て、今のメンバーとなった。

NAO:「MIZMO のオーディションっていうわけではなく、水森英夫先生の門下生募集っていう感じで、まだ、デビューできるとかそういうことではなく、先生のところで門下生として、レッスンを受けるオーディションがあったんです。なので、当時、そのオーディションに受かった人たちの中には男性もいました。」
「私が受かったあとも、先生が何箇所かでオーディションをされて、第1回目のオーディションと、第2回目のオーディションのメンバーで、MIZMO ができました。」
「オーディションに受かってから、半年後くらいに、文化放送さんの『走れ歌謡曲』に出していただきました。」

 MIZMO は、インディーズ・デビューの前から、文化放送『走れ歌謡曲』のプロデューサーの目にとまり、番組にレギュラー出演していた。

NAO:「ミニアルバム『帯屋町ブルース』でインディーズデビューさせてもらってから、やっぱりそれは、自分の思ってた、メジャーデビューした今とは形が違っていたので、不安もありました……。」

 デビューと言っても、現在のようなメジャー・レコード会社からではなかったため、活動も今とは大きく違い、「MIZMO」が、今のような注目を浴びることもなかった。

4 保育士をやめて上京した AKANE が加入 〜「やった〜!って思いましたね…」〜

 その後、新メンバーとして、AKANE が加入する。

AKANE:「地元の和歌山にいた時に、大阪の泉南の方で歌を習っていたんですけど、”一回、水森先生の門を叩いてみるか” っていうことになって、水森先生のご自宅で歌を聴いていただいたんです。その時は、”声は出てるけど、悪いクセもいっぱいあるな” って言われました。”小さい頃から演歌を歌っている子の悪いクセが随所にあるから、これを取るのは大変だぞ” って最初に言われました。今でも、そこは指導されます。」

「その時は、ちょうど、門下生のオーディションが終わった後だったので、”門下生いっぱいいるから無理だよ……” って断られたんですよ。タイミングが悪かった〜って思ったんですけど、それから半年後ぐらいに、名古屋で、水森先生が審査員のカラオケ大会があるっていうのを聞いて、もう一回、先生に歌を聴いてもらえるチャンスだと思って、その大会に出たんです。しかも、その時のゲストが、なんと MIZMO だったんですよ、まさかの……(笑)。」

「そこで優勝することができて、そこからまた半年後ぐらいに、”今ちょっと門下生も落ち着いたから、やってみるかい? だいたい6ヶ月か10ヶ月ぐらいで、歌手になれるかどうか分かるから” って言ってもらえたんです。」

 まさか、その後、自分もメンバーになる MIZMO が、参加したカラオケ大会のゲストとは、なんという巡り合わせだろう。まさに、「事実は小説よりも奇なり」だ。そうして、AKANE は、水森英夫の門下生となって歌手になるべく、地元の和歌山から上京する。

AKANE:「そのころ、地元で保育士をやってたんですけど、保育士は喉にものすごく負担がかかるので、非常勤か、退職を考えてますって、ちょうど相談していたタイミングで、先生から “来ないか?” って声がかかったんです。それで、上司に言ったら、”それは、あなたの夢だから、行きなさい!” って感じで背中を押してもらえたんです。」

「でも、門下生になっても、クビになる人もいるって話も聞いていましたし、水森先生からは、10ヶ月で歌手になれるかどうかわかるって言われてましたけど、もし、そこで無理でも、けじめがつくなって思って……、出来る限り悔いのないようにはしようって思って、それで、保育士をやめて上京しました。」

 上京してから、約1年半が経ったころ、チャンスが訪れた。

AKANE:「6ヶ月、10ヶ月、1年が過ぎて……、1年半ぐらい経った時に、水森先生から、”AKANE おまえ、MIZMO でやる気あるか?” って声をかけていただいたんです。すぐに “やります!” って言って加入することになりました。やった〜!って思いましたね。」

 「MIZMO」は、2016年7月1日に、配信シングル『KOME』を iTunes で発表し世界デビューした。3声で演歌を歌う新鮮さが評判となり、インディーズながら、今も人気の高い BS朝日 の演歌歌謡番組『人生、歌がある』(当時の番組名は『日本の名曲 人生、歌がある』)にも出演し、鳥羽一郎『兄弟船』のカバーを 3声のコーラスで披露したり、フランスのパリで行われた2016年の『JAPAN EXPO』にも参加している。

5 NEKO が加入して、今の “水雲-MIZMO-” に 〜「根拠のない自信はあったんですね…」〜

 翌、2017年、NEKO が加入し、NAO、AKANE、NEKO という現在のメンバー3人が揃った。

 米国出身の NEKO は、日本のサブカルチャーに興味を持ち、米国の大学に在学していた時、早稲田大学に交換留学生として1年間在籍した。大学卒業後は、声優の専門学校に入学するために、再度、来日。専門学校卒業後は、「水雲-MIZMO-」の所属事務所のスタッフとして就職することが決まっていた。

NEKO:「一般就活で内定をいただいて、事務所のスタッフとして働く予定でした。」

 一度は、事務所のスタッフとして働くことが決まっていたが、実際は、働くことなく、「水雲-MIZMO-」のメンバーになる。もともと、専門学校で、芝居や声優という声で表現することを勉強していたが、とくに、歌手を目指してたわけではなかった。それが、ひょんなことから、「水雲-MIZMO-」に加入することとなる。
 役者や声優とは違うが、歌うことも、声で表現することに違いはないし、もともと歌うことが大好きだった。

NEKO:「私が専門学校のイベントで歌っている動画が水森先生にも渡って、オーディションをしてもらうことになりました。専門学校の学園祭のステージで、急遽、RADWIMPS さんの『前前前世』を覚えて歌った時の動画だったんです。当時、すごく流行っていた曲だったから、これを歌ったらきっとみんな喜んでくれるかな〜って思ったんです。」

 ただ単に「歌好きの人」であれば、自分が好きな曲を選ぶ。しかし、NEKO は、この時、「自分が一番好きな曲、歌いたい曲」ではなく、「聴いてくれる人を喜ばせよう」という発想で曲を選んだ。そういうところからも、エンターテイナーとしての資質が垣間見える。

NEKO:「それで、水森先生の前で歌うオーディションを受けて合格したんです。その時も、アニソンを2曲歌ったんですけど……、YeLLOW Generation さんの『扉の向こうへ』という『鋼の錬金術師』のエンディングの曲と、TK from 凛として時雨 さんの『unravel』を歌いました……、ゼンゼン演歌じゃないですけど(笑)。」

 今回のシングルの『小江戸捕物帖』のソロパートはもちろん、今年、2020年3月に発売された「水雲-MIZMO-」のカバーアルバムシリーズ第2弾では、カーペンターズの『青春の輝き』(”I NEED TO BE IN LOVE”)や、渥美清の『男はつらいよ』カバーで、見事な歌唱を披露している NEKO だけに、アニソンを歌っても、水森英夫は、ちゃんとその資質を見抜いていたのだろう。さらに、副次的な要素として、海外展開をする上でもメリットが大きいと考えたのかもしれない。リーダーの NAO は、こう言う。

NAO:「やっぱり、演歌を歌わずにアニソンを歌ったこととか、他の日本人にはないパフォーマンスの仕方だったりが、先生とか事務所の社長には衝撃的で、”このコが入って演歌を歌ったら、また新しい MIZMO になる!” って思ったんじゃないかなって……。」

NEKO:「歌手になろうとは思っていなかったですけど、でも、もともと歌うことは好きで、自分の歌声に根拠のない自信はあったんですね(笑)。」

 歌手を目指す人にとって「根拠のない自信」は必要な条件だ。自分が「良い」と信じ切れていないものをパフォーマンスして、他人が良いと思うはずがない。そうして、NEKO は「水雲-MIZMO-」のメンバーとして歌手になった。

NAO:「NEKO ちゃんの場合は、ホントに特殊で、AKANE ちゃんや私は、もともと水森先生の弟子として入ってきて、MIZMO になったあとから事務所が決まるって形だったんですけど、NEKO ちゃんの場合は、それが同時に決まったんです。」

 これで、NAO、AKANE、NEKO という現在のメンバーになり、グループ名の表記も「MIZMO」から「水雲-MIZMO-」に変わり、2017年9月6日、新たに録音された『帯屋町ブルース』(カップリングも、新たに録音された『米〜kome〜[海外バージョン]』)で徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャー・デビューした。

6 NAO 音大声楽科卒の演歌歌手 〜「新幹線まで追っかけました…」〜

 「水雲-MIZMO-」には、まだナゾの部分がある。リーダーの NAO は、武蔵野音楽大学の声楽科を卒業している。つまり、クラシックを勉強していたということだ。近所に音楽教室があり、3歳からピアノ、5歳からヴァイオリンを習っていた。それが、いったい、どういう経緯で演歌歌手になったのだろう?

NAO:「もともと演歌歌謡曲は好きだったんです……。でも、AKANE ちゃんみたいに、それをずっと歌ってきたっていうわけではないんです。家族は、祖父母も両親も、演歌を聞くタイプではなかったんですけど、たまたま、小学校低学年のときに、テレビで同じくらいの年の女の子が『津軽海峡冬景色』を歌っていたのを聴いて、”こういう音楽があるんだ!” って衝撃を受けて、すぐにレコード屋さんに行って買ってきたんです。それから、ずっと聴いていて、大好きでした。」

 初めて歌った曲は、石川さゆりの『津軽海峡冬景色』で、山本譲二らも好きだったと言う。そこから、歌手になりたいと思うようになっていったようだ。音大の声楽科に進学したが、本当は、演歌歌謡曲が大好きで、在学中も演歌歌手になりたいと思っていた。

NAO:「はい、思っていました。でも、カラオケ大会に出たりすることは全然なくて、そういうのがあることも知らなかったですし、演歌歌手になる方法も、全然わからなかったんです……。」

「大学の時は、クラシックを勉強してましたけど、演歌がスゴイ好きで、細川たかしさんのアルバムとかを持って行って、同じクラスの子に、”お願いだから、これ聴いてみて!” って、みんなに無理やり聴かせて感想を聞いたりしてました……(笑)。」

「でも、そんな中でも、好きになってくれる子もいて、その子と一緒に、いつもカラオケに行って、演歌を歌ってました。山本譲二さんは、その親友と二人で大好きでしたね。二人でチョコレート食べてお茶飲みながら聴いて “譲二さん、かっこいいよね〜、いいよね〜”っていつも話してました。」

 なんとなく、クラシック教える音大と演歌には違和感を感じるが、しかし、考えてみると、霧島昇、伊藤久男、藤山一郎ら、昭和の流行歌歌手の多くは、音大の声楽科卒だ。『高原列車は行く』の岡本敦郎や、『湯の町エレジー』の近江俊郎、『喜びも悲しみも幾歳月』の若山彰、『蘇州夜曲』の渡辺はま子らは、武蔵野音楽学校、現在の武蔵野音楽大学の出身で、まさに、NAO の先輩たちにあたる。だから、逆に、極めて正統的な道とも言える。

 しかし、NAO は、どうやって演歌歌手になるのかわからないまま、音大の卒業を迎える。
 演歌歌手になりたいが、どうしたらなれるのかがわからない。そんな中、カラオケ大会で優勝すると、レコード会社から声がかかるという話を耳にした。大阪で行われた作曲家の水森英夫が審査員を務めるカラオケ大会に参加した時、大会が終わったあと、新幹線まで水森英夫を追っかけたこともある。

NAO:「はい、終わった後で、新幹線まで追っかけました。演歌歌手になる方法がわからなくて、普通のオーディション雑誌なんか見ても載っていないし……、でも、自分は演歌歌手になりたいから、声をかけるしかないと思って……。」

「それで、先生は、絶対にグリーン車だと思ってホームに行ったんですけどいなくて、改札に戻ったら、お弁当買ってる先生を見つけたので、”すいません! さっき歌った者なんですけど、私、演歌歌手になりたいんです!” って言ったんです。そしたら、先生は、”う〜ん……” みたいな感じだったんですけど、一緒にいらっしゃった奥様が、”このコいいじゃない” と言ってくださって、それで、先生が、その時、電話番号を下さったんです。」

「東京に戻ってから、”この間の者ですけど……” ってすぐに電話して、”私、自分の実力を知ってるんですけど、それでも、どうしても演歌歌手になりたいんです” って話したら、課題曲をくれたんです。”これとこれとこれを歌って録音して送って” って言われて、そこから、音源のやりとりが始まったんです。」

「週に1回くらい録音した歌を送って、”どうでしたか?” って電話して、”ココはこうしなさい” っていうようなアドバイスがあって、また課題曲をもらって……っていうのを何ヶ月か続けました。そしたら、半年くらいして、”今度、門下生募集のオーディションがあるから、受けて見なさい” って言われたんです。」

 正式な門下生となるべく、大阪で行われた水森英夫の門下生募集オーディションを受けた。

NAO:「合格しました。それが大阪でのオーディションだったので、他の子は、大阪とか九州の子が受かって、東京は私だけで、先生の家も近かったので、そのあと、すぐ “来週から来なさい” みたいな感じでしたね。」

 その後、半年もしないうちに、MIZMO が結成され、2013年にインディーズデビューした。インディーズデビュー後、事務所のスタッフとしても働いていて、事務所の先輩歌手、山内惠介のコンサートの手伝いもしていたことがある。

NAO:「そうですね、10時半に事務所に行って、夜の7時まで事務仕事をしてました。土曜日は水森先生のレッスンに行って、だいたい日曜日は山内惠介さんのコンサートがあるので、日曜日は、その現場に行って手伝うっていう生活を、しばらくしていました。」

 今作の『小江戸捕物帖』でも、魅力的なソロボーカルが聴けるが、今年、2020年3月に発売された「水雲-MIZMO-」のカバーアルバムシリーズ第2弾『歌謡抄〜水の巻<二>〜』に収録されている『越後獅子の唄』のソロも実にいい。キュートな歌声そのものも魅力的だが、言葉の響きが明るく、素直な歌い方で、楽曲の良さが伝わってくる。子音の発音アクセントがしっかり綺麗に付いていて、言葉が自然と耳にひっかかってくる。

7 AKANE 高校生の時に『NHKのど自慢』のチャンピオンに 〜「めっちゃ気持ちよかったんです…」〜

 リードボーカルの AKANE は、小さい頃から演歌を歌っていた。

AKANE:「祖母が、カラオケスタジオを経営していて、そこで、小さい頃からよく歌ってました。小学校4年生になった時に、祖母が、”歌を習いに行くか?” って言ってくれて、それで習いに行き始めたのが始まりでした。」

 初めて歌った曲は、林あさ美の『だいじな人だから』だった。

AKANE:「演歌っていう感じでもなくて、ポップスに近い歌謡曲ですね。最初は、そういう可愛らしい曲を歌ってたんですけど、山形くるみさんの『祭り』って曲があって、それがスゴイお気に入りの曲で、何年もずっとそればっかりを歌い続けてた記憶があります……。」

「でも……、親は、ド演歌を歌わせたがったり、大人っぽい『ノラ』を歌いなさいとか言ってましたけど、そういう曲よりは、楽しいアップ調の演歌がいいなっていうのは、小さい時は思ってました。」

 演歌を AKANE に勧めた両親は演歌好きだったのだろうか?

AKANE:「いえ、全然なんです。お父さんは矢沢永吉さんが好きで、ロックバンドを組んでボーカルをやっていたんです。でも、そういう姿を見ていたので、”あ〜、なんか歌うのっていいな” っていうのは、小さいころから思ってました。」

 小学4年生からカラオケ教室に通い、そのうち、親のすすめるままにカラオケ大会にも出るようになった。漠然と「歌手になれたらいいな」とは思っていたが、その頃は、どちらかといえば、ただ楽しいから歌っていた感じだった。それが、高校生の時に、和歌山県で行われた『NHKのど自慢』に出場し、チャンピオンとなったことで変わった。

AKANE:「そうですね、チャンピオン大会にも出て、あのNHKホールのステージで『夜桜お七』を歌ったんですけど、それが、めっちゃ気持ちよかったんです。その時に、”歌手になりたい!” っていう思いが現実的な夢になったって思いました。人生をかけて演歌歌手になるっていう夢を目指してみようっていう……。」

「正直言うと、”トップバッターです” って前日に言われてたんで、”じゃあ、もう怖いものは何もない” っていう気持ちになって、すごく楽しんで歌えました。そこでもらえた声援とか拍手とかが本当に気持ちよくて……。」

「それまでも、敬老会とかで歌うと、みんなが喜んでくれることが一番嬉しくて、それが、やっぱり今でも根底にあって………、ステージに立って歌う喜びを、そのNHKホールで知って、”またこのステージに立ちたい!” って思ったことが、歌手になりたいって思った一番のきっかけですね。」

 その後も、地元でレッスンに通いながら、高校卒業後は、地元の短大の保育科に進学した。

AKANE:「歌手になりたいって思っていましたし、親も、演歌歌手になる夢をずっと応援してくれてたんですけど、やっぱり、駄目だった時のために、何か資格を持っていた方がいいって言われて、それで、地元、和歌山で短大の保育科に2年通いました。」

 短大卒業後は、地元、和歌山で保育士をしながら、歌手になるべくレッスンを続け、名古屋で行われた水森英夫が審査員のカラオケ大会に出場したことがきっかけで、水森英夫の門下生となった。

8 NEKO 日本語の響きに感動した〜「なんで感動するんだろう?…」〜

 アメリカ東海岸の中ほどに位置するノースカロライナ州出身の NEKO は、中学生のころ、日本のマンガ『遊戯王』や、アニメ『鋼の錬金術師』を知ったことが、日本に興味を持ち、好きになったきっかけだ。

NEKO:「最初は、アニメもマンガも英語版で見てました。初めて、英語字幕のついた日本語版を見たのが『鋼の錬金術師』で、すごく衝撃を受けて、それで、日本のマンガやアニメが好きになりました。”日本語なのに、なんで感動するんだろう? 何が好きなんだろう?” ってずっと思っていました。」

 日本語でその意味を理解する前に、日本語が持つ音の響きに、魅かれるものがあったのだろう。英語字幕で理解していた日本ならではのストーリーに加え、それを表現していた声優も良かったのだろう。
 いずれにしろ、日本語がわからなくても、日本語の言葉と声で感動する繊細な感性を持っていたからこそ、いま、「水雲-MIZMO-」で、演歌を歌うことができているのだろう。概して、音楽的に耳の良い人は、外国語の言語能力も高く、その逆も真なりで、言語に関する耳が良い人は、音楽的な耳の良さを持っている。

NEKO:「英語版の吹き替えにも、いいものもあるんですけど、チープな感じのものが多くて、それが悔しくて……、”オリジナルがこんなにいいものなのに……”、って思っていました。それで、もっと日本語で体験したいと思って、日本語の勉強を始めたんです。」

 そうして、どんどん日本への興味が深くなっていった NEKO は、高校を卒業するときに、2週間、家族旅行で日本を訪れた。初めて東京に着いた時に、なぜか「ここ、懐かしい!」と感じたそうで、より一層、日本が好きになり、大学の時には、早稲田大学に留学、その後も、声優の専門学校に入るために再来日する。

NEKO:「最初は、英語版の声優になりたかったんです。でも、アメリカには、そういう声優の専門学校はなくて、もちろん、演劇を勉強する大学はありましたけど、あまりにも “声” の表現に魅力を感じていたから、声優になることは絶対叶わないとは思っていたんですけど、日本で声優の勉強ができたらいいな〜ってずっと思っていたんです。」

「専門学校に入ることが決まってからは、ここで2年間しっかり勉強して、アメリカに帰ったら、ここで得た知識を生かして、よりいい英語版のアニメ声優になろうっていうのが夢でした。」

 英語は表現が単純だが、日本語の場合、ちょっとしたニュアンスの違いで多くの表現がある。そういうところに「日本らしさ」を感じ、そこが好きになったのだろう。NEKO と話をしていると、日本人以上に、日本人ぽい謙虚さと、気づかいを感じる。日本人が、直裁的な米国人の物言いの良さを知っているように、日本人の奥ゆかしさやスピリッツを NEKO は知っているのだろう。
 だが、「水雲-MIZMO-」でのハーモニーの担当は低音で、最も難しいパートだ。覚えるのも大変だろうと思う。

NEKO:「いや〜、むずかしいですけど、でも、大変ではないですね。環境に恵まれているので、逆に、自分の実力が足りていない時は、すごく申し訳なく思います。でも、もし、大変な時が来ても、この二人がいるから大丈夫です。なんでも教えてくれるから……、ホントに、やさしくしてもらってます。」

 カバーアルバムで、ソロで歌っている『男はつらいよ』は、日本語が綺麗なだけでなく、魅力的な響きの歌声で、言葉がよく伝わってくる。日本のスピリッツを声でちゃんと表現できている。

9 演歌を通して日本の魅力を世界に〜「いろんな人たちとの架け橋になれたら…」〜

 2017年、現在の3人で活動を始めた「水雲-MIZMO-」は、9月にメジャーデビューすることになるが、その前、4月には、米国のワシントン、ニューヨーク、フィラデルフィアで、パフォーマンスを披露している。
 さらに、5月18日には、米国ロサンゼルスのドジャース・スタジアムで行われたメジャーリーグ公式戦、ドジャース対マーリンズ戦の『ジャパンナイト』で、日米両国の国歌を3声で斉唱した(当時、ドジャースには前田健太、マーリンズにはイチローが在籍していた)。

NAO:「とにかく広すぎて、緊張しすぎて、記憶がないです……。」
AKANE:「直前に、イヤモニ(イヤー・モニター)を付けるように言われて、もうパニックになって、あんまり覚えていないです……。」
NEKO:「”O’er the land of the free” のところで、拍手と歓声がきて、ホッととしました……。」

 野球好きや、米国に詳しい方ならわかると思うが、試合前の国歌斉唱は大事なイベントで、そう簡単に出来るものではない。緊張するのも当然だ。『君が代』『The Star-Spangled Banner』の国歌斉唱のほか、パフォーマンスでは『カントリーロード』と、オリジナルソングの『米〜kome〜[海外バージョン]』を披露した。
 この時まで、NEKO は、デビューへの願掛けのために猫のお面を付けて顔を隠していたが、この国歌斉唱の直前にメジャーデビュー決定の連絡を受け、お面をとり、初めて顔を見せてパフォーマンスをした。この時の模様は、YouTube で見ることができる。

 最後に、「水雲-MIZMO-」の今後について聞いてみた。

NAO:「前回、3月にカバーアルバムの第2弾を出させていただいた時に、結構、店頭キャンペーンを組んでもらってたんですけど、それが、新型コロナウイルスの影響で全部なくなってしまって……。どうしようかなって思ってたんですけど、今3人で、YouTube にカバー曲をアップしていますし、あと、ネットサイン会をさせてもらったりもして、今までやったことのなかったことを、今年、やらせていただいて、新しく知れたことは良かったと思います。」

「今まで、演歌が好きだった方はもちろんですけど、インターネットは、そうじゃない人たちにも、水雲-MIZMO-を知ってもらえるきっかけになるツールだなって、すごく思うので、来年、新型コロナウイルスの状況がどういう風になっているかわからないですけど、これから、ますます、そういうところでの活動も強めていきたいなと思います。とくに、YouTube は、3人いるので、なにか面白いことができるんじゃないかな〜って考えています。」

「海外での公演も、ホントは、ずっと行きたいね〜って3人で言ってて、メジャーデビューする直前までは、アメリカでもやってたんですけど、メジャーデビューしてからは、なかなかいけなくなってしまって……、さらに、このコロナで行けなくなってしまっていますけど……、でも、また必ず実現したいと思っています。」

AKANE:「メジャーデビュー3周年を迎えた途端に、この新型コロナウイルスの状況になってしまって、お客様に会える機会が、本当になくなってしまったんですけど、 SNS っていうツールを使って、国をこえて繋がることができたことが良かったと思います。」

「それと、YouTube でカバーをすることによって、お互いにできることがさらにわかったというか……、NAOさんは、ピアノが弾けるとか、NEKOちゃんは音楽の編集もできるとか……、私は絵を描くのが好きなので、今まで、時間がなくて取り組んでこれなかった、アニメーションにも挑戦しようかなって思っています。」

「そういう発見もあって、3人が集まれば、できないことはないんじゃないかって思えるくらい……、足りないところもカバーしあえるし、これからもできることを考えながら、いろいろと発信していきたいと思います。それと、『鬼滅の刃』じゃないですけど、日本らしいもの、JAPAN っていうのが世界的に注目されているのかなって思うので、水雲~MIZMO-を通して、演歌の良さを、世界中の多くの方に知ってもらえたらいいなと思います。」

NEKO:「やはり、自分の地元、ノースカロライナにまで、水雲-MIZMO-の曲が伝わるようになったらいいですね。きっと、世界を制覇しているような気分になると思います……。」

「あの……、日本をすごく好きな海外の方にとっては、日本の心がものすごく感動的で、暖かくて、すごくいい価値観を持っていると感じています。私はアメリカ人ですし、いろんな人と出会ったりして、いろんな国にも行ったことはあるんですけど、本当に、この世界の中にないものを日本が持っていると思うので、その “日本の心” を、水雲-MIZMO-の歌に乗せて、世界の人たちに届けていけたらなぁと思います。この「水雲-MIZMO-」という演歌のグループは、世界にひとつしかないので、いろんな人たちとの架け橋になれたらいいなと思います。」

 実際、オフィシャル YouTube にアップロードされている、オリジナル曲の『米〜kome〜[海外バージョン]』や、クイーンのカバー『ボヘミアン・ラプソディ』などは、まさに、世界の人たちに向けた作りになっている。

 日本のマンガやアニメを通して、日本の文化に世界的な注目が集まっている中、「水雲-MIZMO-」の3人が、今のように、きれいな正三角形のようなバランスで進化してゆくことができれば、海外での活躍も期待できる。

 ちなみに、メンバーの誕生日には、3人で食事会をするらしいが、NAO は アフタヌーンティー、NEKO は 和食、そして、AKANE は 食べ放題と決まっているようだ……。最近、NEKO の誕生日には豆腐料理を、AKANE の誕生日にはシュラスコの食べ放題に行ったらしい……。


(取材日:2020年10月19日 / 取材・文:西山 寧)


ドジャース スタジアム での 国歌斉唱

MIZMO
LOS ANGELES, CA – May 18, 2017 at Dodger Stadium in Los Angeles, California.
Los Angeles Dodgers / Jon SooHoo and Jill Weisleder


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イラストは AKANE。



水雲-MIZMO- シングル・ディスコグラフィー

1st Single「帯屋町ブルース」MV (2017年9月6日発売)

1st Single カップリング「米~kome~ [海外バージョン]」 MV (2017年9月6日発売)

2bd Single「みれん節」 MV (2018年6月13日発売)

3rd Single「泣いちゃえ渡り鳥」MV (2019年7月17日発売)


水雲-MIZMO- YouTube

水雲-MIZMO- 国歌斉唱 Los Angeles Dodgers Stadium 2017年5月18日

「Bohemian Rhapsody」 Queen 水雲-MIZMO- (Cover)

水雲-MIZMO- カバーミニアルバム・2タイトル同時発売 (2018年11月7日発売)