今月の編集部オススメ! 石原詢子 インタビュー! 〜 古内東子が書き下ろした極上ポップス! 大人のバラード! -MUSIC GUIDE ミュージックガイド

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今月の編集部オススメ! 石原詢子 インタビュー! 〜 古内東子が書き下ろした極上ポップス! 大人のバラード!

今月の編集部オススメ! 石原詢子 インタビュー! 〜 古内東子が書き下ろした極上ポップス! 大人のバラード!


インタビューの最後に、読者プレゼントあり!

Ishihara Junko

石原 詢子

Single「ただそばにいてくれて」

★ 紅白出場の演歌歌手・石原詢子の最新シングルはポップス!
★ 古内東子が書き下ろした、大人の極上バラード!


★ やわらかい響きの歌声で、言葉が心に染みる!
★「ありがとう」の想いが伝わるやさしい歌!


★ カップリングも古内東子による名バラード!
★ デビュー34年目、40作目のオリジナルシングル!


 1988年、アイドル歌手のようなビジュアルながら演歌を歌う「元祖・演ドル」として、シングル『ホレました』でデビューした石原詢子。
 
 1994年の『三日月情話』が第27回日本作詩大賞優秀作品賞を受賞、翌1995年『夕霧海峡』がヒットそして、1999年『みれん酒』がロングセールスとなり、翌2000年にNHK紅白歌合戦初出場。2003年にも「ふたり傘」でNHK紅白歌合戦出場。今年、デビュー34年目に入った。
 
 2021年5月19日発売、石原詢子の新曲『ただそばにいてくれて』は、名バラード『誰より好きなのに』などで知られるシンガーソングライター古内東子が作詞作曲、数々の楽曲や映像作品の音楽を担当する河野伸の編曲により生まれたポップス調の大人のバラード。
 
 王道演歌の前作『ひとり酔いたくて』とはガラリと変わって、石原詢子にとっては「新境地」とも言えるただそばにいてくれて』は、石原詢子 自らが、古内東子にラブコールを送り実現した。
 
ストリングスが美しい、王道ポップスの感動的な大きなバラードで、ポップでキャッチーな耳に残るメロディーに、「そばにいてくれて ありがとう……」という身近な人への気持ちが、やわらかくやさしい明るい響きの歌声で、心に染みてくる。
 
 また、「私の話つまらないでしょう」から始まるカップリング曲の『ひと粒』も、古内東子による書き下ろし。より古内東子らしさを感じる、静かに心に染みてくるような名バラードで、何度も聴きたくなるような歌。石原詢子の語るような歌唱で言葉が伝わってくる。
 
『ただそばにいてくれて』のミュージックビデオ「イメージ&リリックビデオ」には、飼っている 2匹の兄妹猫「だいず」と「きなこ」も登場。コロナ禍で先が見えない不安の中、多くの人が家族や友人の大切さをあらためて感じたように、昨夏から飼い始めた「だいず」と「きなこ」の存在は、彼女の大きな心の支えになったという。

また、5月19日 (水) に、「ただそばにいてくれて」のミュージックビデオ(ショートバージョン)も公開となった。

新ミュージックビデオでは、4組の愛する人との日常にスポットを当て、そばにいてくれることがあたりまえすぎて気付かなかった大切な存在、家族や、友人、恋人など、それぞれの日常にある「幸せの瞬間」を切り取った写真で構成されている。

さらに、このミュージックビデオで登場した4組の出演者たちを主人公にした「ただそばにいてくれて、ありがとう」をテーマにしたドキュメント編が、5月26日(水)から、4週にわたって毎週順次公開されている。

ミュージックビデオ(ショートバージョン)/ キャスト
石原詢子
今野達也・瞳・晴登・結仁
鎌田彩樺・坂本奈央
高橋陽介・千瑛子
Hotdog Cafe Umie(祐史・京子)
だいず・きなこ(石原家に同居する猫)


石原詢子『ただそばにいてくれて』イメージ&リリックビデオ

石原詢子「ただそばにいてくれて」 Music Video (ショートバージョン) 2021 /5/19 公開

ドキュメント編が、5月26日(水)から、4週にわたって毎週順次公開!


第1弾【Spin-off MV】5/26 公開
石原詢子『ただそばにいてくれて』 Case.1 生まれてくれてありがとう
出演:今野さんご家族(達也さん、瞳さん、晴登くん、結仁くん)

第2弾【Spin-off MV】2021/6/2 公開
石原詢子『ただそばにいてくれて』 Case.2 独身農家に訪れた春
出演: 高橋陽介・千瑛子ご夫妻

第3弾【Spin-off MV】2021/6/9 公開
石原詢子『ただそばにいてくれて』 Case.3 高校二年生の放課後
出演: 鎌田彩樺さん、坂本奈央さん

第4弾【Spin-off MV】2021/6/16 公開
石原詢子『ただそばにいてくれて』 Case.4 二人で作る幸せの味
出演: Hotdog Cafe Umie 祐史さん、京子さんご夫妻

『ただそばにいてくれて』歌詞を見る

『ひと粒』歌詞を見る



リリース情報

石原詢子 「ただそばにいてくれて」
シングル CD / CASSETTE
2021年 5月19日 発売
CD MHCL-2901 ¥1.300(税込) 
CT MHSL-41 ¥1.300(税込)
AC Label / Sony Music Direct

<収録内容>
M1 ただそばにいてくれて (作詞:古内東子、作曲:古内東子、編曲:河野 伸)
M2 ひと粒 (作詞:古内東子、作曲:古内東子、編曲:河野 伸)
M3 ただそばにいてくれて (オリジナル・カラオケ)
M4 ひと粒 (オリジナル・カラオケ)

予約・購入特典 特設サイト

各配信サイト


石原詢子 ソニーミュージック

石原詢子 オフィシャルサイト


石原詢子 ソニーミュージック 公式 YouTube

石原詢子 公式 YouTube「詢ちゃんねる」


MUSIC GUIDE「注目歌手カタログ」石原詢子

石原詢子 歌詞一覧



配信ライブ情報

石原詢子 インスタライブ
2021年 5月13日(木) 19:00〜(予定)
石原詢子 インスタグラム

視聴方法等、詳細はコチラ!


石原詢子 YouTube 生配信
新曲「ただそばにいてくれて」発売当日!スペシャル生配信
2021年 5月19日(水) 19:30〜(予定)
石原詢子 公式 YouTube チャンネル「詢ちゃんねる」

視聴はコチラ!




石原詢子 新曲 インタビュー


■ ポップス調、極上の大人のバラード、古内東子が提供した『ただそばにいてくれて』
  〜 身近にいる大切な存在に「ありがとう」の気持ちを伝えられるメッセージソングを歌いたい 〜

ーー 最新シングル『ただそばにいてくれて』『ひと粒』は、『誰より好きなのに』などのヒットでも知られるシンガーソングライター古内東子によるポップスの王道バラードです。そもそも、どういうきっかけで、こういうポップスの曲になったのでしょうか?
 
実は、デビュー25周年を過ぎた頃から、もっと“歌の幅を広げたい”と考えていました。これまでもポップスを収録したカバーアルバムも発売させていただいたこともあるのですが、誰もがコロナ禍で先の見えない不安を抱えている中で、今だからこそスタイルにこだわることなく歌えることがあるのではないかと思いました。様々な立場、様々な状況で今もなお不安を感じている多くの方々の気持ちに寄り添えるようなメッセージを届けたいという思いが生まれたのがきっかけです。
 
ーー「新たなこれからの石原詢子を見せていきたい」ともコメントされてましたが、今作で方向転換ということではなく、これをきっかけに「ジャンルにかかわらず、歌の幅を広げていく」ということですね?
 
「演歌」は、石原詢子を作り上げたゆるぎない基盤です。それは今後も変わりません。
これからは、今まで以上にたくさんの方々に、私の「歌」を身近に感じていただけるように、今だから伝えられる、今しか伝えられない思いを歌っていきたいと思います。
 
ーー 古内東子さんに楽曲提供を依頼されたのは、石原詢子さんご自身の意見だったのでしょうか?
 
スタッフと打ち合わせをしていく中で、私から古内東子さんにお願いしたいと提案させていただきました。
同じ女性で、同世代を生きた古内さんに、私と同じ目線でリアルな楽曲を提供していただきたいと思いました。
 
ーー もともとお好きで聴かれていたのですね。古内東子さんの曲で、とくに好きな曲をいくつか教えてください。
 
『時間を止めて』『雨降る東京』『誰より好きなのに』『カサノバ』『簡単に言えたなら』……など、まだまだたくさんあります。
古内さんの歌には”切なさ””哀しさ””愛しさ”が詰まっていて大好きです。
『カサノバ』という曲は、ビルボードでのライブを見にいかせていただいたときに歌われた曲で、生で聴いてさらに好きになりました。
 
ーー 古内東子さんとは、もともと面識はあったのでしょうか?
 
今回の楽曲制作でお会いするのが初めてでした。
古内さんは、「失恋」とか「切ない片想い」などの繊細な曲を多く書かれているアーティストの方でしたので、私が勝手に、「もしかしたら少し難しい方なのかな……」とドキドキしながらお会いしましたが、実際にお会いしてみると、とても気さくで楽しい方でした。嬉しかったです。
 
ーー 歌詞や曲調など、古内東子さんに、なにかリクエストをされたのでしょうか?

曲を作るにあたって、私の思いを古内さんにお話させていただき、「これまでの私のイメージとかあまり考えずに、今この時の私の気持ちを、そのまま古内さんのスタイルで表現していただきたい」とお伝えしました。
 
ーー 最初、古内東子さんのデモでお聴きになられたかと思いますが、最初に聴いた時、どう思われましたか?
 
歌い出しから鳥肌が立つほど感動しました。とくに、いただいた歌詞の中に「ありがとう」という言葉が入っていたのがとても嬉しかったです。
 
ーー 古内さんが、「大切なものというテーマをいただいていた」とコメントされていましたが、そのテーマは、石原詢子さんご自身が提案されたものでしょうか?
 
直接、お会いした最初の打ち合わせのときに、私から「あなたがいてくれたから……」というキーワードをお伝えしました。「どんな人にも当てはまる大切な人へのメッセージを届けたい」と、お話しさせていただきました。
このコロナ禍でも、人のぬくもりや自分にとって大切なものをあらためて考え、感じた方も多いと思います。友達や恋人、家族、ペットなど、そんな身近にいる大切な存在に「ありがとう」の気持ちを伝えられるメッセージソングを歌いたいと思いました。
 
ーー 「♪小さな嘘重ねてひとり疲れて 見えない何かにつまずいてた」「♪今だから見えるものを 幸せと呼ぶのでしょう」「♪生きてきた足跡はすべて美しい あなたが見ていてくれるなら」など、シンプルな言葉ながら、メロディに乗った石原詢子さんの歌声で聴くと、ぐっと心に染みてくるフレーズが多いですが、この曲の歌詞の世界を、石原さんはどうイメージされているのでしょうか?
 
この歌は「ありがとう ただそばにいてくれて」、このフレーズに全てが詰まっていると思っています。
「あなたという存在にどれほど救われて、そのおかげで今の自分があるんだ」という気持ちが歌詞全体に表現されていると思います。今回この曲で改めて伝えることの大切さを感じた「ありがとう」という想いを込めて歌っていきたいと思います。
 
ーー 『ただそばにいてくれて』で、とくに、お気に入りの歌詞のフレーズを教えてください。
 
「♪今だから見えるものを幸せと呼ぶのでしょう 同じ時代歩いている ありがとう ただそばにいてくれて」の歌詞です。初めてこの歌詞を見た時、古内さんに初めてお会いした時にお話しした私の思いが伝わって共感していただけたんだなと、とても嬉しくなりました。
 
ーー 今回、アレンジはもちろん、ボーカルの音色やブレスの録り方、リバーブやディレイのかかり方などもポップス風で、これまでとは全く違いますが、最終的に出来上がった完パケを聴かれてどう感じましたか?
 
レコーディングでは歌詞をかみしめながら丁寧に思いを込めて歌いましたが、出来上がりを聴いてからは、もっともっと気持ちを込めて歌いたいという思いが溢れてきました。
これから、コンサートやテレビなどで何度も歌っていくことで、きっと『ただそばにいてくれて』という楽曲はこれからどんどん成長していくのだと思います。
この曲のテーマでもある「いつもそばにいてくれてありがとう」という思いが、たくさんの聴いてくださる方々に伝わるよう、気持ちを込めてこれから歌っていきたいと思っています。

古内東子とスタジオにて

■ これまでになく緊張したレコーディング
  〜 経験したことのないほど、細かく気を配りました …〜

ーー 代表曲の『みれん酒』や『ふたり傘』『しあわせの花』などメジャー調の「しあわせ演歌」、『三日月情話』『夕霧海峡』『桟橋』などのようなマイナー調の歌謡曲や演歌、結婚式でもよく歌われる『明日坂(詩吟「宝船」入り)』など、演歌・歌謡曲のほかにも、国安修二さんとの『何も始まらないなら』はロック調の歌謡曲、永井龍雲さんが提供したフォーク調の名曲『あまやどり』、ご自身で作詞をされたバラード『逢いたい、今すぐあなたに…。』はポップス調……といったように、これまでも、いろんなタイプの曲を歌われています。これまで歌われた、そういうポップス調のオリジナル曲と、今回の2曲は、歌ってみて何か違いがありましたか?
 
実は、『逢いたい、今すぐあなたに…。』の時も、レコーディングはかなり時間をかけましたが、今回は、これまで以上に、私にとってハードルの高いレコーディングでした。伝える言葉の数が多いこともあり、リズムやピッチ、アクセントなど、色々な点において、これまでのレコーディングでは経験したことのないほど、細かく気を配りました。私にとって、デビュー曲のレコーディングの時以来の緊張感でした……(笑)。
周りのスタッフもいつもと違う私の緊張ぶりに驚いていましたが、実は歌っている自分自身が「緊張している自分」に一番驚いていました……(笑)。
でも、いつも以上に集中して歌ったので、テイク数はそんなに多くはなかったと思います。
 
ーー 『ただそばにいてくれて』は、これまでの石原詢子さんの演歌や歌謡曲にはないような、音の飛び方や動きがあるメロディです。これまでもポップス調の曲は歌われていますが、ここまで音が動く曲は、カバー以外では初めてかと思います。具体的に、歌うのに苦労されたことや、難しかった箇所はありますか?
 
最初、とくに戸惑ったのは、1コーラス目と2コーラス目のメロディーが違っていて「あれ?何かがいつもと違う……」と。そのメロディーと歌詞が、身体に馴染むのに少し時間がかかりました。
これまでの私の曲は、基本的に、1~3コーラスまで決まったメロディーで、途中で変わることもありませんでした。少し戸惑いもありましたが、何度も歌って自分のものになってきたときに「歌の表現に決められたルールなんてないんだな」と気付かせていただきました。
 
ーー カバーと違い、オリジナル曲は見本となるような歌がありません。どう歌っても良いという自由がある分、難しいと思います。今回、『ただそばにいてくれて』を歌うにあたって、レコーディング前に何か準備したり、「こう歌おう」とイメージされたことはありますか?
 
私の場合、歌の世界観を入念に作ってレコーディングに臨むと、なんだか技術で固められた歌になってしまう気がして、レコーディング当日は、新鮮な気持ちで歌の世界観を伝えられるようにと、今まではあえてあまり歌い込んできませんでした。
でも、今回は、リズム、ピッチ、アクセントなど、様々な点において、これまでのレコーディングとは違いますので、実は、今までの中で一番練習した曲かもしれません……(笑)。
マイクの前で、私から「ありがとう」と伝えたい方たちを思い浮かべながら歌いました。
 
ーー 古内東子さんは、歌録りの時、どういうアドバイスをされたのでしょうか?
 
古内さんは、あまり多くはおっしゃりませんでしたが、印象に残っているのは、初めてスタジオで歌ってみたときに「素直な気持ちをそのままストレートに歌ってください」というアドバイスをいただいたことです。
 
ーー カップリング曲の『ひと粒』は、より古内東子さんらしい、静かに心に染みてくるような名バラードで、何度も聴きたくなるような歌です。とくに、Bメロのメロディーの動きや転調も、古内東子さんらしいですが、実際、歌うと難しいメロディーだと思います。歌録りで大変だったところはありますか?
 
レコーディングの時に、とくに大変だったことはこの曲の音域の広さですね。転調してからの高いメロディー部分には苦戦しました。ちょうど裏声になるかならないかの音程だったので、今回はあえて裏声を使って優しく表現することを心がけました。
 
ーー 『ひと粒』では、Aメロの語るような歌唱で言葉が伝わってきます。サビの「恋をする心の花」でも、張り過ぎず、おさえたような歌い方が魅力的です。また、2コーラス目の「褪せて見えてしまう」が、すごく耳に残ります。この曲で、歌録りの時に、とくに気をつけたことや箇所はありますか?
 
あえて詞の世界を歌い込み過ぎないように気をつけました。歌詞がとても素敵で、「これぞ古内東子さんの世界!」という曲です。繊細で切ない恋心を、気持ちが入り過ぎてしまって重くならないように、あえてサラリと歌うように心がけました。

ーー 石原詢子さんは、明るい響きの歌声で、輪郭がはっきりしているのに柔らかく優しい響きで、言葉が伝わる歌唱が魅力的です。ご自身で、いつも、歌う時に気をつけていることは何かありますか?
 
「響き」ですか。ありがとうございます!
今まで意識的にやっていたことではありませんでしたが、そう言っていただけるととても嬉しいです。
歌う時には、どんな歌でも歌詞を届けることが大切だと思っています。歌詞がハッキリ聞こえるように歌うということはいつも心がけけています。
私の声の響きが良いと感じでいただけるのならば、それは、幼いころから習っていた詩吟で自然に身についていったものなのかもしれません。
 
ーー 歌には、性格がよく出ると思います。一般的に、石原詢子さんは、明るく、おだやかで、やさしい方という印象かと思いますが、ご自身では、どう思われますか?
 
え〜〜〜っ、それは良く見られ過ぎです(笑)
明るい性格だとは思いますが、せっかちで負けず嫌いで、性格は男の人みたいだとスタッフにもよく言われます……(笑)。

レコーディングスタジオにて

■ デビュー34年目、石原詢子の「これまで」と「これから」
  〜 もっといろんなジャンルの歌を歌っていきたいです … 〜

ーー 石原詢子さんは、岐阜県揖斐郡池田町のご出身。お父さんが詩吟「揖水流(いすいりゅう)」の家元で、ご自身も4歳から詩吟を始め、12歳で師範代となられていますが、小さい頃から、詩吟は好きだったのでしょうか?
 
幼い頃、私は父のことが大好きで、そばにいられるだけで嬉しかったんだと思います。その頃が詩吟を吟じていて一番楽しかった頃だったとも思います。
その後は、毎日厳しいお稽古が長時間あって、「辛いなぁ」と感じたこともたくさんありましたが、今となっては、詩吟は歌手・石原詢子にとっての土台となっていますので、父には心から感謝しています。
 
ーー 小学生の時、テレビで『津軽海峡冬景色』を歌う石川さゆりさんを見たことがきっかけで「演歌歌手になりたい」と思い、歌手を目指すようになられたそうですが、そのころ、他に好きだった曲や歌手を教えてください。
 
10歳の頃は、やはりピンクレディーさんの振り真似をしたり、キャンディーズさんの歌はほとんど歌えていましたね。また、兄の影響で、沢田研二さんや高田みづえさん、松山千春さん、中島みゆきさんなど、フォークソングも大好きでよく聴いていました。
 
ーー 昨年、2020年には、ベイビー・ブーさんとリモートで松田聖子さんの『赤いスイートピー』を歌われていますが、中高校生のころやデビュー前に、好きでよく聴いていた曲や歌手を教えてください。
 
もちろん、松田聖子さんの歌はほとんど歌えます……(笑)。コンサートにも何度か行かせていただきました。
同じく、中森明菜さんの曲も大好きで、今でもテレビから流れてくると一緒に歌ってしまいます!
あと、浜田省吾さんの歌も、兄の影響で特によく聴いていました。これまでもコンサートをやられる際にはスケジュールがあえば必ず足を運んでいますし、ドライブをする時の BGM の中には、必ず浜田省吾さんの曲が入っています。
 
ーー 「2年間やってダメだったら帰る」という父との約束のもと、高校を卒業すると同時に、歌手を目指して岐阜県から上京されています。新聞販売店に住み込みながらバイトを掛け持ちし、歌のレッスンに通っている中で、デビューのきっかけを掴まれたそうですが、どういう経緯だったのでしょうか?
 
上京して歌のレッスンに通っていた時に、当時の CBSソニーのプロデューサーさんがいらしていて、偶然にもその方も岐阜に縁があるということでお話していたら「一度スタジオで歌ってみないか?」と声をかけていただきました。
その後、スタジオで歌わせていただくことになったときに、CBSソニーのディレクターと、最初の事務所のスリースタープロの専務さんが見に来られ、とても緊張しながらマイクの前で歌ったのを覚えています。
そして、その場で、事務所とレコード会社に所属できることが決まりました。驚きと喜びとで夢のようでした。
 
ーー トントン拍子で決まったのですね。デビューが決まったことを、歌手になることを猛反対されていたお父さんにご報告された時には、なんと言われたのでしょうか?
 
「よく頑張ったな」と褒めてくれましたが、同時に「これからがもっと大変だぞ、初心を忘れないで謙虚に頑張りなさい」と応援してくれました。あんなに反対していた父のそんな言葉に驚きました。
デビュー曲『ホレました』が発売される日も、レコード店へ開店の2時間前から行き、とても楽しみにしてくれていたことを後から母に聞き、本当に嬉しかったのを覚えています。
 
ーー そして、上京して 2年足らずの 1988年に、シングル『ホレました』で CBSソニー(現.ソニーミュージック)から歌手デビュー。「演歌のアイドル(演ドル)誕生」というキャッチフレーズで、「元祖 演ドル」とも言われていますが、デビューされた時には、どんなお気持ちだったのでしょうか?
 
デビュー曲の『ホレました』は、ポップス演歌でしたが、正直、私はコブシがコロコロ入った演歌が歌いたかった気持ちもありました。でも、デビューしてからは、お客様の前でこの歌を歌えることの「幸せ、喜び」は、何物にも代え難いなと思ったのを覚えています。今でも私にとって初心を思い出せる大切な1曲です。
 
ーー 演歌歌手の多くは、作曲家の先生の弟子だったりしますが、石原詢子さんの場合、のちに、二葉百合子さんや、市川昭介さんに師事されていますが、デビュー当時は、とくに、特定の作家さんの弟子ではなかったのでしょうか?
 
はい、とくには、いらっしゃいませんでした。
 
ーー 珍しいパターンですが、逆に、特定の作家に縛られず、自由にいろんな方の作品を歌うことができますね。そして、デビュー後、6〜7年は思うように売れず、辞めようと思われたこともあったそうですが、1994年の7枚目のシングル『三日月情話』が、ターニングポイントになりました。「♪逢いたいよ 逢いたいよ カモメになって迎えに来てよ」が耳に残るいい歌です。
 
『三日月情話』は、日本作詩大賞の優秀作品賞を頂きました。
それまでは、賞をいただいたことがなかったので、多くの皆さんに石原詢子を知っていただき、この曲をお届けすることができたということがとても励みになりました。
ひたむきにコツコツと頑張っていれば、必ず良いことはあるんだと思えましたね。
 
ーー そして、『三日月情話』に続く、1995年の8枚目のシングル『夕霧海峡』がヒットしました。デビューから、毎回「もうダメかもしれない、やっていけないかもしれない…」と思われていた中で、「この歌がダメだったたら潔く諦めよう」と思っていた曲だとお聞きしました。しかも、8月2日の発売日の1週間前にお母さんが亡くなり、発売日の 1週間後にはお父さんが亡くなられています。激動とも言えるこの頃は、どんな気持ちで、日々、歌われていたのでしょうか?
 
『夕霧海峡』の発売後は、お休みもないくらい毎日キャンペーンで全国を回る日々でした。忙しかったことで淋しさを紛らわすこともできましたし、両親のいない故郷には「もう帰れる場所はないんだ」と……、あらためて「この曲で頑張るしかない」と自分自身を奮い立たせました。
 
ーー 『夕霧海峡』は、ご両親が最後に聴いてくれた曲でもあり、「もう私には帰るところがない、何がなんでもヒットさせたい」と思って仕事に没頭され、1年半以上かけてキャンペーンで全国を回った結果のヒットでした。そのころ、「売れてきたな」という実感はありましたか?
 
キャンペーンの後で即売をする際に、これまでは遠巻きに見てくれていた方々が、徐々に近くに集まってくださり、その人数がどんどん増えてきた時に「たくさんの方にこの曲を届けられているな」と実感できて、とても嬉しかったです。

ーー 『三日月情話』『夕霧海峡』の後、『桟橋』『手鏡』とリリースされ、1997年には NHK『どんとこい民謡』の司会に、1998年には NHK『コメディーお江戸でござる』の準レギュラーになるなど、テレビ出演も増えていきました。『コメディーお江戸でござる』の歌謡コーナーでは、番組オリジナル・ソングとして『人恋しぐれ』なども歌われました。
そして、1999年には、12枚目のシングル『みれん酒』がヒット。ロングセールスとなり、翌2000年の「NHK紅白歌合戦」に初出場され、2003年の『ふたり傘』でも「NHK紅白歌合戦」に出場されています。
その後も、『明日坂(詩吟「宝船」入り)』『あまやどり』『淡墨桜』『ひとり日本海』や、ご自身で作詞をされたバラード『逢いたい、今すぐあなたに…。』(いとう冨士子 名義)、市川昭介さんの遺作『しあわせの花』、そして、「日本作詩大賞」新人賞受賞作の前作『ひとり酔いたくて』などなど、いい歌がたくさんあります。全ての曲に、それぞれ1曲1曲、思い出があるかとは思いますが、あえて、「とくに思い入れのある曲 ベスト5」を教えてください。
 
『ホレました』は、やはりデビュー曲ですので、私にとって、石原詢子のスタートとなる大切な一曲です。
『桟橋』、この歌の世界観がとても好きな曲です。自分の曲で一番好きな曲は?と聞かれたら迷わず選びますね。
『みれん酒』は、私の人生を大きく変えてくれた一曲です。この曲で紅白歌合戦にも初出場させて頂きました。
『逢いたい、今すぐあなたに…。』、今では会えない大切な人のことを思い、私自身が作詞した初めてのシングル曲です。
『ただそばにいてくれて』、きっと私の歌手人生を大きく変えてくれる曲だから。石原詢子の新しい一面をお見せできるよう頑張ります!
 
ーー デビューされてから34年目に入られ、今回のシングル『ただそばにいてくれて』がオリジナルシングルとしては40作目となります。これまでの歌手生活の中で、とくに印象的な出来事、嬉しかったことと、辛かったことを教えてください。
 
難しい質問ですね…。
数え切れないほどに思い出はあるのですが、やはり嬉しかったことは紅白歌合戦に初出場できた時です。
辛かったことは両親との別れです。
 
ーー これまで、ずっと「若手」というような見られ方をされていたかと思いますが、最近は、後輩歌手も増えました。一方、先輩には、石川さゆりさんをはじめ、大御所の方々もたくさんいらっしゃいます。その間に挟まれて、テレビなどでは、時に「若手」にも「ベテラン」にも入れられてしまうような、難しい時期のようにも思います。
 
あまり自分では意識して考えたことはありません。
長い間お世話になっている先輩方とのお仕事はもちろん、新しく若い歌手のみなさんと一緒にお仕事させていただくことはいつも刺激になって楽しいです。
私がデビュー当時、島倉千代子先輩にとてもかわいがっていただいたように、私も後輩たちに素敵な先輩だと慕われるようなそんな存在でいられたらなと思います。
 
ーー 昨年、2020年10月21日の33周年となるデビュー記念日には、生配信ライブをやられていますが、配信ライブをやってみてどうでしたか?

目の前にお客様がいなくて、テレビとも違いますし、やる前は「どんな感じになるのだろう?」と想像がつかなかったのですが、ライブ中リアルタイムにコメントがどんどん届いて、私も答えることができました。
ファンのみなさまと久しぶりにコミュニケーションがとれたことが何よりも嬉しかったです。こういう企画は今後も続けていきたいです! 早く生でみなさまとお会いできる機会を作れるといいですね。
 
ーー ところで、最近、自宅や移動時間などでは、どんな音楽を聴いていらっしゃいますか?
 
私は、よく朝のウォーキングをしています。その時に、私の好きなアメリカのカントリーミュージシャンの Alan Jackson(アラン・ジャクソン)さんの歌をよく聴いています。彼の歌を聞くとテンションが上がって1日元気で過ごせます。海外にまで彼のコンサートを見に行くほど大好きです。
家では JUJU さんや AI さん、MISIA さんなども大好きでよく聴きますよ。
 
ーー 古内東子さんの他に、楽曲提供をお願いしたい作家やシンガーソングライターがいれば教えてください。
 
今はまだそこまで考えられていませんが、「古内東子さんの世界」は、もっともっと知りたいですね。
 
ーー 今後、「こういう歌が歌いたい」というイメージがあれば教えてください。
 
たとえば、子育てや仕事で日々生活が忙しくて「恋する気持ち」を忘れてしまった同世代の方もいると思います。そんな方たちの心がドキッとするような、懐かしさや温かさ、優しさを感じさせるようなラブソングを歌ってみたいです。
 
ーー まだまだコロナ禍の影響が続いていますが、今年は、どういう1年にしていきたいとお考えですか?
 
このコロナ禍で今後の見通しが立ちにくいところではありますが、これからもできるだけ SNS で 情報を発信して、みなさまに、もっと今の石原詢子を知っていただけるように頑張りたいです。そして『ただそばにいてくれて』が多くの方々の耳に届きますように、心を込めて大切に歌っていきます。
 
ーー 今後、歌手・石原詢子として、どういうふうになっていきたいと思いますか?
 
この曲をきっかけに、これからは、もっといろんなジャンルの歌を歌っていきたいです。
ここから先は、「今やれること」「今しかできないこと」を大切にして、5年、10年先に、もっと進化した石原詢子をお見せできるよう、何にでも前向きにチャレンジしていきたいと思います。
 
ーー 最後に、読者へのメッセージをお願いします。
 
いつも温かい応援をいただきありがとうございます。
コロナ禍で大変な状況ではありますが、必ず明日という日はやってきて、必ず誰かがそばにいてくれます。
そんな当たり前のことに素直に「ありがとう」と伝えられる、私はそんな自分でありたいと思っています。
『ただそばにいてくれて』は、大切な人に「ありがとう」を伝えられるメッセージソングです。
この歌を通して、みなさまにとっての大切な人に「ありがとう」を届けていただけたら嬉しいです。
 
(2021年4月)



読者プレゼント

石原詢子 直筆サイン色紙を3名様にプレゼント!

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締め切りは、2021年 6月7日 (月) まで!

ソニーミュージックダイレクト様のご好意で、3名様になりました!

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石原詢子 YouTube 本文中に登場した楽曲


石原詢子「ホレました」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「桟橋」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「三日月情話」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「夕霧海峡」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「みれん酒」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「ふたり傘」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「明日坂(詩吟「宝船」入り)」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子&国安修二「何も始まらないなら」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「あまやどり」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子「逢いたい、今すぐあなたに…。」ミュージックビデオ(1コーラス)

石原詢子 『ひとり酔いたくて』1コーラス

元祖ENDOL 石原詢子 vs. 人間JUKEBOX ベイビー・ブー「赤いスイートピー」