民謡出身! 細川たかしの一番弟子! 明るい響きの歌声が切ない、マイナー調の本格演歌! いろんなことがわかる ロングインタビュー! -MUSIC GUIDE ミュージックガイド

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民謡出身! 細川たかしの一番弟子! 明るい響きの歌声が切ない、マイナー調の本格演歌! いろんなことがわかる ロングインタビュー!

MUSICGUIDEから最新情報をお知らせします。

インタビューの最後に、プレゼント情報あり!(応募法掲載しました)


Mori Konomi

杜このみ

9th Single 「郷愁おけさ」


★ 細川たかしにスカウトされ、2013年「三味線わたり鳥」でデビュー!
★ 民謡では師範! 小学6年生で民謡日本一!
★ 明るい響きの、言葉が耳に残る「伝わる歌声」
★ 新曲「郷愁おけさ」は、マイナー調の本格演歌!
★ カップリング「云わぬが花よ」は、優しいメジャー調3拍子の曲!



杜このみ 「郷愁おけさ」

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「云わぬが花よ」歌詞を見る!



リリース情報


杜このみ「郷愁おけさ」
CD シングル 通常盤

2020年6月17日発売
TECA-20029
¥1,350(税込)
テイチクエンタテインメント

<収録曲>
M-1. 郷愁おけさ (作詞:久仁京介/作曲:四方章人/編曲:南郷達也)
M-2. 云わぬが花よ (作詞:久仁京介/作曲:四方章人/編曲:南郷達也)
M-3. 郷愁おけさ ーオリジナル・カラオケー
M-4. 郷愁おけさ ーメロ入りカラオケー
M-5. 云わぬが花よ ーオリジナル・カラオケー


杜このみ 「郷愁おけさ」
CD シングル DVD付

2020年6月17日発売
TECA-20030
¥1,550(税込)
テイチクエンタテインメント

<CD 収録曲>
M-1. 郷愁おけさ (作詞:久仁京介/作曲:四方章人/編曲:南郷達也)
M-2. 云わぬが花よ (作詞:久仁京介/作曲:四方章人/編曲:南郷達也)
M-3. 郷愁おけさ ーオリジナル・カラオケー
M-4. 郷愁おけさ ーメロ入りカラオケー
M-5. 云わぬが花よ ーオリジナル・カラオケー

<DVD 収録内容>
T-1. 郷愁おけさ  (ミュージックビデオ)
T-2. 特典映像 (郷愁おけさ MV メイキング映像)


杜このみ テイチクエンタテインメント

杜このみ オフィシャルサイト

杜このみ オフィシャルブログ「杜このみ enjoy life」


「郷愁おけさ」歌詞を見る!

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「ネットサイン会 」6月21日(日)開催!

杜このみ ニューシングル「郷愁おけさ」発売記念 ネットサイン会

テイチクオンラインショップにて「郷愁おけさ」ネットサイン会対象商品の購入者を対象に、「郷愁おけさ」DVD付(TECA-20030)のジャケットにサイン。
ネットサイン会の模様は、YouTube にて生配信されます。

開催日時: 2020年6月21日(日)12:00~(終了時間はサイン終了まで)
予約期間: 2020年6月06日(土)12:00 ~ 6月18日(木)23:59

詳しくはコチラ! テイチクオンラインショップ

やってみたら簡単!はじめてのネットサイン会に参加しよう!



杜このみ ワンショット撮影会

演歌店応援キャンペーン! 「杜このみ ワンショット撮影会」

対象店舗にて予約・購入しすると、先着で、『杜このみ ワンショット撮影会』参加券がもらえる。(各店共に枚数に限りがあります)
札幌、埼玉、東京、愛知、三重、大阪の対象店舗。

<撮影会 開催日程>
8月14日(金)大阪府内某所予定  12:00~15:00 終了予定
8月21日(金)名古屋市内某所予定 12:00~15:00 終了予定
8月27日(木)札幌市内某所予定  13:00~15:00 終了予定
8月31日(月)東京都内某所予定  11:00~15:00 終了予定

対象店舗等、詳しくはコチラ!(TOPICS -最新情報-)



杜このみ ロング・インタビュー

 杜このみは、本当に魅力的な歌声をしている。言葉が耳に残る「伝わる歌声」だ。

 杜このみの歌との出会いは、2013年5月21日、出張先の熊本市内の蕎麦屋だった。夜の8時ごろ、ひとりでうどんを食べていると、店内の有線放送から聴こえてきたのが、軽快なリズムと明るいメロディに乗った、爽やかで明るく伸びやかな歌声……「♪だめで もともと ええじゃないか〜」。

 「なんてキラキラした明るい響きの歌声だろう……」自然と、うどんをすする手が止まり、フルコーラス聴きいってしまった。3コーラス目の「♪あおぐ夜空に 明日がある〜」では、なぜか涙が出そうになったことを鮮明に覚えている。すぐにネットで調べると、それは、その翌日、2013年5月22日発売の、杜このみという歌手のデビュー曲『三味線わたり鳥』だと知った。

 杜このみは、歌声のトーンが明るく、明瞭な子音と、語尾の母音の明るい響きで、言葉がよく伝わってくる。若々しく勢いのあるフレッシュな歌唱で、歌のリズムの取り方も、実に心地よい。CDを買って初めて聴いた時には、多くの演歌歌手とは全く違うリズムのノリ方に、「この人は、きっとノリの良いポップスを歌ってもうまいだろうな……」とも思った。

 民謡出身だけあって、キラキラしたクリスタルのようなハリのある高音と、自然なコブシも魅力的だ。
 あれから7年が経つが、今でも、杜このみの『三味線わたり鳥』を聴くと、元気になれる……。

 杜このみは、幼い頃より地元の札幌で民謡を歌い始め、民謡の王様とも言われる『江差追分』の全国大会では、小学6年生の時に日本一になるなどし、2011年には、小路(こうじ)流民謡道で師範にもなっている。
 18歳の時に、同じ北海道出身で、同じく民謡を歌う細川たかしにスカウトされ、24歳でデビューした。
 
 ソロのシングルとしては通算9枚目となる『郷愁おけさ』は、久しぶりのマイナー調の本格演歌。民謡調の雰囲気もあって、杜このみの歌声の良さが出る楽曲だ。
 デビュー曲『三味線わたり鳥』のころからの魅力、若々しいツヤのある歌声はそのままに、今作では、より柔らかく、響きもより豊かになったことで、表現の幅も大きく広がったように感じる。杜このみの歌声で『郷愁おけさ』が心に染みる。

 何十年も歌ってきたベテラン歌手には、その年を重ねなければ持ち得ない説得力があるが、若い歌手は、そういう風に歌うべきではないと思う。若いうちは、等身大で、その若さを武器にして歌うべきだと思う。
 まだ30歳(7月には31歳になるが)、本当に将来が楽しみな歌手だ。

 昨年、髙安関との婚約発表で話題となったが、(辞めないとは思うが)歌手は続けてほしいと思う。
 あと30年くらいは、杜このみの歌を聴いていたい。


<もくじ>
Ⅰ  新曲『郷愁おけさ』 〜「やり直しになる事もあります…」〜
Ⅱ  カップリング『云わぬが花よ』 〜「キュンとなりました…」〜
Ⅲ 民謡が大好き「江差追分全国大会」 〜「号泣でした…」〜
Ⅳ 細川たかしからスカウト 〜「丁重にお断りしようと…」〜
Ⅴ  デビュー前はバンド活動も 〜「今でも大好きな1曲です…」〜
Ⅵ 細川たかしの無茶振り 〜「自信に繋がった収録でした…」〜
Ⅶ 故・野村克也氏も応援! 〜「お母さんの方が上手いな…」 〜


「郷愁おけさ」レコーディング風景

Ⅰ  新曲『郷愁おけさ』 〜「やり直しになる事もあります…」〜

 ソロのシングルとしては通算9枚目となる『郷愁おけさ』は、2015年の3枚目のシングル『追分みなと』と、続く2016年の4枚目のシングル『鴎の海峡』以来となる、マイナー調の本格演歌。民謡調の雰囲気もあり、杜このみの歌声の良さが出る楽曲で、作詞:久仁京介、作曲:四方章人のコンビによる作品だ。

 演歌歌手の場合、その多くが、作曲家や作詞家に弟子入りすることでプロになるため、デビュー後も、最初のうちは、その師匠による作品を歌うことが多い。しかし、杜このみの場合、師匠が歌手であるため、そのパターンには当てはまらない。

 デビュー曲から3枚目のシングルまでは、聖川湧が作曲しているが、作詞家は毎回違っている。4枚目以降は、作曲が、桧原さとし、徳久広司、弦哲也、岡千秋、市川昭介、作詞も、石原信一、麻こよみ、仁井谷俊也、坂口照幸らというように、シングルごとに毎回違う。
 師匠の細川たかしとディレクターとで決めているようだが、歌う杜このみとしては、「慣れたいつものメンバー」ということにはならないため、毎回、良い緊張感の中でレコーディングが出来るのではないかと思う。毎回チャレンジになるが、それも、師匠の親心なのだろう。
 逆に考えると、毎回、作家としては「杜このみへの初めての提供曲」を書くことになるため、「それぞれ作家が杜このみの良さをどう引き出すのか?」を見ることもできる。
 ロングヒットとなった「♪来る 来ない…」が耳に残る『残んの月』や、岡千秋が作曲した『花は苦労の風に咲く』など、結果的に、シングル曲は、どれもいい。

 「師匠はスケジュールが合えばレコーディングに来る……という感じです。来れない時は、必ず、すぐに録音した歌を聴いて下さいます。場合によっては、”もうひとつ、こぶしを入れようか!” と、レコーディングがやり直しになる事もありますけど……(笑)。」

 『郷愁おけさ』は、そうは聴こえないが、いざ歌おうとすると、実は難しい歌だ。加えて、これまでになかったタイプの曲だけに、新しいチャレンジングな曲になる。だが、本人は、いたって前向きで、明るい。

 「最初、聴いた時には、音域が広く、本格的な演歌なので、歌い甲斐ががありそうだなぁ!と思いました。」

 「もしも、自分がこの曲を聴く側だったら、どんな表現が心地良いかなぁ?と想像して、いろいろな唄い方や、こぶしのパターンもいくつも録音して聴いてみて、ディレクターさんと相談しながら歌い方を決めていきました。」

 毎コーラスの最後の「眠れない」「秋しぐれ」「幸せを」は、コブシの感じも張った声の感じも魅力的で、かつ、語尾の切り際は、やさしい感じに丁寧に処理されていて、余韻が心地よい。また、「おけさ踊りの三味の音が」「娘ざかりはすぎました」「甘い夢など見ないけど」は、やさしく語るように歌っていたりと、これまで以上に演出的にいろいろと工夫されている気がする。
 とくに、1番の「♪三味の音(ね)が〜」の「がぁ〜」の母音の明るい響きが印象的だ。

 「ありがとうございます! レコーディングの当日、歌い始めの “佐渡は四十久里〜” を力強く歌うことをディレクターさんから指導して頂きました。あと、作詞の久仁先生からは、”来いと云うたとて行かりょか佐渡へ” の部分を、印象的になるように、あえて難しい歌詞にしたので、ハッキリと発音するようにと、ご指導頂きました。」


Ⅱ カップリング『云わぬが花よ』 〜「キュンとなりました…」〜

 今回、カップリング曲の『云わぬが花よ』も、『郷愁おけさ』と同じく、作詞:久仁京介、作曲:四方章人のコンビニよる作品だ。『云わぬが花よ』は、メジャー調のゆったりした3拍子の曲で、語るような歌唱が心に染みるやさしい感じの曲。

 「恋の歌で、歌詞の表現がとても切ない曲です。女性の恋心が可愛らしく描かれていて、素敵だなぁ〜と思いました。なので、歌い上げるというよりは、主人公の女性の心の中の溢れる思いを、優しく表現するように気をつけて歌いました。」

 2曲、『郷愁おけさ』と『云わぬが花よ』は、全くタイプの違う曲だが、結果的に、杜このみのいろいろな魅力が引き出されている。

 「作詞の久仁先生と、作曲の四方先生のお二人から、”こんなに“この人だからこそ歌える”と思った作品に巡りあうことは少ないから、大切に歌っていってね!” と言って頂けたのがとても嬉しくて、有り難かったです。そのお言葉に見合うように、しっかりと歌わせて頂きたいと、気合いが入りました!」

 「今回、カラオケがお好きな皆様に、是非、挑戦して頂きたい本格演歌になりましたので、歌自慢な皆様、挑戦してみてください!」

レコーディングスタジオにて作家と先生方と

 それぞれの曲で、お気に入りの歌詞を聞いてみた。

 「『郷愁おけさ』では、”娘盛りはすぎました” という歌詞が、グサリと刺さりました(笑)。久仁先生に、”私も、娘盛り過ぎましたか?” と、お聞きしたら、無言で笑っておられました……(笑)。

 「『云わぬが花よ』の方では、”恋はしてみてわかるもの 傷つくほどに あの人好きよ” という歌詞の部分が、初恋の時の、別れて初めて知る気持ちを思い出して、キュンとなりました……。」


1歳半のころ、すでにマイクを持つ杜このみ

Ⅲ 民謡が大好き「江差追分全国大会」 〜「号泣でした…」〜

 杜このみは、幼いころから民謡を習っていた。習わされていたとかではなく、民謡が好きになり、自分から習いたいと言ったようだ。

 「2歳ごろから、”NHK のど自慢” を見ていて、民謡で出演している人の物真似をしていたみたいです。きっと、着物を着ている女性を見て、憧れていたんだと思います。」

 やがて、尺八奏者として有名な小路(こうじ)流三代目家元の故・松本晁章(まつもと ちょうしょう)が主宰する民謡教室に通うようになる。厳しいことで有名な人だ。

 「4歳で正式に入門し、上京しても、時々、お稽古に通わせて頂いていました。師匠は今でも天国でしっかり練習しているかチェックして下さっているように感じます。」

ステージで民謡を歌う杜このみ、5歳ころ。

 小学校に入ると、「KING OF 民謡」とも言われる『江差追分』の全国大会「江差追分 少年全国大会」に出場するようになる。

 「初めて出場した小学1年生の時には、息が続かなく切ってしまい、号泣してしまいました……。」

 それほどまでに悔しかったし、それほどまでに民謡が好きだった。

 その後、「江差追分 少年全国大会」には毎年挑戦し、小学4年生からは、3位、2位と徐々に順位を上げ、小学6年生の時、平成13年(2001年)の「第5回 江差追分 少年全国大会」では、ついに優勝を果たし、日本一民謡のうまい小学生となった。

 「初出場の小学1年生の頃から、ずっと優勝旗を手にする事を夢みて頑張ってきました。」

 多くは語らないが、相当、厳しい練習をしたのだろう。
 しかし、『江差追分』の全国大会には、小学生を対象とした部門と、高校生以上が対象の一般の部しかなく、中学時代には。大会に出場することは出来なかった。高校生になり、今度は、「江差追分 全国大会」一般の部に挑戦することになる。

 「中学3年間のブランクをあけて、初めて出場した一般の部では、予選で不合格。厳しさを痛感しました……。イチから猛練習に励んで、高校3年の時には10位に入賞しました。高校を卒業してからも、毎年、出場していて、最高位は3位です。」

 「でも、デビューが決まってからは、大会に出場しないで欲しいということを、レコード会社の当時のプロデューサーさんにお願いされ、号泣しました……。でも、今は、しっかりと与えられた状況の中で、新たな目標を目指して頑張っています!」

 さすがに、一般の部はハイレベルだったようだが、高校卒業後、デビューまでの5年間で4位が2回、デビュー前の年、最後の挑戦となった2012年「第50回記念 江差追分 全国大会」での3位は、たいしたものだ。それよりも、4歳からはじめて、小学校の6年間と、高校からの8年間出場を続けた大会で、優勝することなく出場を断念せざるをえなかったことは、さぞ悔しかっただろう。
 しかし、昨年、2019年の1月、札幌で行われた「江差追分 札幌コンサート」には、ゲスト歌手として招かれ、持ち歌と、『江差追分』のさわりを一節歌うことができたことは、感慨深かったに違いない。

 もちろん、いまでも民謡は好きで、2015年発売の3枚目のシングル『追分みなと』のカップリングとして『江差追分』の前唄が、続く、2016年発売の4枚目のシングル『鴎の海峡』のカップリングには、『秋田長持唄』と『津軽じょんから節』が収録されている。

 「とくに好きな民謡は『江差追分』『浜小屋おけさ』『津軽よされ節』『津軽じょんから節』です。」


Ⅳ 細川たかしからスカウト 〜「丁重にお断りしようと…」〜

 そもそも、歌手になろうと思ったのは、いつ頃だったのだろう?

 「子供の頃から、民謡の先生になることが夢だったので、歌手になりたいとは一度も思ったことはありませんでした。それよりも、素晴らしい日本の民謡を全国に広めたいと、強く思っていました。」

 「師範を獲得するには試験に合格しなくてはいけなくて、何年もかかるので、大学に進学して、元々興味のあった経済学を学びながら、師範を目指そうと思っていました。」

 2007年、高校3年の18歳の時に、NHKの公開収録番組「それいけ!民謡うた祭り」(現在の「民謡魂 ふるさとの唄」)に、地元出演者として出演した。たまたま、その番組を見ていた細川たかしが、「歌手にならないか?」と声をかけたことが、現在の師匠である、細川たかしとの出会いだった。

 「民謡の先生になる為に歩んでいたので、進路を変更しようとは思いませんでした。その時は、丁重にお断りしようと思ってました。」

 実際、それまで演歌はあまり聴いたこともなく、民謡以外では、普通の高校生と同じくポップスを聴いていた。

 「父の影響で、松山千春さんは、ずっと聴いていました。今でも大好きなアーティストです。ポップスも大好きで、個人的には、Superfly さんや、椎名林檎さんなど、個性的な歌声が大好きです。」

 「当時、他には、レベッカさんとか……。あと、ブラジルに行ってボサノバを聴いた影響でハマったり、イタリアでオペラを観た影響でプッチーニ『マダム・バタフライ』が大好きになってCDを集めたりと……、とにかく色々と影響を受けやすいタイプでした(笑)。師匠と出会う前までは、演歌はほとんど聴いたことがありませんでした。」

 一度は、「丁重にお断りしよう」と思っていた細川たかしからの誘いだったが、その後、気持ちを変えさせる瞬間があった。

 「歌手になろうと思ったのは、師匠の単独コンサートを観させて頂いた時、民謡と演歌、どちらも歌われていて、感動した時です。」

 細川たかしのステージは圧倒的だ。しかも同郷で、民謡を歌う。しかし、その時、東京の大学に進学も決まっていた。

 「その時、父が、”これも運命的なものだから、ご縁を大切に、進学せずに演歌の道に進んでみては?” と、アドバイスをくれました。でも、本当に決心するまでは、そこから何年もかかりました……。」

 この時点で、まだ確信はなかったが、進学も上京もやめて、地元の札幌で民謡を続けながら、細川たかしの指導を受け、演歌歌手の道も模索することになる。

 「時々、師匠のご自宅のスタジオで、ご指導頂きました。何ヶ月かに1度の時もあれば、2年以上連絡がない時もあったり……(笑)。」


Ⅴ デビュー前はバンド活動も 〜「今でも大好きな1曲です…」〜

 18歳の時には、続けていた民謡に加えて、津軽三味線もはじめた。

 「もともと習いたいと思っていたのですが、松本師匠から、『江差追分』が中途半端になってしまうからダメと止められていたんです。でも、18歳の時、そろそろ習ってもいいけど、そのかわり、日本一の先生にきちんと習いなさい!と言われ、青森県の福士豊勝 師匠を紹介して下さり、毎月1度、青森まで通っていました。」

 高校卒業後、24歳でデビューするまでの約5年間、民謡を続け、毎年「江差追分全国大会」にも出場し、津軽三味線も習い、時々、細川たかしの指導を受けていた。そんな中、2011年には、ついに「小路(こうじ)流民謡道」で師範となった。
 また、同じ2011年、21際のころからは、札幌でバンドのボーカリストとしても活動していた。バンドと言っても、いわゆるロックバンドではなく、津軽三味線、和太鼓、ジャズピアノに杜このみのボーカルという、道産子4人による、北海道の音楽をルーツにした「Ezo’n」(エゾン)というバンドだった。

 「当時、民謡のコンサートで、よくご一緒させて頂いていた津軽三味線の新田昌弘さんから、”バンドを組まないか?” と声をかけて頂いたのがきっかけです。師匠(細川たかし)からは、民謡の活動は続けて良いと言われていたので、バンドの活動も本格的に頑張っていました。」

 バンドは、地元、北海道の新聞等でも紹介され、その独自の音楽性も高く評価されていた。誰もが知るポップスのカバーも演奏していたが、ポップスのオリジナル曲で『コトバヲコエテ』という実にいい曲もある。杜このみのボーカルも魅力的で、ぜひ、また歌ってほしいものだ。

 「ありがとうございます! “Ezo’n”は、新しいボーカルの方が入って活動されているので、今のところカバーの予定はありませんが、とても素敵な曲で、今でも大好きな1曲です。」

 また、2013年には、あのニューヨークのカーネギーホールで歌ったこともある。

 「尺八奏者の林成道さんからお声をかけて頂き、日本の民謡を世界で知ってもらう趣旨のコンサートに唄い手として参加させて頂き、5〜6曲歌わせて頂きました。とても貴重な経験ができたと感謝しています。」

 そして、そのカーネギーホールでのコンサートの間際に、デビューが決まった。

 「ちょうど、ニューヨークでのコンサートを間近に控えていた頃に、現在の事務所の社長から “今すぐ東京に来るように!” と連絡を受けました。お願いして、コンサートを終えるまで待ってもらい、帰国後、すぐにスーツケースを入れ替えて上京しました。」

札幌のスープカレー

 東京での生活も8年になるが、もちろん、ふるさと札幌は、いいものだ。

 「札幌は街も充実して買い物もしやすいですし、車で少し走ると雄大な景色が広がるところです。心穏やかにゆったりと過ごすことが出来る場所です。」

 「札幌では、スープカレーの『侍』というお店が大好きです! 下北沢にも店舗がありますが、地元で食べるスープカレーは、やっぱり格別です!」

 「それと、シャイな人が多いですが、みんな自分の事よりも、人の幸せを願う優しい気質です。」


デビューのころ、師匠の細川たかしと「三味線わたり鳥」のポーズ。

Ⅵ 細川たかしの無茶振り 〜「自信に繋がった収録でした…」〜

 こうして、2013年5月22日『三味線わたり鳥』でデビューとなる。

 「デビュー曲は、8曲の候補曲を用意して頂いていましたが、明るくてハツラツとした雰囲気の『三味線わたり鳥』が新人の杜このみにピッタリだ!と、スタッフのみなさんの意見も一致して決まりました。」

 デビューにあたっては、それまで長かった髪をバッサリ切ってショートカットになった。

 「細川たかし師匠と奥様が、新人らしく明るく元気にショートカットでデビューしよう!と提案して下さり、腰まであった髪を30cm以上カットしました。それまでは、ずっとロングだったので、ショートにも憧れがあり、迷わず、すぐに切りました!」

 デビュー後、その若々しく溌剌とした歌唱に加え、キュートなルックスもあり、様々なテレビ番組にも出演している。歌番組などでは、歌ったことのないカバー曲を歌わなければならないことも多い。
 オリジナルの持ち歌は、プロである以上、うまく歌えて当然だ。しかし、カバー曲を歌った時に、もちろん、そこには相性もあるが、その歌手の実力が見えることもある。

 「”新・BS日本のうた” で、師匠の名曲『北緯五十度』に挑戦させて頂いた時、とても音域が広く苦戦しました……。でも、大好きな曲なので、何度も練習して本番に挑みました。貴重な経験になりましたし、自信に繋がった収録でした。」
 (「新・BS日本のうた」2017年11月09日 佐賀県武雄市収録回、2017年11月26日初回放送)

 細川たかしの名曲『北緯五十度』は、誰が聴いても「歌うのは難しい」と思う曲だが、見事に歌ってみせた。
 また、師匠の細川たかしと出演したあるイベントでは、ステージ上で、師匠からいきなり「お前が歌え!」と言われて、細川たかしが歌う予定だった『真室川音頭』を、リハーサルなしに、キーも合わないはずなのに、これも見事に歌いきったという豪快なエピソードもある。明るく前向きな性格で、思い切りもよく、度胸もある。

 「ピンチはチャンス! 師匠がこれまでくださった数々の無茶振りも、自分にとっての素晴らしい経験のひとつとして、有り難くお受けしています!(笑)」

 「でも、普段の師匠は、とても優しくて、誰に対しても温かく気遣いを忘れない方です。」

 カバー曲と言えば、2014年に発売されたアルバム『いろはにほへと』には、カバーが8曲収録されており、ほかにもシングルのカップリングで『真赤な太陽』『時の流れに身をまかせ』『おさらば故郷さん』なども歌っている。

 「カバー曲は、全てディレクターさんが決めてくれています。でも、唯一、『時の流れに身をまかせ』だけは、マネージャーさんとカラオケに行って歌った時に、”いいね!このみに合ってると思う!” と言って頂いたことがきっかけでした。レコーディングの時、ディレクターさんには、”新しい杜このみの魅力を見つけた” と言っていただけたことが印象的でした。」


2013年、ソフトバンクホークス vs 楽天イーグルス戦で杜このみが
「君が代」を独唱。その後、故野村克也氏と(ヤフオクドーム)

Ⅶ 故・野村克也氏も応援! 〜「お母さんの方が上手いな…」 〜

 杜このみの実家は酒屋だが、本人は全く飲めない。

 「はい! 下戸です! 酒屋をはじめた祖父から、”酒は飲むもんじゃねぇ!売るもんだ!” と、教わり育ちました……(笑)。ですが、そう教えてくれた祖父は、私よりも下戸で、お酒の匂いを嗅いだだけで、フラフラです(笑)。」

 師匠の細川たかしが酒好きなのは有名だ。しかも、「♪生ビールが〜 あるじゃないか〜」と歌われる細川たかしの『応援歌、いきます』のリメイク版『新・応援歌、いきます』を、2018年に「細川たかし&杜このみ」名義でデュエットしている。

 「師匠は、”飲まなくていい! 俺がその分飲むから!」と、いつも言って下さいます(笑)。」

 ところで、杜このみと言えば、デビューのころから、故・野村克也氏がファンを公言し、応援していたことでも知られる。

 「大好きな、大好きな、野村克也さんが亡くなった事、本当に悲しかったです……。野村監督とは、恋愛相談もする仲でした(笑)。」

 「今でも忘れられない野村監督の言葉は、家族でカラオケに一緒に行かせてもらった時に、”このみより、お母さんの方が上手いな” です ……(笑)。」

 「あと、”一度の人生、誰かに気をつかって終えるのではなく、自分がどうしたら幸せになれるかを考えなさい” と、よく言って下さいました。」

 杜このみは、さわやかな着物姿がよく似合うが、私服もお洒落で、ガラリと雰囲気を変えるなど、バリエーションも豊富だ。

 「ありがとうございます! いつも展示会にお邪魔させて頂いる「SNIDEL(スナイデル)」とか「FRAY I.D(フレイ アイディー)」 をよく着ています! その他にも「JILL by JILLSTUART(ジル バイ ジルスチュアート)」も女の子らしくて大好きです!」

 去年は、髙安関との婚約を発表して話題となったが、それ以降、何か変わったことはあるか聞いてみた。

 「とにかく、お相撲さんなので、ご飯の量も桁違いです。私もつられて食べてしまうため、太りました ……(泣)。」

 この自粛期間中は、どう過ごしていたのだろう?

 「毎日、たくさんのお料理を作りました! これまで、家で過ごす時間はほとんどなかったので、とても幸せな毎日を過ごしました!」

 最後に、今後の目標を聞いてみたい。

 「海外での公演も、また経験したいですし、たくさんの方に、演歌と民謡の魅力を伝えて行きたいと思います。」
 「それと、天国に旅立たれた、松本師匠、奥様の津和子師匠のように、夫婦で大好きな音楽にまみれて生活したいです。」
 「とにかく、8年目も笑顔で楽しく過ごして行きたいと思います! 今後ともよろしくお願いします!」


(2020年6月2日 / 文:西山 寧)

写真提供:(株) 細川たかし音楽事務所


杜このみ 歌詞一覧

MUSIC GUIDE「注目歌手カタログ」杜このみ



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杜このみ シングル ディスコグラフィ / ミュージックビデオ(YouTube)

1st Single 『三味線わたり鳥』2013年

2nd Single 『のぞみ酒』2014年

3rd Single 『追分みなと』2015年

4th Single 『鴎の海峡』2016年

5th Single 『残んの月』2017年

6th Single 『くちなし雨情』2018年

7th Single 『花は苦労の風に咲く』2019年

8th Single 『王手!』2019年